“シーバス”視点で一貫レビュー。定廣的モンキス・スピニングロッド考。

こんにちは、フィールドテスターの定廣です。

年も開けて早3ヶ月。

今年も冬のシーバスゲームについて書こうかな……と思ったのですが、やってる釣りの内容が例年とほとんど変化がなく、しかも釣行頻度の影響で釣果自体は減少傾向……と、正直何も語れることがない状況に(汗)

というわけで今回は釣行レポートではなく、モンキスロッドの一気レビューでもしていこうかなと思います。

テーマは私的「シーバス向けのスピニングロッド」。

と、いうのも昨年「Shinkirow」シリーズが発売されたことによりスピニングロッドのラインナップが一気に増加。

一昔前の「MX-7S」が唯一のスピニングだった頃に比べると選択肢も非常に多くなりました。

反面、選択肢の多さに悩むユーザーさんもおられるようで、「モンキスの竿気になってるけどパワー表記もあったりなかったりして良くわからない」といった相談も個人的にも何度か受けることがありました。

確かに「Shinkirow」は色々な魚種のモデルが混在するシリーズでの共通のパワー表記となっており、例えばシーバスロッドのシリーズでのL、ML、Mのような表記ではなく、メバル用でL、シーバス用でMというような表記となっていて従来のロッドとのパワー感との比較が難しかったり、DearMonsterとHUNTERSはそもそもパワー表記がなかったりと、よく訓練されたモンキスユーザー以外にはぱっと選ぶのがなかなか難しいラインナップとなっています。

ということで本レポートでは私的「シーバスゲームに使えるモンキススピニングロッド」の紹介をしていきたいと思います。

◾️「DearMonter MX-7S

Shinkirow」が出るまでの僕のメイン機。

全体的に固めですがティップ付近が比較的繊細なのに対してバット付近が非常に強靭。

シーバスロッド基準で表記するとM/MHみたいな表記になりそうなロッドです。

長さ7.4fと従来のシーバスロッドと比べると短めですが、パワーはあるので河川等で使う分には飛距離は実用十分。

1年以上通して使っていましたが飛距離面で四苦八苦する展開は殆どなかったように思います。

ルアーウェイトはMAX50gとなっており、個人的には20~40gくらいまでが気持ちの良い範囲かなと。

ストラクチャー撃ち用途でティップで弾くように投げるのであれば15gくらいまでは扱いやすいのでボートとかでも使えるロッドです。

また、このロッドの特徴としてグリップを上下逆転させることでグリップ長と実働レングス(リールフットより上のレングス)を変化させることができます。

ダウンロックモードでリールフット以下32cm、アップロックモードで約37cmとなり、ショアで使うのであればダウンロックモードのほうが使用頻度は高くなります。

グリップ長が5cm違うということは実働レングス(リールフットからティップまでのレングス)が約2インチ違うということで、グリップレングスの違い以上に使用感は大きく異なります。

また、ディアモンスターシリーズの拡張パーツでの延長も可能。

「MX-PROGRESS」にて15~30cm延長することで一般的な8f近くにすることもできます。

個人的には15cm延長であればダウンロックモード、30cm延長であればアップロックモードがバランス的にはおすすめです。

拡張要素も含め、ショア、オフショアでのシーバスゲームにオールマイティに使えるロッドです。

強めのロッドが好きならばMX-7Sです。

◾️「Shinkirow NEW-DAWN 810/94MS

Shinkirow」シリーズのシーバス中核モデル。

小塚社長から「ど真ん中のシーバスロッドを目指してくれ」という言葉と共にテストモデルを受け取り、僕の思うシーバスロッドのスタンダードとなるようにテストさせてもらいました。

長さは河川、港湾で標準的な8f10in~9f4inの可変レングス、ルアーウェイトMAX40gとまさにシーバスロッドど真ん中のスペックとなっています。

MX-7S」もそうでしたが、モンキスロッドは基本的に耐久性を優先した並継構造(可変レングス部位のみ印籠継ぎ構造)のため全体的にティップ部とバット部のパワー差が大きくなる傾向があり、「NEW-DAWN」も例に漏れずティップは繊細でバットパワーは強靭です。

シーバスロッド基準で表記するとML/Mみたいな感じです。

使用感は「MX-7S」のワンパワー下といったところで、10~30g程のルアーが扱いやすく、ペンデュラムで40g程のビッグミノーまでが快適に扱えます。

9~12cmクラスの標準的なプラグを扱いやすくしつつも、オープンエリアでのビッグペンシルまで対応させたかったことからこのようなパワー設定となりました。

なのでシーバスロッドとしては若干強い寄りのパワーセッティングとなっています。

テスト中はセイゴからメータークラスまでキャッチしましたが、小型相手にはティップで、中型相手にはベリーが入り、大型には強靭なバットで対応できるシーバスモデルとしては非常にオールマイティなパワーセッティングに仕上がっています。

8f10inと9f4inの可変レングスということでグリップ長もウェーディング、オカッパリ両方に対応できる長さであるリールフット以下38cmに設定。

ライフジャケット装着時でギリギリ脇に挟めるくらいの長さになっており、よほどのディープウェーディングや高い柵のあるところでなければどこでも使いやすい長さになっていると思います。

モンキスでシーバス用途なら、迷ったら「NEW-DAWN」!というモデル。

最初の一本に是非。

◾️「Shinkirow AITHRIA 88/92MHS

NEW-DAWN」よりワンパワー上のシーバスモデル。

元々は広島の激流河川でのウェーディングモデルとして開発されていましたが、結果的に、昨今流行りのビッグミノー、ビッグプラグに高い適性を持ったロッドに仕上がっていると思います。

14cm以上のプラグをメインで使うのにおすすめなロッドで、落ちアユパターンやコノシロパターンの大型ベイトの釣りでは特に真価を発揮してくれます。

シーバスロッド基準でも機種名通りMH程のパワー感。

実はモンキスロッドとしては珍しく(?)ベリーに張りがあるセッティング(ファーストテーパー)。

前述の2機種が魚がヒットすると一気にベリーが入りバットで受け止めるのに対し、AITHEIA」は比較的ベリーが残るのでヒット直後からリフトで一気に寄せてくるようなファイトが得意。

ストラクチャーから剥がしてくるような釣りに向いた設計です。

また、ストラクチャーから引き剥がすのが得意ということでロックフィッシュゲームにも適性があります。

長さは8f8in~9f2inの可変レングス。

個人的にはデカトップをはじめとした動かす釣りなら8f8in、リトリーブ主体の釣りならラインメンディングのやりやすさを重視しての9f2inモードで使い分けます。

大型プラグが活躍するハイシーズンにおすすめです。

◾️「Shinkirow KEARSHI 72/77MS

MAX20gまでのルアーに対応するショートロッドです。

位置づけとしてはエギング兼万能ロッドなのですが、シーバス用途でも小型ルアーがメインのシーズンで活躍してくれます。

僕の地域だと春のマイクロベイトパターンやホタルイカパターン、他地域だとバチ抜けパターン等の細いラインを用いた小型軽量ルアーがメインとなるパターンに対応。

シリーズとしてはM表記ですがシーバス基準だとLかL+くらいのパワー感です。

僕の場合、冬や春は「シーバス狙いだけど同じポイントで根魚も釣れるからついでに多魚種も狙ってく」みたいなスタイルになるので「KEARSHI」があると非常に楽しく釣りをすることができます。

NEW-DAWN」だと根魚はすっ飛んできてしまうので(笑)

シーバス用途ではシーズン限定感はありますが、夏にはチニングやキジハタゲーム、春秋にはエギングにもライトゲームでも使えるのでシーバス用途に限定しなければ年中楽しめる万能ライトロッドです。

◾️「HUNTERS HT-6×4S」

KEARSHI」よりも大型ターゲットにも対応するライトロッド。

4段階にレングスが可変する面白ロッドですがシーバス用途では最大長の7fモード一択になると思います。

シーバスロッド基準だとL/MLくらいのパワー感で、ライトロッドですがバットが非常に強いのでその分対象魚も対応ルアーの幅も広いです。

ルアーはMAX30gまで対応するロッドですが、個人的には7fのこのパワー帯のロッドで30gをフルキャストして攻略!みたいな用途は殆どないため、10g~20g程のルアーをメインにストラクチャー撃ちといった使い方が主体になるかと思います。

こちらも「KEARSHI」同様、シーバス用途に限定しなければ年中色々楽しめる万能ライトロッドです。

不意の大物にも対応するので遠征時のサブロッドにおすすめ。

◾️「DearMonster MX-9S

MAX120gまで対応する「スピニングビッグベイトロッド」

通常のシーバスゲームにはまず用いない完全なる特殊要員です。

ビッグベイト、ジャイアントベイトのジョイント系ルアーに関してはスピニングタックルよりもべイトタックルのほうが飛距離も精度の上であることは周知の事実かと思いますが、ことトップ系の1本もののビッグベイト、ジャイアントベイトに関してはその限りではなし。

スピニングのほうが飛距離も伸びるし、どうせオープンエリアでぶっ飛ばすだけなのでキャスト精度とかも度外視でオッケーとなります。

また、個人的にはスピニングのほうがロッドアクションを(慣れの問題かもしれませんが)つけやすくも感じるのでデカトップ専用機としての選択肢としては「かなり有り」です。

……という訳で、2025年現在のモンキスラインナップでのシーバスで使えるスピニングロッドの紹介でした。

店頭であまり触れる機会のないメーカーなのでイメージしづらいかとは思いますが、モンキスロッド気になってる!みたいな方の参考にしてもらえたら幸いです。

また、イベントでは結構な機種が見て触れるので是非お越しいただけたらなと思います!

直近では4/26-27日の「富山メバルマッシブ」に川合テスター(&小塚代表)が、

4/27日15時〜上州屋・新富山空港通り店で小塚代表(&川合テスター)がお待ちしてます!

モンスターキスの地元・富山で、年間250日以上フィールドに立つシーバスジャンキー。身近に釣れる大型肉食魚というギャップ、非日常感に魅了され、そこに飽き足らず全国各地のシーバスを求め遠征。「自力で探し出す魚」を重視し、ノーガイド、ノー情報でアウェイの地を駆け巡る。過去3年の釣獲シーバス(全て岸釣り。ランカーは80cm以上)は、2022年309本/ランカー37本MAX100cm、2021年211本/ランカー32本、2020年216本/ランカー20本、北陸・甲信越地域に展開する量販店「FISHERS」が夏と秋に主催するシーバスダービー過去3年間全6回で4回入賞(優勝1回、準優勝1回、3位2回)