自作3Dプリンタービッグベイトで南米縦断旅(Chapter 4/ガイアナ・エセキボ川・中編)

Chapter 3(ガイアナ前編)」に引き続き、エセキボ川本流での釣りについてご紹介します。

村の周囲はやはり人的プレッシャーが高いため、船で1時間ほど走らせてポイントに向かいます。

日によってはジャングル泊を挟むことで、さらに遠いポイントを目指したりもしました。

やはり遠く行けば行くほど反応は多いなという印象でした。

以下、魚種ごとに印象的な釣果や出来事などまとめていきます。

まずは小塚さんにとっての今回のメインターゲット、流水系ピーコックバス(カタラクタエ種)を狙います。

本流の岩場周辺に生息する魚です。

岩場の間をバンニェイロで攻める小塚さんに連続バイト!

まさしく水面爆発という感じの、とてつもないバイト音でビックリしました。

残念ながら、どれもフックアップせず。

誤爆があったエリアを譲っていただき、ハイドロを入れると3投目でヒット!

HUNTERS HT-6/7」を気持ちよくぶち曲げてくれるナイスファイト。

上がってきたのは太陽に照らされて鮮やかに光る黄色い魚、狙いの魚種カタラクタエでした!

アスーに敗北し未練があった僕は、当初この別種のピーコックにあまり惹かれませんでしたが、実物の美しさを目の当たりに完全に気持ちが変わりました笑

南米遠征23日目の出来事。

それまでは人間側や自然側の問題でなかなかうまく行きませんでしたが、ようやくハイドロで魚が出せて大満足です。

ドラードやアスーで経験した悔しさがあったからこそ、嬉しい気持ちが爆発しました笑

このようにトップで掛かりきらない場面では、サブサーフェスでしっかりと目の前を通してあげると良いかもしれませんね。

その後もハイドロでは数匹同種を釣りましたが、どれも閂にガッチリヘッドショット(親子サルカンを用いた“陸チューン”)!

吸い込み系の捕食者にはやはり効果絶大ですね。

ハイドロの75mm版を入れてみたら、同種の幼魚が釣れました。

可愛いですね。

小塚さん曰く「ヘッドチョット」笑

その他、モンキスで開発中の特殊形状のポッパー「バクワキ」でも良型をキャッチ。

岩場のドシャローで掛けてしまいかなりヒヤヒヤしましたが、「MX-5S」の懐の広さゆえにキャッチできた1本でした。

南米ではパワーフィネスが活躍する場面が多かったですね。

特に食料確保のための釣りは、疲れていても脳死でキャストできるスピニングに脳死で引けるバクワキが最適解でした。

この個体はこの日のジャングル泊のご飯に。

フライで美味しく頂きました。

腹から出てきたベイトは20cmクラス。

ハイドロは適正サイズみたいですね。

カタラクタエは近年新種として登録された魚ゆえに、小塚さんのピーコック全魚種制覇という目標達成のためにはどうしても釣り上げないといけない魚種でした。

良い釣座を僕に譲ってくださっていたためか、なかなか小塚さんには良型が掛かりません。

各種ペンシルや「バクワキ」でポツポツと小型〜中型個体、別種のイエロー系ピーコックを拾っていきます。

いよいよ実釣最終日夕マズメというタイミング。

それまで以上に真剣な小塚さんが投げるペンシル(Tarairao)に爆音バイト!

かなりの良型をキャッチされていました。

しかもハンドランディング。

重要な場面でしっかりと目標のターゲットをキャッチされる小塚さん。

本業「怪魚ハンター」はやっぱりスゲーなと思いながら見てました笑

エセキボ川の本流は、南米では珍しく(?)アロワナが多数生息していました。

すこぶるビッグベイト(ハイドロ)への反応がよく、自分も計4発掛けましたが尽くバラし。

ガンガン走るしジャンプしまくりで、とにかくファイトが難しい魚ですね。

大型になるとパワーも凄くて、非貫通のハイドロ初期プロトのリアアイをぶち壊してしまうほどでした……。

自分はなんとか「バクワキ」で中型個体をキャッチ。

幼いころから図鑑や水族館で見ていた魚だったのでかなり感動しました。

雨が降る中、小塚さんはハイドロで連発してました。

しかも80cmクラスの超大型個体。

大雨土砂降りで人間側はしんどかったですが、アロワナの活性はかなり高かったです。

お次はピラニア。

単独で行動する孤高のハンター、ブラックピラニアですね。

個体数が多いので、検証の釣りができるこの種。

いろんなルアーを投げ比べ、圧倒的にビッグベイトへの反応が良かったです。

そしてほとんどの場合はテールバイト。

稀にヘッドショットしてましたが……。

小塚さん提案のハイドロの原案から厳守してきた「ソフトテールを必要としない設計」は、このような牙魚対策です。

試しに小塚さんが投入したテール有りビッグベイトは1投目で齧られて即終了。

このような海外での釣りにおいて、ソフトテールのビッグベイトは話になりません。

他にもピラニアにしては珍しくトップ(バクワキ)で釣れたりと、とにかく活性が高くて楽しいターゲットでした。

貴重なプロトがどんどんボコボコになっていきましたが笑

ちなみにハイドロは浸水しまくっても、内湾曲形状がガッツリ水を掴んでくれるので普通に動き続けます。

小塚さんは最初から穴を開けて浸水チューンで使っていました笑

他にもアマゾンのカラシンといえばビックーダ!

この個体は船べりまで寄せてきたら自らジャンプしてボートに飛び込んできました。

ボートで暴れるビックーダについたルアーのフックは僕のズボンに掛かってしまい結構ヒヤヒヤしましたが、バーブレスにしていたのでサクッと外せました。

何が起こるかわからない海外遠征、バーブレス化はやはり必須ですね。

最後はパヤーラ(Hydrolycus)。

ハイドロの名前と顔のモチーフになった魚種なだけあって、絶対にハイドロで釣り上げたいという気持ちで投げ続けていました。

小塚さんは一度良型の個体を掛けましたが、船べりで痛恨のバラし。

その日のラスト1流し。もう無理かな〜と惰性でハイドロをジャークしていると、ヒットしてくれました!

Hydrolycus armatus、サイズは小さいですが本遠征で一番盛り上がった瞬間でした笑

その後、小塚さんが帰国した後に残って釣りを続けていると、またしてもハイドロでパヤーラをキャッチすることができました。

釣りあげたときには何故か気付かなかったのですが、小塚さんに指摘されて写真を見返すと別種のファイヤーテール・パヤーラ(Hydrolycus tatauaia)であることが判明しました。

ハイドロでパヤーラ2種をキャッチできて大満足。

以上の通り、本流で釣れるターゲットはハイドロでコンプリートすることができました。

今回は本流の様々なシチュエーションにおいて、意識的にペンシル、ポッパー、鉄板バイブレーション(ビゴット)などと投げ比べながらハイドロを使っていました。

ビッグベイトに明確に軍配が上がる場面は、ルアーパワーで魚をとにかく寄せる必要がある状況でした。

例えば、地形変化の乏しいオープンエリア、ディープエリア、激流など。

ハイドロの大きいシルエットと水押しによって、他のどのルアーよりも明確に魚の反応が多かったです。

一方で、超シャローエリアの本流のピーコックバス釣りについては、根掛かりにくさ、飛距離、着水音などの様々な点においてペンシルやポッパーなどの小粒なトップが秀でていると感じました。

ただ、トップを投げきっても出ない状況で、ハイドロで一枚下のレンジを探ることで出る魚もやはり居たので、ルアーローテーションの中で自然と手に取りたくなるようなルアーに仕上がっていると感じています。

次の記事では、ガイアナにおけるラーゴなど止水域での釣りをまとめました。

南米最大級のあの「怪物」への挑戦、結果はいかに…

次回「Chapter 5」(南米編最終回)ぜひ御覧ください!

<関連ページ・レポート>

大学入学時に3Dプリンターを購入、以後3年間ルアー設計に明け暮れてきた頭脳派ルアークリエイター。都心への通学に際しモバイルロッドを導入、机上の空論ではなく、日々のアーバンフィッシングでトライ&エラーを繰り返す。2023年、講義中に閃いた構造アイディアを検証するため、ビッグベイトシーバスの世界へ。先入観に囚われない柔軟な発想と、自ら生み出したルアーの力で、初年度から高実績を重ねている。長期休暇は離島へのロックショア釣行など日本全国へ遠征、在学中に海外への挑戦も計画中。