フルパワーゲームスペシャル「MGX-∞S」で挑むコモドの海(実釣後編)&more

怪魚ポエマーの古田です。

師走も終盤となりいよいよ今年を振り返る季節となりました。

皆さん今年はどんな1年でしたか?

だいぶご無沙汰となりましたが、コモドでの実釣を交えた今年の振り返りをレポートできればと思います。

以下、実釣前編の続きとなります

釣りを終えて宿に帰るのは毎日、陽が落ちてから・・・。

夜も賑やかなフィッシュマーケットには海外であることを実感させるカラフルな魚がたくさん並べられていました。

聞くところによると、漁師が海に潜ってスピアフィッシングで獲るんだとか。

翌日、ポイントに向かって船を走らせていると浅瀬の周りでベイトボールに遭遇。

GTに追い込まれたベイトが海面まで押し上げられ、時おり追われているのがわかります。

投げたルアーの着水に驚いて沈んだベイトの近くを丁寧に誘っていると、GTが「ザバッ!」と背中を出してバイト。

しっかり食っているのを冷静に確認しながらフッキングを決めると、浅瀬に突っ込むようにファーストダッシュを始めました。

ここで慌てて竿を立てるとラインテンションが抜けてバラしに繋がるため、ロッドは脇抱えで魚が首を振った分だけラインを巻き取ることで対応。

MGX-∞S」のロングティップバージョン(8フィート3インチモード)の程よい柔軟性は、しっかりと首振りに追従してバラシを軽減してくれるイメージです。

竿を立ててバットで魚の動きを封じながら、3分ほどのファイトで上がってきたのは20キロ弱ながらもいいコンディションのGT。

ぼくにとってはこの魚が旅の最大魚となりましたが、ロッドの性能を確かめられた嬉しい1匹でした。

今回、釣りができたのは4日間でしたが、海外とはいえポイントによってはノーバイトの日もありました。

日本よりも魚影が濃いとはいえ、ベイトの有無と潮の動きによって食う食わないがシビアな状況。

複雑に入り組んだ地形が潮の流れに変化を生み出し、河のような激流となるのがコモドの特徴でしたが、船長ゴリ推しのポッパーだけでは通用しない場面も……。

このようなポイントでは220mmのシンキングペンシルを投げている友人T君に好反応。

隣で見ている僕も、シンキングルアーの有効性を知るいい機会となりました。

写真の背景にご注目頂ければ、潮の速さが伝わるかと。

落ちたらたぶん死ぬ。

でも、魚を根に行かさないためにドラグを緩めるわけにはいかない。

学生時代のような行き当たりばったり旅ではなく、日本から事前手配しての旅行とはいえ、それなりにスリリングな場面もありました。

……せっかく海外にきたので少々、観光もすることに。

コモドといえばあの生き物……と、連れていかれたのは物騒なものが転がる掘立小屋。

どうやら、島を守るレンジャー隊員のベースキャンプのようです。

「この辺にいるから気をつけろ!」と言うツアーガイド。

ベースキャンプ周りを散策していると草陰から飛び出してきたのは、

世界最大のトカゲ、コモドドラゴン!

まんま恐竜のような見た目ですが、想像よりも大きいことにびっくり!

近くで見ると普通に怖かった笑

レンジャー隊員が捨てる生ごみをエサにするため、小屋の周りに何匹か住み着いているようです。

まぁ、そんなこんなで久しぶりの海外を満喫したわけです。

釣果の方は5人で4日間やって、42バイト13キャッチ。

しっかりと結果が出るのはさすが海外。

一方で日本はGTの北限だからなのか、狙えるサイズが大きいことを感じました。

ちなみに、最大魚は同行者がキャッチしたコモドサイズと呼ばれる堂々の40キロオーバー。

初GTがこのサイズは本当に羨ましい……と同時に、かかる魚のサイズは選べないからこそ、日常的な準備はしっかりと整えておかなければと気が引き締まりました。

と、ここまでが海外・コモド遠征のお話。

“Dear Monster”として、発売前に海外の空気を吸わせるという目的は達成できたものの、気になったのはまだサイズのいい魚をかけていないこと。

そんなときに、丁度いいタイミングで仲良くしているプロショップさんからお声がけ頂いて、薩南諸島へと向かいました。

そこは“北限のGT”と言われる巨大個体が(多くはないが)確実に息づくエリアで、浅いところは水深10mを切る岩礁帯を黒潮の激流が駆け抜ける国内屈指の難所。

ハイドラグで魚を止めなければいけない場面でも「MGX-∞S」はきっちり仕事をしてくれました。

本命ポイントに入って数流し目。

丁寧に動かしたダイペンにGTが全身飛び出してのバイト!

フルロックに近いドラグが引き出されますが、根に潜られればアウト。

MGX-∞S」を立てて、全力で止めにかかります。

魚と人間が全力で力比べをするこの瞬間がなによりも辛く、そして楽しい。

どんなサイズが掛かっても安定したファイトができるように、数がいる海外含め、これまで自分なりに経験を積み重ねてきました。

35キロの魚に対してファイトタイム3分弱なら、とりあえずは合格といったところでしょうか(ファイトだけでこの釣りを語れないことは承知の上で、一応の目安として。)

MGX-∞S」も高負荷に耐えられることを実証できて、とてもいい釣行になりました。

サブネームを“G.T Gorilla”と銘打たせていただいたこの竿。

元々、“GT”とは車の世界で“Grand Touring”(グランドツーリング)を意味する略語です。

少しは僕も憧れの“GTゴリラ”に、旅するパワーアングラーに近づけたでしょうか?

ちなみに現在、私が把握している限り「MGX-∞S」によるGT最大魚は、田山テスターがトカラで釣った推定45キロです。

思い返せば、初めてGTを釣ったのもこの場所。

悔しい経験があればこそ、始めた頃よりは少しだけ成長を実感できました。

来年はもっと上手くなって、同じ場所に立ちたいです。

■タックルデータ

ロッド:「Dear Monster MGX-∞S」(ロングティップ)

リール:ステラsw 14000XG (アースフィールドtune)

ライン:バリバスSMP10号

リーダー:ナイロン220lb

ルアー:240mmダイビングペンシル

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高校時代に小塚の著書「怪物狩り」を読み、それきっかけに大学進学後は南米アマゾンのジャングルや、アフリカの大地溝帯、果ては中東イスラム圏まで、計7ヵ国を旅する。学生時代の9回の釣り旅はすべて、行き当たりばったりの“旅的”スタイル(個人釣行)にこだわった。大学卒業後は一般企業に就職。ライフスタイルの変化に対応し、オフショアに目を向け、GTやヒラマサのキャスティングゲームに没頭。直感的に行動した結果、報われてこなかった半生を反省し、「感じるな、考えるんだ」と竿を振る。