行き着いたは「MZ-7」。“ハチマル”までの4シーズン……超巨大アメマスを求めて、これからも。

こんにちは、北海道の藤田です。

もう数か月前の話題になってしまいますが、今年の夏、ずっと目標にしていたアメマスの80㎝オーバーを達成することができました。

今回はその報告レポートをお送りしたいと思います。

アメマスのサイズ狙いを本格的に始めて、今年で4年目となりました。

昨年までの最大魚はあと一歩及ばずの79㎝(「MV-65」にて)。

過去にも2度リポート(上下リンク)しているように、70㎝オーバーを数釣ることは確立できたのですが、なかなか目標の80㎝オーバーには到達できずにいました。

あと1㎝、2㎝の壁が本当に厚く……70㎝後半のサイズをどれだけ釣ろうと「もう、このサイズを数釣ってもしかたない」と思えてしまうほど(超贅沢な話なんですが)、「80」というサイズへのこだわりは年々強いものとなっていきました。

僕が毎年狙い打ちしているのは、秋の産卵に向けて大型のアメマス達が遡上し始める初期のタイミング。

マイホームのポイントは、どうやら釣り人がほぼ入っていないようで独占状態……だったのですが、ここ数年で増えてきたライバルが、鵜。

潜水して魚を追いまわしており、釣りにならない日がでてくるようになりました。

また、自分自身の釣り圧も影響しているのかアメマス達が年々ナーバスになってきているような気がしていていて、それに伴って?釣果は落ちてきていました。

そろそろ決めなきゃいけない……というわけで、今年こそは80㎝を超えるサイズを達成しようと気を引き締めて、大型アメマスと向き合いました。

春は別水系に入って夏の本番に向けての肩慣らしからスタート。

木々がごちゃごちゃとした川岸を一日7、8㎞歩く釣りになるため、とりあえずは取り回しの良さを考えて「MX‐6+」をチョイス。

バンタムXGにPE3号+フロロ8号を40㎝程度、というタックルを組みました。

使用ルアーですが……この釣りに力を入れ始めた4年前、シックリくるモノがなく、迷走していました。

倒木が絡むようなシチュエーションで、ボトム付近を小さくリフト&フォールをしながら流し込んでいく。そして、ルアーのシルエットはなるべく小粒にしたい……。

スプーンでは流れを受けすぎて操作しずらくフォールが“遅い”。

当時70㎝アンダーまでは良く釣った「チタラ」はウエイトバリエーションがない為各河川(流れの強さ)での対応がしづらく、フォールが少し“速い”。

一部道東エリアで流行った?カバー対応のスピンテールジグ系は操作が少々癖あり、難しい……。

そんな迷走を繰り返していたところ、DearMonsterユーザーでもある超コアな釣り仲間氏から勧めていただいたのが、インクスレーベルのナッゾジグでした。

この駒を手に入れたところで、一気に開眼。

シロギスやカワムツをもターゲットに捉えているこのルアー。

これまでヒミツにしていましたが……僕が多くを語るまでもないでしょう、想像、期待のはるか上をいってくれる凄いルアーでした。

……と、熱が入って話が膨らんでしまいましたが、現在、(ストラクチャー絡み・湿原系河川での)大型アメマス狙いでの使用ルアーはナッゾジグ8g、12g、16gオンリー。

リングを強化しフックは伊勢尼12号に交換、操作はボトム付近を跳ね上げながら流していき、回収はリトリーブ&要所でステイを入れがら、といった感じです。

さてさて、そんなナッゾジグと、「MX-6+」を使用した春先の結果は言うと、アメマスは70オーバーを2本(72&75㎝)、ゲストのニジマス65㎝もキャッチすることができました。

ですが大型個体のバラシがかなり多く、意識(改善)すべき点が明確になりました。

70㎝を超えるような大型アメマスの口周りは骨格ががっしりとしていて肉が少なく、確実にフックアップさせることを考えなければいけません。

上記タックルシステムでの問題点は、大型アメマスをターゲットとした場合、フックとロッドのバランスが取りきれていなかった事。

フック(シルエットは小さく、かつ、ある程度太軸の伊勢尼12号)との兼ね合い、タックルバランスを見直し、夏の本番に握ったロッドは「MZ-7」でした。

……まあ、これは去年の夏の段階で見えていた事だったのですが、シャキッとして芯のあるブランクスが、小さくそこそこ太軸のシングルフックを使って口周りの硬い大型アメマスを掛けていく釣りに、ベストマッチだったわけです。

昨年も70㎝オーバーは77㎝までを数本「MZ-7」にて釣獲しました。

その際のタックルセッティングはバンタムXGにPE3号+フロロ8号を40㎝程度、ナッゾジグ8g。

今夏のタックルも同じ組み合わせに、メインラインだけをPE2.5号に落としました。

使用ルアーはナッゾジグ8gをメインに、12gも投入。

メインラインを一段階細くすることで、より丁寧にルアー操作をしていこうという考えです。

夏のある日。

当初予定していた釣りに行けなくなってしまい、まだ時期的には少し早かったのですが、急遽今シーズン初の遡上アメマス調査に出かけることにしました。

エントリーしたのは去年何本か釣った実績のあるボサ周り。

前日降った雨の影響で増水し笹濁り気味で、魚影は見えませんが着いているとしたらココしかない。

そっと近づいて、ナッゾジグをボサ下へ流し込み、ゆっくりリトリーブしながら回収して……同じピンポイントに10投ほどした時、手首を返されるような衝撃と共に、凄まじいファイトが始まりました。

タックルに不備はなし。

掛かりどころさえ良ければバレることはありません。

ボサに突っ込む魚を制して、上流へ抜けて、魚をフォローしながらファイト。

方向転換して自分側に突っ込んできた後、じわじわ浮かせて尻尾を掴んで捕り込み成功。

今夏ファーストフィッシュが、自己新記録となる83㎝だったのでした!

ランディングしてすぐ、雷が近づいてきて土砂降り状態に。

あまり写真が捕れなかったのが悔やまれますが、ひとり4シーズンかけて煮詰めて捕った目標の魚。

久しぶりに、心が震える一匹でした。

……と、そんな感じで、まさか、遡上シーズン一本目が80㎝オーバーだったため少々霞んでしまいますが(笑)その後の釣果もついでにご報告を。

シーズン中に5回釣行しましたが、ボウズが2回。

今年は特に魚が全体的にナーバス気味なように感じられ、ロケットスタートを切った一匹以降は、なかなか苦戦することとなりました。

83㎝を釣った数日後、同じボサの数メートル下流のオープンエリアでサイトで見つけて、3投目のアプローチで口を使わせた78㎝。

また別日、倒木の脇にステイしているのをサイトで見つけて、1投目で素直に食ってくれた77㎝。

ちなみに、高台斜面から掛けたのですが、フッキングした勢いで足元が抜けるように崩れ、顔面から川へダイブしました(ウェットスーツ装着で、問題ナシです笑)。

と、そんなこともあるような釣りで、2シーズンまぁまぁヘビーな使い方をしているのですが、「MZ-7」、MXシリーズ程のヘビーユースは推奨はしませんが今のところ破損はありません。

食性や産卵のタイミングがどうとか、そういうことも関係なく、オールシーズン素直に反応して(多少アプローチがズレていても)自ら食いに来てくれる個体もいれば、その個体のツボ(ピンスポット)を突かないと全く無反応、口を使わない事も多いです。

いずれにせよ10g前後の小型ルアーを結構な流れの中で繊細に、的確にコントロールしていく釣りとなるため、「MZ-7」の操作性の高さが大きな武器となってくれています。

さらに、後日追加した71㎝と74㎝。

産卵前の魚の為、2週間ほどの期間でしか狙わないと決めているのですが、今年の夏シーズンは80オーバーを1本、70オーバーを4本捕ったところでタイムアップとなったのでした。

以上、簡略ではありますが、今年の大型アメマス釣果報告でした。

キャッチに至った以外では大型個体(70オーバー)のバラシが1回、サイトで仕掛けて掛け損ねが1回。

釣獲数はこれまでで最低でしたが、キャッチ率を見るとかなり良い線いってるんじゃないかなぁ~と、納得できる今シーズンとなりました。

最後にタックル面について今一度まとめると、「MX‐6+」「MV-65」(「MX-65」の旧モデル)、「MZ-7」、この3機種がこの4年間、湿原系河川での大型アメマス狙いで使用してきたロッドとなります。

10gアンダーの小型ルアーも操作しつつ、カバー周りで80㎝前後のトラウト(主にアメマス、ニジマスも70オーバーの可能性あり)とやりあう道東エリア湿原系河川での釣りを考えると、PE2~3号のセッティングで、僕のオススメは現在発売中のモデルでは「MX-65」(過去レポート参照、当時は前モデル「MV-65」を使用)と「MZ-7」。

ガイド経やガイド周りの耐久性を考慮して、タックル(主にガイド)が凍結する冬季や、あまりにもヘビーな藪漕ぎを強いられる場合は「MX‐65」(旧「MV-65」)、それ以外のシチュエーションでは「MZ−7」を。

これらを使い分けていければベストかと思います。

キャストスペースが限られるような湿原河川での大型トラウト釣りでは、6フィートアンダーのショートロッドが主流となっているところもあるように感じますが、個人的には6フィート半クラス程度あった方が、色々と潰しが効き、より釣果を伸ばせると感じます。(「MZ-7」と「MX-65」(旧「MV-65」)はほぼ同レングス、6フィート6インチ&6フィート5インチ)

湿原河川だけでなく、中規模の本流河川や魚がデカい(遡上アメマスやイトウなど、北海道ならでは、な)渓流などのオープンエリアにおいてもですが、春先に使用した「MX‐6+」も選択肢の一つであり、僕が多用する小型ジグ系や、同じ要領の一般的なスプーンの釣りもこなせますが、特に10gアンダー~のプラグをメインに使って“絡めとる”ような釣りをする際にハマってくるかと思います。

ハイシーズンの超パワフルな遡上トラウトを相手にした場合や、フッキングを考慮しなくてはいけない場合は、もう一段階レングスが長くてルアーコントロール(ドリフト時の操作)がしやすい、魚をいなしやすい、針の貫通力を上げやすい「MZ-7」と「MX‐65」(旧「MV-65」)が、よりしっくりくる印象でした。

……さてさて。

目標の「80」の大台を突破できたので、次の目標はアメマス90㎝。

別水系の開拓に着手していこうと思います。

また来年も巨大アメマスの報告をできるよう、精進します。

それでは、また!

<関連ページ・レポート>

幼少期から魚類に興味を持ち、6才で釣りを始める。バス釣りに熱中していた中学時代に小塚と武石が開設していたホームページと出会い、“怪魚”の世界に強い憧れを抱く。大学進学を機に北海道に移住、稚内から与那国島まで、アジアからアフリカまで、国内外を釣り歩いた。サクラマスの研究で大学院を修了、その後も北海道に残り、トラウトやロックフィッシュなど北の大地の釣りを楽しみながら、世界への旅を軸に据えた生活を送っている。