広島のなっつです!
今日は満を辞して情報公開となった「Shinkirow SOGAINY 64/610LS」について紹介します!
開発経緯〜私がSOGAINYを作ったワケ〜
私がモンスターキスのテスターになった2023年、雷魚&ナマズという日中&淡水域の Dear Monster による釣りと並行し、私の釣りのもう半分を占める夜&海域でのライトゲームに関して代表の小塚さんに相談しました。
その時、「“とりあえず”コレ使って、不満点を洗い出してみて!」と渡されたのが、当時モンキスで最もライトなロッドであるハンターズの「HT-6×4S」でした。
5フィート半から7フィートまで、竿の長さが4段階に変長するこのロッド、様々試す中で最終的に、ライトゲームには1番短く、すなわち軽い5フィート半のモードでの使用が多くなりました。
(一般的に言われている事ですが)ライトゲームにおいて、軽さは1つの正義。
2022年当時の既存ラインナップには無い軽さ、柔らかさのロッドの開発が必要だと確信しました。
2022年当時から、「Shinkirow」のプロジェクトは動き出していました。
“とりあえず”私は2022年の一年間、全てのシーズンで「HT-6×4S」を使用してみて……シーバスの時期には、その本来の実力を発揮してくれました。
タコ釣りでも実績を重ね、スピニングでタコ釣りをする方は「HT-6×4S」も有りなんじゃないかなと思うようにまで、この竿はこの竿で、中・低弾性ブランクスによる強い方向への汎用性はピカイチです。
「モバイルロッドは弱い」という固定観念を拭いきれない方がまだまだおられますが、私は既にDear Monster で、テスター就任以前の段階で、並継に関してそんな不安は払拭済み。
2022年を1年通し、HUNTERS「HT-6×4S」によって(モンキスの作る)可変レングス構造、印籠継ぎ部には、全くパワー的な不安がないことも実感。
ブランク特性(弾性)を変えれば、もっと……むしろライトゲーム(=ショートレングス)からパワーゲーム(=ロングレングス)まで、長さが変わることでパワー帯すらも変わる可変レングス構造の可能性を強く感じたのです。
その上で、やっぱり「もう少し……」と思った部分は、長さでした。
「HT-6×4S」の最短5フィート半モードのように軽快に操れて、その快適な使用感そのままにもっと長くできたら……。
そういった希望をまとめ、伝え、2023年シーズンからは実際にプロトタイプとして形に。
私なりの構想1年(2022年)、フィールドでのテスト1年(2023年)を経て、ライトゲームをより“快適に”楽しみたいという思いが、「Shinkirow SOGAINY 64/610LS」として形になりました。
対象魚とセッティング
具体的に”より快適に”を説明すると、軽いルアー(1g前後)を快適にキャストできて尚且つその軽いルアーが底に当たっている感触と魚がルアーを突く感触の違いがちゃんとわかる事が私の中の“快適な”ライトゲームです。
そしてターゲット、これは堤防に居る魚すべてを理想としています。
たまに“やって来る”青物などの回遊魚は一気に釣りが変わるので、サイズ次第では「Shinkirow」の他のモデルや、Dear Monsterにお任せしたいです(笑)
改めて、“堤防に住んでいる魚すべて”が、「Shinkirow SOGAINY 64/610LS」のターゲット。
ライトゲームなので、メバル・カサゴやソイにタケノコメバルなど大きくても30cm級をメインとしていますがそれらを狙っていたら突然掛かるチヌにシーバスと全国の堤防や漁港などでよく見かける魚がターゲットになっています。
私は以前のレポート(モデル名公開前のレポートになりますが、もちろん「SOGAINY」を用いてのレポートです))でも書いたようにライトゲームの中でも1年を通してやっているのがカサゴを中心とした根魚などの底物、カサゴ・ソイ・タケノコメバル
私がよく行く釣り場では底物は年に1度位は40cm級、年に何度か30cmオーバー、月に何度か25cmオーバー、日に1回は出るか出ないかの20cmオーバー、そして常に釣れるアンダー20cm。
ストイックに大物を狙うわけではない、いる魚全てに遊んでもらう、肩の力を抜いた“癒し”の釣りのため、小さなサイズの魚でも口に入る小型の1g前後のジグヘッド、それに見合ったワームが基本となってきます。
こうした「今日は、魚が居てくれるかな?」と探っているうちに、ジグヘッドを変え、ワームを変えとしていると大概の日は何かしら“癒し”がある、そして、遠征先のどの地域でも魚が掛かってくれました。
年に1度級や年に数回級の大物に合わせてそれのみを狙うと言うのもロマンがありますが、雷魚などとは異なり、ライトゲームは私にとっての”癒し”なので、サイズ関係なく釣れてくれて嬉しさや楽しさを感じる事にパワーセッティングの重きを置いてます。
ですがこの釣りをやっていると狙っていなくても根魚以外で50cmを超えるような魚もちらほら掛かってきます。
チヌやシーバスと言った魚達です。
彼らもまた堤防の住人、ふとした大物が掛かってもきっちりやり取りできること、これも私なりの快適なライトゲームの要素です。
基本は20cm前後を釣りながら、時には60cm級と幅広い釣りができてこそ。
小魚たちを軽快に釣って癒されていても、最後に大物でラインブレイクでは、悔しさを心に帰宅することになる……それは、私が理想とする“癒し”のライトゲームではありません。
これを可能にするのが、モノフィラメント(ナイロン)直結が多い私のスタイル。
毎日の釣行、ラインの摩耗は少なくなく、結果“面倒な事”(リーダー結び直し)を断捨離していった末に、適度な伸縮性で突然の大物にも対応可能な今のスタイル(ナイロン5ポンド前後直結)に行きつきました。
この辺り、小塚さんも私のスタイルを反映してガイドセッティングを調整してくださっています(もちろんPE+リーダーの一般的なスタイルにも対応します)
「遊んでくれた魚は全キャッチ」これを目指した竿が、「Shinkirow SOGAINY 64/610LS」なのです。
釣り場〜日本全国どこでもOK〜
さて、その様な私なりの”快適と癒し”を求めて始まった私が担当する番手の「Shinkirow」プロジェクトなんですが主にこの竿を使用して釣りをしていた地域をざっと赤字で色を付けてみました。
普段使いでは意識する必要はなく、繋いだまま車で運んでも構いません、このレポートでもフォーカスはしませんが、モバイルロッド(仕舞寸法約45cm)として、それが“できる”ということは軽く触れておきます。
広島県を中心として、休みの日などにちらほら隣の県に移動したり海を渡ったりと主に瀬戸内海をメインに使用してきました。
何度か日本海側にも釣りに行きました。
それと東京湾でのボートメバルに、本来の用途(海)からは離れてしまいますが、テストとして行政上は海区扱いである琵琶湖(ラージマウスバス)など……本当色々な所で投げてみたなぁと思い出します。
とにかく色々な場所に釣りをしに行きましたが、2023年のスピニングでの釣りは1年間、ほぼこの1本で通しきりました。
岸釣りとなると、人が来ない場所に行けば行くほど釣れるのは事実ですが、基本的に最寄りの釣具店で紹介されてるようなメジャーな場所に行っています。
漁港や波止などイメージはしやすいと思います。
海をメインとしたプロアングラーの方は、地元スペシャリストの方が多く、テストフィールドに特化した尖った製品作りが多い印象ですが、「Shinkirow SOGAINY 64/610LS」の場合は、広島・瀬戸内を核としつつも、そんな開発テストを経て日本全国で使いやすいレングス・パワー感で仕上がっていると思います。
可変レングスについて
そしてこの様な場所では足元に落とした方が狙いやすい時と、少し遠くに投げたいなと言う時がちらほらあります。
足元に落とすのにやりやすい長さ(比較的短め)の竿、またキャストしやすい長さの竿(足元狙いよりは長め)と、長短2レングスを使い分ける事ができればいいな〜とずっと感じていました。
その2本の使い分けの要望を、1本で満たせるよう設計したのが「Shinkirow SOGAINY 64/610 LS」。
上画像、ティップから5本目のセクション(♯5)の有る無しで、2レングスで使えます。
長いモードで6フィート10インチ(以下610ロングモード)、長さ約2m10cmありますが、ライトゲームをやる際、色々な長さの竿を様々なフィールドで使ってみた上で、数グラムのルアーであれば7フィート弱というのが、堤防からのライトなキャスティングゲームの最適解かなと思います。
「少し沖の方からルアーを引きたいな」「あの辺の潮のヨレが」と波止などから思った際も、結構問題なく対応できる長さだなと感じています。
竿もしっかり曲がってルアーの重さを乗せてキャストできるのでプラグのキャストや投げて広範囲を狙う方も使いやすいかなと思います。
シャキッとしていてもこんなに曲がるし、根元も強いので前々回のレポートにあるような50cm前後の黒鯛、30cmを超えてくるタケノコメバルなどもしっかりキャッチする事ができます。
次に短い6フィート4インチ(以下64ショートモード)について。
約190cm、この長さは主に私の場合は先ほどのキャストとは対極、足元に落としていく時と軽めのルアーで表層を引きたい時に竿を立てて巻く時などに使用しています。
この64ショートモード、結構取り回しが良いのでそのままキャストで使ってても全然問題はないんですが、ターゲットが40cmを超えてきて50cm級になるとやはり610ロングモードの方がやり取りに安心感が出ますので、その辺りは場所や狙い所に加えて、ターゲットの想定サイズでもアジャストさせてみてください。
レングスの長短は、単純なレングス変化だけでなく、パワー変化ももたらす事を覚えておいていただけると、可変レングスの「Shinkirow」だからこそのメリットを引き出せると思います。
「Shinkirow SOGAINY 610“ML”S」と「Shinkirow SOGAINY 64“L”S」、レングスでMLとLと2パワーのロッドというイメージ(だから、ロッドのパワー表記は頭を悩ませました笑)
とはいえ、そこはモンキスのロッド、軽快なティップでも、安心感のあるバットと共存しています。
以下、少し踏み込んだ話になりますが、これが1ピースブランクでは難しい、モバイルロッド(継ぎ竿)だからこそできる設計。
セクションごとに最適プライ数(カーボンシート枚数)で仕上げていますから、逆にいえば“大物のファイトを想定したバットパワーに引っ張られ、ティップが重くなることはない”のです。
ティップ、ベリー、バット、それぞれ私の思い通りのパワー感に整えられ、組み合わされています。
ですので、足元や投げてもちょっと先くらいであれば、64ショートモードを基本に使ってもらっても、仮にに大物がヒットしても安心です。
このような30cm級も何本かこの64モードでしっかりやりとりした後にキャッチできています。
これより短くなるとパワーある根魚達とやり取りが少しやり辛くなってきて、ルアーのキャストの飛距離も伸びにく口なったので、64位が最適解だとレングスを決定しました。
最後に〜SOGAINYとは?〜
レポートのはじめの方でも述べたように、主に瀬戸内海、時には日本海や東京湾、さらには淡水域(琵琶湖や野池)など様々なシチュエーションで使用・テストしてみました。
特殊な場面を除いて、私がスピニングタックルを求める用途の釣りでは、この「Shinkirow SOGAINY 64/610LS」で殆どが事足りました。
最後にSOGAINY (ソガイニー)の名前の由来になるんですが、私の住む広島の方言で「そんなに」という驚きや感動を意味する言葉になります。
少し年配の方と話してると、「そがいに(話し言葉ではそがぁに)釣れたんか(そんなに釣れたのか)」と聞く事もちらほら。
このロッドがパックロッドでコンパクトになると説明した時も「そがぁに(そんなことに)なるんか!(そんな風になるのか)」と言う意味にも……結構いろんな意味に変わります。
大きい魚を釣った時も「そがぁにデカいん釣ったんか!」と耳にする事もあります。
是非ともこの竿を手に取ったみなさんに、「そがいに!?」という感動がいっぱい生まれたら、嬉しいです!
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