深海魚をショアから狙う!? 未知なるルアーキャスティングゲームの魅力。

こんにちは!テスターの川上です。

今回は駿河湾のミズウオ“釣り”を紹介します!

駿河湾のミズウオといえば冬から春にかけてのミズウオ“拾い”が(一部には)有名かと思いますが、実はミズウオはルアーで狙って釣る事が出来るのです。

釣り方をザックリ説明すると、このルアーを投げては「ゆっくり巻き取ってくる」or「テクトロ」の繰り返しです。

ミズウオという魚はフックがいくらついていようがリーダーがいくら太かろうが食ってくると考えているので、フローティングミノーにサイズの大きいトレブルフックとジギング用アシストフックの二つを装着、リーダーは130lbを30センチほど取りました。

使用したロッドは「HUNTERS HT-6×4S」、リールは3000番台を合わせました。

夕方、富士の山が色付き始めると同時に釣り開始。

とりあえずはひたすらランガン&テクトロを繰り返すのですが……。

開始からノンストップで2時間ルアーを投げながら歩き続けるも、全く反応を得られません。

それどころか、波打ち際に落ちているはずのミズウオすら確認することすら出来ず、かなり厳しい状況だと痛感。

一晩目は最終的に27キロのランガンをするも完全試合で終了。

とりあえず亡骸でも良いからミズウオの姿を確認したいと思い始め、一旦ロッドを畳んでミズウオ拾いに集中しましたが、こちらも渋かったです。

ミズウオを拾いにきてたご家族にミズウオの頭を見せてもらう事ができましたが、この時点で出会ったミズウオはこの頭だけ。

如何せん状況が悪すぎると考え一旦仮眠を取ることにし、海岸線を後にしました。

そして翌日。

昨晩の強風のおかげか、昨日は落ちていなかった死骸(頭部無し)を早々に確認する事ができました。

開始したのが昼過ぎだったので、打ち上げられているミズウオは全て鳥に食べられていたのですが「昨日より状況は良くなっている!」と思え、モチベーションがかなり上がりました。

とりあえず完全体のミズウオを見てみたいなと思い、期待薄な昼過ぎの海岸線を徘徊していると、波打ち際から1.5メートルほどの水中に銀色のどデカい”ナニカ”が漂っているのを発見。

「え?ミズウオ?」

急いでタックルを組んで即キャスト。

完全にサイトフィッシングになっており、鼻先にルアーを通すとロッドに重みが乗りました。

「食った?!」

食ってきた瞬間は見えなかったものの、この感覚は水の中に漂っていた”アレ”しか無い……。

そしてファイトと呼べる抵抗もほとんど無く、7秒足らずで上がってきたのは昨晩散々狙っても釣る事ができなかった念願のミズウオ!

駿河湾ミズウオ。「HT-6×4S」の最長モード(7フィート)にて。

前日に引き続き強風の為、撮影は裏の松林にて行いました。

(大きくてカッコ良いヒレをしっかり写したかった)

ど日中のサイトフィッシングという、思いもよらない形でのキャッチになりましたが、凶悪な顔付きとセイルフィッシュ(バショウカジキ)にも似た大きく広がっている背鰭は、今までに獲った事のないタイプの魚で非常に新鮮でした。

口からは”ギマ”が飛び出しており、「ミズウオは口に入るものならなんでも食べる」という話の信憑性を確認……。

ミズウオの左頬に開いている穴はギマの胸鰭によるものです。

嬉しい出会いではありましたが、僕の思う釣れ方とは違った形だったので、次はナイトゲームでのキャスティングでもミズウオを釣りたいと考えています。

しかしながら、二日間で40キロも歩くと流石に疲れるので、「すぐにまた行きたい!」とはならないのが本音です……。

中々にキツい釣りではありますが、カッコイイ深海魚をショアから狙う事が出来るこの釣りには未知なる魅力を感じます。

苦行ですが興味のある方は是非ともチャレンジしてみてください!

中部地方在住。幼少期の海釣りにスタート、中学時代はライギョ釣りにハマり、以後淡水魚釣りに傾倒する。高校2年時から釣りや生き物に関するライター活動を開始。卒業後もバックパッカースタイルで日本中を駆け巡り、持ち前の意地と諦めの悪さで憧れの魚たちを抱きしめてきた。2021年には、日本国内では過去最大級と思われるアリゲーターガー(167cm)を釣り上げ、地上波テレビにも出演。好きな飲み物はドクターペッパー。