運命的タイミング!? 「MGX-∞S」が火をつけた、ソルトビックゲームという爆弾。

マグロ、GT、ヒラマサ、カジキ……。

水面が爆発したかと思えば、まるで車を掛けたかのように猛スピードで走り回る海の皇帝達。

そんなソルトビッグゲームを代表する巨大魚を、一度は釣ってみたいと思ったことがある方は多いのではないだろうか?

かくいう私(ターザン)もその1人だった。

しかしオフショア、ましてやビッグゲームとなると敷居が高い。

ロッド、リール、ルアーと全てがこれまで経験してきた釣り、バスフィッシングの延長にあるスタイル(ベイトタックルでの淡水+アルファ)とは異なる。

動画を見るたびに、いつかは……いつかは……と夢見る日々が続いていた。

そんな中、同じくモンスターキスのスタッフである古田敦士テスター(以下、いつもの呼び方で「古田さん」)に出会った事が転機となる。

彼は学生時代にアフリカや南米、中東など海外の淡水域を釣り歩き、社会人になりお金以上に時間の制限ができた現在、オフショアのビッグゲームを中心に釣行を重ねる……いわば淡海両方の旅の魅力語れる、稀有なるマルチアングラーだ。

昨年2022年秋、東京湾のボートシーバスで同船した際にソルトビッグゲームの話を伺い、以後のオフショア遠征にお誘い頂くようになった。

初めてのオフショア遠征はヒラマサの聖地、玄界灘。

動画で観ていた夢のフィールドで釣りが出来ると思うとワクワクが止まらなかった!

お誘いいただいた段階ではソルト・ビッグゲーム用のキャスティングロッドはまだ所有してすらいない、完全な初心者であったが、テスター特権で古田さんがテスト中の「MGX-∞S」のプロト、うち1本を使わせて頂だけるとのこと。

これが「MGX-∞S」との最初の出会い。

大型スピニングリールを装着したソルト・ビッグゲームのタックル重量は、淡水のベイトタックルと比較して約2倍の1kg前後ある。

初めての重量感に不安だった体力面、これが重いのか軽いのか……比較する経験がない私ではあるが、とりあえず、初心者の私でもMGX-∞Sを3日間キャストし続ける事が出来た。

ダイビングペンシルの動かし方の感覚を掴んできた頃に8kgクラスのヒラマサがヒット!

初めてのヒラマサの引の強さを実感したが、ロッドパワー的にはまだまだ余裕。


2日目には15kgクラスの良型ヒラマサがヒット!


最初こそ強烈なダッシュに圧倒されたが、ティップからバットまでスムーズに曲がり、問題なくリフトする事が出来た!

このビギナーズラックを皮切りに、「MGX-∞S」とのオフショアライフが始まる。

次のターゲットはキハダマグロ。

前回ヒラマサの強烈なダッシュには問題無かったものの、マグロのように走る距離が長い魚に対してはどうか、少々不安であった。

同じ青物でもマグロはヒラマサとは違い、ロングステイのアクションを好むようだ。

全ての情報が新鮮で、オフショアを始めてから本当に勉強になる事が多い!

そして遂にその瞬間は訪れる。

ナブラの中に投げ入れ、ステイさせたルアーの周りで水柱が上がった!

ラインスラッグを巻き取ったかと思うと、物凄いスピードでラインが引き出されてく。

数回のダッシュに耐え、ロッドで負荷をかけ続けていると徐々に魚が浮き始めた。

大物とのファイトに慣れてない自分はガス欠寸前!

気合いと根性で巻き続けると綺麗な魚体が姿を現した‼︎

始めて釣り上げたキハダマグロは、25kgクラス!

オフショアの師匠ともいうべき古田さんとのダブルキャッチも、良き思い出。

このキハダ釣行がオフショア熱の炎に、ガソリンを投入する事となる……。

まだオフショアキャスティング1年生だというのに、古田さんに勧められるまま、遂には勢いでGT遠征まで決めてしまった!笑

ロッドは勿論「MGX-∞S」。

もはや相棒として手放す事は出来ない!

もはや言わずもがな、飛行機を多用する釣りジャンルはモバイルロッドが圧倒的に快適、ソルト・ビッグゲームもそこに含まれる。

MGX-∞S」は“Dear Monster”を冠するロッドだ、仕舞寸法50cmで機内持ち込みも“余裕”(上限60cm)である。

この10cmの“余裕”、ゆとりによって、空港職員の手間(メジャーを出し計測する)を省いてあげられる。

最近単品発売が開始された「オリジナルセミハードケース」(長辺54cm)に入れても下写真のようなサイズ感、ケースに入れてなお60cm以下だ。

大物釣りにロッド1本で遠征する方はいないと思うが、予備ロッド含めて最低3本は入る太さも絶妙(ガイドが大きく比較的嵩張る「MGX-∞S」であっても)。


「ご覧の通り、60cm以下ですよ♪」

検査員のお姉さんに(お兄さんの場合もね)笑顔でひと言、手荷物検査をスマートに通過して身軽に搭乗を待つ。

ロッドを預け荷物にする場合は、「オリジナルセミハードケース」ごとスーツケースに収納するといい。

預け荷物で多用されるMサイズ以上のスーツケース(内寸長辺60cm前後以上)なら、そのままスッキリ縦に入ってしまうだろう。

余計なお世話かもしれないが……空港でよく目にする長いバズーカを持ち歩く方々、それを“常識”として受け入れているアングラーにも、一度この軽快感を想像・体感してみていただけたらと思う。

さて。

目的地はGTアングラーなら誰もが夢見る憧れの地、トカラ列島だ。

ポテンシャルはかなり高いが、海が荒れて釣りに出られない日も多い。

今回は運良く全日程釣りをする事が出来た。


夢のフィールドとはいえ、さすがにそう甘くはない

時折ダツやトビウオがGTらしき巨大魚に追われているが、一向にルアーに反応を示さない。

何度も心が折れそうになるが、経験や技術力が乏しい自分に出来る事は、ひたすらルアーをキャストし、ヒットする確率を上げる事

忍耐強くキャストと続けているとその時は突然訪れる。

ダイブして浮き上がる途中のルアーをGTがひったくっていくのがはっきりと見えた

「食った‼︎食った‼︎」

そこからフルロックに近いリールから面白いようにラインが出ていく。

想像以上の引きの強さに耐えるのに精一杯で早々に体力は限界寸前。

油断すると海に引きずり込まれそうになる!

経験豊富な同行者達にアドバイスを受けながら、ロッドパワーを利用して一巻き一巻きGTとの距離を確実に詰めていく。

そして遂に上がってきたのは……。

想像より遥かに大きい45kgクラスのGTだった!

そりゃ引くハズだ!

まさか船中一番初心者の自分に、いきなりこんなサイズがヒットするとは。

「やりこんでいる人でも一生に一匹、出会えるかどうかのサイズ……こいつを超えるの、苦労するよ笑」と古田さん。

サポートに回ってくれた先輩方には、本当に感謝しかない。

落ち着いてからルアーを見てみると強靭なフックがいとも簡単に曲げられていた。

投げたタイミング、掛けた場所といい、本当に運が良かった。

釣りを再開して間も無く20kgクラスのキハダがヒット!

このくらいのサイズならロッドパワー的に余裕でファイト出来る。

その後もキャストを続けるが、GTからの反応は無し。

そう何度も微笑んではくれないか

また戻ってくる事を誓い、夢の地を後にした。


……こうして自分も微力ながらテスト(初心者目線)に助力し、この秋、遂にデリバリーの日を迎えた「MGX-∞S

私のソルト・ビッグゲームへの扉を開いてくれた古田さん渾身の1本。

1年前の私と同じように今後ビッグゲームを始めたい方には、地元(車移動)・遠征(飛行機移動)問わずの、堂々のメインロッドとして。

既に専用タックルを複数所有する経験豊富なアングラーにも、まずは便利なサブロッドとして……将来的には、メイン&スタンダードとなるかも?

オフショアキャスティング初心者の私でも、約1年間、4回計画したオフショア釣行で、うち3回本命ターゲット(ヒラマサ、キハダマグロ、GT)に出会うことができた(ノーバイトで涙を飲んだことも1回……勿論そんな日もある)。

だが、自分のビギナーズラックとも言えるこの1年は、良い時期に良い場所に誘ってくれた古田さんをはじめ、モンキスで繋がった先輩方の数多の苦杯の積み重ねの上にあるものだ。

仮に1人でスタートしていたら……まず船を手配する時点で挫折していたかもしれない。

ソルトのビッグゲームは、仲間が多い方が間違いなく有利。

毎度チャーター船のメンバー集めに苦労されている古田さんは、「『MGX-∞S』をキッカケに、仲間の輪を広げていきたい」と話していた。

コロナ禍が明けた現在、旅に心を置き、MGXを基本装備とする仲間の輪が広がれば、海外での開拓的チャレンジも敷居が下がる。


古田さんにガソリンを投下されたオフショア熱は、このGTで鎮火のメドが立たなくなってしまった。

だが“人助け”ではない、あくまでも自分自身が釣りたいために周囲にガソリンを撒き散らしているから、遠慮は無用だ。

古田さんも最近、リリースに華をそえる巨大GTをキャッチされたようで、次回レポートが楽しみ!

皆さんもぜひ、MGX-∞S」と共に冒険に飛び出し、海の“GIGAS”達に挑んでもらいたい‼︎

ではまた‼︎

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関東地方在住。大学時代に訪れたタイの釣り堀りをきっかけに海外釣行に開眼。卒業後「働き出したら出来ない釣りと冒険をしよう!」と就職を3年遅らせ、南米、東南アジアをバックパッカーとして釣り歩く。資金捻出にインドネシアで半年間働いた際、現地言語を習得。以後、語学力を武器にジャングルの最奥部まで入り込む様は、名は体を表す“ターザン”(田山)のそれ。自称“華より泥が似合う、茶色系マルチアングラー”として、魚種問わず国内外を駆け巡る。