フィールドテスターの池尻です!
帰国後しばらくの間、寒さが増す日本で日常生活に絶望し、「もはや社会復帰は不可能なんじゃないか?」と思える日々をすごしました。
逆に、それほどに楽しく、魂が解放された4年ぶりの南米アマゾン釣行!
今回の前編、そして後編の2回に分けて、その様子をお伝えしていきます。
さて、2019年11月、今は亡きグランデ小川さんとご一緒したシングー水系・イリリ川のタライロン釣行。
聖地……とは言え、魚影は薄く、4日でわずかに2バイト・2キャッチ。
サイズ的にもまだまだタライロンという怪物の本性に触れられていない気がして「もう一度、戦いたい」という思いがありました。
そんな時、アマゾン北部・トロンべッタス川の魚影が濃いと聞き、さっそく現地のポサーダ(釣り宿)にメール。
話はトントン拍子に進んで9月の釣行が決定!
だったのですが、渡航1か月前になって突然、相手が音信普通に(これぞ南米……笑)
急きょ別のポサーダに切り替えて、航空券も再手配。
結局、地元アングラーとの相乗りで10月下旬の釣行となりました。
大阪から飛行機を5回乗り継いでやって来たのは、トロンべッタス川・上流部への起点、カショエイラ・ポルテイラという街。
さらに、かつてモンキスの吉田さんが事故で骨折したという(こんな僻地でさぞかし絶望したことでしょう……)オフロードを2時間ほど走りロッジに到着です。
一般的にアマゾンと言えば、ネグロ川に代表されるジャングルの中を川が蛇行しているイメージでしょうか。
しかし、ここトロンべッタス川は岩場がむき出しになり、急流が多いシチュエーションです。
今回のメインタックルは「Dear Monster MX-6+」と「Dear Monster MX-6Pro」。
使い分けとして、1oz未満のルアーやアクション時にラインスラッグを出したいペンシルベイトなどは「MX-6+」。
強く水面を切りたい2~3oz級のビッグスイッシャーや激流をゴリゴリ巻いてくる時は「MX-6Pro」。
パワー感は明らかに「MX-6+」<「MX-6Pro」なのですが、使用感にそれほど差がなく、持ち替えてもキャストがズバッと決まってくれるのはうれしいところ。
さてさて、トロンべッタスの魚影はどんなものか。
初日、まずは本流の倒木周りをモンキスのペンシルベイト「Banheiro(バンニェイロ)」で流していると、さっそくヒット!
小型ですが、タライロンとうれしい再会!
それにしても、シングーであれだけ遠かった1尾目が、まああっさりと……。
その後もスピナーベイトなどで同サイズを追加しながら、やって来たのは「イガラッペ」と呼ばれる水路。
ボートを降りて、幅10mほどの小川にオカッパリでアプローチします
水深は1m程度で、おまけに倒木だらけ。
あまりに小場所なので、ここは小技の効く『バンニェイロ』で攻めます。
すると、倒木だと思っていた黒い影がユラっと動きルアーに突進、水面がさく裂!
ほぼフルロックに近いリールからラインを引き出しますが、走らせるにはあまりにも場所がややこしい。
スプールを指で押さえて『MX-6+』の強度を信じて耐える!
狂ったようにジャンプを繰り返し、そして、浮上。
タライロンを終わらせる旅、完結。
初日の午前中に(笑)
8kgを超える怪物感たっぷりのイカツイ1尾でした。
掛けた瞬間、あまりの突進に一瞬「MX-6+」が頼りなく感じましたが、そこはブチ曲がってからが真のチカラを発揮するDearMonsterブランクス。
見事に止め切ってくれて、その真骨頂を見せつけられました。
そして、「バンニェイロ」のシングルフック仕様も、倒木だらけのシチュエーションではスタック回避に一役買っていたのかも?
ああ、これで帰れる!(あと5日あるけど)
無事に肩の力も抜け、このあと本流戦では「MX-6Pro」をメインに大型のペンシルベイトで岩場をタイトに撃っていきます。
すると、ここでも水面が割れました、9kgのBIGタライロン!
見てほしいのは、この尾びれの付け根の太さ!
ここが太い魚は引く、なんてよく言われますが、静止状態からトップスピードに達する加速・瞬発力はエグイもんです。
残念ながらこの魚、手持ち写真を撮る前にボガグリップが抜けてオートリリースとなりました。
アゴが分厚すぎて、30ポンドのボガグリップでも入り切っていなかった……。
残念だけど、うれしい誤算ってことで!
正直、ルアーではそれほどイージーでもなかったのですが、圧巻だったのは3日目以降にキャンプで訪れた上流部。
水路のプールで、ガイドに勧められてエサ釣りに挑戦すると……まさに、無限タライロン!
一体、同じ場所に何匹いるんだ!?というボーナスステージ、おそるべし魚影の濃さ(タライロンの場合、同じ魚が2度釣れている可能性すらある)。
噂どおり、トロンべッタスはタライロン天国だった!
ご存じのようにここ数年は航空券の高騰と円安で、日本からの海外釣行ツアーは高額に。
(その分、”音信不通”なんて面倒ごとがないメリットは大きい)
バックパックを担いでの”旅”スタイルと合わせて、これからは今回のようなアプローチ(現地ガイドを直接手配)が、特に社会人アングラーにとって第3の選択肢として注目される気がしています。
一応、事前予約をしているとは言え、そこは南米アマゾン。
確実な保証はどこにもないという緊張感のもと、現地の言葉に浸る10日間をすごすのは、なかなか刺激的ではないかなと!
さて、この水域に生息するのは、もちろんタライロンだけではありません。
それは次回「後編」で!
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