2025年9月の西表島釣行、「前編・ビッグゲーム編」に続きます。
<ジギング>
ジギングは船ではもちろん、自前で持ち込んだSUPを用いてのジギングも行いました。
今回のジギングではこの秋発売になりました「MX-6SW」をメインタックルで使用しました。
使用したジグは40g~150gまでで、ポイントの水深や潮流に合わせて変更しました。
南方のジギングはとにかく魚が釣れる!








スジアラやバラハタなどのハタ類をはじめ……






ヒメフエダイ、タチガミフエフキなどのフエダイ、フエフキダイ類や……



カスミアジ、ナンヨウカイワリといったヒラアジ類など、「同じポイントなのに毎回上がってくる魚が違う!」といった様子です。
「MX-6SW」はジギング・キャスティング両用のブランクス設計で、ジギング専用ロッドとしては比較的先調子。
ティップ~ベリーにかけてが柔らかいので、40gのライトなジグはティップで動かすイメージ、やや重め、150gのジグはベリー~バットを使ってしゃくるイメージ……ロッドの性格に釣り人側が寄せていくことで、幅広いジグウェイトをしっかりと動かすことができました。
魚が掛かってからは、スムーズに曲がり込むため、首振りなどでのバラしが少なく、バットはしっかりと残るため根から引き剥がしたり、頭をこちらに向けるパワーはしっかりとありました。
下写真はジギングでの使用に際し、“ダウン”ロック(リールシートのスクリューをティップ側からグリップエンド側へ“ダウン”方向へ締め“下げる”)で使用したイメージです。
(写真はプロトタイプですが、製品版ではバッド部にラバーが追加され、よりファイトが有利になります)

この仕様だと、グリップエンドをしっかり脇挟みできるので、バーチカルな操作に適性が上がります。
また、ジギングをする水深のあるポイントへの道中、リーフでのライトプラッキング(キャスティング)をしたりと、縦にも横にも使いやすいロッドでした。
キャストでの使用感としては20g前後のミノーなどが気持ちよく使えるロッドの硬さです。
特にSUPやカヤックなどの持ち込めるロッドの量が制限されているケース、取り回し的に長いロッドは扱いにくいという場面にドンピシャな1本だと感じました。
上写真のダウンロック仕様(ジギングモード)そのままでも数投程度なら必要十分ではありますが、キャスティングに時間をかける様であれば、リールシート部を上下入れ替えて“アップ”ロック(グリップエンド側からティップ方向に締め“上げる”)仕様にすると、ちょうどグリップエンドが肘に当たるぐらい、キャスティングに適性の高いバランスになります!
<リーフ>
風が強くSUPを沖まで出せない日には、リーフ周りをSUPで流して釣りをしました。

水深は1.5~20mほどの浅場になるので、ミノー、シンペン、スプーンの他ジグヘッドワームなど色々なルアーを使い魚を狙いました。
そんな状況でのメインロッドは、「Shinkirow KEARSHI 72/77MS」。
先述の「MX-6SW」よりは1段下のパワー帯でミドルゲームを行う場合はこのロッド。
上画像のようにSUPは究極的にタックルが制限されるので、様々モードを組み換えられるこのロッドの出番です。

赤い線が実際にSUPを流したコースになります。
透明度が高く、サンゴの割れ目など魚が付きそうなポイントが丸見えなので、そこを狙うと一撃でバイトが!
なんならバイトシーンが丸見えなこともありました。

サンゴの割れ目から飛び出してきたスジアラです。
水深が20mから一気に3mまで崖のようにかけあがるリーフエッジのポイントでジグヘッドを使用するとひっきりなしにバイトが続きました。
重量感のあるバイトから上がってきたのは50センチ強のマダラハタ!

SUP上なので写真のクオリティはアレですが……。
その後も竿が曲がり続けます。

今回はケアラシにPE1.2号のタックルを使用しました。
サンゴまみれのなので、ドラグはかなり強めにし、とにかく根から距離を取ることを心掛けています。

浅場ののんびり五目釣りと侮るなかれ!
メインは~50センチほどの魚が多いですが、時にトンデモナイサイズがかかるのです。
南方海域の面白く、怖いところでもあります。
今回も大型の魚に抵抗することもできずにブレイクしてしまうことがありました。

こちらは過去釣果ですが、同様のポイントで、ジグヘッドで10キロほどのイソンボも釣れました。
この時のロッドは「MX-7S」。
キャスティングメインで、やや大型ターゲット、足場が比較的広くしっかりしたボート(SUP比)からであれば、このロッドも南国リーフキャスティングと相性の良いロッドです。
<河川>
西表島には沖縄県最大の河川である浦内川をはじめ、河川が多く、河口の汽水域では南西諸島特有のマングローブ林が繁茂しています。

マングローブエリアの上流の純淡水域では、景色が一変し、亜熱帯雨林の植生に囲まれ、岩がゴツゴツとし、滝などもある本州山岳渓流のようなエリアになります。

河川中流域~河口のマングローブエリアでは、マングローブジャックことゴマフエダイを狙いました。
狙い方としてはルアーをマングローブの根や、岩陰、水中障害物などのストラクチャーを打っていく釣りになります。
ルアーはトップウォーター~シンキングまで幅広く使うことができますが、この釣りの醍醐味でもあるド派手なバイトを堪能するべく、トップウォーターオンリーで狙いました

マングローブを自前のSUPでテンポよく釣り上がっていきます。
まるで海外にいるかのようなロケーションの中、鳥の囀りとルアーの音が響き、とても心地よいです。

ストラクチャーをピン打ちしていると、早速バイトが!
しかし乗らない……こんなことを繰り返していると、ようやく乗り、小さなオニカマスが釣れました。

その後も順調に釣り上がり、ナンヨウチヌやメッキを釣ることができました。

本命のマングローブジャックのチェイスはあるもののなかなか口を使わせることができない時間が続きました。
マングローブと岩盤が絡むエリアのピン打ちでついにマングローブジャックを釣ることができました!

小さな魚体からは想像できないほどバイト!
サイズ問わず嬉しい1尾でした。

独特の銅色がカッコいい魚です。
その後も魚影の濃いエリアに入ることができマングローブジャックを釣ることができました。

マングローブの釣りでは「MV-55」(生産終了。後継「MX-55」)を使用しました。
合わせるリールはベイトフィネス系がおすすめ。
北海道や沖縄など、1kg 50cm前後までの淡水ミドルゲーム、国内のハイポテンシャルフィールド(“本州スペック”では少々大変)で生きる1本です。
汽水域の釣りの次は、純淡水域(上流域)でオオクチユゴイを狙いました。

沖縄ではミキユーと呼ばれ、ポピュラーなターゲットです。
狙い方は本土の渓流と同じようなルアーの他、トップウォータールアーへの反応もとても良く、魚がスレていなければ落ちパクでバイトがあります。
警戒心がなかなか強く、人影が見えたり、一度ルアーを見切るとなかなか口を使ってくれないというゲーム性も相まってとても好きな釣りです。
ここでもマングローブと同じくトップウォーターオンリーで狙いました。
最初に入ったエリアは渇水が酷く、なかなか魚からの反応が得られないため、一気にポイントを変えると早々にチェイスがありました。
小さな魚体でパシャっと水面を割るバイトが心地よいです

ペンシルやポッパーでサクッと数釣りすることができました!


(「後編・延べ竿ゲーム編」に続く)
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