「LUZ-AZUL」で徳島・広島遠征。イカ型ルアー「KitoKito 75」で“マダイプラッギング”&青物。

こんにちは、富山の”キトキトハンター”、川合です!

前回、前々回は「前編」と「後編」に分けて、「Shinkirow LUZ-AZUL 76/82MLS」による地元・富山の春の釣りをレポートさせていただきました。

今回は上2回のレポートの端境期、5月の大型連休を利用して行った西日本遠征をレポートさせていただきます!

ロッドはライト〜ミドルゲームまでを幅広く対応するMLパワーの「LUZ-AZUL 76/82MLS」(以下、適宜ルズアズール)と、全体のパワー感が一段上のMパワーである「KEARSHI 72/77MS」(以下、適宜ケアラシ)の2本を用意しました。

地元同様、2024年の自分は、遠征先でもイカ型ルアー縛り、事実上「キトキト75」1本勝負であることに変わりありません(笑)

自分が知る限り、富山でもイカ型ルアーを通年通して使い込んでいるアングラーは目にしたことがありません。

他地域では、言わずもがな。

個人的にはイカ型のルアーに、地域性や季節性を超えた可能性を感じており、イカ類のマッチ・ザ・ベイトに止まらない、まだまだ発展途上のルアーとして、遠征での検証を楽しみにしていました。

昨年2023年の大阪湾では、「LUZ-AZUL 76/82MLS」のテストに際し、キビレやチヌなどタイ類に対し、各種イカ型ルアーでとても良い反応を得られたため、今年2024年は更に西走して自身初フィールドとなる徳島と広島をハシゴする計画を立てました(上写真は翌2024年「キトキト75」による釣果で、イメージ画像です)。

今回の遠征は、意識的に、現地の友人や先輩にポイントの案内をお願いしました。

最初の目的地である徳島では、長年モンキスロッド(主に「MX-7S」)を愛用されている先輩と合流。

僕のボックスを見て、「え、このルアー(キトキト75)だけでやるつもり!?」と驚く先輩。

とはいえ、そこはモンキス製品を愛用するアングラー。

「○○じゃなきゃ釣れないよ」といった釣果や固定観念に縛られることなく、むしろ面白がっていただきました。

■TACKLE DATA
ROD:「LUZ-AZUL 76/82MLS
REEL:TWIN POWER 2500HGS
LINE:PE0.6号
READER:フロロカーボン2号
LURE:「KitoKito 75

先輩曰く、徳島・鳴門海域において、富山のホタルイカパターンのような、ショアからのイカパターンは存在していないこと。

「釣りたい」よりも「試したい」気持ちの方が遥かに強く、ある意味、釣れて当たり前と言えるマッチ・ザ・ベイトではない点は、むしろ望むところ。

潮の影響を受けづらく干満差のほとんどない北陸とは異なり、太平洋側、徳島周辺海域の干満差は最大1.5m前後と、潮が大きく動く。

潮の流れがとてつもなく早い、いわゆる激流ポイントでの釣り。

沖の本流筋の流れにルアーを乗せてじっくり流すと、自分の「キトキト75」にモゾモゾっとしたショートバイト。

かなりの重量感のある引き……徳島初フィッシュは、遠征の最終目標と考えていたマダイでした!

ロッドは、「LUZ-AZUL 76/82MLS」の82ロングモード。

76ショートモードは操作性重視ですが、8インチ(20cm)のエクステンションシャフトを追加すると、レングスだけでなく竿自体のパワー感も1段階上がります。

事情がわからない初めて訪れるフィールド、遠征では、まずは82ロングモードのセッティングが安心です!

ライトゲームはもちろん、シーバスやタイ類まで視野に入れて開発してあるので、このマダイも危なげなく寄せてこれました。

サイズはやや小型でしたが、個人的には、後にキャッチする事となる前回レポートした80アップの大鯛よりも嬉しい1匹でした。

お世話になった先輩にお礼を言って、次なる目的地の広島へ。



広島ではなっつテスターと合流、情報交換しつつ、瀬戸内に関する最新の釣り事情を地元釣具でも聞き込み。

徳島同様、広島でも地元アングラーに案内してもらって釣り場へ。

遠征先で自分でポイントを探す場合、無意識的に、過去の(=地元の)実績ポイントと同じような環境を探します(よね?)

ある意味、そこで「キトキト75」が釣れるのは当然。

将来的な発売を見据え、この遠征に求めたのは、アウェイ(僕の固定観念の外)での検証。

イメージ通りの瀬戸内のメバル釣り、常夜灯の効いたポイントに案内してもらいました。

サイズ狙いを目的とした富山では、光よりも潮や水深でポイントを選びがちですが、さてさて……。

岸壁の明暗と沖の流れについた魚を、「キトキト75」でデッドスローに誘ってあげると素直にバイト!

20cmを少し超えるメバル、瀬戸内のこのエリア一帯では充分に良型とのこと。

僕にとっては富山の尺オーバーにも相当する、嬉しい一尾になりました!

「なぜわざわざ(ポテンシャルの高い)富山から?」「今時期、富山の方が大きいメバル釣れるでしょ?」……この遠征中、いろんな方から言われましたが笑、ルアーを作ることで、僕自身の視野が広がったのかなと思います。

狙い方としては、手前の流れや明暗を狙うことが多く、北陸のように飛距離は必要ありませんでしたが、足場の高いポイントが多かったという理由で、「LUZ-AZUL 76/82MLS」の82ロングモードが活きる場面が多かったです。

なお、広島ではメバルには小型プラグ(30~50mm前後)が主流で、ロッドはやはり、広島在住のなっつテスターがテストした「SOGAINY 64/610LS」が標準的。

アベレージサイズが小さいことや、飛距離が必要無いことから、小型プラグ(30~50mm)が最適解……そんな環境で「キトキト75」 は、どんな反応か?

「75mmはやや大きいかな?」と思いながら投じましたが、サイズは大きくも、アクションは究極的に「静」……結果、見つけやすくも、食うことをためらわない、そんな印象を強く受けました。

むしろ小さなメバルが、嬉しかったです。

明暗のメバルゲームの後は、北陸ではなかなか成立しない、常夜灯周りのシーバスのサイトフィッシングにチャレンジ。

メバルを食わせた「静」特性に、入力パワーを大きくした「動」特性をミックスして、口を使わせていきます。

潮が効いていない状況では、友人の投げていた3g前後のマイクロプラグにしか反応がありませんでしたが、潮が流れ出してからはむしろ「キトキト75」がストロング、次々にヒット!

徳島のデイの釣りと同様、広島の水面まで高さがあるポイント、常夜灯下という状況による、完全に目で見えるサイトフィッシングは、短時間でしたが発見や学びが多かったです。

ルアーアクションによるヒットパターンを完全に掴めてからは、連発劇!

キトキト75」は、流れを押す時はi字アクション(富山での基本)、逆に流れを受ける時はオートマチックな”揺らぎアクション”

静と動のメリハリ……このルアーの両極性についてはいずれまとまった形で解説できればと思いますが、広島では特に後者「動」のアクション特性について、確信を深めることができました。

……友人とシーバスのサイトフィッシングを楽しんでいると、大型のシーバスと思われる巨大な魚影を確認。

目線を外さず、一点集中。

リアクション気味にアクションさせると、猛スピードで追ってきて本気バイト。

掛かった後はエラ洗いしない、とにかく走る……障害物をなんとかクリアし手前まで寄せてきてビックリ、まさかのサイトでナイト青物!

痩せ気味ではありますが、富山の呼び名で言う”ガンド”、5kgクラス。

キトキト75」が随分小さく見えました(笑)

LUZ-AZUL 76/82MLS」はデカメバルを軸に設計した結果、チヌやシーバスのような不意の大物にも対応できるパワーを有し……と度々紹介してきましたが、このサイズの青物は想定外。

流石にこの魚は、瀬戸内の標準的なメバルルアー(フックサイズ)やそれに合ったロッドでは難しかったかな〜と思います。

結局、朝日が昇るまで釣り続け……以上、ガンドをハイライトに、僕の2024年の西日本遠征は幕を閉じました。

自分の釣果ではありませんが、同行してくれた釣友は、重めのジグヘッド+ワームという、いわゆる“ミドルゲーム”に「KEARSHI 72/77MS」に使って、本命のマダイをGET。

当然、僕も「キトキト75」で狙いましたが、広島では無念のタイムアップ。

とはいえ、徳島・広島の先鋭的アングラー達と情報交換ができ、まだまだ黎明期の“マダイプラッキング”の可能性を強く感じる西日本遠征でした。

「『キトキト75』は、けして富山の、ホタルイカパターン限定・専用ルアーじゃない!」

達成感半分、悔しさ半分、多くの学びを得て、もっと大きな可能性を感じ……富山へと帰った1ヶ月後、80オーバーの“ショアレッド”に繋がりました。

今後も、2024年はイカ型ルアー縛りを継続し、固定観念にとらわれる事なく経験を積み重ねていきたいと思っています!

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1996年、富山生まれ。小学2年生で釣りを始める。程なくルアーフィッシングに目覚め、国内外に視野を拡大。19歳の時、職場での事故で右手を大怪我。利き手でロッド操作ができなくなるハンディを背負うが、釣りへの情熱を失うことなく、むしろ”労災怪魚ハンター”と開き直って、繰り返される手術の合間に世界を釣り歩いた。社会復帰後はほぼ毎日、「HUNTERS」を手に地元の海に”キトキト”の(旬の)魚を追いかけながら、遠征ペースも落とさない釣りジャンキー。 2022年現在、海外だけで計10回、9か国に釣行。好きな怪魚はラテス属(アカメ属)。