ショア・ジャイアントベイト・シーバスに最適。進化型ヘッドショット“陸チューン”とは?

6/1現在、 北海道滞在中につき、 アーバンシーバス不足に悩まされ始めたシュウヤです笑

前回のレポートで軽く触れていた、 ビッグベイトのフックセッティングについて詳しく……。

ビッグベイト、 ジャイアントベイトシーバスシーンに革命をもたらした“ヘッドショット”ことフロントフックセッティング。

圧倒的な釣果能力と有効性は、 スズキの食性から見ればいやはや当然とも言えるフックセッティングであり、 携帯性の高さ、 魚への配慮、 造形美からしても、 流行りでは済まされない明らかな新スタンダードとなりつつあります(少なくとも自分の周囲では)。 

発案から専用アイテムとしての製品化まで、 まさに時代を変えた、 paybackキャプテン湯浅さん、 ツネミの小野さん、 また東京湾をはじめとする猛者アングラーの方々に最大のリスペクトを大前提に。 

今回は「陸チューン」と呼ばれるセッティングとそのメリット、 前記した“硬い竿”(「MX-∞+」など)の相性について少し深く、 自分なりに解説できたらと思います。 

陸チューンの始まりは昨年秋。

自分は「ヘッドショットを横アイプラグに付けた時、 スナップと並ぶのでフックがどちらかに偏ってしまうセンタ ーに持って来れないのが気になる」という悩みからでした。 

自身、 横アイルアーには顎下にヒートンをうち対応していた頃。

強度的にも不安がありました。 

そんな話を小塚さんに相談していたところ、 連絡をもらったのが2024年11/15。

小塚さんは、本線(リーダー〜ルアー本体)への枝(ヘッドショット)の絡みにストレスを感じていて、夏にテレビ番組の取材で深海釣りに染まっていた背景もあり、沖釣り(エサ釣り)で多用される「親子サルカン」を組み込む発想に至ったそうです。 

「このセッティングなら、しゅうや君の横アイ・縦アイの問題も解決するんじゃない?」と……。


正直、初見の感想は、「ごちゃごちゃしすぎてないか?」でした。

また、 これまでほとんど使ったことのない親子サルカンの強度面に、不安もありました。

日付け変わって 11/16。 

結果は、あまりにも早かった。

いきなりの極太個体、東京湾の圧倒的なポテンシャルに後押しされ、 朝マズメで2バイト2フィッシュ。

以後いい時期だったこともあり、実釣能力、 強度面ともに、 驚異的なスピード感で有効性の確信に至りました。

わかりやすくパーツで言えばこちら。


あからさまにメリットが多く、「今後製品化の可能性もある」と、SNSなどの投稿では一部モザイク処理をし隠語として“陸チューン” と呼ぶことに(この時点では同月に生まれた小塚さんの長男・陸くんに、使用する“親子”サルカンに由来しただけのネーミングでした)

……その後も“陸”っぱりをメインとする実釣テストを繰り返し、 釣果や動画などで分析しながら確認。

親子サルカンセッティング、“陸チューン”のメリットは、 大きく分けて3つあります。

 

ひとつ目は、 「①縦アイ、 横アイへの対応」 

発案のきっかけでもあった横アイへの対応は、 すぐに解決。

スプリットリングやオーシャンスナップなどで簡単に付け替えることが可能になりました。

 

2つ目は 「圧倒的なランディングミスの減少」 

ビッグベイト、 ジャイアントベイトを操作する上で、 “硬い竿” によるレスポンスの良さは前回のレポートにまとめていますが、 短所となるのがファイトからランディングにかけての難しさ。

自分がメインロッドとしていた「MX-∞+」とShinkirowシリーズ最硬の「PEAK-HUNT」、共に曲がらないことに意味がある竿ですが、必然的なランディングミスがあまりにも多かった。

特に足場の高い港湾部の陸っぱりでは、 ネットを出すタイミング でどうしても魚が跳ねる→ルアーの重さでフックオフ……が多発していました。 

船と違い、ソロで、距離もある岸からのランディングに関して、「ショアからに関してだけ言えば、総合点でヘッドショットシステムは向いてないのでは?」と思っていた時期も……。

重量級ルアーだと尚更ですね笑。

親子サルカンの功績はここにも。

上画像は足場の高い場所からのファイトシーンです。 

SNSでは動画で公開していますが、魚が掛かってからランディングまでの間、 ルアーが恐ろしいほどに回っていますが、 それでいい。

スイベルの回転により、アシストライン以上にキンクしない事で、フックが顎からハズれないのです。

掛けてからしばらく意図的に跳ねさせ、 動画でスロー再生したりすると、 その効果はしっかり。

「“陸”チューン」と(モンキステスターの間では)呼称が定着した理由には、 “陸”っぱりでの必需性も含まれているのです。 

“陸チューン”のメリット、3つめは 「フック選択の自由度」

当初、過去のルアー釣りの常識に倣い、ルアーごとにフックサイズ(アシストラインの長さ)を変えていたヘッドショット。

“陸チューン”では、フックサイズ問わず、アシストライン1cm(ショートタイプ)があれば、ことシーバス相手には事足ります。

「いろいろなフックを使える」という意味での自由度ではなく、「1種類のフックでかなりの種類のルアーに対応できる」という意味での自由度。

“子”のサルカンにより、その長さ約1cm分のアシストラインを延長するイメージで、そして適宜“親”の向きを入れ替えることで、親の胴体部分(5mm程度)でルアーからフックポイントまでの距離を微調整、ルアーサイズや状況(魚のサイズ)に合わせてトランスフォーム使用できます。

上画像、左は2/0、右は1/0フックですが、写真の尺ワンにどっちを合わせるか……どちらでもいいです笑。

(“陸チューン”関係なく)ヘッドショットは狙って細く尖った頭から食わせるので、ルアーサイズにフックサイズを合わせるという固定観念から離れましょう。

これにより、事前にルアーにヘッドショットを装備して持ち運ぶ必要が無くなり、 針無し状態でのルアー持ち運びが可能になります。

ただでさえ嵩張るビッグベイトをさらに嵩張らせるケースが要らなくなる……圧倒的なストレスの無さです

結果ランガンで展開する“陸”っぱりゲームに最適化し、 持っていく針は万が一のスペアを入れてもポケットに収まるほどに断捨離。


“陸” っぱりに最適、“陸チューン”とはまさに!


……もうひとつ、プラスアルファとして、 リップ付きルアーのフッキング率を上げるためのロングヘッドショットや、 “子側”のフックを外して、通常のトレブルフックセッティングの巻物にもそのまま流用できる一面も。 

かなり万能ですね! 

小塚さん曰く「オフショアジギングやってる人なら、馴染みやすいんじゃないかな。ジグ本体だけ適宜付け替えるイメージ」との事。

今のところシーバス相手に親子サルカン(3-4サイズ標準、前後1サイズ)で破損はありませんが、 自分は変えどころとして、 曲がりや塗装の落ち具合で判断 しています。

気持ち小さいサイズ(4-5サイズ)でも、シーバスならば強度は文句なし。

ルアーサイズや状況、対象魚に合わせて、 パーツを入れ替えてみるのもアリです! 

ヘッドショット”のその先へ。

ビッグベイト、 ジャイアントベイトのシーバスシーンは、東京湾から、 より深く、 美しく、 簡潔に……まだまだ進化し続けていますよ!

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齢18歳の現役高校生(2023年1月現在)。中学校の修学旅行で向かう沖縄に、大物に耐えうるロッドを忍ばせたいとのきっかけでモバイルロッドに興味を持つ。知り合いの牧場で“お手伝い”し、初めての自腹で購入したロッドがディアモンスター「MX-7」(決めてはスピニングモードとくるくるシ ート)。 高校在学中から海外遠征を志すも、入学と同時にコロナ禍で足止め。結果、腐ることなく国内での大型魚釣りに高頻度で挑戦し、才能が一気に開花(しつつある)。 高校卒業後、しばらくは海外釣行を軸にした生活を計画中。