テスターの川上です。
9月末から20日間ほど海外に行ってきましたので、その様子をレポートしていきたいと思います。
この海外釣行は1週間ほど前に急遽決まったのですが、お声掛け頂いた内容はモンスターキスのスタッフとしての“仕事”という依頼でした。
“仕事”の現場はインドネシア。
とある魚を狙ってインドネシアに釣行する小塚さんの諸々撮影、時間が限られるが故の製品テスト協力、等々。
「現地の実費は、1人も2人も変わんないから。人を事前手配してあるから、“旅”というよりは“旅行”。川上クンにとっては”海外出張”かな~?」
「テンポ良く進みすぎたらむしろごめんね〜」「至れり尽くせりのバカンスになっちゃうだろうね~」「でもこれを“釣り旅”だなんて、ナメるなよ!」なんて、小塚さんに釘を刺されつつ、ゆる~い気持ちで初秋の成田を飛立ったわけです。
今回、小塚さん66回目、コロナで3年足止めされていた20歳の僕にとっては初めて海外渡航となります。
装備の方向性は同じ、25L、30Lバックパック(重量はどちらも10kg以内)、預け荷物無しの超身軽スタイル!
海外釣行でも”無理なく”ここまで荷物を削る事ができます。
比較用にサンダルと足を写してみましたが、海外に行くとは思えない装備量ですよね(笑)
パソコン(マックブックAir)を含めてこの身軽装備。
当然のことながらWi-Fi環境があるエリアではパソコン仕事を進める事ができるわけで、隙間時間を有効活用する事ができるのです。
しかしながら航空会社によってはフック(釣り針)の機内持ち込みがNGらしく、実際、持ち込み拒否される場面も……。
引っかかったカワカミ。
「先が尖ったものはNG」とは曖昧に規定がありますが、安全ピンなどはOKのようですし、「釣り針がダメ」とまでは明記していない……この辺、担当者の裁量にもよるところが大きく、海外は聞いていた通り曖昧なわけですが、だからこそ対応も柔軟、追加料金無く、僕の荷物を預け荷物として受理してくださり、事無きを得ました。
今後の対策として、2人いればどちらか片方のバッグに危険物に引っかかりそうなもの(フック、工具類)をまとめて、それ一つを預け荷物にすれば万事解決するかと思いました。
まぁ、時間にゆとりを持ってさえいれば、気合いでかなりの部分がなんとでもなるのも海外だと実感しました(後々詳しく)。
そんなこんなあったにせよ、パックロッドで小型バックパック1つにまとめるスタイルの恩恵を節々で感じつつ、旅は続きます。
さてさて、無事に国際線を経由し、インドネシアに入国。
首都ジャカルタ、スカルノハッタ国際空港に降り立った直後、いきなり闇両替のカモにされそうになりました(笑)
突然決まった旅、準備時間的にも、年齢的にも(?)クレジットカードが用意できなかった僕は、ニコニコ現金両替オンリー。
数人の男に連れられて、案内されたのは広いカウンターの左端。
両替を希望する日本円の現金40,000円を提示すると、リーダー格っぽいオッチャンが計算機を使って両替のレートを提示してきた。
が、謎の15%手数料請求!
「この空港、どこに行っても一律手数料だ!」と言われ、「まぁ、海外ってこんなモンなんなのかな~?」と呑気に両替しようとしていた僕に、小塚さんが「とりあえず他のところでも聞いてみよう」と。
クレジットカードを所持する小塚さんは、近年は同様のトラブルを避けるべく、ATMでのキャッシングで現地通貨を用意するのが常だそうで、最近は日本円や米ドルといったキャッシュは持っていかず、近年のインドネシアの現金両替事情についてはイマイチ自信がないとのこと(「クレジットカードって便利だなぁ」と思いましたが、それもまた“前フリ”だったとは、この時はまだ知らない笑)。
そんなわけで空港に設置してある正規の(?)両替所に行ったら……15%手数料なんて真っ赤な嘘、闇両替で両替していたら40,000円のうち、5000円以上損こくところでした(笑)
「川上クン……1軒目に入った中古自動車屋で騙され、比較もせず即決してソッコー廃車になった……“クラッシュ旅”の経験が全く生きてねーじゃん!」と爆笑する小塚さん。
「これが海外か〜!小塚さんマジ感謝!得した~」なんて思いながらも、「もっと警戒心をつけなければ」と強く感じた旅のスタートとなりました。
ちなみに闇両替グループのリーダー格?っぽいオッチャンは釣りが好きなようで。
ナマズの写真数枚とトロフィーの写真を見せてくれました。
仲間の一人が彼を指差して「マンチンチャンピオン!」(インドネシア語で”釣り”は”マンチン”らしい)と言っていたので何か釣りの大会で入賞した事があるのかな?
僕も負けじと自分の股間を指差して、「○ン○ン!チ○チ○!」と言ってみた(思ったよりもウケた)
そんなこんなあったジャカルタの空港では乗り継ぎまでかなりの時間が空くことになったので、とりあえず”ガイコク”の食事を。
僕が頼んだのはお粥(1番安かったから)。
この国は普段からお粥を食べるのか?
僕の固定概念。
更に言えば、日本においてのお粥の立ち位置的には風邪を引いたタイミングでしか食べないイメージがあるので意外でした、が。
日本を出発してからまともなものを口にしていなかったのをさし引いても、うますぎた(笑)
食事が終わるとしばらく休憩。
小塚さんが床で寝始めたのでパシャリ。
モンキスの公式インスタグラムで紹介したワンシーンです。
モンベルさんのキャンプシーツ……いわば、嵩張らない1枚布の寝袋。
生身で寝るのと、一枚布で仕切って寝るのでは快適度(対虫、対温度変化)が全く違うらしい。
さすがに旅の大先輩、これがあれば過去の野宿がどれだけラクだったかと、「もっと早く教えてくれ」と思いましたね。
(「これだけは買ってけ」と、成田空港までの道中で立ち寄ったモンベルストアで購入&プレゼントしてもらいました)
……さて。
ジャカルタから国内線を乗り継ぎ。到着したのはインドネシアのポンティアナク、スパディオ空港!
目的地はまだまだ先ですが、まとまった時間が出来たので川沿いへ。
無計画に川沿いを散歩。
ドブにいる小魚も、全て、僕には未知!
時間がいくらあっても足りません。
着いたぜ、これがカプアス川(本流)。
そんな本流沿いに上流方向へ。
小さな支流の合流地点、何やら釣りをしているオッチャンたちと話しながら、水辺を覗き込めば、水面に何やら縞々の魚影を発見……!
熱帯魚は、日本では基本的に水槽の中で横から見るもの。
上から見る機会なんてなかなかないわけで、「なんか地元の水族館で見たことある気が……?」なんて思っていたら。
「あれ“アーチャー”だぞ!」と小塚さん。
言うまでも無く、この一言で俄然やる気が出た(笑)
「HUNTERS HT-26」を急いでセッティング。
足場が高く、「MX-0」や「MX-1」ではちょっと短い……海外でのこんなシチュエーションの為に“26”を作って、コロナ禍に突入してしまったそうな。
「海外の釣果報告はまだないから、『HT-26』の本懐を遂げてくれ〜」なんてヤジ(?)が飛ぶ。
ササッとちょっかいを出してみるものの、ネイテティブの癖にめちゃくちゃ賢い(笑)
口を使わせるためには一定条件下でアクションを入力しなければならないようで悪戦苦闘。
小塚さんが思わず“正解”を口にしてしまっていた気がしたが(ちょっと黙っててw)、聞いてないことにして自分なりに試行錯誤(笑)
……意外と粘るハメになったけども、オッチャンの見守る中で釣捕成功!
アーチャーフィッシュ。地元水族館での展示名は”テッポウウオ”だった。素直に嬉しいイッピキ!
ちなみに小塚さんは淡水サヨリ?的なのをサクッと釣捕してました。
めっちゃ渋でかっこよくないですか?(魚が、ね!)
質の高い暇つぶしも一段落し、ポンティアナクから長距離バスで15時間かけて、目指す起点の町へ向かいます。
しかしながら、出発するバス会社に向かう最中に細々したトラブルがあり、バス会社(発車場所)を急遽変更することに。
「そのバスを逃すと、丸1日時間を無駄にしてしまう!」
急遽タクシー移動を試みるも、流しのタクシーは来ない。
ってことで、格安のバイタク。
そんでもって当たり前のようにノーヘル。
ここでは「危ないからヘルメットをするべきダ!」なんて”無粋すぎる”意見は通用しません(笑)
大型車の渋滞をガンガンすり抜け、時に両手で運ちゃんの背中にしがみつき、バスの発車場所を目指します。
両手フリー、背中に小さなバックパック1つのスタイルだからこそ、重心のフラつきも抑えることができたと思うし(安全面UP)、結果、無事バスにも間に合いました(時間を無駄にならず)。
「ワンアンドハーフまでで充分、とか……ヌルい“旅行”なら良いけど、どうよ?笑」と小塚さん。
出国前は“旅行”と聞かされていたような……ここでも、パックロッドの“リアル”を感じましたね(笑)
さて。
変更先のバス会社の受付のお姉さんに、バス代に追加で500円上乗せする事で、快適な大型のバスに変更する事ができると言われた我々。
ここは500円のプチ贅沢をチョイスしてみました(本当に大正解だった)
日本国内においては”高級車”のイメージを獲得している、ドイツの某自動車メーカーの快適なバスに揺られること15時間(海外ではちゃんと実用車なんですね〜)
そういえば、空港を出て以降、バスの車内だけマスクを求められましたね。
まぁ、出発からしばらくしたら、ほとんど誰もしてませんでしたが。
こうして夜のジャングルをひた走ること15時間、目的の村の最寄り町までやってきました。
ここでもアジア人のマイペースさに参ることになるのですが、長くなりすぎるので流石に割愛(笑)
二人揃っていい感じにイライラしてきた所で、ここから更に移動(笑)
トラックの荷台に積まれたり、助手席に二人で押し込められ100キロほど。
荷台に僕ら乗ってんの忘れてないか?ってスピードでカーブに突入するからマジで怖かった……。
目の前の小塚さんがウトウトしながらタイヤ掴んでるのが今にも落ちそうでヒヤヒヤでした(笑)
そしてついに目的地である川辺の集落へ到着!
「さて!やっとこさ到着!」とインドネシアならでは?の甘すぎるコーヒーを飲みながら浮かれていた。
そんな矢先、水先案内人になってくれる予定だったインドネシア人について、衝撃の事実が発覚するのですが……単刀直入に、僕らの到着直前に収監されていた。
「電波ないところにいる」と家族が連絡役として間取りをしてくれていて、勝手に「山籠りでもしてるんだろう」と思ってましたが……塀の向こう側にいちゃ、そりゃ電波もないわけだ(笑)
彼の名誉のために書いておくと、要は貰い事故。
彼の所有する車(停車中)に、バイクに乗ってカーブを曲がりきれなかった二人乗りの若者が突っ込み、お星様になったと。
ただ、停車中とはいえ、その位置があんまりよろしくなかったようで……諸々片付くまでしばらくシャバに出て来れないらしい。
これまでの道中、インドネシア人たちのユルユルの危機管理意識は肌身で感じてきましたが、スバリ現実問題に。
「結構あっさり人死ぬから。ワニとかクマとかより、釣り旅でリスク管理に気を付けるべき筆頭は、交通事故。どうしようもない部分もあるけどね〜」なんて、小塚さん。
マジ気をつけよう……。
色々ありつつも、翌日からブッシュキャンプ生活を始められる運びとなり、明日以降協力してくださることになったオヤジさんの家に居候。
シンプルな家庭料理(米&鳥肉の炒め物)をゴチになり、冷んやりタイルの地べたで食事。
タイル=トイレがイメージだったので、それなりにカルチャーショックです。
そして、久しぶりに布団で寝る事ができました。
落武者のようなヘアースタイルがチャーミングなオヤジさん。
多少なり英語を喋る事ができる彼のおかげで、滅茶苦茶助かった。
そして迎えた翌日。
村唯一?の日用品店で必要な装備をサクサクっと購入。
日本人2名とインドネシア人2名(オヤジさん含む)、4人の1週間のブッシュキャンプに必要な食糧や装備、ガソリンなどを購入して、日本円で実費5万円くらいの物価感覚。
これらの装備をボートに乗っけて上流部の拠点を目指します。
日本を出てから随分長い時間が経ったように感じますが、これでやっとこさ釣りができる環境が整いました。
……このインドネシア編は駆け足で一回のレポートにまとめるつもりだったのですが、無理でした(笑)
前半戦からトラブルが続き、時にシリアスにもなり、なかなかに疲弊しましたが、はたから見てれば楽しそう(&僕らが後で振り返れば楽しかったと思える)ってことが伝わればと!
ってことで。
次回、インドネシア後編(実釣編)です!