怪魚、続々登場……灼熱のジャングル地獄、7年ぶりのパプア遠征記(後編&香港編)

前編」「中編」の続きになります!

……釣り3日目の夜中、風が吹き始めて涼しくなったと思ったら、案の定スコール。

朝には雨が止んでいたが釣りにどう影響するか……。

時間なっても朝飯係りが一向に来ない。

苛立つ気持ちはあるが、文句を言っても先に進まないので自分で用意する事に。

インスタントラーメンを作らせたら日本人の右に出るものはいない!

現地人の中にはミーゴレン(焼きそば)を汁ありで作ったりするからね!笑

袋にミーゴレンって書いてあるがたぶん読んでない!笑

最初こそ見知らぬ外国人に警戒されていたが、いつの間にか打ち解けて子供達の溜まり場になっていた!笑

ようやく釣り出発し、ポイントに到着すると不安が的中。

明らか水が濁っている……。

どうやら川の上流エリアでも大雨が降ったらしい。

絶望的な状況だが、とりあえずキャストを続けるしかない。

だが全くアタリがない……。

昨日までパプアバスが連発していたのが嘘のようだ。

自然には抗えないので仕方ない。

あまりの魚の釣れなさと暑さに狂った友人がマンディ(水浴び)をしはじめる。

「一応言っとくけど、ワニいるぜ!」

しかも世界最大種、人喰い報告の最も多いイリエワニ!笑

……夕マズメに入り、僅かだが濁りが薄まった。

これは期待できるかも?

諦めずにキャストを続けていた友人に遂にこの日初ヒット!

ランディングを手伝い、キャストを再開した1投目に自分もヒット!

友人とパプアンバスのダブルヒット!

この日は濁りで苦しんでいただけにお互い嬉しい一匹。

とりあえず坊主は逃れた!笑

最後に村の近くのポイントを撃ってみる事に。

倒木の間にロングキャストを決めるも、僅かにラインが倒木に引っかかってしまった。

ロッドを煽ってラインを外しているとステイさせていたペンシルに何かがバイト!笑

ミラクルヒットしたのはバラマンディ。

これぞ虫パターン?笑

その後友人のバンニェイロにメッキがヒット!

この1匹を最後に、納竿。

……帰り際に綺麗な夕日を見つめながら、3日間を振り返る。

「また戻ってこよう!」

夕日に誓って、村での釣りは幕を閉じた。

街へ帰る日の朝。

長く滞在した村を離れるのも少し名残惜しい。

最後に村の子供達と戯れる。

次会う時は見違えるくらい成長してるんだろうな……。

パプアンガールとも記念写真。

次会う時は一段と逞しくなっている事だろう!笑

毎日遊んでいた犬の“ガタル”も寂しそうにお見送りにきてくれた。

ちなみにインドネシア語でガタルは“かゆい”って意味ね!笑

何でその名前にしたん?笑

いつの間にか自分達の船に知らない村人がわんさか乗船。

しかも金払ってボート雇っている俺たちの位置が一番海水被るっていうね!笑

そしてもちろん最後にお礼もなく降りていく……。

海外で旅をしているとこういう苛立つ事があるが、いちいち怒っていても仕方がない。

日本の常識は世界の非常識

「またネタが出来たな!」くらいプラスのマインドでいないと、せっかくの旅が楽しくなくなるからね。

俺たちの釣りはまだまだ終わらない!

今度は街に戻ってアーバンフィッシング楽しむことに。

ガブス(移入ライギョ)がいるという街中の池で釣りをしてみる。

現地人が温かく見守る!笑

現地購入のミニフロッグ(模様のセンスにローカルセンスが出てていいね!)で水草周りを探るも反応なし。

ベイトではちょっと難しいサイズ感のルアーをカバー周りで使うには、「MX-7S」が重宝する。

とはいえ、ガブスと言えど甘くないか……。

現地人がミミズを分けてくれたので餌釣りで小物を狙う事に。

するとすぐ浮きに反応が!

MX-1」で釣り上げたティラピア。

アフリカ原産の外来種だが定着が進み、東南アジアではポピュラーな魚となっている。

日本でも沖縄とか温水地域で繁殖していて、パンやルアーで狙う事ができる。

釣りを続けたいところだが、ここでタイムアップ!

空港に戻りがてら昼食をとることに。

パプア(インドネシア領・ニューギニア島西部)名物のパペタ。

サゴ椰子から作られていてわらび餅みたいな感じ。

インドネシアは地域ごとに食文化が多様なので、それを巡るのも楽しみの一つ。

目的が“釣りだけ”だと、釣れないと“失敗”で終わってしまうしね!笑

好奇心の幅を釣り以外まで広げておけば、“旅”に“失敗”なんてない。

空港に着くと面白いタクシーのおっちゃんにリアクションバイト!笑

“割増“ってぼったくる気満々じゃないか!笑

帰りじゃなかったら乗ってみたかった!笑

途中の乗り継ぎで大幅に遅延するアクシデント!

帰国便が次の日で良かった……。

無事ジャカルタに戻り、長旅を共にした友人とも空港でお別れ。

最後に灼熱地獄でやりきった勲章(日焼け)をパシャリ!

帰国したら会う人会う人に「黒くね?」って当然言われたよね!笑

乗り継ぎ便で時間があるため香港を散策する事に。

何気に中国に来るのは今回が初めて。

近いから「いつでも来れるでしょ?」と来るのが後回しになっていた。

やはり香港は映画通りの都会だが、裏路地に入ると汚らしさも残っていて、それがまた良い味を出している。

お腹空いていたので見つけた麺料理屋に入ってみる。

こういうローカル感があるお店の雰囲気に胸が踊る。

ワンタン麺とミルクティーを頼んだがどちらも絶品だった!

香港と言えば前から狙ってみたい魚がいた。

それはドブ川に潜む大型ナマズ “アフリカンクララ”だ。

しかし、インドネシアから出国の飛行機は釣り竿を機内に持ち込めず、トランジットでは預け荷物の取り出しも出来ない。

時間もあまりないし今回は大人しく釣りを諦めるしか…なんて事にはならない。

おう、オレは田山!あきらめの悪い男!

あきらめたらそこで試合終了ですよ?笑

釣具屋の開店と同時に駆け込み、安い振り出しロッドを購入。

マップで目星を付けたポイントに急いで向かう。

香港は電車やバスの交通網が発達しているので移動が便利。

道中見つけた魚市場も散策。

釣り人にとって海外の魚市場はディズニーランドのようなもの!笑

日本ではペットショップくらいでしか見ないカエルも食用として普通に売られている。

向こうではポピュラーなコクレンやライギョ(タイワンドジョウ)に加え、コウタイの姿も。

タイリクスズキも発見!

預け荷物をピックアップできたら夜釣りで狙いたかったのだが……泣

少々寄り道をしたが目的の釣り場に到着。

ドブ川ではあるが予想していたよりは全然マシ。

東南アジアで、ガチで水が腐った漆黒のドブ川を見慣れているからね!笑

釣り人はもちろん自分以外いない。

汚いし食えない魚を狙う人なんて相当な物好きくらいだからね!笑

ちらほらティラピアはいるがアフリカンクララの姿はない。

「そんな簡単じゃないか……」と半ば諦めつつ歩き続けると、長い何かが蠢くのが見えた。

「アフリカンクララだ!しかもデカい!」

1mを越す魚体に思わず叫んでしまった!笑

しかも何匹もいる!

こんな狭いドブ川にデカい魚がいるという違和感!

まさに怪魚!

これは勝ったろう……と思ったが、そんなに甘くはなかった。

見えてはいるが中々口を使わず、時間だけが過ぎていく。

見える個体を諦め、深場に狙いを変更。

バイブレーションをリフト&フォールさせていると、遂にロッドが絞り込まれた!

大型のナマズだけあってトルクのある良い引きを見せる。

フックが伸びないよう丁寧にファイトし、無事ランディング成功。

スレ掛かりだったが、1m級のアフリカンクララを釣り上げた。

マナマズとオオウナギを足したようなフォルム。

ティラピア同様アフリカ原産の魚で食用として香港に持ち込まれたが、逃げ出して繁殖してしまったらしい。

本来美味しい魚ではあると思うが、こんなドブ川の魚は臭くて誰も食べないから減らないよな……。

今度こそ口で食わせたいところだが飛行機までの時間がない!

泣く泣く釣りを終えて駅まで全力ダッシュ。

いつもギリギリで生きている!笑

何とか無事日本行きの飛行機に乗り込む事ができた!笑

さてさて。

今回、2023末から2024年始にかけての年末年始休暇を利用した、かなり行き当たりばったりの旅だったが、釣り自体はかなり楽しめたのではないだろうか。

海から淡水まで、昼のルアー釣りから夜のエサ釣りまで。

魚種もテッポウウオのような珍魚(小魚)から、バラ、パプアンのような怪魚(巨大魚)まで……次々立ち上がる想定外の状況に、ディアモンスターシリーズの強み(タフネス&互換性)を活かしてで対応することができた。

痒い所に手が届くレングス、スペックで、ハンターズ「HT-6×4S」も“BackPacker”のサブネームに恥じないアシストをしてくれた。

インドネシアのモバイルロッド事情(機内に持ち込めない)も情報をアップデートできたことは第10確、結果、香港での乗り換え待ちにモンキスロッドを使えなかった悔しさも、今後の製品開発に活かされる(少なくとも小塚さんは既に何か考えてる笑)と思う。

バンニェイロ」を引きちぎっていったモンスター級のパプアン、口を使わせられなかったアフリカクララと、多少宿題を残してしまったものの、また訪問する良いキッカケとなるだろう……。

社会人になり遠征に費やせる時間が短くなった分、時間を武器にした開拓系の釣りの難易度は上がったが、スタンスはそのままに、久しぶりに刺激的で濃い時間を過ごせたと思う。

世界はもちろん、日本にもまだまだ狙ってみたい魚達がいる。

2024年も相変わらず忙しい年になりそうだ。

ではまた!

<関連ページ・レポート>

関東地方在住。大学時代に訪れたタイの釣り堀りをきっかけに海外釣行に開眼。卒業後「働き出したら出来ない釣りと冒険をしよう!」と就職を3年遅らせ、南米、東南アジアをバックパッカーとして釣り歩く。資金捻出にインドネシアで半年間働いた際、現地言語を習得。以後、語学力を武器にジャングルの最奥部まで入り込む様は、名は体を表す“ターザン”(田山)のそれ。自称“華より泥が似合う、茶色系マルチアングラー”として、魚種問わず国内外を駆け巡る。