4度目の熊本シーバス遠征・春の陣。前回の好釣果も「秋だからでは?」と自分に厳しく検証の旅。

富山のシーバスマン、定廣です。

今年の4月に4度目の熊本遠征に行ってきましたのでレポートしたいと思います。

まず今回の遠征の目的ですが、昨年秋の3度目の熊本遠征にてようやく好釣果を得られたことでおぼろげながらも熊本のシーバスゲームを少し理解できた、いや、理解とまで言うと過言が過ぎるのですが、これまでの遠征でマッピングしてきた各ポイントに関して、狙うべきタイミングがある程度つかめてきた感触が得ることができました。

それに加え、潮位に合わせての自らの動きもある程度システマチックに構築することもできてきており、ようやく熊本で戦う上での最低限度の基礎はできてきたのではないかと少しばかり自信がついてきていました。

その上で懸念点がひとつ。

「秋だから良かっただけじゃないのか」という疑念。

実際、惨敗した1回目の遠征と、2回目の遠征の季節は春。

3回目の遠征は秋なので単純にシーズナルな要因である可能性は無視できません。

熊本のハイシーズンは春と秋とされていますが、全国的にも有名なシーバスパーティーが毎年秋に開催されているところを見ると秋のほうが盛期である可能性は高いと思われます。

「秋の遠征で好釣果を得てわかった気になっているが、その知識を持って春は攻略可能なのか」

今回の遠征はこれの検証が主目的。

ちょうどそろそろ他の県とか海外にも目を向けたいと思っていたこともあり、昨年春と秋の2回の遠征を熊本に当てていたのをどちらか1回に絞ろうと考えており、今回はその判断をする為に行ってきました。

持込み物はこちら。

NEW-DAWN」をメインに、サブで「MX-7S」のいつものスタイル。

熊本は結構な頻度で小エビがベイトになるタイミングが存在する為、小型バイブレーション(60mm/12g程度)が効く場面が多いです。

また干満差で水位が刻々と変化する為、水深があるタイミングでは鉄板バイブレーション(26g程度)まで投げる事になり、頻繁なルアーローテーション、幅広いルアーを求められる事から10-30gのキャストがスイートスポットな「NEW-DAWN」の出番が非常に多くなります。

5mもの干満差により足場の高さも比較的高くなりやすいため、約9fものロングレングスと可変長システムで様々な足場に対応できるので重宝しています。

かれこれ訪れるのは4回目ですが、正直これ一本でほぼほぼカバーできている感触があり、富山での普段使い用に作ったのにむしろ熊本スぺシャルみたいになってしまった感があるくらいです(笑)

という訳でルアーは10~30g程度のプラグをメインに構成。

通う前は熊本といえばビッグペンシルみたいなイメージがありましたが実際行ってみると大きなプラグを投げている人はまったくと言っていいほど見かけず、皆ほぼバイブレーション

エリアにもよるとは思いますが市内河川だと比較的小さいルアーが優勢のようで、普段使いの9~12cmクラスのプラグを主体に持って行っています

<1日目>

例のごとく高速バスから飛行機に乗り継ぐ富山→名古屋→熊本のルート

今回も強風による遅れや欠航もなく無事に熊本空港に到着。

そこからレンタカーを借りて釣り場へ向かう。

目指すは緑川。

しかし着いて何カ所か回るもののノーバイト……秋とはだいぶ違うな。

まあ普段の自分のエリアで考えても春と秋でパターンなりポイントなりが異なるのは当然なんですが、如何せん有明海は潮汐と潮位が非常に支配的な要素である為、季節による差を感じ辛い。

というよりも潮位によって物理的に釣行可能なタイミングが限られるので各ポイント毎の釣れる潮位を探すというよりも釣りが可能な潮位を探すという感覚になります。

つまり季節が違おうと、そもそも釣りが可能な潮位が同じである為タイミングをズラして対応するという手段が取り辛いのです。

という訳で実績ポイントをタイミングを変えつつ探るのではなく(地元だとこちらの手法がメインになるが)、とりあえず早いうちに潮位毎の実績ポイントを叩いてしまい反応や気配のないポイントの選択しを消していく事に。

小場所をメインにショートパワーロッド「MX-7S」を片手にタイドグラフに合わせて前回の実績ポイントを撃っていく……撃っていく……。

うむ、全く反応がない。

昨年のようには甘くは無いようだ。

個人的に良いと思っている低潮位のタイミングでポイントはひとしきり撃ったので、深夜の満潮からの下げを撃つべく早めにホテルにチェックインし就寝しました。

<2日目>

0時起床。

眠い。

ホテル到着後、結局荷ほどきとかの作業があったので寝たのは22時くらいだったので既にグロッキー。

遠征時は移動でも地味に体力を消耗しているので地元感覚で睡眠時間を計上すると大抵痛い目を見ることになります。

アウェイのスリップダメージを舐めてはいけないのだ(自戒)

さて、眠い思いをしてまで撃ちたかった満潮からの下げは前回の遠征で河口にて有明入道を出したタイミング

その時はデイゲームであったが、以前釣具店で情報収集した際にはナイトゲームでも好実績との事で撃っておいて損はないだろうと来ては見たものの……ノーバイト。

かなり期待値が高いと思っていたタイミングだったものの見事に空振り。

その後色々と撃って回るも反応のない時間が続く。

既にこの時点で「あ、やっぱ秋にもっかい来なきゃダメだな」と次回の事に思考を巡らせてしまっているくらいには余りの反応のなさに心が折れかけていました。

そんな諦めムードの中迎えた朝マズメ。

上げのタイミングで大きく移動し別河川の河口にエントリー。

はい、いつもの所ですね。

親の顔より見た石積み突堤。

オープンエリアなので「NEW-DAWN 810/94MS」を選択。小型バイブの遠距離ゲームがメインになるこの場所にはドンピシャなロッドです(坪◯川スペシャルって命名した方がいい気がしてきたゾ)

さて、ここはなんだかんだ毎回魚が出てくれているポイント。

熊本サイズは出たことはないですが、とりあえず魚の顔を拝まないことには始まらないのでここで坊主逃れすることに。

しばらくは実績の高いバイブレーションで探っていたが反応はあるが乗らない状況。

このポイントは牡蠣瀬の点在するオープンなシャローである為、他の攻め方は限られます。

ブレードやシンペンでは根掛かり連発だしジグヘッドワームだと飛距離が足りない。

というわけで基本的にバイブレーションの早巻きがメインとなるのですが今回は不発。

隣の地元民と思わしき方がVJ的なもので数本キャッチしていたので魚自体は確実にいるのだが……。

しかしVJではクリーンにヒットしてバイブだと掛かりきらない所を見るとベイトサイズが極端に小さい可能性を考える。

こういう時は素直にワーム投げるべきだが今回持ってきてない……というわけでミノーのジャーキングを選択

地元・富山だとこれでもハマるタイミングがあるのだが……と試したところ大当たり。

2時間ほどで10本キャッチ。

すべてフッコサイズと熊本では物足りないですが遠征の地でちゃんとシーバスの顔を見れたことに安堵。

何回来てもやはり最初の一本は遠くて嬉しい

しかし驚いたのはジャーキングが熊本でもキッチリハマってくれたこと。

昨年地元富山で猛威を振るったジャーキングですが、遠い九州の地でも通じてくれたことでこの釣りのパワーを確信。

地元民と思わしき人達がワームやバイブレーションでぽつぽつと獲っている中での倍速以上での連発モードで、おそらくあまり熊本主流ではないかと思われるが(実は主流だったらゴメンナサイ!)、そういった遠征者ならではの先入観のない非主流メソッドでアドバンテージを得られたのは遠征の楽しみの一つをだなあと思います。

その後は、再度満潮からの下げを撃つべく移動するもノーバイト。

夕マズメの干潮からの上げに期待を賭けていたものの突然の雷雨により断念することとなりました。

天気アプリを見る限り深夜には雷雨も収まるようなので早めに休憩し翌日の最終日に備えることに。

最終日はほぼ午前中いっぱい。

一応今日のジャーキングパターンにもぎりぎり絡めるが、どうもフッコサイズしかいなかったようなので切り捨てて大型狙いに絞るか、最終日フィッシュを出しに行くかで悩みながら就寝しました。

<3日目>

最終日。

2日目のジャーキング連発は数こそ出るもののそれは最後の手段。

やはりせっかく熊本に来たのだし大型を手にして帰りたいと緑川へビッグワン狙いに。

が、深夜からスタートするも刻々と時間だけが減っていく。

……まずい、まったく反応がない。

すでにこの時点で昨年秋に見つけたポイント、およびタイミングは既にやり切っており、現状を打破するには新規開拓をするしかなくなっていました。

基本的に前日、前々日で得た知見の総決算が遠征における最終日であるので、よもや最終日に新規開拓しているようではもはや何も知見が得られてないと自白しているようなものです。

が、そうは言ってもここで既知のポイントをやっても前日の二の舞になることは明白。

消去法でやっていない中でタイミングが絞れそうなポイントを選出し、賭ける。

実は釣ったことは未だにないが、人気の定番ポイント。

ポイント的に低潮位が良さそうとにらんでいたので下げはじめから粘ることに。

フライトの時間が迫る中、下げで水深がぎりぎりになる頃にヒット……が痛恨のバラシ。

サイズは70cmあるなし。

ようやく時合いか!?と粘るも反応がないまま時間ばかりが過ぎていく。

もうここまで来たら最干潮まで粘ってやるかな、と思っていると続々と帰り始める地元民達。

アタリは全くこない。

……これは潮時かもしれないな。

というわけでこの場所は見切ることに。

しかしフライトまで残すところ2時間と微妙に時間が余ったもののこの潮位での他のポイントはもう選択肢がない。

……ラストフィッシュ出しに行くかあ。

というわけで前日釣ったおなじみの河口に再エントリー。

ジャーキングで1本キャッチし4度目の熊本釣行を終えました。

帰りに経由地の名古屋にて釣り仲間と遅めのランチ(17時)。

毎回ノーガイドで遠征に臨んでいるため誰とも知り合いにも合わずに終えることが多い遠征ですが、こういう旅先での出会いも遠征の醍醐味のひとつですね。

ぼっち極めすぎてて今更ようやく気づきました。

今回の遠征では現地流に合わせずに地元での釣りを展開した結果数においては好釣果を得ることができたのは一つの成果かなと思います。

シーバスはどこにいってもシーバス。

全く別の場所であっても全く別の魚になるわけではないのだと。

ただやはり春の熊本は過去の経験通り、そう簡単ではなかったなとも学びでした。

とりあえず今秋にリベンジしに行きます。

それではまた半年後@熊本。

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モンスターキスの地元・富山で、年間250日以上フィールドに立つシーバスジャンキー。身近に釣れる大型肉食魚というギャップ、非日常感に魅了され、そこに飽き足らず全国各地のシーバスを求め遠征。「自力で探し出す魚」を重視し、ノーガイド、ノー情報でアウェイの地を駆け巡る。過去3年の釣獲シーバス(全て岸釣り。ランカーは80cm以上)は、2022年309本/ランカー37本MAX100cm、2021年211本/ランカー32本、2020年216本/ランカー20本、北陸・甲信越地域に展開する量販店「FISHERS」が夏と秋に主催するシーバスダービー過去3年間全6回で4回入賞(優勝1回、準優勝1回、3位2回)