前回レポートからの続きとなります。
「デカくて太いヒラスズキを釣りたい。」
そうすると可能性が高いのは対馬!
てことで友人に誘い乗って二つ返事でOK!
一か月後の航空券を手配し、毎日Windyとgoogle map を眺める生活。
これまで五島や壱岐には行ったことがありましたが、対馬は初なので非常に楽しみでありました。
出発前日にはシケ過ぎでフェリーが出ない可能性も浮上し、ヒヤヒヤしましたが何とか出航決定!
「これだけ北西爆風でシケたらヒラスズキには最高のコンディションでしょ!」
と終業後、羽田へダッシュしワクワクで福岡へ。

深夜発のフェリーなので福岡到着後は少し時間があります。
自分は少し船酔いしやすいタイプなので博多ラーメンをビールで流し込み、フェリーが荒れた外洋に出る前に寝てしまう作戦を取ります。笑

相当揺れていたような気もしますが、ぐっすり眠ることができ体調万全で対馬に上陸することができました!
到着して直ぐに手配してもらっていたレンタカーに乗り込み午前5時。
「まだ朝マヅメ間に合う!」
てことで、港から20分ほどのポイントへ。
ウェットスーツを着込んで防水バッグに竿を突っ込んで準備万端!
真正面から風速10mの寒風を受けながらキャスト開始です。
<タックルDETA>
ロッド:「Dear Monster GIGAS MGX-8S “King Monkey”」
リール:Twin Power SW 14000XG
ライン:VARIVAS アバニ キャスティングPE X8 6号
リーダー:VARIVAS Ocean Record 130lb
ルアー:ラピードF190、レガートF165、ボアーSS170、などなど。

射程内に鳥が待って時折水中にダイブしており雰囲気は満点。
逆風を切り裂きながら竿を振っていると、足元まで4、5匹のヒラマサがチェイス。
これは釣れたな~、と余裕をぶちかましていると潮位がどんどん上げてきて足場が無くなってきました。汗
ややウネリも残っており危ないので、後ろ髪を引かれる思いで退散しました。
とはいえ、1か所目から魚の反応を得られて上々の滑り出し。
日が上がって、次はヒラスズキ狙いでポイントに入ります。
が、数日前から北西風が吹き荒れたシャロー帯は濁りまくり。
友人は何とか一本キャッチしましたが、自分は反応を取れないまま時間が過ぎ、5か所ほどランガンしたところで日没。
分かり切ったことではありますが、離島に来れば釣れるというのは幻想のようです。
ちなみに今回は学生時代を思い出すために?車中泊を選択。
軽自動車の運転席で中途半端に倒れるシートにどこか懐かしさを感じながら就寝。
翌朝4時。
案の定、背中を痛めながら起床。
クソ寒い中、やや濡れたウェットスーツや磯靴にかなりの不快感を覚えながらの着換え。
ちなみにこのタイミングで対岸の韓国では死人が出るくらいの寒波が到来中。
もれなく対馬にも、そのおこぼれがやってきておりました。
寒いし体痛いわ~とゴチャゴチャ言いながら準備し、再びヒラマサを狙うべく磯を歩きます。
が、予定調和に行かないのが初場所の遠征。
30分ほど歩いて辿り着いた磯の先端は、潮位が高すぎてキャスト位置が殆どなく右往左往する内に朝マヅメ終了……。
仕方なく引き返しながらサラシを撃っていくことに。
ですが、反応は無いまま時間は過ぎ、濁りが入った砂混じりのシャロー帯にやってきました。
「釣れなさそうやけど、一応投げとくか」
とブレイクラインにできたサラシにルアーを通していくと、カツンとバイト!

重量的に大きくはなさそうですが、良く引きます!
無事にランディングしたヒラスズキは50㎝ほどでしたが、対馬クオリティの太さと厚さ!
とりあえず、魚の顔を見ることができて一安心です。

<タックル>
ロッド:「Shinkirow AITHRIA」(92ロングモード)
リール:Twinpower SW 5000XG
ライン:VARIVAS X4 2号
リーダー:Ocean Record 50lb
ルアー:CHOVY SF125
対馬のヒラスズキはデカくて強いとの前振れだったので、PEもリーダーもいつもよりワンランク太めで組みました。
ここで勢いが付いて次は波打ち際のサラシを撃っていくと、ガツッとヒット!
叩くような引きで上がってきたのはキビレと見間違うかのような白いチヌ!

水がきれいなところのサーフで釣れるチヌはこんなに綺麗なんだなぁ、と地元大阪湾の真っ黒なチヌ達を思い浮かべながら観察。
背ビレの鰭条は光り輝いて、頭部とエラブタ周りは薄紫色に彩られています。

綺麗な魚に心癒されて、そのポイントを後にしました。
昼食をテキトーに済ませて、次はやや風の交わせるポイントへエントリー。
波のピッチは間隔が大きく釣りはしやすい状況。
「ここは出そうだ」というポイントにルアーを通していきますが反応は薄め。
前日からですが、ベイトが全く見えません。
目ぼしいサラシをどんどん撃っていく中で一か所サラシが溜まって「いかにも!」なポイントに辿り着きました。
何となく“出る”そんな気がしたので細かくトレースラインを変えつつサラシの外から刻んでいきます。
数投して反応なく、居ないのか?と一番磯際のラインを通すと「コツッ」。
小さな違和感に「ん?」と反射的に合わせるとこれまでとは違う重量感でヒット!
苔でツルツルの足元だったので合わせた瞬間コケましたが、体制を立て直してファイト。
エラ洗いせずに下に下に突っ込む引きは、絶対デカいヤツ!
慎重に寄せてセットでずり上げようと思いましたが、波の勢いが足らずに戻っていきます。
この時が一番身切れする可能性が高いので、テンションはやや張りつつも瞬時にベールフリーで魚の動きに合わせます。
焦らず次の大きいセットを待ってずり上げランディング成功!

太い、分厚い!これランカーいったやろ!


とメジャーを当てると、75cm。
いつもの太平洋側の魚とは比べ物にならない、所謂フナスズキ体型に目測を誤りました。笑
とはいえ、自己記録は更新!
素晴らしいコンディションの魚に出会うことができ、感無量でした。
じっくりタイドプールで蘇生させた後にリリース。
最近、SNS等でよく目にしますがシーバスは非常に採捕率の高い魚のようで、ヒラスズキについても調べてみると外房の個体が三重県尾鷲や駿河湾、伊豆諸島で再捕獲された例があるようです。
“遠征先で釣った魚が将来ランカーになってホームで再会できる可能性もある。”
そう考えると、シーバスも磯ヒラも夢のある釣りだなと感じます。
口に針刺して引きずり回している以上キャッチ&リリースも人間のエゴに変わりは無いのですが、それを仕事にした現在、これまで以上に丁寧な魚の扱いを心掛けたいです。
本当に魚に負担を掛けずに釣りをしたいなら、シングルバーブレスフックに太い糸で、掛けたら一気に釣り上げ、サッと水中で撮影、リリースが理想ですが……自分はそこまで釣りは上手くない。
今はとにかくフィールドに通って魚を知ること、を第一にしています(そしてその理想に最も近い釣りはビッグベイトシーバスなのかも)
ともあれ、目標の対馬クオリティはキャッチしたので、この日は満足し終了。
銭湯に浸かって疲労を回復させて翌朝に備えます。
最終日(3日目)。
お昼の船で本土に戻らないと帰りの飛行機に間に合わないので、朝マヅメの短時間勝負。
関東よりも経度が西なので夜明けも7時前。
焦る気持ちを抑えてリーダーを結び直し、来たる地合に備えます。
薄明るくなった海を観察していると、潮当たりが良さげな立ち位置を発見したのでそちらへ横移動。

一つのルアーを信じてキャスト開始。
すると、程なくして足元のダイペンにバイト!
「King Monkey」なので強度には不安無し、そのまま一気に抜きあげてキャッチ!
60㎝くらいのヒラゴでしたが、初めての対馬のヒラマサ。気分が上がります。

直ぐにキャスト再開すると、またも足元でルアーの後ろにモワン。
移動距離を抑えてアクションさせると「ドカン!」と水面爆発!
ドラグこそでないもののしっかり「King Monkey」を曲げこんでくれたのは80㎝ほどのヒラマサ!

狙い通りの結果に笑みがこぼれます。
この個体は尻鰭の前部が欠損していましたが、力強い引きで楽しませてくれました。

ルアーはラピードF190!
「King Monkey」でのキャストフィーリングも、ベストな感じです。
その後、もう一本ヒラゴを追加し、実釣2時間ほどで3本と上出来でした。

この前週は高知まで自走し丸3日ノーバイトという修行を受けたところだったので、その成果なのかも知れません?笑
港まで綺麗な紅葉を見ながら上機嫌でドライブし、ジェット船、飛行機と乗り継ぎ関東へ帰りました。



次回は帰り新幹線でも良いかな?値段も安定しているし、時間も読みやすいし。
そして何よりモバイルロッドだし!
今回もダッフルバッグとバックパックの身軽な遠征となりました!(車中泊となれば嵩張るバズーカはマジで邪魔)
5mmのウェットスーツとライジャケ、磯靴で荷物の殆どが埋まりますが、ルアーを減らせばOK。
海外遠征では無いので、ある程度状況も読めるし沢山持って行ってもどうせ使いません。笑
磯の釣りはエキサイティングですが、危険を伴う場面もあるので、ルアーは減らしてその分安全装備を詰め込みましょう。
今回の遠征で3連休あれば、関東から北部九州離島へ満足な遠征を組めることも分かったので、また近々行ってきます!
P.S.
今回初めて対馬を訪れて海の豊かさと共に、漂着ゴミの多さに衝撃を受けました。
これまで対馬に流れ着いたプラスチックゴミを10%配合したタックルケース(リングスター社製)を1つ愛用していて、非常に丈夫な上グローブをした手でも留め具を外しやすく気に入って使っています。
これを機にタックルケースは全部コレに変えようかな……。

僕ら遠征者が大きな漂着ゴミを拾って帰るのはハードルが高いかも知れませんが、最低限糸クズやパッケージゴミなどは拾えるようになりたいものです。
現状釣りをするだけで根掛かりやら、ラインブレイクで海にプラスチックを投棄しています(ルアーを失くさなかった年は無いと思う)
ゴミを拾うことは釣り人の責任であるとともに、将来自分たちに確実に突き刺さるであろう世間からの冷たい目をほんの少し緩和できるのではないか、と山積する漂着ゴミを前に思うものがありました。
釣り人の将来を守るのは釣り人自身。
いつまでも楽しい釣りができるように、まずは関心を持って、小さなゴミでも拾って帰ることを意識してやっていきましょう!