ゲーチェン×LDキャスティングで狙う、日本海のブラック★ダイヤモンド

テスターの川上です!

蛇年という事で国内外ライギョを巡っておりますが、前々から興味のあったクロマグロキャスティングについてレポートしたいと思います。

諸々の規制を遵守の上、6月の解禁初日に富山湾へ釣行。

今回は地元新潟に帰省するついでのチャレンジ。

既に北湖で2日間ほど釣りをしていた自分。

琵琶湖で叫べた魚、フロッグ・ハス。

小塚さん発案、愛知の伊藤テスターが形にした、タウナギフロッグにて!

10代後半から何度通過したか、(私的名称モンキス道こと)国道8号を北に遡上し、小塚さんたち富山のモンキス勢と合流。

今回は遊漁船エリンギの船長でもある尾後テスターも大阪から。

「んー、頼もしい!!」

というのも、今回の対マグロは遊漁船に乗るわけではなくレンタルポートでの挑戦なのです……。

そんな訳で操船のプロが一人いるだけでめちゃくちゃ心強い!

本格的にクロマグロキャスティングの経験がほぼ無いに等しいメンツ(川上に関しては完全にゼロ!)が「あーでもないこーでもない」とやんややんや。

明日乗船予定は3名、うち2名(小塚、川上)は例の如く宗教上の理由でベイトタックルでの挑戦

釣った事もないくせに宗教は曲げない。

めんどくさい奴らです。

しかも小塚さんに関しては「Twitter で噛みつかれたからね〜笑」とカルコン 401を準備。

どうやら SNS上で「カルコンでクロマグロが釣れるわけがない!」とバイトされたそうで。

「試してもないのに、出来ないとか言っちゃダメよ」と。

自分は糸巻きから開始。

事務所に当然のようにあったなんかすごい糸巻き機(のちに高額品と知る)を使い、吉田さんと糸巻き。

吉田さんに介護されながらアベットのLXにバリバス・Si-X 8号を300m詰め込んで、先端3mにバーマックス石鯛15号。

マグロは歯切れがあるらしく、リーダーの先端には更に一回り太いものを30cmほど入れるのが良い……らしい。

そんな、海外でいうところの“ファイティングリーダー”にはバリバスさん新作のSMP リーダー250lb、という粗み合わせ(定番のオーシャンレコードリーダーと使い比べてみます)

こんな太番手、リングなりスリーブなり使わないと結束強度出ないのでは?なんて議論しましたが、先人は電車結びで結束しているそう。

尾後「ワセリンで……締め込める……らしいよ?」

川上「とりあえずハーフヒッチいれとこ……」

小塚「カワカミのこれ、ノット決まってんのか?笑」

各々それなりに魚釣りに打ち込んできた人間なだけに、初心者みたいな気持ちで談笑したこの時間がすごく楽しかった!

どんな釣りでも(私的)黎明期が一番楽しいと思うんですよ。

よく分からないけど手探りで、迷って。

僕だとガー関連が多いですが、よく聞かれるんです。

タックルは?ラインは?ワイヤーは必要か?エサは?ルアーは?等々…。

それ、聞いちゃうの勿体ないですよ。

黎明期の釣りは特に。

その辺ノイローゼになるまで悩んで迷って手にしたイッピキが純度高く叫べるし、いろんなものを壊してくれるので。

諸々準備を8割がた済ませ、これまた私的“モンキスの味”こと、ラーメンの翔龍さん へ。

ノーザンライツを立ち上げた川合さんから受け取った“富山ブラック”のキトキト、富山ブラックラーメンと共に、明日からの“富山ブラック”に願掛け。

帰路ドラッグストアでワセリンを購入し、尾後さんと共に小塚家で一晩世話になることに……。

翌朝、“ほぼ素人”3人は大海原へ!

……の前に事件が!

小塚さんが持って来ていたサブタックルのアベット+プロトのディアモン(それはそれは強そうな……)を僕の車に立てかけていたのですが、僕が運転席のドアを閉めた際に巻き込み!

小塚・川上「「あー!」」

粉砕されたガイド、で、なぜか無傷のプロトブランクス(笑)。

「……“ディアモン御三家”で、『MX-∞』でやりきれということか……むしろ、迷い消してくれてありがとカワカミ

「こういう展開が、オレに火をつけるのよ〜」とかなんとか、小塚さんは普段と変わらない様子で笑ってました。

へへっ。

気を取り直して。

「今日は、又長120cm以下は船にあげもしねぇぞ〜」と小塚さん、改めて申し合わせて出船。

30kg以下採捕禁止になる前の同時期、たまたまブリ狙いの釣行で同船者が釣り上げた29kgの又長が120cmだったらしい……。

僕以外の2人は船舶免許を持っているので運転は任せます!

我ながら図太い!

何ヶ所か回りながらあちこちの状況を確認。

2時間くらいウロウロしたあたりからか?少しづつ海面が盛り上がってきた。

操船小塚さんでファーストヒットは尾後さん!

ロッドは「MGX-∞S」、とりあえずはこいつで大丈夫だろうと。

そこまで大きく無さそうでしたが、ファーストランは景気よく走ってくれます。

横で動画撮りながら観てましたが、さすがに経験値高め。

リリースなら、むしろギャフで低速走行してエラに水を通したほうが生存率が高いと判断、実行。

昨年のバショウカジキの際もそうでしたが、手際よく、危なげない。

スムーズ過ぎて特筆する事がないのですが、諸々の所作って経験値出ますよね。

レンタルボートで初マグロ、とりあえず達成。

昨晩のやんややんやは無駄じゃなかった!

自分の魚じゃ無くても心底喜べるのが良い!!

さて、続いてベイト勢。

川上はいつも通り「HT-∞∞ “Gamechanger”」でキャスト。

しかし、かなり見切られる。

そして乗船前の竿潰し事件で、ルアーボックスを陸地の車に置いてきてしまい、すでに結束してあったルアーのみ、正真正銘の一本勝負

唯一無二のルアーは、MariaのポップクイーンF200、35周年のT-1000というメッキカラー。

小学生の頃初めてトップで青物釣ったのもポップクイーン。

思えば昨年のバショウカジキも同社ラピードと、あんまりやらない海ですが、たまにやる際には熱心なMaria信者なのです。

群れにプレッシャーを掛けないようにしつつもベイト勢に配慮した操船をしてくれるのは、流石は操船のプロの尾後さん。

何度目かのナブラ撃ち、ポッピングとステイのタイミングを掴みつつアクション入力が馴染んできたところで、ドバン!

タックル的には問題無し。

苦労せずにランディングしましたが、やっぱりマグロやるなら身体作らないとなぁ……と痛感。

海の魚は強い。

船べりリリースサイズ、それでもゲーチェンでマグロとカジキをキャスティングで仕留めたという嘘偽り無い結果に満足です。

「最適では無い。ただ、出来る。」

それだけ書いておきます。

3桁クラスまで狙うか悩みどころですが、フロッグで釣るところをゴールとし、もう少しだけ頑張ろうかなと。

そして我らがボス。

「6月の富山湾、せいぜい50kgまでらしいから……この海、この時期なら『MX-∞』でいけるでしょ」との事。

「獲れない魚には投げない……“もしも”の為に作ってきた竿は、朝カワカミが壊したし(笑)」と、「MX-∞」にカルコン401で3連ジョイントベイト(マジックスイマー228)を投げ通していますが、小イワシメインのマイクロベイトパターンでは、デカい&沈むリアーではやはり食いが浅い模様。

尾後さんから「ポッパー使ってみては?」とのアドバイスには、「百も承知で、ごめん、このルアーで釣らないと意味無いから」と……。

「小塚さんの事なので、どうせ釣るだろ」となんの心配もしてないのですが、どうやら何か閃いたようで。

おもむろにヘッドショットのシングルフックを、持参最大サイズ(13/0)までサイズアップ。

「フック自体を小イワシに合わせる」とかなんとか……そこから結果が出るのは、早かった!

曲がるディアモン、唸るカルコン!

「シマノさんが、カルコン500作ってくれないからよぉおお」

なんか恨み言ってます(笑)。

しかしながら「MX-∞」でしっかり止め切って、5号200mの制限要因の中で特に危なげなくファイト。

上がってきたのは、明らかにこの日のマックスサイズ!

「もう少し余裕を持ちたいところだけども……又長120はありそうだから、しっかり測ろうか」と小塚さん。

この日初めて魚を船に上げる。

ファーストヒット・ファーストキャッチ。

我らがボス、一撃で決めてくれました。

とりあえずウェイト計測中に、簡単な証拠写真を数枚。

ソリ重量差し引いて、数値は32〜38kgあたりをフラフラ……。

「血抜きしても、30kgは切らんだろ」

「ちょうど良いサイズですね~!」

「マグロ食いましょうマグロ!」

3人ともニコニコ笑顔。

土産も出来て良い釣りになったなと。

「締めて目が飛ぶ前に、みよしで写真撮りましょうか!」と足元を整理していた時、小塚さんの声が……。

小塚「あぁっ!!」

マグロが、海に落ちる。

小塚さんの膝上を滑るマグロは、そのまま水面にダイブ、全てがスローモーション。

マグロは沈んで……見えなくなった。

3名、絶句。

「……小塚さぁあん!!」

「ごめん!しくじった〜」

「ほなー、帰りましょか〜笑」

帰港。

実家への手土産もマグロで済ませようとしてたので、適当な道の駅で菓子買って帰りました。

ちなみに新潟は……雷魚がよく釣れました。

というわけで、LDキャスティングで狙ってみた日本海のブラック★ダイヤモンド。

我々の最初で最後のファーストチャレンジは、とりあえず成功ということで!

おわり。

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中部地方在住。幼少期の海釣りにスタート、中学時代はライギョ釣りにハマり、以後淡水魚釣りに傾倒する。高校2年時から釣りや生き物に関するライター活動を開始。卒業後もバックパッカースタイルで日本中を駆け巡り、持ち前の意地と諦めの悪さで憧れの魚たちを抱きしめてきた。2021年には、日本国内では過去最大級と思われるアリゲーターガー(167cm)を釣り上げ、地上波テレビにも出演。好きな飲み物はドクターペッパー。