ブレイクスルーへの布石。GTの聖地、インド・アンダマン釣行(後編)

怪魚ポエマーの古田です。

前編」に引き続き、今回はインド・アンダマンでのGTフィッシング後編です。

前回のレポートではGTの聖地とも言えるアンダマンの魚影の濃さについてお伝えしました。

ひとたび、魚の群れにスイッチが入れば同時ヒットも珍しくなく、全員キャッチも夢ではありません。

ところでサイズはというと、釣れる魚のアベレージは10kg前後。

時折、20kgクラスが混じってくるという感じ。

もちろんGTがたくさん釣れるだけで楽園なのですが、

サイズが欲しくなるのは釣り人のサガ……。

大型魚からの反応は4人で投げて一日に一回あるかないかという状況なので、ダイビングペンシルなどで数を釣りながら大型が混じるのを待つよりも、

大口径ポッパーのアピール力で勝負を仕掛けることにしました。

ポッパーをやり切ると胸に誓って迎えた最終日……

ボートが向かうのは島から離れた沖にあるなだらかなブレイクラインが続く場所。

このポイントは回遊するGTが多いとのこと。

みんながダイビングペンシルやシンキングルアーを投げる中、周りを気にせずにドッカンドッカンと音を鳴らします(みなさんうるさくてごめんなさい笑)

体力の消耗が激しい釣りになりますが、そこは気合とタックルでカバー。

MGX-∞S」にショートティップ(替穂)を付属したのは、このような状況、大好きなポッパーの釣りのため。

「GTを、GTらしく釣るには、やっぱりポッパーだ」

いつかの遠征から心に刻まれた“ハートフルポップ”という言葉を信じて水面を叩き続けます。

2流し目ほどした頃でしょうか。

水中に重低音を響かせて潜ったポッパーが横からカッ飛んできた影に襲われると、ドラグが引き出されます。

重みはないものの、スピード感のある引き。

「かかりどころが悪いのかな」と思ったのでストレートファイトで魚を寄せてくると、見えてた魚影は銀の流線形。

船の下をぐるぐると回る魚を見た船長が「ドギー」と一言。

釣れたのは少し大きなイソマグロでした。

特徴的な、牙!

積極的に狙ったことはないものの、いつかは釣りたいと思っていたこの魚。

海外では「ドッグトゥースツナ」と呼ばれ、100kgを超えて育ちます。

船長曰く、「トップウォーターで釣れるのは珍しい!」のだそうで、「船のいい宣伝になるぞ!」と喜んでいました。

白人アングラーにとっては憧れの魚のようです。

そして迎えた夕まずめ。

船長からは「最後のポイントだ」とのアナウンス。

バコン、バコン、バコンと、3発引いてからの一服。

図らずも生まれた長めのステイが食わせの間となり、釣れたのは30kgオーバーの良型GT。

この魚が遠征の最大魚となりました。

「ポッパーはGTに想いを伝えられるルアーだ」そんなことを思いました。

結局全行程で、5人で約30キャッチといった海況。

うち、自分は9キャッチ。

日本でGTを狙う2~3年分ほどの知見を、集中的に得られたでしょうか。

ポッパーでの釣りにブレないナニカを得られたことは、大きな収穫です。

GTは世界記録(72kg)が日本国内で釣られている巨大魚

サイズだけを追うならば海外まで行く必要は無いのかもしれませんが、現状、“数を釣る”という経験は、海外だからこそのGT釣り……今後、国内外の遠征に還元できると確信しました。

「国内でも釣れる魚を、なぜわざわざ海外へ?」

お金も時間もかかるのは事実ですが、一度に海外に足を運んでいただければ、仕舞50cm以下のモバイルロッドで「GIGAS」シリーズを作り続けるワケをご理解いただけるかなと思います。

<関連ページ・レポート>

高校時代に小塚の著書「怪物狩り」を読み、それきっかけに大学進学後は南米アマゾンのジャングルや、アフリカの大地溝帯、果ては中東イスラム圏まで、計7ヵ国を旅する。学生時代の9回の釣り旅はすべて、行き当たりばったりの“旅的”スタイル(個人釣行)にこだわった。大学卒業後は一般企業に就職。ライフスタイルの変化に対応し、オフショアに目を向け、GTやヒラマサのキャスティングゲームに没頭。直感的に行動した結果、報われてこなかった半生を反省し、「感じるな、考えるんだ」と竿を振る。