新潟の川上です!
前回レポートその①からの続編になります。
「転んでも(車を廃車にしても)タダでは起きねぇよ!」ってことで、その④まで続きますから、お付き合い宜しくです(最後良い魚でますので)。
廃車決定から少し時を戻しまして……モンキスのお膝元、富山に到着して、休む暇もなく釣り!
狙ってた魚ではないですが、夜釣りでミノーにカマツカが連発!
池尻テスターが琵琶湖で、クランクで確立しているカマツカ・クランキング、通称“カマクラ”は、他地域でも通用するかも知れないと可能性を感じました。
ロッドは“いつもの”「HT-7/8」を短い方(7フィートモード)で。
とりあえずこのセッティングで、なんでも釣れると思ってます(思ってました)。
朝まずめはシーバス!からの、
サクッとメナダ、実際のかかりが上写真です。
これは「食わせた」と言って良いでしょう。
撮影しようとすると外れたっちゃので、頬に乗っけてイメージショット。
地味に、自己記録更新かも知れない……富山のメナダ、デカいし多いし、専門に狙うと面白いかも?
まぁこんな感じで、自分のプラグでの基準はミノー。
正直、10cm前後のミノーでの釣りなら、そこそこつかんでいる自負はあります。
だからこそ朝食後、半ば強引に誘われたビッグベイトでのバス釣行が晴天の霹靂だったのです。
ポイントに到着早々、釣れて当然と言わんばかりの顔でバス片手にやってきた小塚さん。
フロントグリップが短くなった、2022年仕様の「MX-7」にて。
「ビッグベイトで使うなら、2〜3オンスクラスまでがオイシイ。2オンスのジョイクロ178やタイニークラッシュはドンピシャ。」
ルアーメーカーとの契約の絡みもあり、自分(小塚さん)からは表に出すことのない引き出しも結構あるようで……。
なんでも、
「コロナ禍になって、とりあえず2020年時点で販売されてた“体長”(ソフトテールを除いた部分)20cm以上の国産インジェクションルアーは全て購入して使い込んでみたのよ」
と。
「その上で、“全長”(ソフトテール込み)15cm以上を自分なりのビッグベイトとして線引きして、その範囲内で気になるルアーは一通り試したのさ。……川上クンは、ジョイクロ178とタイニークラッシュ、その2つで勉強して『デカいから釣れる』を自分の武器にするといいよ〜」
であれば右向け左、まずはミノーを投げました(笑)
しかし、反応が薄い。
動きの質かな、と自前の12センチくらいの小型ジョイントベイト(小さめのS字系)に変えても反応鈍し。
ニヤニヤそれを眺めてる小塚さん、(悔しいけれど)タイニークラッシュを借りて投げれば、バスが群れになってついてくるじゃないですか!
なんとか一本掛けたものの、ジャンプ&バラしで午前中は終わりました。
「ビッグベイトは、“文化”だからさ。流行りに乗りたくない気持ちはわからないでもないが、まぁ“文化”として、引き出しの一つにしときなよ」
この日、小塚さんがよく口にした「文化として」というコトバ……そんなわけで昼飯も「文化として」の富山ブラックラーメンを試食に、その元祖と言われる店へ。
神棚のある、独特の雰囲気漂う店内。
「個人的には、塩辛すぎると思うけど……文化として、まずはオリジナルを知っとこうや」
「オリジナルを知った上で、定番のアレンジ。次は卵つけて、すき焼きみたいに食ってみ!」
歴史を感じる趣ある店の入り口で、なぜかティッシュを詰めて記念撮影。
特に鼻血が出ているとかではないですが……。
その後、釣り場に戻りましたが、週末ということで人が増えたのもあるのでしょうか、午後はチェイスはあるものの食わせきれませんでした。
久々に本気になった釣りで完全敗北!
ブラックバス、難しいやんけ!
新潟生まれ、新潟育ちの僕は、淡水のルアーゲームの軸足は雷魚……ある意味でルアーフィッシングの“オリジナル”、ブラックバス釣りはザルだったことに気付かされたのです。
「表に出すか、出さないかは別として、バス釣りの腕はルアーマンの基準でしょ。それこそナイフみたいに、必要となった時にすぐ使えるよう磨いといて損はないゼ」
小塚さんはそんなことを言ってましたね。
夜食は、明日から一緒に遠征に行く予定の川合テスターと合流。
小塚さんが作ってくれたモンキス的まかない飯、「富山ブラック“鍋”」が強烈に美味かった!
「鍋に水をはり、多めの醤油を入れ、そこにニンニクスライスのみ。そのニンニク醤油水で、野菜と豚肉をしゃぶしゃぶにして食う。出汁は不要。いわば、醤油による大豆の旨味が出汁だから。これが、個人的には“富山ブラック”という文化のキモだと解釈してる」
まずはオリジナルを知り、キモをつかみ、自分のモノにする……みたいな。
「野菜と豚肉の旨味が出た汁に、〆として麺を入れたら、モンキス的・富山ブラック“ラーメン”の完成よ。昼の“オリジナル”食ってると、色々考えるところあるでしょ?(笑)」
……敗北の傷口に沁みた(爆)
さてさて、お腹も満たされてひと眠り……する暇もなく出発です。
車を手にするとバックパックで行っていた場所がとても近く感じ、高速道路でサクッと行けて快適だな~と感動しますね。
この釣行でのメインターゲットはビワコオオナマズ。
「とりあえず釣れるだろ!」くらいな感覚で舐めてかかりました。
そして釣り場に着き試行錯誤、一日、また1日と時間が過ぎて行きますが……釣れない!
エサでの特攻(ブッコミ)釣りも試したものの、掛けた瞬間に違うのが分かってしまった……。
釣れたのは近年増えているらしいアメリカナマズ。
川合テスターの「HT-6/7」にヒットしたんですが、川合テスターが席を外していたので、横取りさせてもらいました(笑)
正直ここまで苦戦するとは思ってもいなかったのですが、タイムリミットは刻一刻と迫り、結局結果を出せないまま釣行を終えました。
このアメナマが今回の関西で僕が釣った唯一のナマズに。
いつもの感じで1〜2週間かけて、もっと時間を使って魚に近付きたいと思いましたが、さまざま野暮用があり川合テスターが帰った3日後には一旦北陸へ帰る事にしました。
関西から富山への帰路。”敗走中”にその事件は起きたのです。
高速道路走行中にアクセルを踏みこんだ瞬間、明らかにエンジン音が変わったのが全ての始まりでした。
ずっと走ってきたし、「なんかエンジンの調子悪いんかな?」くらいに考えていましたが、どうにもおかしい。
給油に寄ったガソリンスタンドのおっちゃんにも、
「これは多分ダメなやつだと思うから、早く見てもらった方がいいぞ」
と言われるほどの異音が……。
とりあえず富山市内にまで戻った段階でディーラーに駆け込んだのですが、前回のレポートその①でも軽く書いた通り、そこで死亡宣告を受けました。
遠征前にはエンジンオイル交換とか、タイヤの空気圧調整とか、当たり前の教訓を再確認した上で……納車してまだ1ヶ月、明らかに販売店がおかしいと思いました。
故障の報告をして、連絡を取るうちに少しずつ販売店のヤバさが分かってきて……そこら辺の車関連に詳しい方にも「この販売店、かなりヤバイです」と言われる始末。
どうにもこうにも直すのは無理そうで廃車の選択肢しかない様でした。
「とはいえ比較もせず、即断即決でその店と車を選んだの川上クンでしょ? その即断即決力は高く評価してるけど、事故って死んだら抗議すらできんわけで。安全管理に関しては、もう少しだけ慎重に。安くはない勉強代だけど、いずれ“富山の薬”と笑い飛ばせるようにしよう。……いずれにせよ、臨終が富山で不幸中の幸いやったやん?」
と小塚さん。
ビワナマが釣れていたら、ハイテンションのまま高知のアカメに走ろうと思っていたので、知人もおらず、居住する新潟からも遠い四国の山の中あたりで臨終するよりは……ビワナマが釣れなかったのおかげで、傷は最小限に留められたのかも知れません。
車をクラッシュさせ、足を失った僕は、廃車手続きやなんやで富山に足止めされ、モンキス事務所に数日滞在することになりました(こうして富山ブラックラーメンも色々ゴチになりました)。
「このまま新潟へ帰るのもナンセンスだな~」と思っていたそんな時、小塚さんから島根のビッグベイトシーバスを誘われるのです。
最初は乗り気じゃなかったのですが、半ば強引に誘われるうちに「なる様にしかならない!」と思い、同行させていただく事にしました。
しばらく車を置かせてくれたディーラーさんには感謝感謝です。
車に釣り道具一式を積んでいたのですが、最低限の装備だけを持ち出して公共交通機関でモンキス事務所まで移動……思いもよらない形でマルチピースロッドの携帯性に助けられました(笑)
車廃車宣告直後、富山駅までのバス待ち中に自撮り。
ここ最近で一番の笑顔でした。
「なんでこうなった……?」という感情がしつこく頭にこびり付いていましたが、島根県に到着したあたりでどうでも良くなりました(笑)
激動の数日間、流されるがままにたどり着いたのは島根県の出雲大社。
TVでしか見た事がない、神々の国のしめ縄は圧巻の迫力でした。
その③島根BBシーバス編へ続く。