フィールドテスターの池尻です。
いよいよ今春、モンスターキスのNEWシリーズ「Shinkirow」が発売となります!
そのラインナップの中で、アジングにも対応できる最も軽く繊細なモデル「LIGHT-CRUISE 58/63ULS」の開発をお手伝いしました。
「怪魚ロッドメーカーが、今さらアジングロッド?」と思われても仕方がありません。
事実、釣具店を覗けば商品棚にはアジング専用ロッドがズラリ。
それらと数値だけのスペック勝負をしてもつまらないし、単なる“アジングロッド”としてコスパで大手メーカーと勝負しても無益(充分使えるグレードのアジングロッドをレングス違いで2本買えるくらいの価格になりそう)。
じゃあ、”モンスターキスだからこそ作れる”ロッドってなんだ!?
その答えが「LIGHT-CRUISE 58/63ULS」なのです!
大前提として、ガチのアジングロッドと考えて問題ないスペックであること
まずは、ロッドにも表記されている基本スペックから。
「LIGHT-CRUISE 58/63ULS」
Length : 5’8″-6’3″
Lure : Max 5g
Line : Max 4lb./PE 0.4
開発が始まったのは一昨年、2022年当時、もちろん市場にあるすべてのロッドに触れたわけではないのですが、自身のアジングスタイル(ジグヘッド1g以下&エステルライン使用)をストレスなくこなせ、しかも遠征に持って行けるモバイルロッドロッドは、少なくとも自分は見つけられませんでした。
いや、正確にはMorris Graphite Works×Monster Kissコラボの「Nude ND-53/510」(重量30g台)というブッ飛んだロッドは存在したのですが、ポイントや魚種もわからない初場所や離島へ持って行くには(運搬時の破損も含めて)怖すぎた……というのが正直なところ。
結局、普段のアジングは専用ロッドで、遠征先へはスペックに妥協しながらもライト系のモバイルロッドを持参、というULロッド2本体制に着地。
「なんだけど……やっぱり地元も遠征も、まとめて1本でやれないか!?」というのが、スタートでありゴールでもありました。
なので、まずは大前提として、1g前後のジグ単と極細PE(0.4号以下)、またはエステルラインを使ったアジングが、キッチリできること。
自重は5’8″モードで60g台、極端に軽いわけではないです。
軽さを追求すれば、モンキスの技術的には、それこそ先述のNUDEのように6ftで30g台なんて竿も作れなくはないですが、他社のアジングロッド(〜2pc)や、同等レングスのマルチピース・ライトロッド(アジングロッド、とは個人的には呼びたくない)と比較しても、重量的には合格点でしょ?
ティップは「Shinkirow」スピニングシリーズ中、唯一のカーボンソリッドティップを採用しています。
少し張りをもたせて物理的な感度を高めつつも潮流の変化やラインの重みを感じられる柔軟さは確保。
使用中、マルチピースロッドであることを忘れてしまうほどの一体感は自信アリ!
可変レングスでナニが変わる!?
「Shinkirow」スピニングシリーズの特徴であるエクステンションシャフトを用いた可変レングス機構、もちろんこの「LIGHT-CRUISE 58/63ULS」にも搭載しています。
初めに言っておきますと、ベストバランスは5’8″のショートモードでとっています!
ざっくり200g前後のリールであれば、手元に重心がくる設計。
ティップを下げても良し、上げても良し、なのです。
激戦区エリアの漁港で繊細なアプローチが必要だったり、表層マイクロベイトパターンなどは圧倒的にコチラがオススメ。
ですが。
そこに、有効長17.5cmのエクステンションシャフトを足すことで6’3″モードに。
これが、あと1インチ長いと先重りがきつく、バットガイドとの距離も離れすぎたりでよろしくありません。
“アジングロッド”として成立するギリギリのバランス、最長がココ!という感じ。
しかし、バット部分が延長されることによる効果は絶大です。
「違う竿か?」ってくらいのパワーアップ感!
そう、この「LIGHT-CRUISE」に関してだけいえば、長くなったというより強いロッドになった、“可変パワー構造”とでも呼んだ方がわかりやすいかもしれない。
2g以上のジグヘッドであれば、キャストも含めて、こちらがしっくりとくるはず。
もちろん、足元がテトラでショートロッドでは取り回しが難しい、なんて場面でも“可変レングス”文字通りの効果、長さそのものが必要な場面で活躍してくれます。
まさに、1本で2度おいしい?高性能な“アジングロッド”。
でも、それだけじゃないんです。
「LIGHT-CRUISE」はモバイルロッドだから!
“遠征対応”とは!?
そう、「LIGHT-CRUISE」は、モバイルロッドなんです(笑)
モバイルロッドだということは、普段は忘れてしまっていて構いません。
実際、地元・大阪(車での釣行)では特に意識せず、2pcロッド的に、移動時には2分割して使っていました。
が、せっかくの仕舞い寸法50cm以下、遠征に持っていかない手はありません。
「LIGHT-CRUISE 58/63ULS」の仕舞寸法は41cm、「Shinkirow」シリーズ最短仕舞寸。
それこそ仕舞寸40cm以下の“究極のモバイルロッド、”M“Z”シリーズ(「MZ-7」&「MZ-6S」)と合わせて携行するにも大きな不満はありません。
離島の夜、漁港で不意にヒットするギンガメアジ、日中のトラウトが渋くても……の北海道の常夜灯、まぁまぁいいサイズのクロソイなど、アジングロッドと言いながら、そんな思わぬ相手とも戦えるパワーも入れてしまえ!と欲張りました。
ある意味、軽さとパワーという相反する要素のバランスを探るのが、僕の主な(唯一の?)仕事だったかもしれません。
まずバットパワーですが、オフショアのテストでも良型クロダイやキジハタ相手にその強さをしっかりと確認!
ここに関してはマルチピースロッドの強みが活きた点でして。
「バットだけもっと強くしてください!」「あ、でも2番セクション(ベリー部)は10%やわらかくね」なんて、わがままな注文が、完璧に反映可能でした。
アジングロッドをベースにしながら、そのベリーからバットにかけて、上限だけを持ち上げたってワケです。
そうなると、必然的に太いラインが使えることも大切に。
普段の地元・関西圏のアジング(MAXが尺程度)であれば、リーダーはフロロカーボンの4~5ポンドといったところですが、大物の可能性がある遠征先や、アジはアジでもよりパワフルなメアジ(上写真)、他の大型魚も混じってかかる可能性が高い場所では、6~8ポンドまで使うこともあります。
キャスト時にこの太さのリーダーがストレスなく抜けてくれるガイド径とセッティングにも気を使いました。
ガイドセッティングに関しては細かい話になるので機会があれば別の機会に触れたいと思いますが、試行錯誤の結果、糸抜けが良くなり、軽量リグ使用時の飛距離も上がったように思います!
「Shinkirow」で知ってほしいライトゲームの可能性!
自身、とにかく多くの魚種を釣るのが好きなマルチアングラーでして。
釣り歴も40年、メダカからピラルクまで、さまざまな釣りを一周して感じたのは、アジングタックルで扱えるリグとメソッドは、最も多くの魚種と出会える武器ではないかなと。
出張先で、遠征先で、お目当てのオフショアが荒れて出られないとき……そんなシチュエーションで、ライトタックルを1本持って、わかりやすい絶対的ポイント、漁港の灯りを釣り巡ってみる。
だから、名前はライトクルーズ(LIGHT-CRUISE)!
初体験となるロッド開発にあたり、ここぞとばかりにマルチアングラーとしての魂を込めました。
これだけ多彩なシチュエーション、多彩な魚でテストしたウルトラライトロッドって他にある?
これぞ、モンスターキスだから作ることができた(作らせてくれた)唯一無二のULロッド「LIGHT-CRUISE 58/63ULS」。
世界で最もライトなネイティブ・キャスティングゲーム、“アジングロッド”を謳って恥じないクオリティで仕上がったと自負しています!
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