新シリーズ「Shinkirow」。1つ目のキーワードは「高弾性」

ヨシダです。

10月上旬、下動画を皮切りにその存在が公開開始となりました「Shinkirow」について、現時点で公開できる情報をお伝えしていきたいと思います!

Shinkirow」とはどんな竿なのか、なぜ「Dear Monster」や「HUNTERS」では無く、新たなシリーズを設立するのか。

その理由を説明するにあたり、いま一度改めて、簡単にMonster Kissのモバイルロッド作りの歩みを振り返ってみたいと思います。

そこに、「Shinkirow」が生まれた必然があります。


2012年、「モバイルロッド=弱い、廉価版」それが常識だった時代、「海外遠征にもワン&ハーフ」という価値観が支配的だった時代に、「Dear Monster」は生まれました。


「Dear Monster」は耐久性と操作性が両立する、中弾性カーボンがベース。

1m超級の大魚、いわゆる“怪魚”とも渡り合えるモバイルロッドの誕生……以後、「Dear Monster」が日本のフィッシングシーンに与えた影響は、皆さんの知る通りです


2020年には満を辞して、可変レングス構造を導入した「HUNTERS」を発表。

“可変レングス構造”といえば目新しく聞こえるかもしれませんが、古くから和竿に使われていたと“追い元”と呼ばれる機能です。

“追い元”には、太いブランクスに細いブランクを重ね、接着する「印籠継ぎ」と呼ばれる継ぎ方が必要であり、必然的な強度低下(通常の並継構造から3割程度)を伴います。

それを補うべく、「HUNTERS」には従来のカーボン素材に、粘り(耐久性)を生みだす低弾性グラス素材をコンポジットした中・低弾性ブランクを開発しました。

「印籠継ぎ」の必然から生まれたブランクは、“曲げて獲る”釣り、ビッグベイトなど重量級ルアーの操作に適性を有し、「HUNTERS」はHUNTERSとして、「Dear Monster」とは別の立ち位置を獲得したと考えています。


そんな、中弾性の「Dear Monster」と、(比較して)低弾性の「HUNTERS」

……勘の鋭い方は、もうお気づきでしょう。

新シリーズ「Shinkirow」は、高弾性。

至高の操作性と、驚きの飛距離を実現するブランク特性。


これまでモバイルロッドが苦手としてきた領域に、「専門メーカーならここまで作れる」というクオリティを世に問うシリーズです。

高弾性ブランク、モンスターキスの技術力を最も体感していただけるのが、「Dear Monster」や「HUNTERS」にラインナップが希薄な、ライトロッドやロングロッドかと思います。


わかりやすく、アジング対応のウルトラライトロッドや、モンキス史上最長となる9フィート超のロングスピンもラインナップ予定です

まさに、適所適材。

高弾性ブランクが生きるロッド。

逆に言えば、そのようなロッドは「Dear Monster」や「HUNTERS」のブランク特性とは合っていないため、これまで無理に作ってこなかったともいえます。


中弾性の「Dear Monster」と、低弾性の「HUNTERS」に、高弾性の「Shinkirow」が加わる。

Monster Kissの、これまで10年超の歩みの結晶とでも言える「Shinkirow」、既にイベント等で触れていただいた方々には、大きな反響をいただいています。

発売は2024年春。

“「Shinkirow」は高弾性ブランク”、まずはこの点、頭の隅に置いておいてください。

今後の情報公開をお楽しみに。


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大学時代に小塚と出会い、初めての釣り旅がパプアニューギニアという刺激的すぎる原体験をしてしまう。卒業後は水産会社に勤務し、その後モンスターキスに入社。ほぼ全ての実務を統括し、公式セレクトショップ「Monster BASE」の店長を務める。ジャーキングやトゥイッチなど、ロッドワークを駆使したルアーフィッシングを好み、忍耐を必要とするエサ釣りは苦手。モノ、ガジェット系中毒で、旅で使えるアイテムの検証やリールのカスタムに余念なし。高身長(186cm)ゆえ、大型魚を釣っても写真では小さく見えてしまうのが悩み。