“怪魚版野良ネズミ”、Banheiro(バンニェイロ)のトリセツ2022。

こんにちは!北海道の藤田です。

今回は「Banheiro(バンニェイロ)」のお話を、原型削った僕の視点でもお伝えさせていただければと!

発売されてしばらく経ちましたが、皆さん、もう使っていただけたでしょうか?

2014年、カナダを旅していた時に川辺に落ちていた木片を削り出して制作(同年2014年にブラジルでタライロン相手にラインブレイク)したルアーが原型になっていて、個人的にかなり思い入れのあるルアーです。

以降、同様の八面体形状を様々試行錯誤して木から削り、(小塚さん曰く)「この釣れ方はヤバい!オマージュではないオリジナル形状で、現地ルアーと肩を並べられるルアーは類を見ない!」とプラ化が進んで……色んなフィールドで色んな魚を連れてきてくれました。

移動距離を抑えたクイックな首振り~激しい高速パニックアクションまでこなしてくれるのですが、やはり一番試して頂きたいのは南米のピーコックバスです。

小塚さんは「怪魚版野良ネズミ」と表現していましたが、高速のハードトゥイッチ&ジャークで入力すると、まさにそんな感じのパニックアクション。

キレッキレのアクションを生み出すには、ある程度張りのある短めのロッド(ディアモンでいうと「MX-6+」「MV-65」あたり)に、PEラインでの使用をお勧めします。

もちろんタライロンやカショーロ等、牙魚相手でも。

顔面やウロコなど彫り込みの無いことで水キレが良く、「いわゆる「アマゾンアクション」をバッチリキメてくれるので、南米の猛魚全般に良く効きます。

何なら手首が疲れ切った時、高速ただ巻きでもそれなりのパニックアクションをしてくれるので便利。

流石に極端すぎますが、小塚さんは利き手手首が骨折して満足にロッドワークできない状況でも、巻くだけで80アップまで釣ったそうです(笑)

プラ化した製品版は1.7mmというオフショアペンシル並みの肉厚ボディ設計で、牙で壊されにくいのもグッド。

先述したように、顔の彫り込みやウロコがないのは、アクションを優先した結果です。

ウロコがあると、塗装の食いつきが良く塗装が剥げにくいのですが……見た目より機能性を重視し、魚との出会いに不要なものは削ぎ落としてあります。

魚より賢い(と思う)恒温動物すら、そのアクションだけで騙してしまうレベル。

ネーミングは小塚さん発案です。

2015年に小塚さんと放浪したブラジルで、暇な道中2人であーだこうだ話した結果、「名前も、アマゾン旅に『これだけは!』と覚えておくべきコトバにしよう!」ということで、ポルトガル語で「便所」を意味する「Banheiro(バンニェイロ)」に決まりました

急に襲いくる“大物”に、パニクった頭でも人としての尊厳が守れるように、と……(笑)

そして、特筆すべき大きな特徴として、とにかくぶっ飛ぶ。

アマゾンのような障害物を撃っていく釣り以外で、この遠投性能はより一層際立ちます。

アフリカの広大な湖で大遠投して、大型シクリッド(現地名クピ、性格はピーコックバスにそっくり)を、広くスピーディーに探り、呼んで、釣っていく。

追い風に乗せて「MV-65」で振り抜くと、リールの糸が全部出きったり……。

製品版はラトルインとノンラトルの2タイプあり、状況で使い分けています。

神経質な魚や人為的プレッシャーがかかるエリアでは、サイレントに、スローにやったり……有名&ハイプレッシャーレイクのサザンサラトガも、難なくキャッチできました。

同じアロワナ系では、小塚さんは激レアのアジアアロワナ(青龍)も。

この“とりあえず証拠写真”後、いざ持って撮影しようとして、持ち撮りは1枚も写真に残らず逃げられたそうです……(笑)

個人的に、「バンニェイロ」のストーリーで一番印象に残っているのが、パプアニューギニアのスポットテールバス。

上のアロワナ類が顕著ですが、虫や小動物などを狙ってる魚に本当に強い!

スーパースプーク等の大型トップウォーターは全くダメで、「バンニェイロ」の小さなシルエット&比較的スローなアクションに異常反応を示しました。

蓋を開けてみると、ネズミ偏食パターン!

小型ボディ(約90ミリ)で、ワイヤーリーダーを使って太軸フックを背負わせた状態で、スロー~高速アクションまで100%の完成度でこなせる……そういう視点で見ると、なかなか他には無いトッププラグだと思います。

テレビ撮影旅で、僕は裏方だったため自身の釣果ではないのですが、ロケ中に出た5本全ての魚が「バンニェイロ」(僕が削ったウッド製)によるものでした。

カップチューン(ペットボトルを切り抜いた即席ジタバグカップを取り付け)、ペラチューン(アジアのペラルアーのパーツを取り付け)のアイデアが生まれたのも、このパプア旅でした。

主演の滝川クリステルさんにキャストから全て自分自身で釣ってもらうため、試行錯誤した結果、行き着いたのがペラチューン。

浮力があるのにコンパクト、標準搭載はシングルフックですが、大型(♯2〜MAX2/0程度)のトレブルフックに変更して使うのもアリ!

ちなみに小塚さんの最大魚は、即席カップチューンで。

そんなこんな、現場での必要に迫られたチューンから、インジェクション化に際してはカップ取り付け位置にビスホールが設計されています。

適切サイズのビス(径1.2mm前後、スクリュー部長さ5mm程度まで)を使う限り、ボディーに穴が開いたり、それにより浮力が落ちたりラトル音が変わるようなことはありません。

専用カップは今のところ市販する予定はありません。

結局はペットボトルの湾曲部が、どこでも手に入るし、適度に曲がって飛距離も出る&割れないし、軽いのでアクションも良い……これまた徹底的な現場主義、旅的思考による判断です。

……とまぁここまで海外での実績をメインに語ってきましたが、日本国内でも、辻テスターがバスで使ってくれたり、なっつテスターが良いナマズ釣ってくれたりと、身近なターゲットにも使って良い釣りしてくれているようです。

八面体形状は、高速巻きでのパニックアクションも良いのですが、スローに動かしても首を振らせやすい不思議な形状。

バスもナマズもいない北海道では、僕はトラウトでも釣果をあげた過去も。

なぜこのルアー、このカタチが釣れるのか知りたくて、とにかくこればっかり投げてたなぁ……。

吊るし状態のオリジナルはもちろん、ジタバグ化させたりペラルアー化させたりと、身近なフィールドでも感じられるアマゾンの風、楽しんでみてください!

幼少期から魚類に興味を持ち、6才で釣りを始める。バス釣りに熱中していた中学時代に小塚と武石が開設していたホームページと出会い、“怪魚”の世界に強い憧れを抱く。大学進学を機に北海道に移住、稚内から与那国島まで、アジアからアフリカまで、国内外を釣り歩いた。サクラマスの研究で大学院を修了、その後も北海道に残り、トラウトやロックフィッシュなど北の大地の釣りを楽しみながら、世界への旅を軸に据えた生活を送っている。