「Shinkirow ON-SITE 69///80MHC」現場主義者へ、ベイトシーバスこれ1本・4変長。

こんにちはフィールドテスターの菅野です。

今回は「Shinkirow」シリーズのベイトロッドの中核モデル、「ON-SITE 69///80MHC」をご紹介します。

20cmや30cmを超えるジャイアントベイト、その威力や釣獲力は体感し重々承知の上で、最も好きな釣りで、本気でデカいスズキを僕が狙うとしたら……?

Shinkirow」シリーズの構想時、僕が提案したのは18cm、2ozまでのプラグを繊細に扱えるベイトロッドが欲しい、と言うことでした。

12cm~15cmのミノーを中心に展開するいわゆる“スタンダード”なシーバスフィッシングに加えて、状況に応じて2ozまでのジョイントルアーを使用するのが僕のスタイルです。

ビッグベイト用ロッドではなく、シーバスにおけるバーサタイルベイトロッド、“ベイトシーバスロッド”として「ON-SITE 69///80MHC」は完成しました(ベイトフィッシュの「ベイト」と、ベイトキャスティングの「ベイト」と紛らわしいですが)

以下のようなルアーが、ベストマッチなルアーとなります。

“オンサイト”とは?

“ON SITE”(オンサイト)とは、英語で「現場で~」と言う意味合いになります。

1本で4レングスへと可変できるこのロッド最大の特徴から、さまざまな「現場」で長さを調整しアジャストしていく……そんな意図をモデル名に込めました。

話は少し飛びますが、現在自分がハマってるクライミングの世界では、初見のルートを落ちずに一撃で完登することが最上なスタイルとされています。

それも同じく“オンサイト”と言い、“ON SIGHT”と綴ります(SITE と SIGHT、紛らわしいですが)

クライミングにおける“オンサイト”を釣りに置き換えるならば、遠征アングラーが求めるスキルかもしれません。

初場所や刻々と変わる状況をひと目で見抜き、一撃で仕留める、そんな意味合いをも重ねました。

可変レングス構造

先述した通り、何と言っても「ON-SITE 69///80MHC」の特徴はやはり4段階可変長ブランクスでしょう。

コロナ禍にPR協力させていただいたHUNTERSシリーズ、HT-6×4S」で実用化した4段可変レングス構造を、満を持してベイトロッドに搭載します。

シーバスという対象魚ひとつとっても、広大な河口エリアから小規模河川、田んぼの用水路まで多種多様なシチュエーションが想定されます。

最長レングスが8’0”、そこから7’6”、7’3”、最短で6’9”へと現場で長さを変えられるこのマルチファンクションシステムは、かなりの武器になります。

結果として荷物も減る分、潮に追われる太平洋側でもテンポ良く釣りが展開でき、釣果に繋がっていると感じています。

もちろん長さを変えることで性格が変わりますので、ルアーやリールのバランスを見て好みのセッティングを見つけるのも良いですね。

使用感

冒頭で話した繊細さとは、例えばシーバスフィッシングで最も基本となるドリフトですが、着水地点一つ、ラインの流し方一つで釣果に差が出ます。

僕が求めたのはミノーを扱うように18cm2ozジョイントルアーを扱うこと

HUNTERSの開発、およびその後の使い込みを経て、自分なりに見えてきたシーバス用ベイトロッドの理想型。

「『HT-6/7』のフィーリングを、『HT-7/8』のレングス感で使いたい」

そのような希望を叶えるために、モバイルロッドでありながら、高弾性カーボン(30t以上)をメインに使用

一般的には折れやすいとされ、こと構造が複雑になるモバイルロッドでは敬遠される高弾性カーボン素材ですが、そこはモバイルロッド専門メーカーとしての経験値と、プライド(情熱)でカバー。

仕上がったシャープなブランクは、振り抜けの良さは勿論、高いキャスト精度を得ることができ、ラインメンディングも非常にやりやすくなりました。

HUNTERSはいわゆる“曲げて獲る”系で、グラスコンポジットの中・低弾性のブランクには、それはそれで、乗せやすさ(バレにくさ)や投げやすさ(バックラッシュのしにくさ)などメリットがありますが、その辺りはウデでカバーしてしまう中・上級者が、もう1歩釣りのステージを上げる1本に仕上がっているかと思います。

なお、決して強さが売りの竿ではありませんが、大型シーバスを狙うためにパワーセティングは強めに設定されており、障害物の絡むエリアで掛けた自己記録のシーバスも余裕を持って取り込むことができました。

同所的に生息し、同等の戦略でヒットするターゲット(タイリクスズキやヒラスズキ、オオニベ、アカメ等)にも充分対応可能なパワー感かと思います。

携行性

ON-SITE」はモバイルロッドだからと言って、遠征専用のロッドではありません。

ホームの釣りでメインロッドとして使えるスペックに仕上げており、実際私自身このロッドをメインとして日々使用しています。

普段使うロッドを遠征先に持ち込むことで、キャストからランディングまで、いつも通りのパフォーマンスを発揮することができるのです。

仕舞寸法50cm以下のモンキス製モバイルロッドのメリットを生かせば、都市部にお住まいの方は電車での移動にストレスを感じることなく、周囲の目を気にすることなく釣りに行けます。

中でも「ON-SITE 69///80MHC」は、新たにラインナップされるベイトモデル3本のうち、仕舞寸法46cmと最もコンパクトに携行できるモデルです。

シーバスという魚を追求する以上、皆が意識する“聖地”と言われる九州や四国、山陰のようなハイポテンシャルフィールドへの遠征も、46cm仕舞寸法というコンパクトさは、精神的な障壁を取り除いてくれます。

シーバス遠征となると、ウェダーやライフジャケット、ランデインングツールなど、ロッドやルアー以外の荷物が多くなるのでロッドがコンパクトになるメリットはより一層感じますね。

……以上はこれまでのモンキスロッド(仕舞50cm以下のモバイルロッド)の共通特徴でしたが、ON-SITE 69///80MHC」は可変レングス構造の要、印籠継ぎ部の2セクション(ティップを♯1としたとき、♯5と♯6)を繋いでピッタリ46cm仕舞寸のこだわり設計。

この状態で、一般的な、ほぼ等長分割の実質6pcロッドとお考えください。

これが意図するところは、8’0″レングスの最長モードでは、6pcロッドとして考えた時、その約数である2pc(仕舞125cm程度)、3pc(仕舞85cm程度)へと完璧に等長分割できます。

2pc仕舞状態が以下。

3pc仕舞状態が以下。

2ピースロッドや、3ピースロッドとして「も」使える……これが実際のフィールドで何を意図するか?

遠征時の公共交通機関や飛行機移動などの大移動とは別に、普段使いでの中・小移動時の“モバイル程度”を選ぶことが可能になります。

自転車やバイク、車といった手段や、ポイント移動の距離や難易度(ウェーディングや藪漕ぎなど)に応じて必要なだけ分割する、結果、組み立て時間の短縮につながります。

仕舞寸法が一見中途半端な46cmなのは、最長レングスを、自分なりのベイト・シーバスロッドの最適解だと思う8’0″レングスに整え、上記したモバイル程度の選択性を達成した結果になります。

以上、ON-SITE 69///80MHC」は、ホームから遠征先まで、この一本で釣り切れるようなロッドに仕上がりました

モンキスユーザーさんはもちろん、これまで2ピースや3ピースロッドでシーバスゲームを楽しんでおられた方も、ぜひその先を、“オンサイト(7pcロッド)だからこそ”の、ベイト・シーバスゲームを体感してみてください。

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1999年茨城生まれ、青森育ち。小学5年生で釣りを覚え、コイやナマズを釣りながら“怪魚”への憧れを膨らませて成長。高校1年生の冬に「まだ誰もやったことがないことをしよう!」とタイへ単独釣行。以後、高校在学中の3年間で計4回、5か国を釣り歩く(資金はすべてアルバイト代)。一応は大学に進学したものの、ムベンガを釣るために半年で退学し、コロナ禍で足踏みを余儀なくされるまでに計7回8か国へ釣行した。海外釣行が難しい現在は、「HUNTERS」を手にシーバスをライフワークとして日本各地を飛び回っている。趣味はルアー作り。