初めての海外……”出張”であり“旅行”の筈が、しっかり”旅”になったって話【インドネシア後編】

テスターの川上です!

前回のインドネシア前編に続き、今回はインドネシア編の後編になります。

さてさて、そんなこんなで、やっとこさ最終目的地の水辺に立つ事ができた我々。

カナヅチの僕からすると怖すぎるボートに、小塚さんと僕、現地インドネシア人2人が加わり、いざ出船!

時間のロスを減らす為か?、僕が景色に見惚れている間に小塚さんは手際よくタックルを組んでました。

船酔い耐性のない僕からするととてつもない妙技に見えた!笑

……ボートを上流域に進めること約3時間。

やってきたのはブッシュキャンプ。

川で漁をする時なんかに休憩所としてやっとこさ機能するような?(”道”の駅ならぬ”川”の駅!)

これからここが寝床になります。

到着と共に、サクサクとキャンプ地の整備を進める現地人、今朝購入した厚手のブルーシートは快適な屋根に変わりましたとさ!

一仕事終えたらインドネシアの甘過ぎるコーヒーで一息。

日本人的感覚が抜けず、最初のうちは「甘すぎんだろ!」と心の中でいちいちツッコんでましたが、3日目くらいで舌が順応してきました。

一服ついたところで、やっとこさ実釣へ!(お待たせしました笑)

キャンプ地から上流に1時間半ほど遡上し、釣りをしながら下ってくるといった具合です。

僕がタックルを組んでいると、横にはすでにキャストを始めている小塚さんの姿が(笑)

「キャスト回数は釣果に直結する。一投でも多くキャストする事が限られた時間で結果を残すための最善手だぞ~」との事。

そんなこんなで幸先よく小塚さんにファーストヒット!

上がってきたのは“アロワナバルブ”、ぱっと見で感じる”アジア”!

小塚さんがこの1匹を釣るまでの短時間で気づいたことが一つ。

「海外だからってどこ投げてもバカスカ釣れるわけじゃない!」

船が細いためか?流れが強いこともあり船体は非常に不安定。

そんな中でもひたすらに正確なキャストを繰り返す必要がある釣りらしく、当然軽いロッドの方が適している……。

今回僕は”仕事”という肩書きを背負い同行したので、普段握っているハンターズシリーズではなく(できれば握りたく無かった)ディアモンシリーズを使用することに。

小塚さんから「今回の川上クンは”お仕事”と言うことなので、ディアモン使ってみてね~」なんて言われていたから嫌々握ってみたのですが……軽っっっっ……。

流石にハンターズとは使用感が全く異なることを肌で感じたのですが、まー投げやすい(笑)

僕が握っていたのは「MX-6」(に「MX-7」のリアグリップを組み合わせた仕様)だったのですが、「あー。こういう釣りための竿なんだ……」と思わずにはいられませんでした。

1日目は短時間の釣行だったということもあり、小塚さんの一匹で終了。

そして待望のブッシュキャンプ飯!

淡水魚はとりあえず揚げてご飯と一緒に頂く。

これが悪魔的に腹に染みる。

とはいえ釣果は微妙。明日こそは晩飯を着実に確保してやろうと胸に誓いました。

そして、迎えた2日目。

この日は着実に魚種を追加していき、僕は初のハンパラとバルブをゲット。

そして小塚さんはと言うと、

これぞアジア!なフナ?を釣捕してらっしゃいました(笑)

体高は完全に日本のフナのそれ。しかしながらかなりの速巻きにも反応してくる獰猛さ。

アジアらしいゲストフィッシュのおかげで順調に満足度を高めつつあるのですが、メインターゲットの方は全くの無……(笑)

キャンプ地に戻り、僕は小魚遊び。

ガイドが無い分、収納時の体積が少ない延べ竿(「HT-26」)は海外釣行の暇つぶしにはもってこいの懐刀です!

ってか、海外なんだからもっと分かりやすい魚釣れてくれよ!

日本の雑魚達と大して変わらんぞ(笑)

二日目は魚種を稼ぎ満喫。

メインターゲットの魚信はなくとも、達成感と共に終了しました。

そして飯の方はというと……。

言うことなし!!!

というか、こんな奥地で安定的に野菜を摂る事ができるとは思っていなかった……。

三日目。

ブッシュキャンプ生活にもある程度の”慣れ”が出てきた訳で、のほほんと釣り開始。

同じようなサイズの魚を稼ぐ一方、「そろそろデカイの欲しいな~」とも思い始めていたのが正直なところ。

しかしながら、釣り方自体はこれが正解なようで、特別何かを変える必要も無いようだった。

……開始からどれくらい経っただろうか。

いつも通り無心でキャストを黙々と打ち込んでいると、突然小塚さんが吠えた!

キタッッ!!!

振り返ると小塚さんの竿がバットからブチ曲がってる!!

ロッドはプロトのショートロッド(「MX-6+」のパワーアップ仕様)

当然僕も触った事はあるので、どれだけのパワーがあるかは知っていたつもりだったが、え?、なんでそんなに曲がってんすか(笑)

久々に覇気を感じるファイト。

現場にも緊張が走る。

フロントグリップを握り込み、強烈すぎるファイトに耐える小塚さん。

語彙力が低下し、「えっぐ!!」としか言えなくなっている僕。

そんな僕の背後ではおっちゃんがひたすらにでかい独り言を叫んでる(ちょっと静かにしてw)

小塚「○○○○(本命)じゃないと思う!いや……。ハンパラだ!!!!でっか!!」

さすがに経験値は文句なしの小塚さん。

興奮しつつも、確実にネットに頭を差し込み、そのままボートにズリ上げ!!!

ズリあげた瞬間に見えた体の厚みで、豪竿がぶち曲がった理由をようやく理解しました。

「あぁ。このハンパラは、僕の知らなかった”ハンパラ”なんだな。」

ハンパラ。余裕の70オーバー。

小塚さんのハンパラの自己記録も更新だそうで。

30くらいのハンパラしか釣ってない僕からすると別種にすら感じられる風格(実際2種いる)。

本命ではないそうですが、クオリティが高過ぎるは素直にテンション上がる!

そして僕はと言うと、その後に”レア魚”とされていたカショーロバルブをゲット!

先ほどのハンパラと比べると引きは可愛いもんでしたが、変わり種をゲットできて嬉しみ!

喜んでいると横ですぐさま小塚さんがもう一本追加(笑)

なんでもこの魚が群れで行動していることを予め知識として持っていたようで。

ちなみに、この魚は非常に青臭かったです……。

大満足!明日こそ本命を!と意気込んでいた我々でしたが、その晩に激しいスコール。

翌朝川の様子を見てみるも、案の定魚の反応は薄く、「流石に厳し過ぎる……。」と移動の判断を余儀なくされました。

目的の魚はゲットできなかったのですが、すぐさま次のプランを練り込み。

こう言うところの判断の速さは流石だな~と思いました。

ある程度の釣果を期待できるプランを練り込んで、すぐさま次の街に移動する判断を下し、川を下ることに。

こんな感じで水辺の状況に合わせて臨機応変に動く事ができるのも、小型バックパックスタイルの大きなメリットかなと。

お世話になった落武者と若者に別れを告げ、街まで戻ることにしました。

ありがとう!!テリマカシー!!(ありがとう)

テンポ良く軽トラとバスを乗り継いで、ある程度の規模がある街まで戻ってきた我々。

軍資金(キャッシュ)手持ちが少なくなって来た事もあり、小塚さんは余裕を持ってATMでキャッシングすることに。

カードでキャッシングする小塚さん。横でその様子をなんとなーく眺めていると、何やら様子がおかしい(笑)

小塚「カード出てこなくなったんだけど……w」

川上「流石にシャレにならんすよ……。」

完全にATMにカードが喰われた様子。

さすが海外。

まぢで常識が通用しね~(笑)

そういえば。

いつかの雑談の中に、

小塚「旅先でATMにカード喰われたやつがいてさ~。そいつカード取り返すまでに3日間足止めくらったんだよね~。」

川上「笑えね~w」

みたいなやりとりがあったんですよね。

まさか自分たちの身に降りかかって来ようとは……。

海外であればスキミングの心配も大いにあり得る訳で、流石にシリアスな雰囲気に。

とりあえずこの日は宿を取ろうと言う話になったのですが、その宿も酷かった(笑)

もっとも安い宿でも、2人で1泊4000円という辺境(旅人が多い都市部の方が宿の選択肢は多いみたい)。

物価の安いアジアで、日本と変わんないくらいの値段出したら……期待するでしょ、フツー?

残念!冷水しか出ない。

久しぶりの温水シャワーはお預け。

さらには男二人で仲良く1つのダブルベット、と……。

知る人ぞ知る”小塚産イビキ”が心配だった僕ですが、自分自身も疲れ果てていて、この日ばかりは一瞬で寝る事ができました。

ちなみにシーツはこんなデザインでした(笑)

明日は明日の風が吹く。

寝て、起きれば、まぁ大体のトラブルは良い方向に向かってる……そういうもんです。

カードの番号自体がわかんなくなってて(そういう時のために控えとくの大事)、モンキス事務所に残るヨシダさんにおっそいWiFi拾って連絡すれば、「ちょうど更新のタイミングで、新しいカード届いてるけど?」と。

「奇跡かw」と、俄然テンションが回復した我々。(悪運マジ強ぇ……無一文になる小塚さんも見たかったかもw)

そこからはピリピリのトラブルモードが一変!

残り時間を考えても新規開拓は無理と、小塚さんの旧知の釣り人に協力してもらい、短期スネークヘッド釣行が決定!

“大都市”ポンティアナックまで長距離バスで移動することに。

道中、先日の雨がまじで”大雨”だったことが判明。

バスの運ちゃんに聞いてたところ、普段からこんなことになる訳では無いらしい。

道路沈んでるし(笑)

あの時早々に移動の判断をしていなかったら、さらに1日ロスすることになっていたよなぁと。

小塚さんがいつも(口うるさく)言っている”総合判断”の重要性がよく分かる。

流石にこのレベルの雨だと釣りにならなかっただろうな、と。

ちなみに、バスの中は快適…….な訳なくて。

バスの運ちゃんのお小遣い稼ぎのために、すでに満員のバスに、格安で定員オーバー枠(?)で乗り込ませてもらったのですが、用意されたのはバスの運転手の隣の席と、バス後方のトイレの裏の物置の2席(笑)

運転手の隣の席はケツ痛くなるし、トイレの裏の席は横になれる代わりに雨漏りしててなんか臭い……。

どっちも最低だけど、なんだかんだで問題なく休めた、のか?

そんなこんなで1晩、帰り着いたポンティアナク!!

ここで小塚さんの友人と合流し、車で3時間ほどのスネークヘッド釣行へ。

ボートに乗り込み、上がってきた支流は、まさかのブラックウォーター。

雷魚類が生息する水辺といえば、ドブ色のイメージがあったため、ここまでドス黒い”重油”のような水域には違和感しかありませんでした。

何はともあれ、とりあえず投げてみる。

使用するルアーはダイワさんのスナッピーフロッグJr.

なんでも最近小塚さんが非常にお熱なようで(笑)

先日小笠原に行った際も、このフロッグで魚種を稼ぐお遊びをしたそうな。

今回のインドネシアでも、横でチマチマとフロッグのチューニング。

“パントドンチューン”と名付け、胸毛を追加しているそうな(これ、新潟のスレ雷魚に使いてぇな…。)

2人揃ってスナッピーフロッグを装着。

テンポ良く探っていくと、小塚さんにバフォとファーストアタック&ヒット!

慣れた動作でネットインさせたのは、このエリアでのメインターゲットの一角、ケランダーン!

日本であれば”フラワートーマン”の名前で熱帯魚ショップにも売られている魚。

雷魚好き、中学時代にアジア系スネークヘッドを飼育してた自分的には是非とも釣りたい魚。

「さっさと俺のスナッピーも食えよ!」

と殺気ムンムンで投げていると、ボフォっとバイト!

日本の雷魚と同じく、グリグリ巻いてそのままぶっこ抜き!

先ほどのに比べると少し小ぶりですが、初のケランダーン!

まだ”お仕事中”なので、ロッドはディアモンを使用。

う~ん、悔しいが使いやすい。

ロッドは渓流と同じく「MX-6」(に「MX-7」のリアグリップを組合せ)、旅を視野に入れた旅人には定番になりつつある、いわゆる6フィートアンダー、“ゴーテン”仕様。

「“ディアモン御三家”(6、7、∞)の3本で全世界をカバーする、ってコンセプトは、こういうこと。この組み合わせができるなら、“6”それ自体は、ショートグリップに振り切って、“ゴーテン”じゃできないことができるようにしてると小塚さん……納得。

そしてアジアでのフロッグフィッシングは、日本の雷魚釣りのように水面が壊される瞬間が見れるのがめっちゃ楽しい!

現地ローカルはウェイテッドリグのシャッドテールなんかを使ってるわけですが……遠く旅して、(ライギョマンとしては)それはちょっとね。

釣るだけなら“正解”なんでしょうけど。

で、小塚さん推薦のこのスナッピーフロッグ(浮力低くてサブサーフェイスまで入る)。

この釣りの“最適解”に最も近いルアーだと感じましたわ。

このエリアでの釣りは2日間だったのですが、このスナッピーフロッグが鬼畜すぎて、投げ続けたのは1日目だけでした。

確かにこれは小塚さんが注目するのも納得出来る。

2日目は多魚種も視野にいれて釣りを進めるも、釣果はケランダーンのみ。

小塚さんがトーマンと思わしき魚の特大バイトを得るも、魚が手前に猛ダッシュ。

たまたま乗せていたHGのカルコン(出国直前にXGはまさかの故障したらしい)ではラインの回収が間に合わずフックオフ。

小塚さんの出したトーマンのワンバイトで、プロトのフロッグはここまで負傷。

殺傷能力高すぎるだろ……日本にもいるカムルチーとは全然違いますな。

そうそう、フラワートーマンといえば色味の個体差が楽しい魚なのですが、現地ローカルが釣ってたケランダーンの青みが凄かった。

スコールの、ローライトでこの色ですよ?

羨ましそうに見つめる川上(撮影:小塚)。

僕が釣ってるのと同種、同エリアなんですけど、ここまでの差が出る理由は何でしょうかね?

小塚さんにスピナーを貸したらサクサクっとケランダーンを追加してました。

この個体もいい色合い!やっとこさバカンスらしい笑顔を見せてくれました(笑)

何はともあれ、最終日である2日目も超満喫!

翌日、バカンスを終えた小塚さんはひと足先に日本に帰国するので、ポンティアナクの空港まで見送り。

ずーっと「腰が痛え!腰が痛え!」って言ってたんですけど、帰国したらそのまま東京湾でボートシーバスらしい。大丈夫すか?(笑)

トラブルありまくりでちっとも”バカンス”じゃなかった気もするのですが、乙でした。

さて、小塚さんに不要な荷物を押し付けて身軽になった僕はここから単独放浪に。

(小塚さんあざすw)

インドネシア外伝・シンガポール単独行編」に続く!

中部地方在住。幼少期の海釣りにスタート、中学時代はライギョ釣りにハマり、以後淡水魚釣りに傾倒する。高校2年時から釣りや生き物に関するライター活動を開始。卒業後もバックパッカースタイルで日本中を駆け巡り、持ち前の意地と諦めの悪さで憧れの魚たちを抱きしめてきた。2021年には、日本国内では過去最大級と思われるアリゲーターガー(167cm)を釣り上げ、地上波テレビにも出演。好きな飲み物はドクターペッパー。