”ジャイアントベイト・アリゲーターガー”成立。むしろエサより食う!?……“ゲームチェンジ”までの140時間。

テスターの川上克利です!


今回はこの夏「HUNTERS HT-∞∞」で成立させた、”ジャイアントベイト・アリゲーターガー”について報告しようと思います。

その名の通り「ワニのような牙」と良く例えられるアリゲーター・ガー。

2021年に手にした初めてのイッピキ、関東河川で30cmくらいのデッドベイトで釣捕した時から考えていたのですが、「この魚、ルアーで狙えるよな?」と。


あの2021年夏から2年、このイッピキきっかけとしてTV撮影にも呼んで頂いたり、凄腕釣り師と多くの繋がりができ、自身のルアー釣りの引き出しも増えた。


自分の欲しかったロッドを作って貰えたのをトリガーとして、人生で一度は釣りたかった魚を地球の裏側まで抱きに行ったりもした。


……改めて振り返れば、2021年、あの夏のアリゲーターガーは、僕の人生に少なくない影響を与えてくれたイッピキだった。


そして2023年、京都に拠点を移してみた。

様々な理由が重なった末の“総合判断”の結果ではあるものの、決め手の1つは、10代の頃ビワコオオナマズを狙い一人旅で訪れた日の思い出。

あの旅で、京都という土地が好きになったから。


そしてもう1つ、もしかすると1番大きな“決め手”は、「関西にはアリゲーターガーが沢山いるぞ」なんていう怪情報でしょうか。

京都がアリゲーターの好釣場というわけではありません、この土地は、関西“圏”の交通拠点として秀逸(私感)だと。

実際に数年前、テレビロケの足で訪れた大阪では、到着後3時間でガーを見つける事ができ、「魚影やば~」と感じたのを今でも鮮明に覚えています。

京都からならば同じく目撃情報の多い東海・名古屋方面にも動きやすい。

既に手中にある(ポイント開拓が終わっている)関東方面にも、高速バスでリーズナブルに動ける

“アリゲーターガー”という視点でどこに住むかを考えると、僕には京都がベストに思えました。


……そして、この2年間の自分の中での変化といえば、なんとなく毛嫌いして使いもせずいたビッグベイトが、選択肢として信用できる戦略にまで練り上がったこと。

富山で半ば強引に火をつけられましたが、島根での修行を経て、沖縄でのビッグベイト放浪の際には”武器”と呼べるものになっていました。


2023年春の南米釣行ではビッグベイトでピーコックやカショーロといった魚を相手に完全無双状態。

曲がり込むロッド(「HUNTERS HT-∞∞」)とセットであれば、バレやすい牙魚すらも、ビッグベイトのターゲットにできる……。

「この感じ、アリゲーターガーは間違いなくビッグベイトで釣れる、というか、むしろ有効では?」

と思ってたら、ザッとネットで調べただけでも、国内でも既にチャレンジされている方がおられる。

アジア圏の釣り堀では、小型のティラピア型のルアーでも複数キャッチされているわけで、釣れる、釣れないの話だけなら、釣れて当然。

ならばとルアーサイズを上げて、ジャイアントベイト(全長25センチ以上)と呼べるサイズのもので狙うことにしました。

まだ誰も立ってない場所に立ちたかった。


選んだのはマニフォールドさんのパチイノ。

革製ルアーと言うことで、いい感じに牙が食い込んでくれるのでは?と予想。

こうして”関西”、”東海”、”関東”、地域を股にかけガー相手にジャイアントベイトを放る2023年の夏が始まった。

散々追っかけた甲斐あってか。

生息場所や着き場所をある程度絞ることができるようになっていたので、個体を見つけることはそれほど難しくなかったのですが、釣りのテンポがイマイチ噛み合わず。

性格は雷魚に似た部分があると思ってたのですが、捕食の際はちょいとテンポが違う様子。

なんというか、バスっぽい。

バス釣りをやりこんでいる訳ではないので偉そうなことも言えないのですが、追い方とか好みのアクションとか、頭使って追い込もうとするところなんかそっくりだなと。

6月上旬、ルアーで反応させるも食わせきれなかった個体に、フォローででっかい生餌(ブリカマ)を放ってやるとバイト。


HT-∞∞ “Gamechanger” 」に、メインラインPE30号通しにて(3号の間違いじゃない、石鯛用の30号です)。

「ジャイアントベイトで、誰も見てない景色を見たい」という思いでこの夏は取り組んできたものの、“ゲーチェン”発売を前に、思い入れのある魚でウロコ付けできて、これはこれで嬉しいイッピキに。

同サイズの他魚種に比べれば引かないけども、滅茶苦茶に暴れて首振るからバラシのリスクが高く、速攻で勝負をつけたい魚。

HT-∞∞」は物干し竿系のガチガチ竿に比べるとしっかりと曲がってくれるので、高負荷をかけた状態でロッドが追従をサボらず、ガーのような口が硬い魚相手だとバラシのリスクがかなり抑えられると実感。


柔らかい竿だと硬い口にフッキングが叩き込めないので、よく曲がってくれる剛竿がベスト。

「ルアーで獲るにも、やっぱりこの竿が必要だろうな」

図らずも「HT-∞∞ 」受注開始前の追い込みにより、好みのアクションだったり、引いてくるコースなんかを完全に掴む事ができました。

上の個体は結果的に餌で釣りましたが、生餌じゃ反応しない個体にジャイアントベイト投げたら反応するなんてことがその後も何度もありました。

アクションがハマって来たこともあってか、明らかにバイト数も増えて”食いミス”を何度も繰り返しました。

ガーの口の形状から予想できたことではありますが、フッキングはかなり悪い。

とはいえ、パイトに持ち込むまで段階で言えば、ジャイアントベイトは時にエサ以上に有効。

日本国内では検証例を重ねにくい魚、そんな中でも京都という地の利を生かし、最適状況を選択・移動(関西〜東海〜関東)しまくり、少しずつ“ジャイアントベイト・アリゲーターガー”という目標達成に近づいていきました。


……そんな感じで7月はあっという間に過ぎていき、迎えた8月。

この辺りで一旦関東の河川を見切り。

新拠点の京都から4時間圏内のポイントに場所を絞ったことで釣行回数を稼ぐ作戦にシフト。

キャッチにまでは至っていないものの、ジャイアントベイト・アリゲーターガーのタクティクスは、自分なりにはかなりの純度まで持っていく事ができており、あとは捕食させる角度というところまで来ています。

タックルセッティングも固まり、アンダー140センチの個体を相手にする際はPE30号通し(ラインクッション一切無しでOK)が自分の中で定番化。

この日はナイトゲーム。

日中のイメージが強いかと思いますが、夜でもチャンスはあります。

現場到着後、目を付けたテンションの高そうな個体。

ターゲットまでの距離は約3m。

15分ほど観察した後、頭の向きが理想的になったタイミングで4mほど奥にキャスト。

鼻先を通すと……反応した。

距離を詰めさせ、トドメのアクションを一発……ッゴンッッ!!!!

タックルに一切の不安は無く、硬い口周りを貫く為のフルフッキング。

掛けた位置が足場から1m以内の超至近距離、一気にぶっこ抜く動作に入った。

ファイト時間1秒以内……流石に向こうも大暴れです(笑)

夜の水辺に響き渡るヘッドシェイクの轟音。

ラインスラッグを殺し、ロッドをベリー部分から曲げ込み、そのままぶち抜いて決着!


2023年8月。

日本国内にて“ジャイアントベイト・アリゲーターガー”成立!!!!

なんだかんだで実釣時間は140時間ほどで獲る事ができました。


掛かり所は、とりあえず外掛り。

魚を持っての撮影は安全面を考慮して一旦フックを外し、ルアーが写りやすいよう後乗せして状態で行いました。

革張りルアーを使った思惑通り(?)、全身プラスチック(ハード素材)のビッグベイトに比べると、バイトが深いようにも感じました。

広義に“ビッグベイト・牙魚”に関して、今後も革含めたソフトマテリアルの可能性を深掘りしていきたいと思います。


リールのドラグMAX値が足りずで、止め切れなさそうなサイズの相手もいることがわかったので、その辺もアップグレード予定。

しかしながら”ジャイアントベイト・アリゲーターガー”はこの夏の大きな課題の一つだったので、達成できてホッとしているのが正直なところ。

ここからはさらにサイズに拘っていきたい所ですが、、これにて今年のアリゲーターガーは一区切り。

ガーに限らず、まだまだやりたいことが多すぎる……。

次から次へと新しいターゲットが出現する環境。

ポテンシャルに呑まれそうになる。


釣りに、遊びに。

しばらくは京都暮らしに飽きなさそうだし、まだまだ夏は終わらなさそうです……笑。


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中部地方在住。幼少期の海釣りにスタート、中学時代はライギョ釣りにハマり、以後淡水魚釣りに傾倒する。高校2年時から釣りや生き物に関するライター活動を開始。卒業後もバックパッカースタイルで日本中を駆け巡り、持ち前の意地と諦めの悪さで憧れの魚たちを抱きしめてきた。2021年には、日本国内では過去最大級と思われるアリゲーターガー(167cm)を釣り上げ、地上波テレビにも出演。好きな飲み物はドクターペッパー。