“怪魚ハンター”小塚拓矢の釣魚図鑑/「MRX-7」“怪魚”編(IGFA世界記録10-30kgクラス)

モンキス代表、“怪魚ハンター”の小塚です!

RETURN TO ORIGIN2025 “原点回帰”もラストスパート、まずはディアモンがなかった時代(〜2012年)の旅路で出会った釣魚たちを大陸ごとに、後半ではIGFA世界記録をベースに、「MRX」のターゲットまとめてみたいと思います。

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「MRX-7」でイメージするターゲットは、ずばり“怪魚”。 「“”」をつけましたが、個人的には「怪魚=10kg1m以上に成長する淡水魚」と考えています。「“怪魚”とは何か?」は人それぞれ。それを考えること自体が“怪魚釣り”の楽しみと思ってるので、小塚なりの概念だと思っていただけたら。

ユーラシア大陸

トーマン、ノーザンパイク、マハシール類、ガンユイイエローチーク、ナイフフィッシュ、ザンダー等

ヨーロッパからアジアまで、“1m 10kg”にリンクする“怪魚”が、最も多種多様な環境に生息するのはユーラシア大陸かなと思います。トーマン(IGFA世界記録13.61kg)、ザンダー(パイクパーチ、IGFA世界記録11.48kg)などがサイズ的には“怪魚”のイメージど真ん中。当然、釣り方も様々、1オンス前後のルアーを軸に、ライトなぶっ込み釣り(エサ釣り)まで……『Dear Monster』を作る以前、主に7フィート前後、MH〜XHクラスのバスロッドを用いて釣獲したのが上記の“怪魚”たちです。イメージとして、岸釣りの割合が高くなる、比較的長竿を使う機会が多いのもユーラシア大陸での釣りの傾向かなと思います。

南米大陸

パヤーラ、タライロン、ドラド、ビックーダ、アロワナ類、ピーコックバス類、アッパッパー等

パヤーラ(IGFA世界記録17.8kg)やタライロン(IGFA世界記録14.95kg)がサイズ感として“怪魚”のイメージど真ん中。

「南米=ショートロッド」というイメージかもしれませんが、個人的にはそこにとどまらないと思うのが南米です。上の写真6枚は2008年、初めて南米を訪問&3ヶ月放浪した時に出会った怪魚たち。全て、7フィート半のXHロッドでの釣果になります。当時の清貧旅では岸釣りも多く、各種環境が整ったロッジでの釣りは稀、少ないバイトを確実にキャッチしていく釣りを余儀なくされる場面も多かった……結果、飛距離とバラしにくさの関係で、7フィート半の1&ハーフロッドがメインロッドになりました(6フィート弱のショートロッドも持参して、選べる状況だった上で)。貴重な1匹を拾いに行く展開には、ことアゴが固くジャンプするカラシン類(ドラド、パヤーラ、タライロン、ビクーダ)やアロワナ類には「長竿であってよかった」と体感できる場面があると思います。南米を象徴するピーコックバス・テメンシス種(IGFA世界記録13.19kg)もパワー的にはピッタリです。

オセアニア・オーストラリア大陸

パプアンバス、スポッツ(フレッシュウォータースナッパー)、サラトガ類、バラマンディ、マーレーコッド等

オセアニア地域も“1m 10kg”にリンクした“怪魚”がまとまって生息するエリア純淡水魚はアロワナ類(南北サラトガ)とネオケラトドス(釣り禁止)程度で、基本的には海由来で淡水適応した2次淡水魚による魚類相となっています。科学的にはさておき、「海由来の魚たちが多く、サイズ比以上の引きを見せる魚が多い」というイメージで、釣り的には大きく間違っていないかと。

パプアンバスのIGFA世界記録は21.55kg、類縁のスポッツも20.87kgと同等。バラマンディはのIGFA世界記録は44.64kgとあって、ディアモンが生まれる2012年以前は、XH以上のバスロッドや、柔らかめの雷魚ロッドなどを使っていました。

北米大陸

ストライパー、ウィールアイ、アミア、中型ガー類、キャットフィッシュ類、パイク類、キングサーモン等

北米大陸では、ストライパー(ランドロックのIGFA世界記録は31kg)やウォールアイ(IGFA世界記録11.34kg)等がターゲット日本でお馴染みのチャネルキャットも本国アメリカではIGFA世界記録は26.30kg。IGFA記録はこと北米の魚にすごい記録が多いですが、これは本部がフロリダで申請数自体が多いこともあると思っています。

アフリカ大陸

ザンペジタイガー(中型タイガーフィッシュ)、タンガニーカパーチ(中型ラテス類) 等

アフリカで1m 10kgイメージの“怪魚”となると……2012年以前の旅路に限って挙げるなら、ルアーで狙う中型のタイガーフィッシュ(サンペジタイガー)くらいでしょうか。アフリカを代表する2巨頭、ナイルパーチとムベンガ(ゴライアスタイガー)は1段階上の“怪物”、2m100kgクラスのイメージです。

ディアモン登場(2012年)以後

以上の釣行経験を踏まえ、2012年に「Dear Monster」をリリースしました。より大型ターゲット(“怪物“2m100kg級)との苦い経験や、より小型ターゲット(“珍魚”50cm1kg級)との楽しい経験は据え置き、「アイツを釣りたい!」と狙って海外へ飛んだ魚、“旅する理由となりうる魚”の真ん中、1m10kg級の“怪魚”の最適解としてパワー・レングスを整え完成したのが「MX-7」です。

狙って旅する方が多いターゲットで言えば、キングサーモンやマーレーコッドにも、2012年以降このブランクスで初挑戦。グリップデザインやガイドセッティングにアレンジを加えていますが、「MRX-7」のブランクスは通常モデル「MX-7」と同じですので、詳細スペック等は「MX-7」の販売ページを参考になさってください。

以下は通常モデル「MX-7」での実際の釣果になりますが、練り餌で狙う大型マハシール類にはバットパワーに対して繊細なティップがマッチ。ルアーサイズ(10cm弱)に対してパワーがある淡水域のアトランティックターポンにもよかった。アフリカのタンガニーカパーチやフォークテールラテスのレイクトローリングにもぴったりだなと思いました。

2015年、「ピーコックバス全15種(当時)釣覇」に際して、当時幻だった流水系の大型ピーコック(キクラ・ジャリナ)を手にしたのもこのロッド。同じく南米では、とにかくバレるアッパッパー相手にも改めて適性を確認。コロナ禍による必然的停滞期にはビッグベイトの釣りにも適性を見出し、今後の大型トラウトを狙った旅に、新たな可能性を感じました。

IGFA世界記録(10kg以上30kg未満)&more

ここまで主観で紹介してきましたが、最後は客観的な記録(IGFA世界記録)を根拠に「MRX-7」のターゲットをまとめてみたいと思います。総じて1m10kgを超える“怪魚”……最大で30kg程度まで成長、 20kg台の魚がヒットする可能性もある 10kg台アベレージの釣魚が「MRX-7」で狙ってちょうど良いかと。(IGFA世界記録30kg以上のターゲットに関しては「MRX-∞」の釣魚図鑑にまとめましたのでそちらを参考にしてください)。

2025年ルールブック(日本版)を参考に、抜粋記載から抜けてる“怪魚”をHPで適宜確認・補足してIGFA世界記録(オールタックル)を30kg未満を順に並べると、ゴールデンマハシール(29.94kg)、チャネルキャット(26.30kg)、ドラド(25.28kg)、ノーザンパイク(25.00)、スヌーク(24.32kg)、シー/インコンヌ(24.04kg)、ニジマス(21.77kg)、パプアンバス(21.55kg)、プラーサワイ(21.3kg)、スポッツ/フレッシュウォータースナッパー(20.87kg)、ブラウントラウト(20.10kg)と続きます。

以下、IGFA世界記録20kg以下 10kg以上のターゲットとなると、1段柔らかい「MRX-6」でも何とかなるターゲットかなと思います。

大きい順にワラゴアッツー(18.6kg)、パヤーラ(17.8kg)、ビワコオオナマズ17.20kg、カットスロートトラウト(18.59kg)、オオウナギ(16.36kg)、ザンペジタイガー(16.10kg)、シロザケ(15.87kg)、ギンザケ(15.08kg)、イトウ(15.00kg)、タライロン(14.95kg)、アークティックチャー(14.77kg)、トーマン(13.61kg)、ピーコック(13.19kg)、バーボット(11.40kg)、パイクパーチ/ザンダー(11.48kg)、ウォールアイ(11.34kg)、ボルネオグラミー/カロイ(10.21kg)、ラージマウスバス(10.12kg)、と続きます。

上記IGFA世界記録10kg以上30kg以下のターゲットに関して、アークティックチャーとカットスロートトラウトの2種が自身未釣のターゲット。

2017年に上梓した『怪魚大全』(扶桑社)には、最後の“見返し”と呼ばれる部分に「未だ見ぬ怪魚MAP」としてイラストにまとめてあるのですが、アークティックチャーは、「MRX」を作るに際して結構意識したターゲットです。

“北極の炎”’アークティックチャー、北限の淡水魚であり、真っ赤に色づくその様は、まさに“FOGO”(炎)といったターゲット……実はこれまでもカナダの氷原旅ではニアミスしてきましたが、20代の頃のように“とにかく釣る”ことはせず、温めておいた魚。

40代、北極圏への旅を深めていくに際し長い付き合いになる(食料として自らの命を繋ぐことになる)魚だろうと。その上で、30代までの歩み、“種を追う旅”の延長線上に「最初で最後の最初のイッピキを、最高の1匹に」と“FOGO”を作った……温めてきた分、最高の形で出会えたらなと思っています。

左にバーボット、下にレイクトラウトが描かれていますが、納得いく形で出会えた後に鉛筆で丸をつけるのが個人的な愉しみです。

その他、目的として旅し、狙って釣れる魚(≒ルアーで釣れる魚)でIGFA世界記録の無い10kgオーバーとなれば多くありませんが、中東地域〜アジアにかけての大型肉食コイ類、ソング(マンガル)やシャブート、パッコン、ガンユイ(イエローチーク)はそんなターゲット。

ラテス属(アカメ属)も、タンガニーカパーチなどは無登録。

個人的にはIGFA世界記録が実態と合っていないと思う“怪魚”も何種か。左下タパー(世界記録8.61kg)などはその筆頭。現地感覚で50kg程度までの個体はそこまで珍しく無いので、「MRX-7」の好ターゲットとなると思います。

薄っぺらですが、ビャウ/ツイステッドジョーシートフィッシュも簡単に1mを超えるナマズ……個人的には、そんなアジアの大型ナマズ(未釣種)も強く意識し、「MRX-7」を整えています。

IGFA世界記録10kg以下のターゲットは「MRX-6」の釣魚図鑑レポートで紹介していますので、併せてそちらもご覧いただけたらと思います。

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以上「次回もし機会があれば『MRX-7』を持参するだろうな」「近い将来、『MRX-7』で会いにいこう」と思っている“怪魚”を紹介させていただきました。

何かしら参考にしていただけたら幸いです。

<関連ページ・レポート>

株式会社モンスターキス代表。怪魚(巨大淡水魚)を追いかけ、これまでに世界56か国を釣り歩く。物心つく前から魚(釣り)に熱中し、30年以上経った今日も継続中。北陸・富山に生まれ育ち、小学4年時にキジハタからルアー釣りを開始、中学・高校時代はバス釣りに熱中。大学進学以後は「今しかできない釣りを。遠くから行こう!どうせなら大物を狙おう!」と世界の辺境を目指した結果、いつしか“怪魚ハンター”と呼ばれ、それが仕事になり、旅は今も続いている。著書多数、近書に「怪魚大全」(扶桑社)。剣道3段。趣味はハンティング(鉄砲)