さぁ、イカメタルシーズン真っ只中。
私もどのエリアや潮回りが良いのか様子を見たり、スッテを買い足したり、乗ったことのない船に乗ってみたりと、この夏を満喫してます。

前半のレポートではShinkirow UP-LIGHT55///65ULVの機能についてまとめさせていただきましたが、後半は4段階可変長レングス&アクションをさらに活かすべく、創り込んだコダワリポイントについてご説明していきましょう。
イカメタルといえば、ティップを凝視しての“目感度”の釣りと思われがちですが、手にくる衝撃、“手感度”も合わせて見逃せないポイント。
手感度を向上させようと思ったらタックル全体の重量を落とすことが一番の近道となります。
そのために今回UP-LIGHT55///65ULVはロッド自体の軽量化と感度向上のために可能な限りのギミックと工夫を導入しました。
自重
重量はプロト段階でも65モードで89gをマーク。
数字だけだとピンとこないかも?ですが非モバイルモデル、普及モデルの2pcモデルのイカメタルロッドと比較していただけば一目瞭然。モバイルロッドとしては超軽量モデルと呼んで間違いないロッドです。
軽さは正義、感度とは軽さ!かつて限定的に販売したNude510(53)で体感したその衝撃を再現したく、開発当初から徹底し、ブランクスはもちろん、後述するグリップ、ガイドサイズまで徹底して“軽さ”に執着して設計と開発を進めました。
グリップ
モンキス初となるSKSSリールシートを採用しています。
スッキリとしたビジュアルはもちろん、プラスチック個体の体積を減らし、重量を落とすことを狙っています。

グリップのEVAパーツも使用に耐える最小体積、最低重量を目指しました。
しつこく、軽量化を最優先にとした結果です。
プロトでも十分な重量でしたが、まだまだ甘い!と削り込んだ結果がこちら…
奥がプロト品、手前が製品版。

“フル”メガホン構造
少しでも多くの振動を手に伝えるために施した軽量化。
出来ることならその振動を減らさずに、増幅してやれないか?と、採用したこの構造。

わかりますかね?
エンドパーツを密閉せず、解放構造にしています。
これまで様々なロッドのプロトモデル開発の際に体感していた解放構造のメリット。
ロッド全体を振動増幅装置として考えた際、ロッドエンドが密閉していれば振動はそこで行き止まり、打ち消しあって減少してしまう。
逆にエンドを密閉せず解放することで、振動をロッドエンドに向けて増幅することが可能になり、更にメガホン状の構造にすることで振動を増幅することが可能。
これって管楽器や車のマフラーメガホンとまさに同じことです
更に更に私のコダワリはここだけでは終わらない!
通常はすべてのパーツセクションのエンドの空洞をEVAで密封していますが、今回は#2〜#5までエンドの密封処理を意図的に行わず、完全に解放構造とすることにより、振動の伝導と増幅を限界まで狙いました。
(#1のティップパーツはカーボンソリッドなので流石にスルー構造にはできません)

いわばロッドを一つのパイプ化、さらにエンドに近づくにつれて直径が拡大するメガホン構造としました。
出来ることは全部やるし、全部導入、全部試す、そう決めて挑んだUP-LIGHT55///65ULV
ただただ流行りに乗って創るだけなら何時でもできたはず。
モバイルロッドだけを考え続け、モバイルロッドを創り続けた、モバイルロッド屋としての本気と拘りを顕現化できました。
是非、手に取って、拘り様はもちろん、ロッドしての完成度確かめてみていただきたいです。
ココまでの説明だけですと、拘りを詰め込んだ、オタクロッド、ファンフィッシングロッドとして理解されちゃいそうなので、実用機としても一線に立てる!ことを立証すべく、私吉田、トーナメントに参加してみました。
7/23に福井県で開催された「若狭おばまイカメタル釣り大会」

平日開催にも関わらず116人のエントリーと大盛り上がりでした。
当日は10艇ほどの船にエントリー者が分かれて乗りこみ、同一エリアでアンカリング。
日が沈みパラパラと反応が出て始めるものの、イカのサイズはかなり小さく、棚もバラけまくり…と繊細さと攻めの姿勢を求められる技術戦となりました。
久々の本気モードの私、船中竿頭を頂き、更にペースアップ。
結果、6位/116人と、表彰台こそ逃せど、上位入賞!

優勝者が37杯、3位で31杯、私で28杯とかなりの接戦でしたが、そんなコンペティショナルな場面でも遅れを取らない、第一線で使えるロッドであることが証明できたかなと思います。
さぁ、ここからは後半戦、サイズも楽しさが加速していくイカメタルゲーム。UP-LIGHT55///65ULVご活用ください!