学業とルアー開発の合間を塗って……東大生テスター・禾丈一郎の2024年上半期(淡水〜汽水編)

新人テスターの禾です。

前回のレポートでは、2024年上半期のソルトの釣りでの釣果を紹介させていただきました。

本レポートでは、同時期に行っていた淡水~汽水域の釣りについて、オムニバス形式で紹介していきます。

まずは、こちら!

6泊車中泊の高知遠征、「Dear Monster MX-∞」で獲った1本。

人生初のアカメでした!

サイズは93cm。

まだまだ小さい方ですが、ずっと憧れていた魚種でしたので、とても嬉しかったです。

赤い目、ギラギラ輝く鱗、スプーンヘッド、背中のチューリングパターン、どこを取っても最高にカッコいい魚ですね。

メインで使用していたルアーはスライドスイマー250SSでした。

2010年発売、バス釣りの世界で「ジャイアントベイト」というコトバ・ジャンルを定着させた、言わば“元祖ジャイアントベイト”とも言えるこのルアー。

10年前は夢追いバサーのキワモノ(デカすぎる)的な扱いでしたが……現在、アカメ釣りにおけるド定番ルアーになっています。

重さは約180グラム(6オンスクラス)とそれなりに重いですが、「MX-∞」のむっちり(私感)とした安心感のあるブランクスのお陰で、躊躇なくフルキャストを繰り返すことができました。

より下のパワー帯のロッドで無理矢理投げたときと比べて、キャスト精度の向上も実感しました。

特に、日中、橋の下のシェードを狙う際などは、天井に当たらないように低弾道のキャストをする必要があります。

このような場面で、折れる不安なくタラシを短くしてキャストできる「MX-∞」はもってこいでした。

より大型・重量級ルアー、小塚さんチューンの尺ワン(303mm、9.3oz、260g前後)や、自作の280mmも投げましたが、今回は結果に結び付かず。

とはいえ、MX-∞」で10ozクラスまでの“大型ジャイアントベイト”も、とりあえず扱うことができました。

次回以降、アカメを狙うときは、スライドスイマー250SS(6オンスクラス)よりひと回り大きな300mm超(10ozクラス)を積極的に使っていきたいと考えています。

森園テスターのレポートが象徴的ですが……“投げる”だけなら10ozクラスでも「MX-∞」で問題ありませんが、“動かす”となると、「MGX-∞∞」のような更に上の硬度をもつロッドが欲しくなってくるのがこの辺りの重量からでしょう。

森園テスターも「ジャイアントベイト」と差別化し「大型ルアー」等、言葉を選んでおられますが、いよいよ“ジャイアントベイト”というカテゴリーの、更に上のカテゴリー・コトバが必要になってきそうですね!

次はナマズ。

大学のロッカーに常時「HUNTERS HT-6/7」を保管しているので、気が向いたら学校帰りにいつでも狙いにいけます。

東京都心からほど近い場所でナマズが釣りやすい河川となると、かなり選択肢が絞られてきます。

故に、シーズンが進むと同じポイントに人が入りすぎて非常にプレッシャーが高くなります。

例年、7月頃になるとスレてしまいショートバイトばかりです……。

今年はなるべく早い時期から狙ってみようと思い、ダウンジャケットを羽織って2月からいつもの河川に向かってみました。

半信半疑で自作のトッププラグを投げていると、意外にも反応がたくさんありました。

しかも、冬場はディープにいるだろうという予想に反し、水深30cm程のシャローでバイトが連発しました。

温排水などは無い河川ですが、やはり生活用水が流れ込むと冬場でも水温がある程度高いのでしょうか。

冬時期からトップに積極的に出てくれる魚は貴重ですね。

その他、「HUNTERS HT-6/7」でキャッチしたナマズの釣果を何匹か。

特徴的なオレンジのロゴが映り込む写真(左上)は7フィートロングモードで、モノトーンのシックなロゴの写真(右上)は6フィートショートモードです。

マンメイド環境が多く、足場の高さ等に変化の激しい都市河川では、可変レングス構造の恩恵を強く感じます。

オールドプラグで狙うのも楽しいですね。

次は渓流。

今年はあまり行けていませんが、行くたびにとても癒される釣り場ですね。

今年の渓流では、少々無理し、オーバーパワーの「SIX-SENCE 58/63MS」を使用してみました。

パワー感としては“強めなバスロッド”ぐらいあるので、流石に渓流では魚に対してはオーバースペックでしたが、3グラム程度の軽量ルアーでも「ピンキャストできなくはないよ」という使用感の証明になれば嬉しいです(笑)

そんな「SIX-SENCE 58/63MS」を用いて、開発中のジョイントベイトのサンプル(65mmサイズ)を試してみました。

2024年年始から、僕の発案のジョイントギミックを、小塚さん発案のボディ形状に組み込んで試行錯誤しているこのルアー。

リップが無い構造のため、それが生きる使い方を……ミノーでは狙いにくい超シャロー帯を早巻きすると、ひったくりバイトが何度もありました。

最後はコンクリートジャングルでのシーバスゲーム。

以前、伊藤秀哉テスターに案内してもらった場所での釣果になります。

やる気の無いバイトやチェイスは結構あるのですが、昼のシーバスは、なかなか本気食いさせるのが難しいです。

そんな中、開発中のジョイントベイト(165mmサンプル)のアクション特性を活かして、1本取れました。

他にも、嬉しい検証結果が。

より大型の200mmサンプルでチヌ!

よく掛かったな……そして、コイも。

こちらは比較用に作った、ジョイントギミック非搭載サンプルで。

こちらも、しっかりとフロントフックを咥えていて驚きました。

多魚種対応の、モンキスらしいジョイントベイトに仕上げていければと思っています。

……以上、2024年上半期の淡水~汽水編でした。

大学の研究や大学院入試の対策などで忙しく、中々釣りに行く時間が取れない上半期でしたが、小塚さんをはじめモンキステスターの方々と意見交換し、実釣を伴いながらルアーの開発を進めることができました。

無事に大学院に進学することが決まりましたので、もう数年、「学生」の特権を活かして釣りとルアー開発に尽力したいと考えています!

下半期、秋~冬シーズンは、開発中のジョイントベイトを完成させるため、東京湾でのビッグベイトシーバスを多角的に取り組んでみようと思っています!

去年(2023年)の秋から、ギミック・ボディ形状ともに、随分進化しました。

<関連ページ・レポート>

大学入学時に3Dプリンターを購入、以後3年間ルアー設計に明け暮れてきた頭脳派ルアークリエイター。都心への通学に際しモバイルロッドを導入、机上の空論ではなく、日々のアーバンフィッシングでトライ&エラーを繰り返す。2023年、講義中に閃いた構造アイディアを検証するため、ビッグベイトシーバスの世界へ。先入観に囚われない柔軟な発想と、自ら生み出したルアーの力で、初年度から高実績を重ねている。長期休暇は離島へのロックショア釣行など日本全国へ遠征、在学中に海外への挑戦も計画中。