ボトムチヌの聖地・大阪への修学釣行を経て。最新のフリーリグを北陸に導入!

テスターの川合です!
北陸ではあまり広まっていない(若者の感覚)、ワームを用いたチニング。
ホタルイカパターンのようなシーズナルパターンで攻略する釣りもお祭り的で楽しいのですが、常日頃のチヌの習性にアジャストさせ、周年通用するであろうボトムの釣りが今回のテーマ。

もちろん「昔やってた」「散々釣った」という年配の方もおられるとは思いますが、“ベイトフィネス”や“フリーリグ”なんて言葉すらなかった時代の話、黎明期のフレッシュな状況でスピニンングタックル&ジグヘッドで底を小突いて……僕が知る限りせいぜい1日10枚の世界。

それが、最新のタックル立てなら1日100枚なんて俄には信じられない話も聞こえてくるわけです。

近年、ハイプレッシャー化が進む北陸地域で苦労している僕は“次の一手”を求め、ボトムチヌの最先端を行く大阪湾へ「とにかく行ってみよう!」と武者修行遠征を決行しました!

まずは最新の事情やタックル(ロッド、リグ、ワームなど)について研究するために、チニングで有名なショップへ向かいました。
店内には地元アングラーと思われるマニアックな常連さんが数名。

ロッドは7フィート台のファストテーパーで、繊細なソリッドティップにパワーのあるバットの備わったベイトロッドが主流になっているとのこと。

そして、この大阪湾で進化し現在主流になりつつある”フリーリグ”。

フリーリグといえば、シンカーが先に着底しワームがゆっくりフリーで沈むのというのが最大のメリット。
しかし、チニングの場合はシンカーストッパーを使って半固定状態にするのが基本だとのこと。

「フリーじゃないフリーリグ」という特殊な使用。

これまでチニングに幅広いリグを使用してきましたが、フリーリグは1度も使ったことがありません。

ワームは大阪湾で最も人気とされるケイテックの3インチを素直に使ってみることに!

3インチは、北陸では大きめに感じ、使わないサイズ感です。

まずは大都会を流れる淀川へ。

実際に行ってみるとアングラーの数が多く、“黎明期のなんでも釣れる状況”を過ぎている印象を受けました。
大阪の大都会を流れる川と言った感じの水質。

ナイトゲームの方がイージーですが、変化が目で見えるデイゲームを中心に展開しました。

この時使用したロッドは「MV-55」(ブランク)+「MV-65」(グリップ)。

「MV-55」のショートブランクの良さを活かすためにシチュエーションは小場所を中心に捉えました。
北陸と分かりやすく違う点は、クロダイとキビレの2種類が生息しているということ。

基本となるアクションはボトムのただ巻きで、縦ストを狙う時はボトムパンプ。

この2通りのアクションを使い分け。

初めてのフィールドにかなり苦戦しながらも、ポイントをあちこち周りグッドコンディションのキビレをキャッチ!

30cmに満たない”ギルサイズ”も多かったのですが、「MV-55」の繊細なティップでショートバイトをなんとか絡めとることもできました。

グリップを「MV-65」に互換し、5cm長くすることで、掛けた後のファイトも楽になります。

他のリグと使い比べると、フリーリグはテキサスリグよりフォールが早い

そして直リグの飛距離やボトム感知、根掛かりに強いと言ったメリットはそのままに、ファイト時にはシンカーストッパーがズレてシンカーがフリー(魚から離れる)になり、フックに慣性が働きづらいので、とにかくバレづらい。
「1枚でも多く釣るためのリグ」としてすごく理に適っている仕掛けだなぁと感じて、大阪から地元の富山へ帰りました。

さてさて、北陸へ戻ってすぐにフィールドへ走り“大阪湾スタイル”を導入してみました。
先月のレポートで触れましたが、北陸では能登半島(内浦と呼ばれる能登島周辺の波の穏やかなエリア)がチヌの魚影が最も濃いと思います。

大阪湾と条件の似たボトムに依存した魚や、ハードプラグで反応させずらい魚を狙っていきました。

この釣りに適したポイントや、釣れるタイミングなどのデータ取りを欠かさず行い、1枚でも多く魚にコンタクトできるように釣行を重ねます。

次々と数を伸ばしていき、良型サイズをキャッチ!

オープンエリアだったので掛けてからは「MV-55」でドラグを出しつつのやり取りを堪能できました。

状況によってだと思いますが、キビレがメインターゲットの大阪湾では3インチクラスが有効なのに対して、クロダイしか生息しないの北陸では2インチの方が圧倒的に有効だと感じました。

サイズは選べませんが、現時点で半日やれば安定的に10枚を突破するという練度にまで到達(プラグオンリーでは、いい日に当たれば、という枚数)。

最近の釣行では「MZ-7」+替え穂(プロトロッドのティップ)を導入。
これまでは飛距離が出しづらかったり、ボトムにスタックしやすかったり、大物が来た時にのされたり……そんな悔しい場面が何度もありましたが、そこはディアモン史上最高感度かつ10kgリフト可能パワーの「MZ-7」、操作性が高まりバットパワーのお陰で大物が来ても安心してやり取りできました。

“ディアモンとして”のオリジナリティ、旅を想定したタフネスのためオールダブルフットガイドは堅持しつつ、オールシングルラッピングで感度特性に一皮剥けた「MZ-7」。

小塚さんの言葉を借りるなら「ディアモンは……というか、モンキスのマルチピースロッドは、感度に関してまだまだ本気を出してない」。

感度よりも優先するものがある……その中で、“本気の片鱗”が伺える「MZ-7」、および今後リリース予定のロッドたちは、感度が必要なチヌ釣りに強い味方になっていくと思います!

チヌ専用ロッドを作る……というのは少なくともDear MonsterやHUNTERSのカラーではありませんが、開発中のロッド(今回替え穂に使ったもの)含め、今後もモンキスのマルチピースロッドで対応できるチニングの最適解を提案していければなと思っています。

突き詰めればどこまでも突き詰めていけるのは他の釣りでも同じですが、タックル的にも難易度でも入り口の敷居は高くないボトムチヌ(だから大阪湾でブームになっています!)

今後も大阪の動向を追い、北陸仕様としてさらに精錬し、更に他地域でも試すなど、フリーリグを使ったボトムチヌを、国内外の広い視点で追求していきたいと思います!

それでは、また!

【タックルデータ】
ロッド:「MZ-7」+替え穂、「MV-55」(ブランク)+「MV-65」(グリップ)
リール:SLX BFS XG
ライン:エックスブレイドX8、0.8号
リーダー:グランドマックス3号
シンカー:5g〜10g
フック:キロフック1〜3番
ワーム:クレイジーフラッパー 2.8インチ、リトルスパイダー2インチ〜3インチ

1996年、富山生まれ。小学2年生で釣りを始める。程なくルアーフィッシングに目覚め、国内外に視野を拡大。19歳の時、職場での事故で右手を大怪我。利き手でロッド操作ができなくなるハンディを背負うが、釣りへの情熱を失うことなく、むしろ”労災怪魚ハンター”と開き直って、繰り返される手術の合間に世界を釣り歩いた。社会復帰後はほぼ毎日、「HUNTERS」を手に地元の海に”キトキト”の(旬の)魚を追いかけながら、遠征ペースも落とさない釣りジャンキー。 2022年現在、海外だけで計10回、9か国に釣行。好きな怪魚はラテス属(アカメ属)。