険悪谷の大イワナを求めて。「MX-39」を忍ばせゴルジュ遡行。

こんにちはテスターの菅野です。

先日、モンキス事務所がある富山県で沢登り&渓流釣りをしてきました。


モンキス本社のある高岡市から東に30キロ、立山連峰から富山市を流れ日本海に流れこむ常願寺川が今回の舞台。

常願寺川を遡ると名前を変え称名川となり、落差350mの日本最大の滝、称名滝があることで知られています。

その山域は非常に地形が複雑で未だたった一人しか遡行できていない渓谷が残るほど、他にも多くの険悪な谷を保有する稀有な地域です。

今回はその称名川支流のザクロ谷という沢を遡行してきました。

ザクロ谷というと“沢ヤ”(沢登り界隈)の間では難易度の高い沢として有名で、目標にする人も少なくありません。

釣りで例えるなら、日本三大怪魚(アカメ、イトウ、ビワコオオナマズ)のさらに先のステージ、オオニベやアオウオといったレア魚を遠征で狙う感覚に近いです。

さてさて、そんな険悪な谷にもどうやらイワナがいるんだとか……。

“釣ヤ”でもある自分は、気になるところ。

メインは沢登りですが、せっかくなので「Dear monster MX-39」を忍び込ませて遡行してきましたのでその模様をお伝えします!

今回の山行は四国を中心に活動する沢の同志会ゴルジュクラブで訪れました。

■9/14:初日朝9:00

これがザクロ谷の出合い。


突如として壁をかち割ったかのような狭いゴルジュ帯が始まります。(※ゴルジュ···両壁が切り立つ峡谷の意)

威圧感がすごいですね。

この先に魚がいるのか?と不安になります。


少し進むといきなり一つ目の核心滝。

まずはリードと呼ばれる一人目がロープを繋いで後続の為に支点を作りながら登り上で後続を迎えます。

このリードが一番危険を伴います。

メンバーの中で僕は一番経験が浅いので際どい箇所は先輩方にお任せし、必死についていきます。

ロープがあるとは言え後続もこの激流では落ちは許されません。


泳いで取り付き豪快なシャワークライミング、両壁を足で突っ張り水線を突破。


そしてすぐに二つ目の核心の滝。

両壁が迫り迫力があります。


まさに緑の廊下。

滝を越えまたすぐに滝、難しくも美しいゴルジュがひたすらに続きます。


水温はかなり低く、刺すような冷たさ。

僕は寒がりなので5mmウェットで防寒対策を万全に、それで丁度いいくらいでした。

お昼頃ようやくゴルジュが開け河原になり魚の姿が見え始めました!

野営地も近づいたところで釣りのお許しが出たので満を辞して竿を振ります。

今回のタックルは

ロッド:「Dear monster MX-39

リール:12アルデバラン

ライン:PE 0.8号リーダー6lb

ルアー:Dコンタクト63

食糧調達も兼ねているので今回はトレブルフックを使用しました。

前半の渓相から想像もつかないほどに、一投一投魚からのコンタクトがあり魚影の豊かさにびっくり。

いつの間にか遡行の緊張感から解放され、夢中になってしまいます。

3フィート9インチの取り回しの良さたるや、ビシバシキャストが決まり気持ちいいですね。

あっという間に5匹ほどキープし今晩の夕飯が豪華になったところで野営地に荷を解き、サイズを求めさらに奥へ。

てまり滝と言う滝、デカいのは大体滝の釜にいるもんですよね。

疲れを忘れさせてくれる尺迫る良型!

この辺から顔つきが変わり非常にかっこいいです。

掛けに行くというよりかは、戯れつく魚を絡めとる竿。

掛かってしまえば大小問わずジワーっと曲がり謎の安心感。

その後も良型がポツポツと釣れましたが、オールリリース。

1日動いて疲れていましたが魚で癒されました!

■9/15:2日目

釣りをしたい気持ちをグッと堪え遡行に集中。


何度見ても美しい廊下。

異世界かのような水に侵食された岩、記憶が追いつかないほど大小の滝を連ね、長い時間遡行していても目が飽きません。


小さくとも小難しい滝はフリーでそれぞれ自由に超えてゆきます。


やばそうに見える写真。

死にはしないが落ちたくない。

ゴルジュ内は草木が生えないので虫がおらず、必然的に魚もいません。


絶望的なところでは先駆者の方々が残したボルトが残っているので、それを使って人工登攀で越えて行きます。


高巻き中の写真、とんでもない地形をしていますね。

谷は狭まり水が減り……。


ついに枯れ無事遡行完了!


目標だったザクロ谷を無事に抜けることができてひと安心、総合力が問われるほんと素晴らしい沢でした。

春から目標にしていた沢なので来れて本当によかったです。

久々の渓流釣りは東北で熱中していた高校時代を思い出しました。

今回「MX-39」を持ち込んだ理由は、仕舞寸法35センチというコンパクト性。

そしてディアモンの信頼の耐久性。

ガチな山行には、信頼できる道具をと、Light &Toughな「MX-39」を選びました。

泊まりでの山行では荷物が多くなりますが、隙間に仕舞い込んでも壊れにくいというのは非常に助かります。

渓流ロッドクラスでは稀有なダブルフットダブルラッピング仕様で、保護ハードケースが無くてもなんとかなるのが「MX-39」です(標準的な渓流釣りならケースがあるに越したことはありません)。

今回は想定しうる衝撃と、体積・重量を総合判断し、“くるくるシート”こと「メジャーシート50」を「MX-39」の仕舞寸35cmに合わせてカットして使いました。

仕舞寸(長さ)がコンパクトでも、嵩張る保護ケース(体積)が必須なガイドセッティングでは、究極的な遡行旅には持参を諦めざるを得ません。

……しばらく渓流はやっていませんでしたが、今回の山行でもう既に来年は南アルプスの大型のヤマトイワナをと妄想が膨らみます。

北海道以外ではシーズンが終了してしまいましたが、MX-39」をお持ちの方は来シーズンぜひ、沢へ分けいってみてください!


ここまでの沢登りはしなくても充分釣れますのでご安心を笑。

<関連ページ>

1999年茨城生まれ、青森育ち。小学5年生で釣りを覚え、コイやナマズを釣りながら“怪魚”への憧れを膨らませて成長。高校1年生の冬に「まだ誰もやったことがないことをしよう!」とタイへ単独釣行。以後、高校在学中の3年間で計4回、5か国を釣り歩く(資金はすべてアルバイト代)。一応は大学に進学したものの、ムベンガを釣るために半年で退学し、コロナ禍で足踏みを余儀なくされるまでに計7回8か国へ釣行した。海外釣行が難しい現在は、「HUNTERS」を手にシーバスをライフワークとして日本各地を飛び回っている。趣味はルアー作り。