あの日のパプアニューギニア釣行記。-Dear Monster黎明期の旅-(前編)

こんにちは!

広島の津田です。


今回は、やがて10年前の話になりますが、2015年のパプアニューギニア遠征についてお伝えしたいと思います。

パプアニューギニアはオーストラリアの右上あたりに位置する国で、人口は600万人ほどの自然豊かな国です。

「地球最後の秘境」なんて言われる事もありますね。

言語が多い事でも有名で、約800を超える言語が存在していると言われています。

僕がなぜこの国へ行く事になったか…淡水最強のファイターと呼ばれるパプアンバスを釣る為です。

釣り人としては一度は釣っておきたい魚ですよね。

この魚を手にする為、当時の会社上司へ出発の半年以上前から根回しをしてなんとか3週間の有給を取り付けました(笑)

今思えば怖いもの知らずと言うかなんと言うか……。

そして2015年10月上旬、成田空港からの直行便でパプアニューギニアのポートモレスビーへ向けて出発しました。

パプアニューギニアは国土のほとんどが熱帯雨林気候で、5月~10月が乾季、11月~4月が雨季に分かれています。

僕が行った時期は乾季の終わりかけ。

あと1週間ずれていれば雨季に入っていたようなギリギリのタイミングです。

ポートモレスビーから国内線を経由して、目的地であるニューブリテン島へと降り立ちました。

そこから近くの街へのバスに乗り込み、ひとまず街へ向かいます。

ニューブリテン島の街並みはこんな感じ。

日本で下調べはしていたのですが、この辺りはホテルが意外と高く(当時の物価で1泊5,000円~10,000円程度)、資金も限られているため出来れば泊まりたくないなと思っていました。

そんなタイミングでバスの運転手から1泊2000円のゲストハウス(と言っても、5家族くらいが集まって集団生活をしている建物の一室)を紹介してもらい、初日はそこに泊まる事にしました。

これゲストハウス……でいいのか?

ちなみに、写真左側、青いリュックの隣の黒い袋が僕の、いわゆる“バズーカー“(?)。

この旅は、“始祖のディアモン”こと「MX-71」(仕舞寸90cmグリップ分割式変則4ピース、2012年限定生産)を持って行ったので、その長さに合わせて塩ビ管をカットして作成。

これでバックパックのサイドに固定して、移動時は両手フリーがかなり楽です。

隣、緑のリュック横にあるのは同行者のもので、グリップ脱着のワンアンドハーフロッドを収納した、当時主流の“バズーカー”。

オフショア・1ピースロッド遠征にルーツを持つ、重厚長大アメリカ製の本家“バズーカー”と比べれば(下に参考写真)、比較的コンパクトではありますが……それでも片手は塞がります。

海外志向の釣り人、いわゆる“怪魚”を求める旅人たちが、ホームセンターに塩ビ管を買いに行って自作していたあの頃……。

パックロッド(Dear Monster)の機動性の良さは、言わずもがな。

……多くのブランドが追随した現在、もはや“バズーカー”と言う言葉自体に隔世の感がありますが、当時(約10年前)は「パックロッドは弱い」が常識で、「海外・巨大魚にもマルチピースロッド」というモンキスのコンセプト、Dear Monster の方向性は、斬新でした。

さて翌朝、街でガソリンを買い、バス(とは名ばかりのトラックの荷台、PMVと呼ばれる)に乗って目的の村へ向かいました。

パプアニューギニアのSP(サウスパシフィック)ビールと共に出発!

道中2~3時間かな?未舗装の道を走り、川を渡って村へ到着しました。


雨が降ったら荷台に写真のようなシートを掛けるんだけど、これが蒸し暑いし、パプア人は体臭強い(ワキガ率高い)し、なかなかにキツかった……。

……けど、帰る頃にはそれすらも日常で心地良くなってた。


村の市場。

早速、村のキーマンを紹介してもらい、数日の滞在と釣り船の手配をしてこの日は終了。

以前友人が日本から訪れていた経緯もあり、比較的すんなり受け入れて貰えました。


お世話になった村の中心に小さな川が流れていて、上流がお風呂・中流で洗い物・下流がトイレに使用されていました。

その日は既に船が出ていて釣りには行けなかった為、村を案内して貰って子供と遊んだりピジン語を教えてもらったりして過ごして翌日に備えて就寝。


翌日早朝から出船しました。

ようやく釣り開始です!

今回準備したタックルは以下の2セット。

河口・海(トローリング含む)

Rod:「Dear Monster MX-71」

Reel+Line:SHIMANO スピードマスター201+PE5/SHIMANO 15カルカッタコンクエスト401+PE8号+リーダー80-100LB

ルアーキャスティング

Rod:「Dear Monster MV-65」(ステンレスSiCガイド&TCSグリップ搭載の2015年仕様)

Reel+Line:Abu POWER CRANK + PE 4号+50LB/SHIMANO スピードマスター201+PE6+リーダー60LB

……タックルからも時代が感じられますね(笑)

「MX-71」(ブランク2ピース→4ピース仕舞寸50cm、圧縮コルク無しコルク端、BRCエンド等「MX-7」ではアップデート)は河口の大場所やトローリング用、その他は「 MV-65」という使い分け。

ルアーは、信頼のラパラを中心にBKFやアイルマグネット、ビーフリーズ等の中から状況に合わせて選択していきます。


このような中規模河川の中流~河口域で、岸際を下りながら打っていきます。

倒木や流れ込みが絡んでくると激アツです。

(「中編」に続く)

<関連レポート>

中国・四国地方在住。釣りは幼少期から始め、小中高とシーバスやショアジギングに明け暮れる。20歳から海外遠征を始め、アジア諸国・オーストラリア・パプアニューギニアなどに釣行を重ねる。魚のみならず生き物全般が好きで、初めてのターゲットとの出会いは、そこに至るまでの過程を大切にする。アカメを手にするまで9年間高知へ通い続け、紆余曲折を経て巡り会った初めての1匹が、135cmであった。趣味はキャンプ。釣りがオフになる冬の週末は、山に籠っていることが多い。「考えるより感じろ」がモットー。