モンスターキス代表の小塚です。
いよいよ3月、モンスターキスの新しいモバイルロッドシリーズ「Shinkirow」が発売となります!
開発したスピニングシリーズ全7機種ラインナップの中で、私自身がテスト(使い込み)も行ったバーサタイル系2機種のうち岸釣りはもちろん港湾ボートゲーム(インショアフィッシング)にも最適な「Shinkirow SIX-SENCE 58/63MS」を紹介させていただきます。
前提としてキャスティングメインのロッド
まずは、ロッドにも表記されている基本スペックから。
「SIX-SENCE 58/63MS」
Length : 5’8″-6’3″
Lure : Max 30g
Line : Max PE 2
ブランクスはレギュラーテーパー。
高弾性ブランクスの軽快感を活かしつつ、しっかり曲がるテーパー設計により、ことショートレングス「58ショートモード」での使用時のアキュラシーやバラしにくさに配慮してブランクを整えました。
一般的には、港湾部におけるボートからのストラクチャー攻略に適したバランスかと思いますが、カヤックやフローターなど小型の浮き物で細かいロッドワークを駆使する釣りにも、扱いやすさが際立つかと思います。
MAXでPE2号に40ポンドリーダー程度まで、1号+20ポンドリーダーぐらいのセッティングを軸に、ストラクチャー攻略に際しても、正確なキャストでアプローチ。
ミノーやメタルバイブなど、MAX30g、1オンス前後までの各種ルアーで大型シーバスを引き出し、50アップのチヌのツッコミも止める、そんなM(ミィディアム)クラスのブランクパワーで着地させました。
手元が7インチ長くなるロングレングス(63ロングモード)では、調子はレギュラーファースト方向へシフトし、オープンエリアへのルアーの飛距離が向上。
インショアゲームはもちろんのこと、岸釣りからの肩肘張らない釣りにまで適性を拡大します。
で、その上で。
「ジギング63モード」……これこそが「Shinkirow」が“マルチファンクション(多機能)”モバイルロッドと銘打ち、世に問う、モバイルロッドの最前線です。
マルチファンクション(多機能)、キャスティングもジギングもこれ1本
“マルチファンクション(多機能)”と謳う意味、それは従来の“可変レングス”構造から、一歩進んだ展開性を有しているということです。
ご覧の通り、もう、長さが変わるどころの話じゃなくなってくるわけです。
「63ロングモード」からレングスはそのまま、エクステンションシャフトをグリップに挟み込む位置にシフトすることで「63ジギングモードへシフト」。
慣れれば、10秒もかからずモードチェンジが可能。
ガイドにラインを通し直す必要もありません。
もちろん逆パターン、ジギングからキャスティングへのシフトも然り。
ジギング中、突然沸き起こる散発ナブラにキャストする……。
キャスティング中、突然魚探に映った深場の反応を確かめる……。
これまで諦めていた突然の状況変化に、即時アジャストできるという自由、その気持ちよさを皆さんにもぜひ感じていただきたい!
キャストウェイトの上限は30gと表記していますが、ちょい投げ程度のバーチカルな使い方なら、60g程度までなら問題無しです(自分は沈めるだけなら最重で100g程度まで使ってます)
ちょっとしたタイラバや、サワラで近年ブレイクしたブレードジグの釣りなどにも、対応できるのではないでしょうか?
「58ショートモード」「63ロングモード」「63ジギングモード」以上3モードを、アップロックとダウンロックでリールシートを入れ替えて更にその2倍。
3モード×2シート=6セッティング
1本から6本の仕様で使える、故に「SIX-SENCE」。
アップロックとダウンロックの使い分けに関しては、このモデルに関しては、意図的に有効レングスが変化しないよう設計しています。
単純にデザインの好みでチョイスするもよし。
一歩踏み込んで、操作感の違いで使い分けたり、疲労や“竿ズレ”(同じ握りを続けることが原因)軽減を期待してローテーションするもよし。
「SIX-SENCE 58/63MS」なら、万事が自由です。
今、モバイルロッドを選ぶ意味
同じ画像ですが 、改めてご覧ください。
ここまでの解説は♯1~♯3のセクション(計140cm弱)を繋いだ状態での話をしてきました。
車移動をメインに、現状、1ピースロッドや、1&ハーフロッドで釣行され、そこに不都合を感じてこなかった方であれば、「SIX-SENCE 58/63MS」がモバイルロッドであることを忘れてもらって構いません。
継ぎ部のズレや緩みが気になる方は、極論、♯1~♯3を瞬間接着剤で固めてしまえば解決します。
これまで「モバイルロッドは……」と、それを理由に固定観念で考えておられた方にも、このグリップ周り利便性、1本から6仕様に展開するアイディアをスルーするのはあまりにも勿体無い。
一方で、「Shinkirow」は仕舞寸50cm以下にこだわる、世界初のモバイルロッド専門メーカー・モンスターキスの製品です。
仕舞寸という制約の中で足掛け10年超、“モバイルロッドだからこそ”を試行錯誤してきたからこそ、マルチファンクション(多機能)構造にまで至ることができたと自負しています。
モバイルロッドだけを作り続けてきた専門メーカーとして、だからこそこんな部分にまで……というこだわりをもう1つ紹介します
全分割(仕舞50cm)しての大移動の際の携行性のみならず、♯1~♯2と、♯3~♯6と、小移動時や日常遣いを考慮して、完璧な“センターカット2ピースロッド”としても扱えるようレングス整えてあります。
この仕舞い状態の整い方は、もちろん破損軽減にも一役買っています。
適宜分割して持ち運ぶ時も、自宅で洗浄・管理する時も、もしもの際の修理・送料を考えても……仮にそこに“旅”が無かったとしても、この時代、ロッドがマルチピースであって困ることなど、何も無いのです。
こと、修理に関しては、ブランクス断裂でもセクション交換で解決しますから、1ピースロッド等と比較したとき、リカバリが早く、かつリーズナブルだと断言できます。
ブランクスの交換まで必要のないガイド周りの補修などは、多少時間はかかりますが、一般的なロッド修理相応の料金で承っており、その際の送料に関してもモバイルロッドがお得です。
最後に。〜“怪魚ハンター”が「SIX-SENCE」を作ったワケ〜
「“怪魚ハンター”が、インショア(港湾ボート)ロッド?」と読み進めてきたそこの貴方、ご指摘は的を得ていると思います
ですが、僕自身は淡水・海水問わず時間さえあれば水辺に立っている釣りバカ、メディアからフィーチャーされるのが“怪魚”であり、“世界の釣り”であることが多いだけ。
1本が6仕様で使える……マルチファンクション(多機能)構造に思い至った時、「すごい竿ができるぞ!」と“第6感”が働いた。
「では、どんな竿に導入するのが、最もこのアイディアが有効に機能するか?」と考えた時、普段、週末に友人たちと楽しむ地元・富山でのプレジャーボートからの釣り、いわゆるインショアゲームが最適だと考えたのです。
鶏が先か、卵が先か。
“海”、“ドメスティック(国内)シーン”……時同じくして動き始めていた新シリーズ「Shinkirow」のラインナップにも最適だと、強いシンクロニシティ(共時性)を感じました。
2024年2月、発売を来月に控え、テストというよりは花むけ、“ウロコ付け”に向かったのはオーストラリア南部の都市・アデレード。
竿の用途上、海外での実績は必須ではありませんでしたが、「『Shinkirow』が完成した、このタイミングしかない!」と長年温めてきた“海旅”を実行。
狙うは最大70cmオーバーに成長する、世界最大のキス・ダイオウギス!
特大とまではいきませんでしたが、キスというよりはニゴイのような“モンスターキス”を「SIX-SENCE 」でキャッチすることができました。
この“モンスターキス”ことダイオウギスだけは、株式会社モンスターキス代表として、僕自身が日本人初釣果を上げなければいけないと勝手に使命感を感じ続けてきた……肩の荷が降りた思いです(笑)
こんな駄洒落みたいな旅も、モバイルロッドだから思い描けた事。
だかが竿、されど竿。
それでメシを食う者として、使い手の“第6感”が働くようなクリエイティブな1本を作れたとしたら、竿屋冥利に尽きるというものです。
史上最“考”のマルチファンクション(多機能)モバイルロッド「SIX-SENCE 58/63MS」。
是非ご体感ください!
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