九州チョウザメの怪。イッピキの追い続けた、ひと夏の放浪。

テスターの川上克利です!

今回は2025年の抱負を含め、昨年2024年にいろんな釣りと並行して力を入れていた九州のチョウザメ釣捕について書いていきたいと思います。

確か僕が高校生の時だったか?

宮崎県の大淀川水系でチョウザメが次々と釣られる謎現象が起きました。

原因としては色々言われていたりしますが、結局のところ上流域の養殖場から逃げ出したという事になっているそうです。

……裏事情云々あるみたいですが。

しばらくして。

高校生だった僕は、当然「釣りに行きたい!」となった訳ですが、タイミングは(確か)コロナで緊急事態宣言ど真ん中の夏休み。

当時は高校生だったので、当然実家暮らし@新潟。

同居している家族の事もあるので、そこまでの遠出は遠慮しつつ、腐って地元の雷魚を黙々と仕上げていました笑

(高校卒業後、新潟市内の海沿いに賃貸を借りるキッカケの一つに)

(話はチョウザメから脱線しますが)自分にとってのルアーフィッシングの原点、地元新潟の雷魚。

巳年である今年2025年はスネークヘッドの年にします。

……閑話休題、九州のチョウザメの話に戻します。

高校生だった当時(コロナ禍と同期)、チョウザメに対してそこまでの熱量があった訳ではなく、わりかし大人しくしていた記憶があります。

それでも謎の足掻き方をして、自宅からほど近い新潟市内の関屋分水路(シーバスのメジャースポット)で友人を巻き込みチョウザメぶっ込み釣り。

よく覚えていないけど何も釣れなかったんだと思います……。

時は流れ。2024年から九州を闊歩する用事が頻発。

鹿児島は串木野のアルバ丸さんでのサベージギア撮影だったり、熊本のシーバスパーティーだったり……。

イベント後の夜、自らはギョーカイの親睦会に呼ばれた小塚さんが「意味ある使い方をしてね」と僕らにくれた夕飯代(1万円)で、シュウヤさんとメイド喫茶行ってみたのもこの時だった……。

その後もちょこちょこ通う中で「九州って関西からだと案外近いじゃん!」という事に気づき釣行回数も増加。

酷い時だと「3日釣行×2週連続で関東にシーバス行って、関西帰って速攻九州釣行数日間×2週連続」みたいな事もやった。

九州全域・各水系への解像度は高まり、ある程度水辺の温度感を掴んできました。

そんな九州通いの軸であるチョウザメ、数年おきに捕獲例が出ている水域の支流や関連水系を片っ端から捜索。

そのうち釣れるだろうな~と楽観的だったのですが、想定以上に姿が見えず。

LCC&公共交通機関を駆使しての釣行。

エリア変更が激しく、高低差のあるトレッキングや半分登山みたいなのも交えての放浪。

山地が多く水も綺麗な為、首都圏とは若干雰囲気が異なりますが、結局のところマルチピースが生きる状況は変わらず。

オール機内持ち込みの預け荷物ゼロ。

強い言葉で言い換えるならば、「仕舞寸の長い竿は行動力を殺す」と。

徐々に煮詰まってきた12月の夜。

何個目かの有望水系を外し、釣り上った上流域の支流。

水深40センチも無いような川の深みに鯉が並んでいた。

ライトで軽く照らすと鯉は静かに散った。

が、明らかに鯉ではない魚影が取り残されていた。

少なくとも国内で釣りをしていて見た事がある魚影ではなく、直感的にチョウザメだと確信しました。

しかしながら結局釣れず。

そんなわけで翌週、再度同水系へ関西→九州へ単日アタックを決意

季節はシーバスの秋も終盤、福岡のBBSB大会、からの、東京湾でGB(ジャイアントベイト)と、日本狭しと巨大ルアー投げ続けていた時期とも被り、突如始まる餌釣りに新鮮さを感じた……。

色々なリスクを加味してラインクラスをPE10号(バリバスさんのSi-X)まで引き上げてのチョウザメ再挑戦。

フックはイチカワさんのストロングシングル。

バンニェイロ」に標準搭載されているフックですが、使っているうちに絶対的な信頼を置くようになったフックです。

ルアー用のシングルフックですが、ここ一番の餌釣りは結構これ使います(笑)

言ってしまえば元は養殖場の魚なので、食わせられるか否かという不安はありませんでした。

10号直結の先端ダブルライン、ヘビーカバーで雷魚やるのと同じラインシステムですね。

勿論ロッドは「HUNTERS HT-∞∞ “Gamechanger”

魚が泳いでいる10cm横にはコンクリの人工ブロック、すぐ下流には倒木。

川の水量はそこまでですが、流れは速いという事で剛竿が必要。

リールはドラグ値が出来るだけ高いものを。

餌は何でも良いかな?という事でその辺の浅瀬に泳いでいたカワムツを調達。

生き餌である必要は無いので、サクッと締めてクエ釣り仕込みのビラビラ切り身を作成。

上流からミャク釣り感覚でスーッとドリフト。

流していたラインがチョウザメの口付近でピタッと止まったのを確認。

軽く”聞き”を入れるとラインから伝わる確かな生命感。

魚体の大きさやシチュエーションから高負荷がかかる事は目に見えていたので柔らかく裂けやすい唇付近を避けて口腔上部の固いところにフッキングさせたかった。

身切れを避けるためにもロッドは強く、ある程度曲がり込んで欲しい……10秒弱くらい待ってからフッキング。

バッド部分まで曲げ込み、魚体が浮き上がった感触と共に細長いシルエットが浮き上がってきた。

「……うぉ?結構でかいな。」

「さあ、ここから暴れるぞ!噂通り跳ねるんか??」と身構えていたのですが、案外大人しい。

2、3度の軽いツッコミを止め切ったらスーッと寄ってきたので尻尾を掴んでランディング!

簡単に出会えず、時間が掛かったけど……デカイ。

狙いと少し外れ、掛かり所は外れエラ付近でしたが、間違いなく身切れしない位置。

PEの存在感で吐き出すことは無いと確信していたのですが、やはり完全に食い切ろうとしてたみたいです。

かなり奥なのでラインカットし、エラの裏からフックを回収。

幸い出血はないので十分にリリース可能な状態でした。

こうして結局年の瀬までかかってしまいましたが、2024年の夏がひと段落つきました。

このチョウザメに対する印象よりも、”この魚を追う過程で目にした九州各所の景色”が何だか印象的。

緑と澄んだ水、暖かい陽光、味わい深すぎる駅舎に牛。

山と肥の匂いがほのかに香るど田舎。

フラフラしていてとても気持ち良かった。

現在、車を新調しており自走していく選択肢も可能なわけですが、数日という時間を有効活用する意味で電車にバスにLCC(飛行機)にと、公共交通機関をフル動員。

そこは睡眠時間に充て、現地では徒歩、適宜レンタルサイクル

駐車スペースの関係から自家用車ではどうしてもスルーしてしまうポイント選択、その盲点を突いたどんな小さなポイントも見逃さないぞというスタイル。

宿までの移動自体が面倒な時は、バス停や駅で“始発を待つ”。

チョウザメ自体に対するコメントは中々出てこないのですが、道中の出来事や景色についてはいくらでも語れる。

関西(京都)から九州(宮崎)まで、結局何回通ったのだろう……魚を獲るまでの過程が楽しすぎた“旅”でした!

……さて。

チョウザメを追っかけつつ、九州ではゲーチェンでこんな出会いもありました。

次回のレポートで書いていきたいと思います。

圧倒・圧巻。

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中部地方在住。幼少期の海釣りにスタート、中学時代はライギョ釣りにハマり、以後淡水魚釣りに傾倒する。高校2年時から釣りや生き物に関するライター活動を開始。卒業後もバックパッカースタイルで日本中を駆け巡り、持ち前の意地と諦めの悪さで憧れの魚たちを抱きしめてきた。2021年には、日本国内では過去最大級と思われるアリゲーターガー(167cm)を釣り上げ、地上波テレビにも出演。好きな飲み物はドクターペッパー。