初海外釣行@フィリピン。新旧“ログゴー”携え、トーマンの新天地へ。

みなさんこんにちは!

新人テスター宮尾です!

今回は念願の初海外釣行レポートです。

今まで何度かタイなどのポンドでの釣りに誘われてきたものの、海外遠征童貞をポンドに 捧げたくないという思いで、断り続け、ついに海外に初挑戦です。

ずばり今回のターゲットはジャイアントスネークヘッドです。

東南アジアに広く生息しており地域によってチャドー、トーマンなどと呼ばれている獰猛なフィッシュイーターとし て有名な魚です。

小塚さんの初海外でのターゲットがトーマンだったということにも影響を受け、初海外ではトーマンを狙おうと意気込んでの釣行になります。

今回の遠征先はフィリピンです。

フィリピンにはトーマンは本来生息していませんでしたが、移入等により個体数を増やし続けている魚です(フィリピンではトーマンと呼ばれて いたので、以下トーマン)。

同行者曰く東南アジアの中でも随一の魚影とのことで期待に胸を膨らませずにはいられません。

海外童貞をポンドに〜なんて言ってたくせに移入先のエリアで釣りをするのかというツッコミはあると思いますが、そこは暖かく見守ってください。(笑)

出国前にラインを全て巻き替えて、普段は使わない PE にシュをしたり、ロッドのフェル ールやルアーもしっかりとチェックし、現地で巻き替える用の予備ラインも用意して気合いは十分!

ウッキウキで羽田空港へ向かい、同行者と合流しいよいよ飛行機へ。

機内食を貪り、惰眠を謳歌し気付けばフィリピン、ニノイアキノ空港へ到着、記念すべき 1 つ目のスタンプをパスポートに貰い、ドライバーと合流し目的地まで 3 時間弱ほどのドライブを。

目的地に向かう途中にもフィリピンの街並みや、バイクなどの交通量に驚いたりと楽しみながら向かいました。

ドライブが終わると現地のボートマンと合流し、手漕ぎボートに乗り換えて目的地であるエリアに 1 時間ほど移動し、ついに到着しました! 

フィリピン滞在中は現地の方の家に泊めてもらうので、一旦そこで荷解きと釣りの準備を行いました。

今回は自前の「MV-65」と、小塚さんから「投げ比べてみて笑」と託された後継機「MX-65」、ショートレングスの「MX-6Pro」 という3タックルでトーマンに挑みました!

フィリピンでのトーマンの狙い方は、ブッシュやカバーの際をブラインドで狙うトップゲームと、フライボールと呼ばれる稚魚ボールを守っている親トーマンを狙う、ブラックバ スのネスト打ちに近い釣りの2 種類に大別されています (普段あまりネスト打ちはしませんが、郷に入っては郷に従えということで、フライボール 打ちもしました)。

ロッドの使い分けとしては新旧“65”の2本でバズベイト、バジングワームなどでのトップゲーム、「MX-6Pro」でディープダイバーやスピナーベイトを使ったフライボール打ちで大型のママトーマンを狙うといった用途になっています。

その他、何が起こるかわからないので「MX-5S」でスピニングも1タックルセッティングしました。

日中はトーマンの反応が良くないため、早朝と夕方のいわゆるマズメのタイミングで釣りをし、昼間はご飯を食べて昼寝をするというスケジュールで動くようです。

準備を整え、ついに初日の釣行がスタートしました。

スコールに打たれながら船を走らせ、ポイントへ到着。

ブッシュの際をタイトにバズベイトで攻めると、チェイスやバイトはあるもののなかなか 掛からない……そんな中ピックアップ手前で強烈なバイトが!

しかしうまくフッキングでき ずに 2バラシ。

想像以上のバイトスピード、あまりにも直線的なランでエクストラハイギアのリールでの 全力巻きでも追いつかないレベル……面食らってしまい天を仰ぐことしかできませんでした。

ボートマンに 3 回はフッキングして確実に魚をかけるんだとコツを聞きながら釣りを進めて行くと再びバイトが!

今回はしっかりとフッキングすることができ、ファイトが始まる。

日本の雷魚とは比べ物にならないほどの直線的なランで、船の下に突っ込まれあたふたしながらなんとかキャッチ。

ファイトからは想像できないほど小さい魚でしたが、念願の初トーマン、海外初キャッチ の魚はサイズに関わらずとても嬉しい 1 匹でした!

フライボールを探すも、見つからないためブラインドでキャストを繰り返していると、先ほどより重いバイトが!

クラッチファイトで船縁での急な突っ込みに対応しながら寄せて くると、4kg 程の良い魚をキャッチすることができました。


少しだけコツを掴むとができ、その後もう一本キャッチすることができました。

初日の夕方に 3キャッチとなかなか良いスタートを切ることができました!

ボートマン達とご飯を食べながら明日以降の釣りのプランを立て、眠りにつきました。

<DAY2>

2日目の朝はフライボールを探しながら、ブラインドメインで釣りをしました。

朝イチから反応が良く、立て続けに 3 キャッチすることができました。

フッキング後の初動がとにかく速く重い……光の速さまではいかないものの、“加速は力、速度は重さ”、漫画ONE PIECEで黄猿が言ってたことを身をもって感じます。

しかし、陽が高くなり始めると急に魚からの反応が悪くなり、チェイスはあるもののイマ イチ食い気がなく、ルアーに触ることはない状況が続き、巻き速度を変えたり、ルアーを 変えたりと試行錯誤するものの上手くいかず、午前中の釣りは終了しました。

昼寝を挟み、夕方の釣りがスタート。


レギュラーサイズのトーマンはすでに6本釣れているため、フライボールを探し大型のト ーマンを狙うことに。

ボートの上からフライボールを探して走り回ると、オープンエリアにボールを発見することができ、そこからはひたすらボール打ちを繰り返しました。

稚魚達が呼吸のために水面 に浮上したタイミングですかさずディープダイバーを通すもののなかなか親トーマンからの反応は得られずに気づけば 1 時間半程が経過してしまいました。

日没が近づいてボール を見つけるのが困難になってしまい夕方の釣りは終了しました。

<DAY3>

3日目の朝は雨がぱらつきボールは探しにくいため、ブラインドでのトップゲームで狙い ました。

朝イチの薄暗い時間帯からチェイスがあり魚の活性はかなり高そうです。

そんな中ブッシ ュの際からチェイスがあり、少し巻きスピードを落とすと水面爆発のど迫力バイトが!

一気にラインを巻き追い合わせもしっかりキメると、一気にブッシュに入られてしまう。

ロッドパワーを信じてスプールを押さえながら無理やりぶち抜くとオープンエリアに向かって魚が走り出し、無事にキャッチすることができました。



今までのトーマンよりも明らかにデカい、そして太い……。

ボートマンとハイタッチし喜びを分かち合う。


さらに大きなトーマンを求めキャストを繰り返すものの、特に反応もなく午前中は終了。

気持ちよくお昼寝をし、再び夕方の釣りへ。

大型トーマンを狙うべくフライボールを探すがなかなか見つからず、ブラインドに切り替えた矢先、オープンエリアで呼吸しているトーマンを見つけたため、呼吸打ちで狙うことに。

一度沈んだトーマンの呼吸を見つけ、進行方向にすかさずバジングワームを投入すると一撃でバイトが!

オープンでかけたため、落ち着いてキャッチすることができました。

その後呼吸もなくなったため、再びブラインドで狙うことに。

雨がぱらつきローライトになったタイミングで再びの特大バイト。

MX-65」がバットから気持ちよく曲がり込み、フルロックのドラグが唸る。

首振りとランをいなして上がってきた魚は黒×緑の美しいトーマン。


重さこそないものの細長い魚体に、綺麗なカラーリングの最高の魚でした。

この魚を釣ったタイミングで日没が近くなったため、3日目は終了しました。

晩御飯で食べたエビが美味しかったです。

<DAY4>

4日目の朝はかなりローライトで雰囲気が良く、気合いが入る。

写真 20

案の定魚からの反応は良く、朝イチは強めのアピールが効くと考え、バズベイトを投げる と3 投目で水面爆発!

沈んだストラクチャーに巻かれかけるも無理やり頭を向け、キャッチ!


太い……長さはそこまでないもののとにかく太い 1 本でした。

その後、フライボールを見つけられたため、1 時間ほどネチネチとストーキングし、ボールを打ち続けるもママトーマンからの反応は得られずにポイント移動。

移動先にもフライボールがあったため打つものの、稚魚のサイズが大きいのか、呼吸のペ ースがあまりにも遅いため見切りをつけ、午前中の釣りは終了しました。

フライボール打ち中にディープダイバーなどに小さなバイトがあり、フッキングしてみるとかわいいサイズのトーマンが釣れました。


写真のトーマンは縞模様がありますが、もっと小さな稚魚は真っ赤っかで、まるで縁日の金魚すくいにいる和金のようでした。

お昼ご飯を食べ、軽く昼寝したら午後の釣りスタートです。

午後はフライボールを見つけられず、ブラインドの釣り中心となりました。

バズベイトへ の反応が悪く、スピナーベイトでレンジを入れ、何度かバイトがあるもののフッキングに 至らず……。


ボートマンにお願いし、早目にポイントを変えることにしました。

移動先のエリアは水没した家屋がストラクチャーになっているエリアで、沈んだ家屋の中にトーマンが潜んでいるようです。

沈んだ家屋にバジングワームをスキッピングでテンポよく打ち込み続けると、激しいバイト音が!

バイトシーンは見えないものの、家屋内にバイト音が反響し、興奮が止まらない。

家屋内から引きずり出し、レギュラーサイズをキャッチ。

家屋周りで何度か反応は得られるが、なかなかヒットに持ち込めないため、再びブッシュ でのブライドで狙うことにしました。

バジングワームでのブッシュ打ちでレギュラーサイズを追加でキャッチし、4日目の釣りは終了しました。

トーマンを何匹か釣ると、太軸のバズバイトがあり得ない方向にひん曲がります(笑)

ここまで「MV-65」(販売終了・左)と「MX-65」(現行・右)の新旧“ロクゴー”でトーマンを釣ってきましたが、同じロクゴーと言えど、別の竿。

長さとパワー帯こそ同じですが、ガイドセッティングと、何よりブランクスが違います。

「“V”はトルザイトを使ってるから軽いんでしょ?」

なんてことはなく、実重量は X の方が明確に軽く、その差としてキャスト時のシャープさが明らかに異なり、ルアーの飛距離や軽めのバジングワームをピンポイントでキャスト、スキッピングなんて部分では X に軍配が上がりました。

1 日に何千回とキャストを繰り返すトーマンフィッシングにおいて、振り感の軽さは重要であると感じました。

また、ガイド抜けもXの方が良いように感じました。

一方でバズベイトやスピナベなどの引き抵抗がかなり強いルアーやを引くや、単純に重たいルアーを投げる際にはXだとティップがやや入りすぎると感じ、意図的にVを選択するシーンが多々ありました。

魚を掛けてからの曲がりでは V はハリを感じ、X では素直に曲がり込み、粘るテイスト。

MV-65」のファイトシーンの写真があったのでベンディングはこんな感じ、バットが残ります(Xは同負荷ならもう少し手元まで曲がります)。

ことトーマンに関して、この“バットが残る”絶妙なテーパー・パワー感で、「MV-65」(2015年発売)が今なお支持される理由がわかりました。

左V、右X、両方使い比べて……優劣をつけるより適材適所的な使い方をするのが良いのかなと(よくある言い方になってしまいますが笑)

ただグリップが分割になった事、それによる互換性&拡張性の拡大は、Xのほうが明確に良い!

今後、トーマン以外の魚、未知のフィールドに飛び込む際には、Xの適応能力が大きな武器になってくれるでしょう。

……晩御飯を食べ終わったタイミングで突然の大雨が降り始めました。

「この雨で魚の活性が上がるんだろうな」なんてことを考えながら眠りにつきました。


<DAY5>

5日目の朝は昨晩からの雨が降り続いており、水位がかなり上がっており、水色が悪い上に水温も明らかに落ちていました。

なかなか条件は厳しそうなことがボートマンの口ぶりから伺える。

いろいろなポイントを回るものの魚からの反応はなかなか得られず、かなり苦戦しまし た。

バジングワームでやっと反応を得られたものの、ルアーと一定の距離を保ったまま水中を ついてくるだけのチェイスのみとなかなか食い気はなさそうでした(食い気がある時のチ ェイスは、水面から背中が出るくらい本気で追ってくる)。

なかなか口を使わせられない中、フライボールを発見し、ママ狙いに変更しました。

ディープダイバーでフライボールに付くママを狙うもなかなか反応せず、フライボールを 見失い午前は終了しました。

午後も状況は好転せず、あの手この手でアプローチするも完全にノーチェイス、ノーバイトで終了。

なんともあっけなく5日間の釣行が終了してしまいました。

失意の中帰りにマニラで、現地の釣具屋オーナーさん一家に美味しいご飯をご馳走していただきました。

モンスターキス製品はフィリピン含む東南アジアではかなり人気なようで、現地の釣り事情などたくさんお話を聞かせていただく良い機会でした。

今回、5日間の釣行でトーマンを 12 本キャッチし、アベレージサイズは 3〜4kg と結果としては悪くなかったものの、最終日に完全ボウズというモヤモヤした終わり方になってし まいました。

原産地のマレーシア、インドネシア等と比較すると数も型もかなり良く、日本のブラックバスのように移入地で増加していることに近しいものを感じました。

初の海外釣行で無事に目的のトーマンを釣ることができたこと、現地の方の家に泊めても らって食事や文化を肌で感じられ良かったです。

コロナ禍で迎えた大学時代……あっという間に学生最後の年になってしまいましたが、 海外釣行を通して、これでやっと自分の思い描いていた釣り人のスタートラインに立てたのかな?なんてことを考えながら次の釣りの準備に勤しんでいます。

最後まで読んで頂きありがとうございました!

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東京出身、広島県在住。幼少期、祖父とのサビキ釣りを皮切りに、高校、大学と海洋生物や海洋環境について専門的に学び、釣りにも還元。海外釣行を計画するもパンデミックにより挫折、ならばと国内47都道府県全てを巡り様々な釣り・魚と出会う。標高2000m超の山岳地域からSUPを用いたマングローブ帯まで、河川域すべて。海域ではマグロ・カジキ・GT等の大型魚、深海まで経験。楽しそうと思ったことはとりあえずやってみる、ジャンル問わずなんでも吸収するスタイル。大学卒業後は南西諸島に移住予定。