いつもの一本に、期待の新作を携えて……「New-Dawn」&「MX-10SW」で筑後川のエツパターン。

こんにちは、富山のシーバスマン、定廣です。

6月末に福岡県久留米にシーバス狙いで遠征してきたのでレポートします。

さて今回訪れたのは福岡県久留米周辺に流れる大河、筑後川。

有明海の最奥に位置し、年間何本ものメーターオーバーの有明鱸がキャッチされているエリアです。

この筑後川には梅雨時期から産卵のために河川を遡上するエツという固有種がおり、それを捕食する大型シーバスを狙うエツパターンが夏に本番化します。

川幅200m近い大河での流心で発生するボイルが真昼間に見られる面白いパターンなのですが問題が一つ。

ボイルが遠すぎて大抵のルアーが届かないこと。

昨年訪れた際には手持ちのルアーがボイルまで一切届かず手も足も出ない状態に。

現地でお会いした地元民に話を聞くと、地元の名手がハンドメイドで制作しているシンキングポッパーがほぼ必須、市販品だと重量級のぶっ飛びシンペンでぎりぎりといった具合で、かなりローカルで特殊な釣りが展開されている様子でした。

そんなわけで大敗を期した昨年でしたが、今回はそれらの反省を踏まえてリベンジに行ってきました。

<DAY1>

九州遠征お馴染みの富山⇒名古屋⇒福岡のルート。

福岡空港に到着後レンタカーで久留米まで移動。

15時ごろから実釣開始となりました。

タイミングとしては干潮からの上げのタイミング。

まずはエツパターンの定番ポイントの堰下からスタート。

さて前述のとおり筑後川は川幅200m近い大河川。

流心でボイルすることもあり飛距離としては欲を言うなら100m以上は欲しい超遠距離戦がメインとなります。

というわけで今回新たに持ち込んだのが近くリリース予定の「DearMonster MX-10SW」。

これにトップウォーターの操作性を上げるべく、同じく新作「DearMonster MX-8SW」のグリップを互換装着し、ショートグリップ化。

10fオーバーの豪竿にて50g前後の重量級トップでの遠距離戦を仕掛けます。

さて、昨年はこのタイミングでボイル連発していたので期待大で待つこと3時間……え!?何もない!?

下流ではバイブレーションで1本上がっていましたが肝心のボイルは影も形もなし。

川の雰囲気を見ているとどうも昨年より濁りも強くゴミも多い。

数日前まで雨が降っていたようなのでそれの影響かも……と考えながら初日を終了しました。

<DAY2>

早朝の上げのタイミング、またも堰下からスタート。

昨日を参考にバイブレーションもしっかり準備し実釣開始……しかし釣れない。

周りも何もなしで移動することに。

さて、昨年訪れた際は日程的に時間もなかったことから本流のエツパターンのみに絞りましたが、今回はガッツリ48時間の実釣時間を確保。

エツパターンだけじゃなく色々見て回れる余裕もあるため支流や水門を見て回ることに。

支流撃ちは小場所がメイン。

さすがに10fクラスのロングロッドでは取り回しが悪いため「Shinkirow NEW-DAWN810/94MS」(810ショートモード)にチェンジ。

「小場所で8f10inは長くないか?」と思われるかもしれませんが、有明海は干満の影響で足場が高くなることも多いためこのくらいの長さのほうが汎用性は高かったりします。

岸壁護岸だと足元までキッチリ引けたほうがチャンスは多くなるもので、極端なショートロッドよりも取り回しに問題がない範囲ではできる限り長いほうが釣果につながりやすくなります。

そこからはひたすら支流をランガン。

同じポイントでも1時間エントリーのタイミングを変えればがらりと様相が変わるのが有明海の干満差。

ランしてガンして入り直してタイドグラフと睨めっこしながら状況チェックを繰り返します。

2度目の再エントリーにてボイルを発見し小型シャローランナーで良型をキャッチ。

強い下げ潮の中でもバットパワーを生かして楽々のファイトでした。

干潮タイミングにて足元の護岸際で2本目をキャッチ。

低潮位のタイミングともなると水面まで3m近く離れているのでロッドの長さが生きた結果でした。

さらに足場が高くなる、河川が遠くなる状況になれば生きるのがエクステンションバッド装着による94ロングモードへ。

筑後川は干潮でも足元までしっかりと水が残っているシチュエーションが多かったので今回は使いませんでしたが、熊本とかだと足元に潟が広がるため小場所であろうとロングモードは重宝します。

というわけで小場所めぐりは初見ながら2本キャッチとなかなか良い結果で終了。

潮位もまたいいタイミングになってきたので本流のエツパターンにリベンジを狙うもトップウォーターで誤爆のみ。

ここで現地のアングラーさんとお話をする機会があり今年の状況を聞いていると衝撃の事実を知ることに。

なんと初日から気にしていたこの本流の濁りは田んぼの代掻きによるものだとのこと……え!? 今6月末ですよ!?

通常代掻きといえば5月くらいがシーズン。

僕の地元富山でもGWかそのちょっと前に行われるものであり6月にやるなど聞いたことがありません。

しかし実際調べてみるとどうも九州南部は麦の収穫後に田植えをするため時期がずれ込むらしく……。

というわけで私が来たタイミングはちょうど代掻きが残る良くない状況とのこと。

……やっちまった!

前回の「実はハンドメイドポッパー必須でした」といい毎度ローカル情報に翻弄されています。

ノーガイドノー情報の欠点というか、もっと下調べしてこいというかなんというか……実際しっかり調べると出てくる情報なので、リサーチ不足だったのは間違いないです(猛省)

という訳で次回の糧になりそうな情報収集をして2日目を終了しました。

<DAY3>

フライトの関係上、午前中いっぱいが勝負。

これまでの2日間で本流が厳しいことはわかっていたので支流撃ちにしぼり時間いっぱいまでランガンを敢行することに。

しかしながら前2日間が嘘のようにどこもかしこも先行者だらけ。

昨日ヒットしたポイントも人が入っており、どうしようもなくなり本流ポイントに行くもノーバイト。

時間も迫り、最後の最後に帰路の途中にある水門を2カ所撃って帰ることに。

最後の最後に小さいながらもキャッチ!

結局最後まで支流撃ちばかりでしたが、筑後川という特殊なシチュエーションでも「NEW-DAWN」を片手にレギュラーサイズのプラグという自分のいつものスタイルで攻略できたのもあり、スタンダードなシーバスゲームは全国どこでも通用すると再確認。

一部特殊なシチュエーションを除けば本当にオールマイティに使える対応力の高いロッドです。

九州メインでいろいろなところに持ち込んでいますが河川、港湾などはこれ一本で大体なんとかなってしまいます。

ただ、前述のとおり特殊なシチュエーションは専門外。

例えば磯、サーフ、そして今回のように超遠距離が要求されるシチュエーション……そういった場面では今回持ち込んだ「DearMonster MX-10SW」のようなロングロッドでカバーしていくのがよいと思います。

MX-10SW」はその気になれば100g近くまで投げられるんじゃないかと感じるパワーロッドですが(※個人の感覚です)、長さによる曲げこみやすさもあり40~50g程度のプラグで快適に使用することができました。

重心バランスも良いためロングロッドながらロッド操作も比較的楽に行え、思いのほか汎用性の高いロッドに仕上がっていますよ!

……という訳でリサーチ不足などいろいろあった割にはなんとか魚には辿り着けた福岡遠征でした。

来年はサイズアップを目指してリベンジしたいと思います!

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モンスターキスの地元・富山で、年間250日以上フィールドに立つシーバスジャンキー。身近に釣れる大型肉食魚というギャップ、非日常感に魅了され、そこに飽き足らず全国各地のシーバスを求め遠征。「自力で探し出す魚」を重視し、ノーガイド、ノー情報でアウェイの地を駆け巡る。過去3年の釣獲シーバス(全て岸釣り。ランカーは80cm以上)は、2022年309本/ランカー37本MAX100cm、2021年211本/ランカー32本、2020年216本/ランカー20本、北陸・甲信越地域に展開する量販店「FISHERS」が夏と秋に主催するシーバスダービー過去3年間全6回で4回入賞(優勝1回、準優勝1回、3位2回)