「ヘッドショット×陸チューン」でどこまで行けるのか?-2025まとめ-

大学生テスターの禾です。

2025年最後のレポートとして、個人的に取り組んできた「ヘッドショットでどこまで行けるのか?」というテーマで一年間を振り返ってみようと思います。

ほとんどはモンキスで開発中のジョイントルアー「HYDRO」の3Dプリントプロトでの釣果になります。

今更解説不要かなと思いますが、「ヘッドショット」とはビッグベイト・ジャイアントベイトの頭に針をつけるシステムのことで、シーバスの頭からの吸い込みバイトを効果的に拾っていくシステムです。

東京湾のジャイアントベイトシーバスの先駆者であるPayback号から生まれた革新的なフックセッティングですが、今年は一気に東京湾中に広がった印象を受けます。

小塚さん考案の親子サルカンを用いた「陸チューン」と組み合わせるとライントラブルやバラしもかなり軽減する印象で、この組み合わせのおかげでデカいルアー特有の「バラしやすさ」や「魚に無駄な針傷を残しやすい」といった諸問題が解決してしまうという…なかなかのチートアイテムですね。

“陸チューン”に関しては、こちらの動画にまとまっています。

シーバス相手には効果が確実に実証されている「ヘッドショットシステム」ですが、果たして他の魚種ではどうなのでしょうか?

僕は同じような魚をたくさん釣ることよりも、新規性を重視した「検証のための釣り」が好きなので、今年はシーバス以外の魚種も積極的にヘッドショットで狙ってみました。

まずは南米釣行から。

詳細はぜひ以前レポートさせていただいた記事をご覧ください!

パラグアイではドラードを狙う際にHYDRO200(プロト)に「ヘッドショット×陸チューン」単発で挑みましたが……何度かバイトはあるもののフッキングせず。

後で見返してみると、頭付近にばっちりと歯形が残ってました。

動かし続けないと見切られやすく、かつ「噛みつき系」なドラード相手だと、少々心もとないセッティングかもしれませんね。

他にもピラニア、カショーロ、ビックーダなどなど、南米のカラシンにはヘッドショット+ノーマルフックのセッティングがベストかもしれません。

お次はピーコックバス、南米を代表する釣魚ですね。

「バス」と呼ばれてしまうほど見事な「吸い込み系」な口をしている彼らには、予想通り明確にヘッドショットが有効でした。

「HYDRO 200」(プロト)にて。

パラグアイ、ブラジルで苦しい思いをして、とにかく掛けたいという思いからヘッドショット+針2本という攻撃的なセッティングで挑みましたが、結局口元に掛かるのはいつもヘッドショット。

非常にわかりやすい結果になったかなと。

現地のボートマンも頷いてましたね。

ちなみに「HYDRO 75」(プロト)も極小ヘッドショットで挑んでみましたが、見事にピーコックの幼魚が釣れました。

ヘッド“チ”ョットに“チ”ーコックバスということで(笑)

最後にピラルクー。

「HYDRO 350」(プロト)は試作品ゆえのジョイントの強度不足が心配されたこともあり、終始ヘッドショット単発で挑みました。

11/0のシングルフック(マグロ用)に森園テスター手製の極太ワイヤーという、人類史上最もいかついヘッドショットですね。

結果は惨敗。

7バイト、全バラシ。

あの口の大きさだと、ヘッドショットかどうかは関係なく針は口回りに当たっているはず……ただキャッチまでは至れませんでしたでした。

詳細は過去のレポートで。

ジャイアントベイト・ピラルクーゲーム、正解がわかりません……。

南米から帰ってきてからは、国内でデカいルアーを吸い込んでくれるアカメにターゲットを変え、学業と就活の合間に遠征を何度か組んでみました。

まずは外道から。

「HYDRO 250」(プロト)でヒラスズキ。

東京湾のマルスズキがヘッドショットするなら、高知のヒラスズキも当たり前にヘッドショットしそうだなと思っていましたが、実証できて良かったです。

魚もルアーもスプーンヘッドでいい感じです。

お次はびっくり、ヤイトハタの幼魚。

SL250mmのルアーに400mm無いぐらいの魚が食ってきてかなり驚きました。

バイトはアカメと勘違いしてしまうほど強烈で、鬼のポンピングで寄せたら水面を割って飛んできました(笑)

今年の春にモンキステスター陣が台湾のバラ掘りでグルーパーをヘッドショットで釣っていましたが、まさかの国内でも再現できました。

近年、ジャイアントベイトで大型ハタ類を狙っている方々をSNSで見かけますが、自分も来年は本格的にチャレンジしてみたいと思います。

最後は本命のアカメ。

今年は3本、すべて「ヘッドショット×陸チューン単発」でキャッチすることができました。

春シーズンは自作ジャイアントベイト(320mm)にて。

帰りの夜行バス3時間前、あきらめモード全開のタイミングで食ってきてびっくりしました(笑)

秋シーズンは「HYDRO 250」(プロト)で連発。

すぐ隣で既製品のルアーを投げる方々を差し置いての連発だったので、ボディ形状特有の強波動なグライドが明確に効いていたと思います。

どの魚も、「Dear Monster MX-∞+」(「MX-PROGRESS 15」でブランクス延長、「MX-∞」グリップエンドに互換でトリガー以下を短縮)にて。

この竿は、キャストとルアー操作はピカイチなのですが、どうしてもバリカタなので魚を掛けてからが大変です…

掛けてから大変なのがわかっていても、釣りのほとんどの時間はキャストとルアー操作が占めるので、結局は一番楽しく精度高くできる「MX-∞+」をいつも選んでしまいますね。

中毒性が高くて恐ろしい竿です(笑)

そんな竿なので、トレブルフックで掛けても恐らく高確率でバレてしまいますが、やはり「ヘッドショット×陸チューン」の甲斐あって掛けた魚はすべて獲れました。

とはいえ、ファイトはコツが必要で、南米でのピラルクーや東京湾のシーバスで苦い思いをしてきたからこそ、適度に走らせるクラッチ・ファイトができたかなと思います。

以上の通り、「ヘッドショット×陸チューン」&3Dプリントルアーで様々な魚に挑んできた一年間でした。

来年は学生期間ラストなので、海外、磯、湖問わず、いろいろヘッドショットとHYDROで挑んでみたいと思います。

<関連ページ・レポート>

大学入学時に3Dプリンターを購入、以後3年間ルアー設計に明け暮れてきた頭脳派ルアークリエイター。都心への通学に際しモバイルロッドを導入、机上の空論ではなく、日々のアーバンフィッシングでトライ&エラーを繰り返す。2023年、講義中に閃いた構造アイディアを検証するため、ビッグベイトシーバスの世界へ。先入観に囚われない柔軟な発想と、自ら生み出したルアーの力で、初年度から高実績を重ねている。長期休暇は離島へのロックショア釣行など日本全国へ遠征、在学中に海外への挑戦も計画中。