モンキスの“中の人”、ヨシダです。
2023年、年明け早々我々(吉田&小塚)は南米に向かっておりました。
私は実に3年ぶりの海外!
様々な思惑や期待を募りに募らせて向かった先は南米、ブラジル。
海外ったら南米でしょ!、南米ったらブラジルでしょ!、ブラジルったらピーコックバスでしょ!
と、湧き上がるモチベーション全快で準備を進めました。
2023年の南米遠征は接種証明アプリの提出など、出国時の手続きが多少増え、大丈夫なのか?と不安が多かったけれど、始まってみれば拍子抜けするくらいのスムーズさ……イミグレの手間や街の雰囲気は以前とは変わらない。
「世界は、ゲートは開いたぞ!」と実感。
が、フィールドに到着して違和感に勘づく。
「なんか涼しくないか?」
水に手を突っ込んで、違和感が確信になっていく。
「なんか水冷たい気がするんですけど?」
そう南米の魚たちは、我々の常識を飛び越えた温耐性を持ち、高温になるほどに活性が上がるのですが
、逆に水温が下がると一気に活性も下がってしまうのだ。
熱帯魚系を飼育している人であれば、魚種やエリアにはよるもの26~28度前後に存在するボーダーを体感しているはず。
他にも原因があったのかもしれないが、楽しみしていたトップウォーターへのアタックが渋い、渋い、渋すぎる。
水温の上がる時間やエリアを見つけないといい結果に巡り合わない。
厳しいぜアマゾン、そりゃないよ。
「致し方あるまい。」
アマゾンで小技とは不本意な気もするが、地球の裏側まで足を運びながら釣らずには帰れない!
釣りたい、魚と出会いたい。であれば……手にするタックルを変えた。
極力魚へルアーをコンタクトさせるために今回多用したのがミノー。
10cm前後をメインに、様々なものをチョイス。
ロッドはブランクが「MX-6」、ここに私は「MV-55」グリップを互換。
こうすることで、ノーマルの「MX-6」よりグリップエンドまでが約5cm長くなる。
結果的に最大魚(テメンシス種80cm)を釣り上げた同行者は、「MX-6」のブランク&リールシートに「MX-6+」のリアグリップセクション(#5)を組み合わせ、グリップエンドまでを約7cm長くしたセッティング(下画像)で、バランスを仕上げました。
そして今回、個人的にポイントとなったと感じるのが、リール。
今回導入したのは20メタニウム。
標準仕様でも高性能だけど、オプションパーツのシャロースプール(夢屋or KTF)を組み合わせ、各種パーツでバランス取りを施した。
スプールメインにカスタムすることでレスポンスが激変、フィネス系メイン機だった16アルデバランBFSに匹敵するキャストフィーリングを手に入れることができた。
更にドラグ値は強く、ボディの高剛性を生かし、ヒット後もゴリゴリ巻き上げ、魚がブッシュに突破する隙を与えない、「MX-6」のロッドパワーとの相性も非常に良い!
コロナ禍、リールのカスタムをしている中で、コレは使えるのでは?と試していた仕様を海外フィールドに持ち込んでみたが、予感は確信に。
仕上げたセッティングが抜群に効いてくれ、とにかく使い易い。
リールのチューンよるキャスタビリティの向上は7cmのフローティングミノー(約5g)ですらバックラッシュを抑え、精度の高いキャストを可能にしてくれる。
それでありながら「MX-6」(のブランク)は流水系のピーコックバスのファイトにも余裕を持って対応可能!
「狙い通りだ!」
心中ガッツポーツの連続だった。
楽しむなら“5”系統(「MV-55」「MX-5S」)、獲るなら“6”系統(「MX-6」「MX-6+」「MX-6Pro」「MZ-6S」)。
中でも今回、低水温に伴うと思われるシブい状況では、“10kgリフト最柔”の古参モデル「MX-6」の活躍が際立った!
(仕舞寸50cmで)60度強度試験で最大10kgリフト達成する……それ即ち、10kg・1mを一つの数値基準にした“怪魚”、モンスターを相手どれる最も柔らかいモデル。
2014年発売、以後一切仕様変更をしていないブランクとしては最古参となるこのモデルが、あらためて“火”を噴く展開に!
ピーコックバスは数あれど、自分の中で憧れだった〝フォーゴ〟(ポルトガル語で“火”とか“炎”の意)も釣獲!
紅く染まる魚体に見惚れる、そして引くなぁ……。
最大でも60cm程度の中型種、この種に限って言えばサイズを狙うというよりは、手を替え品を替え道具を遊び、個体差(スポーニングフェーズの進捗度合い)を愛でる釣り。
実際に3年ぶり、海外で今一度「MX-6」を使い込んでの所感は「余裕と懐の広さ」。
1種の魚にアジャストするのではなく、多種多様な魚種、状況、ルアーに対応できること。
守備範囲の広さこそが、海外遠征においてロッドに求められる要素の一つであることは、
これらの結果をみれば明確でしょう!
ライト&タフネスの基礎性能がしっかりした「MX-6」は発売からやがて10年の歳月が流れても、色褪せる事はない。
低負荷から高負荷まで“粘る”ブランク特性に加え、今日のリールの性能進化、グリップパーツのアップデートによりキャストアキュラシーを確保。
肩手術に伴うリハビリ中で、本調子ではない小塚は、疲労軽減(使う筋肉を変える)の意味で、22年仕様に付属のスピニングリールシートを合わせて「MX-6」を使用。
小塚がサブネームに“PRESENT”(今、現在の意)と呼んでいる「MX-6」。
ブランク(ガイドセッティング)は10年変わりませんが、一方グリップは“今”を大事に、最もマイナーチェンジが多いモデル。
「思い出だけでは作らない!」と、進化を止める気はサラサラ無いようです。
改めて、「MX-6」が引き寄せた今回の最大魚ピーコックバス・アスー(口閉じ、尾開き80cm。撮影ヨシダ)。
モンスターを相手どれる、“怪魚ロッド”として最柔ブランクの真価……“惚れ直す”じゃないけど、今一度「MX-6」のポテンシャルを垣間見た2023年南米遠征。
「50cm仕舞で、10kgをリフトできる、最も柔らかいロッドを作りたい!」
私も入社する以前の10年前、シンプルにそれだけが、小塚の要望だったと聞いています。
次はどこで、ディアモン随一の美しきレギュラーテーパーが孤を描くか?
帰路、ノーマスクの人混みを目に思いを巡らせるヨシダなのでした。
■TACKLE DETA
ロッド:
「MX-6」のリアグリップ(#5)を「MX-6+」の同セクションに交換
リール:
BASE 20 Metanium XG
KTF バーサタイルフィネスver3、for PE1.5G
夢屋 shallow spool、for PE3G
KDW OffSet Crach
Avail STi2.5 HD-SH-90
ZPI BARREL SHAPE KNOB
Oil&Grease Bored
ルアー:
7cm~11cmミノー(メガバス・ワンテン他)、「Banheiro」など。