「NEW-DAWN」大陸進出。狙いは勿論、タイリクスズキ(台湾釣行2025)

富山のシーバスマン、定廣です。

常日頃モンキステスター陣が恐ろしい牙の生えた魚やら謎のカラフルな魚やら深海魚など錚々たる魚を釣っている中、年がら年中鱸しか釣っていないワタクシ。

「流石にモンキステスターなんだから一回くらいは海外行っておいたほうがいいよなあ」と思いつつも、どうしても鱸以外にはイマイチ興味がわかない。

···…じゃあ海外に鱸狙いに行けばいいんじゃね!?

という訳で今回の遠征の舞台は台湾·淡水河。

タイリクスズキの本場である。

遠征先を決めるにあたり調べたり聞きかじったりしたところどうやら一番タイリクスズキが釣りやすいのは上海あたりらしい。

ただ、私有地が多かったり、あと中国なので治安とか···…まあ初めての海外で行くにはちょっと不安だよねってことで親日国で治安も良い台湾をセレクト。

初めての海外といえど自分のポリシーは曲げない「ノーガイド、ノー情報」縛りで3泊4日、初日と最終日は移動のみの実働丸2日間で台湾タイリクスズキにチャレンジしてきた。

メインロッドは「Shinkirow NEW-DAWN810/94MS」。

タイリクといえどスズキは鱸。

九州をはじめとした日本全国のシーバスをキャッチするために開発した「NEW DAWN」はメーターオーバーも当然視野に入っている。

タイリク相手であろうとまず問題あるまい。

サブロッドとして「DearMonster MX-7S」「HUNTERS HT-6/7」を準備。

台湾といえばバラマンディ釣り堀の盛んなエリアとしても有名(むしろタイリクよりこっちのが有名か)。

せっかく台湾に行くのだしバラマンディ釣り堀も視野に入れてショート&パワーロッドな上記2機種をキャリーケースに忍ばせた。

<DAY1>

富山から台湾への直行便はないので一旦新幹線で東京の成田空港へ。

成田空港にて今回の旅に同行してくれる友人T氏と合流しフライト。

台湾、桃園空港に到着後はMRT(地下鉄みたいな物)で台北まで行き、そこからタクシーでホテルへ。

ホテルチェックイン後は情報収集の為にタックルベリー台北士林店へ向かう。

こちらの店舗はグーグルレビューによると店長が日本人とのこと。

ここで目星のポイントの釣り禁止の可否などを確認しようとしていたが、着いてみると日本人店長は不在で台湾人スタッフのみ。

グーグル翻訳と片言の英語でなんとか目星をつけていた2カ所の釣り可能を確認、ついでに近辺の食事処も教えてもらい「士林夜市」へと向かう。

エビ釣り屋台があったのでとりあえず台湾初釣り。

とりあえず坊主は逃れた(笑)

釣ったエビをその場で焼いてもらえる食とエンターテイメントを両立した屋台であり台湾ではポピュラーな遊びとのこと。すでに異国感があって楽しい。

その後は屋台めぐりで舌鼓。

台湾料理は比較的日本人の舌にも合うものが多くどれもおいしい。

<DAY2>

朝4時半からタクシーでポイントまで移動。

今回の旅では移動は基本的にUberTaxiを利用した。

運転手との行先等の会話も会計も不要、予約もできるので早朝でも来てもらえたりとコミュニケーションに不安がある自分には非常に便利だった。

目指すポイントは台北に流れる「淡水河」。

川幅は河口付近では1kmにもなる広大な大河だ。

今回の旅では釣り可能か確認できたエリアが少なかったこと、移動の際に都度タクシーを呼ばなければならない都合からあまり移動しない回遊待ちを選択。

実績のあるポイントでじっくりと腰を据えて待つスタイルだ。

気温は37度。

水温が異常に高く腰までウィーディングしても身体はまったく冷えない。

よく見ると川辺にはマングローブが生い茂っており、いかに台湾が温暖かを象徴していた。

酸欠で死んだボラが何十匹も下げ潮と共に流れてくる中、汗だくになりながらキープキャストを続けるも虚無の時間が続く。

体力と気温が限界に達し午前の部を終了。

幸いホテル近くに飲食店が多かったため手早く食事とりT氏と作戦会議を行う。

とにかくあの気温と水温はマズい。

午後は午前よりも高いと考えるともはや釣りどころではない。

また、干潮付近だった午前はよかったが、満潮付近の午後戦はポイントの様相からも「無い」と判断。

別のポイントに目星をつける。

ウェーディングでは暑すぎるので上げ潮で魚が登っている読みでより上流のオカッパリのポイントをチョイスし午後の部をスタート。

周りには現地の釣り人が多数おり、餌釣りでは小さなメッキがちょくちょくと釣れていた。

一応、魚はいる。

この時点でタイリク狙いといいつつも脳の片隅にはメッキが入り込んできており、気づけば小型バイブやワームなど「小さめの魚でも食ってきそうなルアー」をメインに投げていた。

ちなみに友人T氏はトラウトミノーをトゥイッチしていた。

もはやメッキしか眼中にないようだ(笑)

そんな中、メタルバイブの着底と同時に自身の「NEW-DAWN」が弧を描く。

引きは大したことはないが初海外での初ヒット。

正体不明の引きに興奮しながら抜きあげると見たこともない赤い魚が眼前にあった。

T氏いわくマングローブジャックとのこと。

シーバス以外全然知識がないので物知りな同行者がいるととても助かる。

T氏とハイタッチして歓喜していたらその場にいた現地アングラーにも「nice fish!」と労いの言葉を頂け、台湾人のフレンドリーさにほっこりとさせられた。

ちなみにその後マングローブジャックをねだられた。

単にたかりに来ただけなのかもしれない(笑)

その後は反応もなくなり終了。

初日の夜市とはまた別の「寧夏夜市」で夕食をとる。

今回はグルメ観光もそれなりに重要視していたが夜市で食べる食事はどれもおいしくその目的は十分に満たせたように思う。

T氏曰く海外は食事面で当たりはずれが多いとのことだが、少なくとも台湾に関しては当たりだったので海外ビギナーとしてはかなり助かった。

<DAY3>

翌日は早朝から台湾を出発するので実質的な最終日。

午後からは高雄のバラマンディ釣り堀を予定しているので午前中が勝負となる。

ちょうど下げの干潮まで狙えるのでタイミング的には割とよさそうだ。

……が、実際やってみると下げが思った以上に効かない。

待てど暮らせど一向に水位は下がらないまま無情のタイムアップ。

タイリク遠征は敗北にて終了した。

切り替えてバラマンディ釣り堀のある高雄へと向かう。

台北駅から左営駅まで新幹線にて移動。

そこからは時短のためタクシーで目的の釣り堀「林邊大金池」へと向かう。

ちなみに移動費は往復で2万ちょいで移動時間は4時間ほど。

長い道程、且つなかなか痛い出費だ。

午後2時ごろ、ようやく「林邊大金池」へ到着。

ちなみに「林邊大金池」の林邊はここの地名、大金池は大きな金目鱸(バラマンディ)が居る池という意味らしく、最大で70cmクラスまでが養殖されているそうだ。

料金は3時間で1500円、延長1時間ごとに500円。

どうせなら閉店の18時までやろうとのことで4時間(2,000円分)取ってスタート。

バラマンディ用タックルとして「DearMonster MX-7S」「HUNTERS HT6/7」を準備してきたがネットでちょろっと調べたところジャーキングがハマりやすいとのことだったので「MX-7S」をセレクト。

しかし、しばらくミノーをジャーキングをするも反応が乏しく、虚無の時間が30分ほど続く。

T氏はビッグベイトメインで挑んでいるもそちらも無反応。

釣り堀だしボッコボッコ釣れると舐めてかかっていたがそう甘くはなさそうだ……とルアーをバイブレーションにチェンジした途端、一気に釣れだした。

中層のリフト&フォールがハマり5分に一回はヒットする連発モードに突入。

レギュレーションでバーブレスにしている為、とにかくよくバレるがそれも気にならないほどにアタリが多い。

「養殖魚だし普段はペレットを食べているだろうからフォールが効きそうだな」と試したのが功を奏したようだ。

2時間ほどで50~65cm程を10本ほど釣って小休憩。

施設内では飲料も販売しており、コンビニと変わらない値段でビール等を飲むことができる。

この時は気温は37度。

ビールでも飲まなきゃやってられないほどの酷暑であった。

ちなみにT氏は休憩なしで池を周回しながら漢のビッグベイト縛りで挑んでいた。

数こそ出ないが60後半程のナイスサイズを数本キャッチしておりルアーサイズを上げるとやはりデカい魚を優先的に狙えるんだなあとビール片手に眺めていた。

スタイルの違う釣りを見るのもまた面白い。

1時間ほど飲酒からの仮眠で体力を回復し復帰。

後半戦もバイブのリフト&フォールで探るも前半戦ほどの反応がなくパターンが変わったと判断。

ジャーキングやらトップやらを一通り入れるも反応がない中シャッドテールワームを投入すると好反応に。

夕方が近くなりバラマンディの活性も高まって表層付近を意識しているようでバイブだとレンジが下すぎるようだった。

また、餌やりの時間が近づいている為か魚たちが岸寄りにたむろし始め、目の前で背中を水面からだしてステイするような光景も頻繁に拝むことができ非常に面白かった。

そこからはワームで何本か追加し終了。

ネットの情報ではバラマンディの引きは相当強く、下手すればワイヤーリーダーまで必要とも言われていたが実際やった感じではPE1.5号にリーダー30LBで十分だったように思う。

人が多く、全く走らせられないならもうちょっと強めのほうがいいかもしれないが少なくとも今回ラインブレイクはなく問題なくファイトすることができた。

また、狭い養殖池でも扱いやすい7f台ながらもしっかりと魚の引きをいなして安定したファイトをサポートしてくれた「MX-7S」の汎用性の高さには改めて驚かされた。

本当になにかとツブシが効く1本である。

釣り堀を出た後は左営駅の周辺で食事をとりホテルへ帰還。

時刻は22時。

翌日は朝から帰国なので長かったような短かったような台湾釣行がこれにて終了となった。

初めての海外、目的のタイリクこそ手にすることはできなかったが異国の風土、食事、人に触れ新しい世界を垣間見れたのは非常にいい経験だったように思う。

狙っていた対象ではないが自力でマップからポイントを探しキャッチに至ったマングローブジャックは忘れられない思い出になった。

バラマンディ釣り堀も楽しかったが、やはり自分はすべて自力で探し出すほうが好きなんだと再認識。

また挑戦しに来たい。

次こそはタイリクをこの手に。

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モンスターキスの地元・富山で、年間250日以上フィールドに立つシーバスジャンキー。身近に釣れる大型肉食魚というギャップ、非日常感に魅了され、そこに飽き足らず全国各地のシーバスを求め遠征。「自力で探し出す魚」を重視し、ノーガイド、ノー情報でアウェイの地を駆け巡る。過去3年の釣獲シーバス(全て岸釣り。ランカーは80cm以上)は、2022年309本/ランカー37本MAX100cm、2021年211本/ランカー32本、2020年216本/ランカー20本、北陸・甲信越地域に展開する量販店「FISHERS」が夏と秋に主催するシーバスダービー過去3年間全6回で4回入賞(優勝1回、準優勝1回、3位2回)