初めてのマイカーが1ヶ月で廃車。HUNTERSで”クラッシュ旅”(その④沖縄・完結編)

まいど!テスターの川上です。

4部作でお届けした”クラッシュ旅”レポート。

僕の10代最後の長期放浪レポも今回で(一旦)完結となります。

前回までのレポート(その①導入編その②富山&関西編その③島根編)で書いてきた通り、手に入れたばかりの車が廃車となり、絶望のままに、流されるがままに島根県まで到達……そして沖縄へ。

僕の10代最後の長期旅、まだ読んでいない方は先にそちらをチェックしてみてください!

さてさて。

島根で無事にシーバスをキャッチし、ビッグベイトに対する信頼を獲得した僕は、新潟に帰って即チケットを固めました。

目的地は沖縄、ターゲットは南国の都市河川を彷徨う巨大魚2トップ。

実は昨年冬にチャレンジして敗北しており、ターゲットを絞り、想定される事態もある程度想像できていたので、バックパックは20リットル1つ(一般的に、日帰りのハイキングに推奨されるサイズ)。

前回はメインに60リットルのバックパックを使用していた事もあり、装備を断捨離することに対しての不安感もありましたが、全て背負って動き回る……今回は機動力に全振りしたかったので20リットルで行くことにしました。

同時期に小笠原に遠征していた小塚さんと吉田さんは、とんでもない量の荷物を持ち込んでいたらしいですが……大人に対する嫌味の意味も込めて?、最低装備での突撃!(笑)

(後日談になりますが、小塚さんに聞いた所、本気でダイオウイカを狙う、その事前釣査まで含めた装備だったそうです)

そして僕は無事沖縄に到着。

空港を出た瞬間、全身に纏わりつく熱気と湿度……。

ここから2週間付き合うことになる空気感に若干のダルさを感じながら歩き出しました。

まずは沖縄”遠征”の定番ターゲット達を狙ってウォーミングアップ。

ライトゲーム系ターゲットを数種類釣り上げた後、本格的にビッグベイトのタックルに持ち替えました。

あらかじめ回遊を読んでいたポイントに日中は張り込み。

そして夜は今回の旅のサブテーマに考えていたビッグベイトオオウナギ。

ファミ○キを使えば比較的簡単に釣ることのできるこの魚。

ビッグベイトへの反応はあまり良くないとの事前知識もありましたが……兎に角狙ってみることにしました。

放浪に似合わず「昼はアーバンモンスター、夜はオオウナギ」といった規則的な生活を繰り返す中、先に仕上がったのはビッグベイト・オオウナギの方でした。

スコールのタイミング、濁りが入った瞬間にモノにしたイッピキ。

良いタイミングに当て込めるであろう地元アングラーを別として、時間に限りがある旅人や遠征者でビッグベイトを使った釣果は聞かれまませんが、ビッグベイトでも“波動”で狙って釣ることができる魚だと感じました。

コイツ1匹だけではなく、何匹も相手にしてみて感じた感覚として、大型の個体よりも中型クラスの方がビッグベイトには反応が良いような気がします。

ルアーは、メガバスのアイスライド185。

昨年冬の沖縄行のために購入し富山のバスに無視されたアイスライド135以上、島根でまだ僕に食わせきれなかったアイスライド262以下、その中間サイズのアイスライド185を追加購入して……今回の沖縄、持ち込んだビッグベイトはこれ1個だけ。

この1個に10代最後の全てを賭けてやる……。

ちなみに、オオウナギは後々フロッグでもゲット。

沈めてではなく水面を割って出てくるものの、とある条件がマイナスに働くのかノリが悪い……アシストを装着してとりあえず獲りましたが、次回アシスト無しの”ダンゴ”で獲って、諸々を報告したいと思います。

使用フロッグはバトラクスの新色”ソラ”、南国の低い空にはピッタリなカラーだと思いましたね。

さて。

旅のメインターゲットである沖縄都市河川の巨大魚2トップは、案の定苦戦。

少しづつタイミングを絞れてはいるものの、残りの日数を考えると厳しい気がして来ました。

誰かさんに「片方くらいは釣ってきてね~、よろしく~(笑)」と何度も催促されたこともあり、近場の目についた2トップの片方を、エサ釣りで釣捕(笑)

“リバーシャーク”こと、オオメジロザメ(自身初魚種)。

鮫肌が心地良かった!

しかしながら、この魚では求めている感動を得ることは叶わず。

ファイトの段階で分泌されるアドレナリンの量に違和感を感じる程、冷静でした。

求めているのは、富山でタイニークラッシュを咥えたバスを見たときの感覚。

島根でメガドッグに出たシーバスに感じた、手が震えるようなあの感覚。

”アドレナリンドバドバマシマシ”の感覚を得る為であれば、ひたすらに歩き続ける事ができました。

歩数計が丁度100キロを示した辺りで、釣りのテンポが水辺に同調してきた感覚を覚えてきました。

島根でメガドッグが従順に泳ぎ出した時の感覚に近いような?

そして当てた、ビッグベイトでのファーストGT。

まだまだ小さいですが、この1匹がかなりの情報をもたらしてくれました。

小さくても得られる興奮系ホルモンは先のサメ以上。

あとはクオリティと純度を上げていこう!

さて、この”GT”と呼ぶには可愛いイッピキのおかげでブーストが掛かってきたのか?

たかが外れた感覚が戻って来ました。

10代ラスト。

”放浪系釣行”を始めた時のような、泥臭さに酔っていた自分を味わう為に。

アースジェットを制汗剤のように浴びて野宿。

ゴツいゴキブリがそこらじゅうで歩き回っている光景が、関東の某繁華街を彷彿とさせました。

目が覚めると、HUNTERSが入った20Lバッグを背に、日が昇る前にポイントまで1時間ほどをランニング。

ポイントに着くと雰囲気はムンムン。

煽られるボラの群れ。

……余談ですが、沖縄のボラ達はめちゃくちゃナーバスで、これといって襲ってくる相手がいなくても水面を沸き立たせます。

しかしこの時は明らかに違いました。

沸き立つボラの位置を読んで捕食者の進行方向にルアーを投げる。

島根での感覚と同じく、「ス~ンス~ン」とビッグベイトを泳がせていると、硬質的なアタリと共に「HT-7/8」(7フィート“漆黒”モード)が絞られていきました。

奴はスコーン‼︎とルアーをひったくり、そのままファーストランに突入。

メインラインをPEの5号まで落としているのでラインキャパには余裕があるけど、橋脚に向かってる魚を無理くり止めないといけない……。

しかしながら魚体の形状もあいまってか?、中々寄って来ない。

若干の焦りを感じながらも、エサ釣りでのサメでは分泌されなかったホルモンが体にまわってくる感覚が心地よかった(笑)

魚をシャローに誘導し、尻尾を握り締めて陸まで運んだところで勝利を確かのものに固めました。

沖縄本島のアーバンモンスターのもう片方にしてラスボス、“リバーGT”ことロウニンアジ

シチュエーション的に、小型のルアーではパワーが足りなくて食わせられなかった魚かなと。

富山で車を壊し、島根に漂流していなかったら絶対に出会えていなかった魚でもある(笑)

何はともあれ、これがビッグベイトって奴らしい。

……このロウニンアジ(まだMAXサイズではないので“ジャイアント”トレバリーとは呼ばないでおきます)をキャッチした時点で、同時進行でタイミングを絞っていたターゲットがいた!

1遠征で、沖縄都市河川の巨大魚2トップをキャッチ……ある意味で目標達成。

予定では沖縄滞在は残り2日、最後はのんびり観光でも楽しむ……わけない!

高ポテンシャルフィールドでの貴重な2日間をダラダラ過ごすほど愚かではありません(笑)

迎えた最終日、勝負の早朝。

自分にとっての”ここ一番の勝負”はいつも近距離戦らしい。

左方向からヌーっと泳いできたソイツの進行方向に同調させたルアーは、後ろから綺麗に捕食されるとファーストランで目視できない程遠くへ運ばれました。

ラインのカラーで確認するに、ファーストランでPE5号を110メートル出されたらしいです……。

そのスピードに焦りを感じ、指ドラグを試みるも無難に火傷(笑)

愛刀「HUNTERS HT-7/8」でフルベント掛けても走り続けたソイツは、10代ラスト長期放浪の最後を飾るに相応しい、真の”アーバン・モンスター”でした。

沖縄都市河川のヌシ、リバーシャーク150オーバー!!

リリースを優先して手尺での計測になりましたが、おそらく160cm前後、小さく見積もっても150cmは確実かと。

今現在の環境状況では、那覇の河川で釣れるサメのMAXクラスかなと思います。

こんなのがコンビニから徒歩3分の場所に泳いでいる環境たるや。

川の魚に100メートル以上走られた事がイマイチ理解できないし、160センチを超えるアリゲーターガー(下にリンク)でも30メートル以上走らせたことがない自分からすると、かなりのインパクト。

沖縄はビッグベイトが”ビッグ”でもなんでもない世界らしい。

・・・・・・・・・

……こんな感じで全4作にわたって書き綴ってきた”クラッシュ旅”もひと段落です。

皆さん、楽しんでいただけましたか?(笑)

マイカーのクラッシュ(廃車)とタイニークラッシュ(超人気ルアー)の釣りをキッカケとし、突如として始まり、最後に全て繋がった10代ラストの長期放浪(一時帰宅を含まず38日間)。

毛嫌いを起因とした僕のタイニーな固定概念をクラッシュさせて静かに幕を閉じたのでした。

近いうちに書ききれなかった部分(中・小物釣りなど)をまとめ、10代最後の週を題材とした外伝的なものも書こうと思っていますが、とりあえずこれにて僕の10代も完結です。

ちなみに外伝のテーマは既に固まっています(笑)

リバーシャークで〆かと思っていましたが、最後の最後にもうひと放浪。

10代最後のエモノは、「HT-26」で手にした特大のウチダザリガニでした。

誰しもが通る道ではあるものの、10代という痛々しくも美しい時代を駆け抜けられたかな、と思っています。

沢山の人から向けられた敵意と失望が、僕を少しづつ大人にしてくれた。

本能で動いている沢山の生き物達が、僕を子供のままでいさせてくれた。

思い返すだけで悶絶するような日々よ、サラバ。

思い返すには眩しすぎる日々よ、サラバ‼︎

Teenager Forever!!!!!

10代ラスト長期放浪

「初めてのマイカーが1ヶ月で廃車。HUNTERSで”クラッシュ旅”」

完結。

中部地方在住。幼少期の海釣りにスタート、中学時代はライギョ釣りにハマり、以後淡水魚釣りに傾倒する。高校2年時から釣りや生き物に関するライター活動を開始。卒業後もバックパッカースタイルで日本中を駆け巡り、持ち前の意地と諦めの悪さで憧れの魚たちを抱きしめてきた。2021年には、日本国内では過去最大級と思われるアリゲーターガー(167cm)を釣り上げ、地上波テレビにも出演。好きな飲み物はドクターペッパー。