“怪魚ハンター”小塚拓矢のオススメ釣魚図鑑/「MRX-∞」“怪物”編

モンキス代表、“怪魚ハンター”の小塚です!

RETURN TO ORIGIN2025 “原点回帰”もラストスパート、「MRX」の発売をいい機会に、ディアモンがなかった時代(〜2012年)の旅路で出会った、オススメの釣魚たちをまとめたいと思います。

人生は有限、まだまだ新たに釣ってみたい魚がいるので、現状“再会”は未定。

実際ディアモンで釣ったわけではないので“適合魚種”とまで呼ぶのは個人的には抵抗を感じるのですが……モデルごとに“オススメの釣魚”として紹介します。

自分の代わりに是非、MRXでの釣果報告をお待ちしてます!

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「MRX-8 」のオススメ釣魚は、“大陸の主(ヌシ)”とでも呼びたい巨魚。“怪魚”(1m10kg)を超えたサイズ感、畏怖を込めて“怪物”とでも呼ぶしかない、2m100kgに迫るサイズ感の淡水魚たち。 このクラスになると2012年以前、あり合わせの道具ではキャッチには至れず悔しい思いをした魚も多く……ひとまず雰囲気が伝わる写真も込みで紹介します。

南米大陸

ピラルクー、ピライーバ(ラウラウ)他大型ナマズ類、ターポン等

南米アマゾン、筆頭はピラルクー。この魚は、2028年当時、持参した竿(1&ハーフのジギングロッド)は折られ、ルアーは砕け、最終的に手釣りの餌釣りでなんとか手にした……そんな悔しさが「MRX-∞」に行き着いています。ピラルクーのIGFA世界記録は2010年に釣られた154kg南米の2巨頭、ピライーバ(ラウラウ)にもオススメ。こちらのIGFA世界記録は155kgとピラルクーとほぼ同サイズ、まさに南米の“怪物”双肩と呼ぶに相応しいと思います。

ピライーバ以外にも、南米には多種多様なナマズが生息し、それらを狙ったエサ釣りにはデンキナマズや各種淡水エイもヒットします。レッドテールキャット(IGFA世界記録56kg)やジャウー(IGFA世界記録51kg)、タイガーショベルノーズ(スルビン類)など、そんな中型ナマズや異形の怪魚にも、激流や岩場などシチュエーション次第では「MRX-∞」をお勧めします。20kg程度まで魚なら「MRX-7」でも充分対応できるので、2本出しが可能なオープンなポイントでは併せて使ってみてください。

河口域にから海域にかけてはターポン(IGFA世界記録130kg)も生息します。海に出れる魚なので、生息する北米大陸、アフリカ大陸、どこで紹介迷いましたが、純淡水域で釣ったこともある南米大陸の“怪物”としてリストします。

アフリカ大陸

ナイルパーチ、ムベンガ(ゴライアスタイガー)等

アフリカ大陸では、ナイルパーチとムベンガ(ゴライアスタイガー)の2巨頭。ナイルパーチに関しては2005年の初挑戦時には環境(まさかの帆船)的にも船からの釣りが厳しく、岸からのルアーキャスティングではせいぜい1m前後の若魚が精一杯、とりあえず現地人式に延縄で大型個体(156cm50kgクラス)を手にしましたが、いざその重厚感を前に「持参してきた竿では難しいな」と……2025年現在のナイルパーチのIGFA世界記録は104kgムベンガのIGFA世界記録は44kgです。ムベンガにに関しては、写真はビキナーズラックでいきなり釣れてしまった、この種としては最大級の142cm40kgクラスですが、信頼できる釣友(ピラルクー&グーンシュのIGFA世界記録保持者)から「確実に70kgを超える個体に切られた」という情報も……。ナイルパーチもムベンガも岩場を好むので、「最低でも『MRX-∞』が必要」という認識で間違いないと思います。

ユーラシア大陸

ウェルズ(ヨーロッパオオナマズ)、グーンシュ、プラークラベーン、釣り堀の大型魚 等

ユーラシア大陸では筆頭にヨーロッパのウェルズ(ヨーロッパオオナマズ、IGFA世界記録135kg)、次点でアジアのグーンシュ(IGFA世界記録75kg)が、「MRX-∞」でのオススメの釣種になろうかと思います。両種ともルアーでもエサでも狙えるターゲットで、「MRX-∞」のルアー操作にも適したブランクス特性(このクラスとしては高弾性)が生きると思います。写真のウェルズはカザフスタンに到着してから移入種だと知った……いつかヨーロッパの在来水系でと早々に退散。写真の161cm(40kgクラス)のグーンシュは45gのメタルバイブで、7フィート半の1&ハーフXHクラスのルアーロッドで水深約7mの淵底でヒットさせましたがバットパワーが足りず、対岸の瀬まで泳ぎながらファイトしてキャッチ。いざ飛び込んだものの、水温は体感20℃を切っており、結構危なかった……「MRX-∞」なら淵からでも魚を浮かせられるかなと思います。もう1種、タイメンのIGFA世界記録は52kg。活性の高い個体は荒瀬につくイメージがあり、この魚もMHパワーのバスロッドでは流れに飛び込み、共に流れ下って対応したので、現代なら「MRX-∞」を使うかなと。タイメンにはビッグベイトも有効なので、大きく重いルアーを投げて弾く用途にも。

その他、ユーラシア大陸ではベルーガ等などチョウザメ類にも2m100kgを超える“怪物”が何種類か挙げられますが、いずれも絶滅危惧種、旅人が狙って野生魚を釣れる生息密度ではないかなと。300kgを超え淡水域に生息する魚としては最重量とも言われる東南アジアのプラークラベーンは、環境が整ったガイドサービス(船からバーチカルにリフトパワーをかけられる)を利用し、アベレージサイズの100kg前後(上写真)程度まで相手なら「MRX-∞」でやれると思います。ただし2025年現在、生息地としてメジャーなタイでは保護種として釣獲が禁止されているそう。周辺国にも生息しますが、参考までに。

その他、釣り堀の大型魚(メコンオオナマズ・IGFA世界記録118kg、パーカーホ・IGFA世界記録61kg 等)、想定アベレージ20〜50kgの魚相手でも魚を無駄に弱らせることなく楽しめる適切なパワー感、屋根付きのコテージでも取り回しの良いレングス感だとオススメします。

オセアニア・オーストラリア大陸

オーストラリア大陸・オセアニア地域で2m100kgに成長する“怪物”となると、筆頭はマーレーコッド(グードゥ)でしょう。ネット上では1.8m・113.6kgが最大記録とされ、ロッド&リールで釣られたマーレーコッドで信憑性の高い記録では50.4kgまで見つかります。ただ、どういうわけかIGFA世界記録(重量)が無い不思議……2m100kgは現代では眉唾かもしれませんが、後年ディアモン各種で釣ってみて、マーレーコッドにはビッグベイトが有効、「重いものを投げる」という意味でも「MRX−∞」をオススメできます。

以下は参考までに、という話になりますが、パプアニューギニアでの特大パプアンバス狙いに際して、18cmのフローティングミノーを襲った(口に掛かっていた)162cmのノコギリエイは、成魚になれば海へと下る生態とのこと、過去には500kgを超えた記録も聞かれます。現地ローカルの話では、淡水域では3m前後までの個体が網にかかったのを見たことがあるそうです。その他、自身は延縄で1.2m程度までしか手にしたことはありませんが、現地で「イートングーシーダダ」と呼ばれていたハマギギ科の未記載種も、村人から「2mを超える」と聞いています。どなたか是非、「MRX-∞」を手に、挑んでいただきたいと思います。

北米大陸

アリゲーターガー、チョウザメ類、キャットフィッシュ類、マスキー(パイク類)等

北米大陸で「MRX-∞」のオススメとなると、アリゲーターガー(IGFA世界記録128kg)やチョウザメ類、中でもホワイト・スタージョン(IGFA世界記録212kg)の2種が思い浮かびます。上写真のアリゲーターガーは2011年にゴムボートを日本から持ち込み、自身が初めて釣った個体ですが、後年ディアモンを手に100kgクラスをキャッチ。チョウザメ類に関しては、スプーンビル(ヘラチョウザメ)が思い出深いです。プランクトン食性のたスナッグリング(ひっかけ釣り)にならざるをえませんが、現地では専用レギュレーションが存在し、船から魚探で狙い撃ちするガイドフィッシングも存在します。自分は岸から掛けたため、しかもスレ掛かりですから、雷魚ロッドですら翻弄されました。

有名度に対してチャレンジャーがあまりにも少ない“ヌードリング”のターゲット、フラットヘッドフィッシュ(IGFA世界記録55kg)&ブルーキャットフィッシュ(IGFA世界記録64kg)の北米大型ナマズ双肩も“釣竿で狙うなら”「MRX-∞」がオススメ。若魚はルアーも良く追います。両種とも50kg前後にまで成長し、繊細な道具が必要な釣りになるので、強い竿に越したことがないと思います。

カナダのホワイトスタージョンにも後年、ディアモンを手に挑みました。自身で超特大サイズをキャッチしたわけではありませんが(自身最大サイズは生き餌のウグイ狙いでガイドに渡されたスピニングタックル&ミミズそのものに食ってきた釣果です笑)、カヤックを用いた自力開拓から、最新設備を使ったガイドサービスまで利用してみた総合判断で、「MRX-∞」をオススメさせてもらいます

その他、「重いものを投げる、巨大ルアーの引き抵抗に耐えられる」という特性から、ビッグベイトが有効なマスキー等にもオススメです。

ディアモン登場(2012年)以後

以上の写真でお見せしてきたような釣行経験を踏まえ、2012年に「Dear Monster」をリリースさせていただきました。1m10kgの“怪魚”を想定した中核の1本(後の「MX-7」)に続き、シリーズ2本目のパワーアップモデルとして、2m100kg級の“怪物”を想定してパワー・レングスを整え完成したのが、後の「MX-∞」です。

リリース当初、2013年のモデル名「MX-8」でした。その名の通り、8フィートのロングレングスで“長さ”による強さを求めましたが、ピライーバ(MAX185cm)、アリゲーターガー(MAX220cm)、アトランティックターポン(推定2m超)、ナイルパーチ(MAX 152cm)……と世界の巨大魚を求め飛び回る中で考えが変化。ブランクスは更にパワーアップさせつつもレングスは7フィート台までショート化、「8フィート切ったけど、もっと強くなってます!」のメッセージを込め、「8」から「∞」へ、2015年に「MX-∞」へとアップグレードしました。

以後10年の時を経て、「MRX-∞」では「8」→「∞」のショート化を更に進め、フロントグリップから露出したブランクスを切り詰めて、6フィート台に突入。一方トップ&バットガイドはわずかに大径化し、より大型魚への適性を高めています。あらためて、ブランクス自体は通常モデル「MX-∞」同じですので、詳細スペック等は「MX-∞」の販売ページを参考にされてください。

以下はブランクスが異なるのでサイドストーリー程度に聞いていただければと思いますが、「8」→「∞」への進化で据え置いた“長さ”という強さへの追求は、後年“8”系統の派生モデル「MX-8+」やそのスピニング仕様「MX-9S」で再検証。在来水系でウェルズ、ビッグルアーのキャスティングでマスキー、アジアの釣り堀でもパーカーホなど実際に手にした上で、上記にオススメ釣魚として紹介させていただいています。

最後に。このページではIGFA世界記録(全てオースタックル部門)も併せて表記させていただきましたが、そこに根拠をおくならば、ロッド&リールで釣られた世界最大の淡水魚は212kgが記録されているホワイトスタージョンです。以下重さの順にピライーバ(155kg)、ピラルクー(154kg)、ウェルズ(135kg)、ターポン(130kg)、アリゲーターガー(128kg)、メコンオオナマズ(118kg※釣り堀)、ナイルパーチ(104kg)、ベルーガ(102kg)と続き、100kgオーバーは9種記録されています。参考までに50kg超えまで並べると、レイクスタージョン(76kg)、グーンシュ(75kg)、ブルーキャット(64kg)、パーカーホ(61kg)レッドテールキャット(56kg)、フラットヘッドキャット(55kg)、タイメン(52kg)、ジャウー(51kg)、アオウオ(51kg)……と続きます(抜けていたらご指摘ください)。

下写真は、ピラルクー154kg&グーンシュ75kgのIGFA世界記録保持者で釣友のヤコブと、彼の所有する釣り堀で釣らせてもらったベルーガ。淡水域に限っても、大物釣りの世界は終わりなき旅ですね。

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以上、「次、機会があれば『MRX-∞』を持参するだろうな」というオススメ釣魚を紹介させていただきました。

2m10kgを目標に“怪物”を狙う際、安心して夢を託していただきたいのが「MRX-∞」です。

何かしら参考にしていただけたら幸いです。

<関連ページ・レポート>

株式会社モンスターキス代表。怪魚(巨大淡水魚)を追いかけ、これまでに世界56か国を釣り歩く。物心つく前から魚(釣り)に熱中し、30年以上経った今日も継続中。北陸・富山に生まれ育ち、小学4年時にキジハタからルアー釣りを開始、中学・高校時代はバス釣りに熱中。大学進学以後は「今しかできない釣りを。遠くから行こう!どうせなら大物を狙おう!」と世界の辺境を目指した結果、いつしか“怪魚ハンター”と呼ばれ、それが仕事になり、旅は今も続いている。著書多数、近書に「怪魚大全」(扶桑社)。剣道3段。趣味はハンティング(鉄砲)