念願の初アフリカ‼︎ ケニア・ナイルパーチ釣行(後編)

前編」に続きます。

釣り3日目、早朝に風が始め寒さで起床。

この感じ……と嫌な予感は的中し大雨が降り始める。

数時間で雨は弱まったが、風が止まず湖は大荒れ。

短期旅では釣りの時間が減るのは痛手だが自然には抗えない。

それこそ強行突破で釣りに出て、命を落としたら元も子もない。

暇なのでキャンプの周りを散歩していると2人の青年に出会った。

魚を獲っていると話していたので、恐らく違法漁師!笑

トゲトゲの植物がある中、スタスタと裸足で歩けるの強すぎる……笑

タックルのチェックや散歩をしながら時間を潰していると、徐々に風も弱まり湖の水面も穏やかになってきた。

このまま荒れ続けて釣りが出来なかったらどうしようか心配だったが、何とかなりそうだ!

釣りに出発する前にご飯を食べて腹ごしらえ。

今日のメニューはウガリとナイルパーチのチリソース煮込み。

今回のキャンプ飯の中で一番の美味さ!

思わずおかわりして食べ過ぎてしまった。

しかし、このおかわりが後々後悔する事に……笑

風は弱まったといえ、平常時よりは波だっており大きく揺れるボート。

出船して間も無く気分が悪くなってきた。

完全に船酔い……。

ご飯たくさん食べなければよかった……。

でも大丈夫!こんな時の為に酔い止めを持ってきている。

ところがバックの中を探すも酔い止めが見つからない。

やらかした…ベースキャンプに置いてきた……。

さらに雨も降りだし気分は最悪。

しばらくグロッキーな時間が続いてたが、陽気なアフリカ人達を見ていたらいつの間にか船酔いなんかどうでも良くなった!笑

シャローエリアからディープエリアまで一通り流すもアタリがない。

今日は出船できただけマシかなぁ……と半諦めかけていたが、夕マヅメに待望のヒット!

悪天候で釣りの時間は短かったが、ボウズも免れたし何だかんだ楽しめた1日だった。

その日の晩御飯は船酔いした事もあり、全然食欲が湧かなかった!笑

油ギトギトだし時々ジャリっとするしね……。

釣り4日目。

暗いうちに起床しボートマン達を叩き起こした。

釣り人にとって魚の活性が高いであろう朝マヅメはチャンスタイム。

眠たそうでテンション低めなアフリカ人達とは対照的に私は期待でやる気満々!

トローリングを始めてすぐにアタリが出ると思っていたが、全然甘くなかった。

1時間、2時間経過してもアタリはない……。

アマゾンの魚が陽が昇ってから活性が上がるように、ナイルパーチも同じ感じなのかな?

色々考えながらトローリングを続けているとようやくヒット!

引きにトルクがなく、サイズはかなり小さそうだ。

上がってきたのはナイルパーチの幼魚。

日本のアカメの幼魚と同じく縞々模様でカッコいい!

その後もトローリングを続けるもアタリが続かず午前の部は終了。

昨日の暴風雨の影響なのか?

それともこんなもんなのか?

色々考えるがこの釣りの経験値が低くすぎて確信を持てる答えがでない……。

とりあえずお腹を満たしてから考えよう!笑

相変わずベチャベチャな茹で具合のマカロニだが、朝ご飯を食べていないので食欲満点。

ナイルパーチのフライは揚げたてで最高に美味しい。

昼食の後、近くにティラピアが釣れる池があると言うので出掛けてみる。

途中小魚が沢山干されている場所を見つけた。

冷蔵庫がない場所で食材を保存するには干物にするしかないのだろう。

さらに進んでいくと目的の池に到着。

漁師達がちょうど網を上げている最中でティラピアが網に掛かっていた。

漁師のイカダに乗らせてもらったりアクティビティを満喫した後、ようやく釣り開始。

MX-1」でガルプの浮仕掛けを投入して間も無く、小さなティラピアがヒット!

なかなか魚影は濃さそうだ。

何匹か普通のティラピアを釣り上がた後、今までとは違う種類がヒット!

派手さはないが渋みの色合いが美しい。

さらに釣り続けると綺麗な個体もヒット!

日本のタナゴのように水槽で飼ったら映えそう!

このままティラピア釣りを楽しみたいところだが本命はナイルパーチ。

漁師達に別れを告げキャンプに戻る。

ミルクティーを飲んで一休みしてから午後の部開始。

しかし灼熱なケニアの日差しに耐えながらの釣りはなかなか過酷。

フェイスガードに変更グラスと一見誰だか分からない強盗スタイルで強い日差しを耐える。

釣りを開始してすぐにヒット!

中型個体だが反応があると面白い。

シャローエリアにポイントを変え、流し始めるとまたまたヒット!

今日は活性が高いのか反応が早い。

このまま大型個体が出るかと期待したが、かわいい赤ちゃんサイズを追加してこの日は終了。

なかなかサイズは伸びないが適度に反応があって釣りは楽しめている。

帰って早速夕食。

気を使ってお皿によそってくれていたけど、この日はアフリカ人達と同じスタイルでいただく。

同じ釜の飯を食うとはまさにこのこと!笑

こんな楽しい時間をあと数日と思うと少し寂しくなる。

ご飯を食べたあと夜釣りにも挑戦。

釣ったナイルパーチの切り身をぶっ込んでみる。

投げ込んで間も無く「コンコンッ」と反応が!

合わせてみるが乗らない…

餌を付け替え、再度投入。

「ココッ」と鋭いアタリが!

今度は少し送り込んで餌を食い込ませてから合わせる。

「乗った!」

上がってきたのはナマズ。

インドネシアのバウンという魚によく似ている。

他の魚も釣りたかったが、同じナマズを二匹釣って終了。

何箇所も蚊に刺されたのでマラリアにならない事を祈りたい…笑

釣り5日目。

香ばしい匂いで目が覚めた。

ボートマン達が昨晩釣ったナマズを焼いてくれていた。

やはりナマズは安定の美味しさ。

出船してしばらく無の時間が続く。

やはり朝マヅメはあまり良くないのかなぁ…

暇なのでボートマン達に日本語教えたり、現地の言葉を教わったりと楽しく過ごしているとようやく本日初ヒット!

可愛いサイズだがゼロとイチではモチベーションが変わってくる。

しかしアタリが続かずきりのいい所で昼食に戻る事に。

そろそろウガリも食べ飽きてきたが、日本じゃまず食べることが無いので帰国したら恋しくなる日が来るのだろう……笑

昼食後はかなり長めのお昼寝タイムなのだが、貴重な時間を無駄にしたくはない。

MX-6」+「MX-PROGRESS 30G」+「MX-7」の組み合わせで五目釣りを試みる。

その場の状況に応じてロッドの長さやグリップを変更出来るのは荷物が限られる遠征においては本当に心強い。

スピナー系のルアーを投げていると何かがチェイスするも食い切らない。

そのまま投げ続けているとようやくヒット!

上がってきたのはティラピア!

餌釣りでじっくり狙うイメージのティラピアだが、このエリアでは早巻のルアーにも好反応。

普段小魚を追い回して捕食しているのだろう。

その後も適度に反応があり、ゲーム性が高く楽しめた。

ティラピア以外にもサプライズゲスト登場!

猛スピードでルアーにアタックしてくるがなかなか掛からない。

掛かったしてもすぐにバレる。

何度か同じやり取り繰り返しているとようやくフッキングに成功!

鋭い牙が特徴のタイガーフィッシュ。

最高にカッコいいフォルムをしている。

様々な種類がいるが、最大種のムベンガをいつか釣ってみたい。

小物釣りを楽しんでいるうちにお昼寝タイムも終わり、午後の釣りに出かける事に。

まずは今回ヒット率が高い実績ポイントに向かう。

流し始めて間もなくルアーが引ったくられる。

手元に伝わる重量感、ドラグの出方からして間違いなくデカい!

これは絶対に獲りたい!

数回のダッシュをいなし慎重に魚との間合いを詰め、船べりまであと少しという所でラインテンションが抜けた…

「マジかよ……」

今まで全然バレなかったのに何でデカい奴に限ってバレるんだよ…

ショックでボートに座り込む。

「またデカいの狙おう!」とボートマン達の励ましに空元気で応える。

後悔してもしょうがない!先に進もう!

気持ちを切り替えてトローリングを再開する。

その後暗くなるまでトローリングを続けるも、慰め程度に可愛いいサイズを一匹追加でその日は終了。

明日の最終日に望みをかける。

今晩のメニューはオムライス?笑

デカい魚をバラした事を忘れようとやけ食い気味にご飯をかき込む。

食後は明日の最終日に向けてタックルをチェック。

リーダーやフックを新品に交換し悔いが残らぬよう万全な体制を整える。

釣り最終日。

今日は半日だけ釣りをして街に戻らなくてはならない。

朝早く出船したが、違法漁師達はもう漁を始めているようだ。

朝イチは実績のポイントから流し始める。

「最後にデカいの釣らせてくれ!」と願っているとすぐにヒット!

引きの重さからまあまあサイズは良さそうだ。

慎重に巻き上げ魚体が浮いてくるとボートマン手慣れたようにハンドランディング。

特大ではないがメーターオーバーの良型のナイルパーチ。

こぶしが余裕で入る大きな口にうちわのような尾鰭と三角に尖った背鰭。

フォルムがカッコ良すぎるって……。

日本のアカメや東南アジアのバラマンディに似ているが、深場にいるためか鱗は小さく柔らかい。

背鰭は溝にすっぽり収まる構造になっており、似て非になる魚だと感じた。

最終日に良い魚に出会えて十分満足だったが、この日は状況が良く半日だけで6匹のナイルパーチに出会う事が出来た。

夢の150cmを超える特大級には出会えなかったが、初挑戦にしては十分満足な釣果だ。

これも色々アドバイス頂いた「藤田テスター」のお陰。

近所の小川からアフリカの僻地まで、それぞれ得意分野を持ちながら様々な釣りを網羅しているモンキスのテスター達は本当に心強い。

ベースキャンプに戻り荷物をまとめてから最後の食事。

油ギトギトのハイカロリージャリジャリキャンプ飯ともこれでお別れ!笑

数日天日干ししていたナイルパーチの干物も完成していた。

塩を振っている訳ではないので塩味は感じられないがないが、ナイルパーチの旨味が凝縮されていてかなり美味しい。

味を調整すれば鮭とばみたいに酒のつまみになりそう。

「いつか夢を追いに戻ってくるよ…」

湖に感謝してベースキャンプを後にする。

また帰ってきたい場所がひとつ増えた。

例え150cmオーバーを釣っていようと結局また帰ってきたくなるんだろうなぁ……。

釣りとは大概そんなもんだ。

完全に満足し切る事なんてまずない。

だからこそいつまでも楽しみが無くならない。

本当に幸せな趣味に出会えたものだ!

湖畔の街でボートマン達と別れ、すぐに飛行場がある別の街に移動。

社会人の釣り旅は本当に忙しい!

余裕を持った行動をしたいけど、できる限り釣りの時間を長くしたいからね!笑

異国に来たら珍しい物を食べたいのが旅人の性。

帰路の途中ラクダの肉を食べてみる。

牛肉のような味で柔らかく非常に美味しかった。

ラクダのミルクも飲んだが牛乳よりも薄くて少し獣臭かった。

さてさて。

今回初のアフリカだったが、大きなトラブルもなく無事に目的のナイルパーチに出会う事が出来た。

特大級のナイルパーチを釣る事は出来なかったが、またこの地に帰ってくるきっかけになるだろう!笑

しかし、アフリカは広く、まだまだ釣ってみたい魚や訪れてみたい場所が残っている。

また近いうちにアフリカに行く事になりそうだ……笑

「待ってろよ!アフリカ!また会う日まで」

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関東地方在住。大学時代に訪れたタイの釣り堀りをきっかけに海外釣行に開眼。卒業後「働き出したら出来ない釣りと冒険をしよう!」と就職を3年遅らせ、南米、東南アジアをバックパッカーとして釣り歩く。資金捻出にインドネシアで半年間働いた際、現地言語を習得。以後、語学力を武器にジャングルの最奥部まで入り込む様は、名は体を表す“ターザン”(田山)のそれ。自称“華より泥が似合う、茶色系マルチアングラー”として、魚種問わず国内外を駆け巡る。