みなさんこんにちは!
新人テスター宮尾です。
多くの地域で渓流魚の漁期が終了した10月上旬に、トラウトを求めて北海道へ行ってまいりました。

今年の 6 月にも北海道を訪れており、その際にはニジマスやアメマスを釣ることができま した。

今回10月の訪問では、これまで訪れた際には釣っていない『ミヤベイワナ』『ヒメマス』の 2 魚種を狙いました。
沖縄から帰ってきたばかりで夏気分の抜けないまま飛行機に乗ってしまい、旭川空港で気 温 15°Cの中半袖ハーパンの変なヤツになってしまいました。

旭川空港からレンタカーを走らせて、最初の目的地である然別湖近辺の宿に移動しました。
道中で雰囲気の良い河川を見つけるたびに車を停めて川を覗いていたため、宿に着いた時にはもう薄暗くなっていました。
宿に着くなり食材の買い出しのため近くのスーパーへ向かいました。
滞在期間中は基本的に自炊になるため、白米や最低限の調味料を買うのですが、北海道ならでは?のラインナップにリアクションバイトしてしまい、ハッカクの刺身や生筋子を買ってしまいました。

筋子の仕込みを早々に終わらせ、翌日からの釣りに備え就寝しました。
〈day1〉
翌朝は薄暗いうちに宿を出発し、然別湖へ。
ターゲットとなるミヤベイワナは、北海道に生息するオショロコマの亜種なのですが、オ ショロコマが約 1万年前に陸封され独自の進化を遂げた世界で然別湖にしか生息していない貴重なイワナなのです。
そのため、フック制限や漁期はもちろんのこと、人数制限も設けられており管理が徹底されています。
早速然別湖でタックルの準備を整え、レギュレーションや、ポイントの説明を受けました。

今年の秋はヒグマの出没情報が多く、岸からの釣りは制約が多いため、手漕ぎボートから のトローリングでミヤベイワナを狙いました。
ロッドは同径D9コンビ、「KEARSHI 72/77MS」(ブランクス)+「LUZ-AZUL 76/82MLS」(グリップ)の組み合わせ、言うなれば“ケアズール”と、標準仕様の「MX-5S」の2本で挑みました。

拡大、汚い足ですいません。
“ケアズール”に関して補足すると、オリジナル・ルズアズールのレングスそのまま、1段階ブランクパワーが上のロッドになるイメージです。

ただし、落ち着いて聞いてください。
設計上の数値は同じ、各々のロッドではすり合わせを調整の上で販売していますが、互換仕様に関しては固着や離脱リスクは高まることもあります。
だから多くのメーカーさんは積極的には取り入れない、だけどもモンキスは、その精度を上げ、リスクよりもチャンスを重視した提案をしている……とのことです(小塚さん曰く)。

互換径に関しては『Shinkirow』特設ページもあらためて参考にしてみてください。
さてさて、話を然別湖に戻しましょう。
スプーンをボートから曳くのですが、レンジやボートのスピードで反応が変わるようで色々と試行錯誤していると念願のバイトが!
しかし乗らない……とりあえずレンジはわかったのでアタリのあったレンジとコースを重点的に流していると竿先に違和感が!
ティップが完全に入り、魚が首を振っている!
バーブレスフックですが、ケアラシのティップ〜ベリーが柔軟に曲がり込み、首振りに追従するためバラすことなくネットイン!

ずっと会いたかったミヤベイワナ!!
かっこいい……あまりにも美しい。

湖での生活に適応するために大きなヒレや体高が高いといった独自の進化を遂げた魚。
ネットに魚を入れたまま呆然と見とれてしまいました。

釣り開始から約 3 時間で憧れの魚との邂逅。
この 1 尾で満足してしまい、これ以上然別湖で釣りをすることなく早々に船着場に帰着しました。
ミヤベイワナを釣ったことで、日本国内の在来イワナ属魚類を制覇することができました。

写真左上からミヤベイワナ、オショロコマ、ゴギ、ヤマトイワナ、エゾイワナ(アメマス)、 ニッコウイワナです。
制覇というほど種類が多いわけではないですが、記憶に残る 1 尾となりました。
〈day2〉
あっさりとミヤベイワナが釣れたため、ヒメマス狙いのエリアに移動するまでの数日間は 河川でトラウトを狙いました。

今年は凄惨な事故も発生しており、エリアに関わらずクマ鈴、クマよけスプレー、ナタを常に装備し、釣りに熱中しすぎずに常にクマのことを頭の隅に入れるようにしています。
備えすぎて困ることはないので、できる限りの準備は整えています。

Google マップと睨めっこを繰り返して見つけたポイントへ「MX-5S」を握りしめて藪を漕ぎ 到着しました。
ヘビーシンキングミノーを使いテンポ良く釣り上がって行くと早速気持ち良いバイトがありました。
小気味よく水面をジャンプする魚をいなし無事にキャッチ!

早々にニジマスをキャッチすることができました。

本土の渓流ではオーバーパワー気味の「MX-5S」が気持ちよく曲がり、連続でネイティブレインボーをキャッチすることができました。


〈day3〉
ニジマスの多い水系を満喫したので、翌日はエゾイワナ(アメマス)の水系へと移動しました。
狙い方は大きく変えませんでしたがニジマスよりもルアーに対するチェイスが長いので、 足元までしっかりとルアーを引き切ることを意識しながら狙いました。
岩陰にミノーを通すと、イワナのニョロニョロとしたチェイスが見え、一瞬食わせの間を 入れると 1 発で口を使いました。

無事に狙いのエゾイワナもキャッチすることができました!
小さな流れ込みをタイトに攻めると、体を水面から出しながら足元までチェイスが!
小場所でルアーを引ける距離が短いため、スローに引けるプラスプーンに付け替えて再び 攻めると、同じ個体が再びチェイスしてきました。
口を使わせるために鼻先でダートさせるとしっかりとバイトが!

エリアトラウトのミノーイングの要領でスイッチの入った魚を狙い通りに釣ることができました。
「MX-5S」の商品ページを見ればアップロックセッティング(ティップ側に向けてリールを締め込む)で撮影されていますが、個人的にはリールシートを上下入れ替えたダウンロックセッティングで使うことが多いです。
ディアモンスターなら、そういうこともできる、と。
釣り上がっていると上流側の岩陰でガサガサという物音と獣臭が……。
即座に竿から手を離しクマよけスプレーとナタを手に持ち覚悟を決めると……。
エゾシカでした。

気を取り直して釣りを再開するとテンポ良くエゾイワナをキャッチすることができました。

大型個体を釣ることは出来ませんでしたが数釣りを楽しめました。


〈day4〉
翌日はヒメマスを狙うべく屈斜路湖へと移動しました。

移動中に阿寒湖へ寄り道したり。

足湯を堪能したりと移動中も楽しみながら目的地の屈斜路湖へ到着!
宿のチェックインの時間もあったため、初日は竿を出さずに河川の流入や伏流水のポイントを探して明日からの釣りに備えました。
〈day5〉
翌日は暗いうちからポイントに入り湖畔で日の出を待ちます。

日が上り釣りを始めるものの、ヒメマスの姿は全く見えない……。
水温を測ると 17°Cとかなり高水温でヒメマスの産卵接岸はまだ本格的に始まっていないようです。

サイトでの釣りを諦め、湖に立ち込んで沖のブレイクラインや湖流の効いているエリアを 狙うものの釣れるのはウグイや小さなアメマスのみ……。

かなり試行錯誤するものの肝心のヒメマスと出会うことなく初日は終了しました。

〈day6〉
翌朝はポイントを変更するもヒメマスの姿は見えず、相変わらずウグイの猛攻のみ……近くに歩いてきたキツネを眺めたり……

足元にいた外来種のウチダザリガニを捕まえたり。

昼過ぎに釣りを切り上げ、再びポイント探しのために湖畔をランガンしていると、伏流水絡みのエリアでヒメマスを発見しました。
翌朝のポイントに目星をつけて宿に戻りました。
〈day7〉
暗い湖畔林を 3 日連続で歩き、前日見つけたポイントにエントリーしました。

日が上るとヒメマスの姿がチラホラと見え始め、鼓動が早まります。
しかしなかなか岸に寄らない……少し待ってみるも寄る気配がないため、ショートロッドの「MX-5S」でのサイトフィッシングは諦め、ケアラシとオンサイトで距離をとりながらブラインドで狙うことにしました。

5〜7g のスプーンをリフト&フォールで狙っているとガツンと押さえ込むようなバイトが!
前日までのウグイのバイトとは異なる重量感、これはヒメマスだ!
絶対にバラせない緊張感を楽しみながらファイトをしていると、魚がジャンプを繰り返し始め、ヒメマスだということを確信。


激しいジャンプにも「ケアラシ」がしっかりと追従するので、不意のテンション抜けによるバラしの心配をせずにファイトすることができました。
ついに念願のヒメマスをキャッチすることができました。

ベストシーズンほどの発色の良さはありませんが、惚れ惚れしてしまうような美しい朱色。
ネットに入った瞬間に安堵と共にどっと疲労感が押し寄せ、竿をたたみのんびりと湖を眺めていました。

ミヤベイワナと同様にヒメマスも 1 尾釣るだけで満足できたので、この日は釣りを切り上げました。
翌日からは道北エリアでの滞在になるので、不足している釣具を補充したり食事を食べに行き英気を養いました。

〈day8〉
早朝から道北に向かって移動を始めました。
道中に以前訪れたオショロコマのポイントがあるため、寄り道をして少しだけ竿を出しました。
オショロコマは他のトラウト類よりも上流域に生息しているため、川幅が 1m 程しかない 源流域では「MX-02」を使いテンカラで狙いました。
頭上の木の位置などを見てロッドの 長さを変えながら攻めると、早速オショロコマのチェイスが!
流れにテンカラを同調させると簡単に口を使いました。

黒ずんだ魚体、朱色の斑点、ヒレの白い縁取り……芸術品のような美しい魚です。

水面を割ってテンカラを食うほどの高活性だったこともあり短時間で数釣りを楽しめました。

せっかくなのでルアーでも狙ってみようと思い、「MX-5S」に持ち替え、ミノーやスプーンでオショロコマを狙いました。
ルアーを引ける距離が短いため、チェイスはあるもののなかなか口を使わせることができず少し苦戦したものの、ミノーでこの日 1 番のサイズを掛けることができました。

体色は薄めですが、朱点の発色が良い大型個体でした。
スプーンでも釣ることができました。

寄り道フィッシングを堪能して小腹が空いたので、水産会社の直売所でホタテをしこたま食べ、道北に向かいました。

道北の宿に到着した際には夕方に差し掛かっていたため、ポイントの下見を行い翌日に備えました。
〈day9〉
朝起きると明らかに身体がダルく、嫌な予感が……体温を測ると 38°Cを超えており、泣く泣く釣りを断念しました。
結局道北エリアに滞在した3日間は熱が下がらず、イトウへの挑戦は叶いませんでした。
〈day12〉
数日間風邪で寝込み、全快とまではいかないものの体調は回復したので、帰りの飛行機に乗る前に今回出会うことの出来なかったイトウを眺めに水族館へ。

イトウは釣ったことがあるものの、40 センチほどの小さな個体だったため、今回はこのくらいのサイズを狙うつもりでした。
ついでに動物園へ足を運び、ヒグマも眺めました。

山中で出会わないための対策は万全であるべきだと改めて感じることができました。
後半は釣りができずに悔しい思いをしましたが、メインターゲットのミヤベイワナとヒメマスを釣り切ることができました。
慣れない遠征先での体調管理、特に半袖ハーパンで 10 月の北海道に行かないほうがいいという教訓を得ることができました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。
皆様も体調管理にはお気をつけください。
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