「MX-7S」カスタム、“MX-77S”で楽しむ富山の早春。「MX-PROGRESS」で広がる対応フィールド。

富山のフィールドテスター定廣です。

さて、今年の年始に発売された「MX-PROGRESS」というオプションパーツは皆さんご存知ですよね?

これはディアモンスターシリーズの共通バットとなるパーツで、殆どのモデルを延長することができます。

今回、将来的なロッド開発のレングス検証として、発売終了モデルで恐縮ですが「MSX-71」(「MX-7S」のリミテッド・トルザイトチタンガイド仕様。ブランクは同じで、フロントグリップは無し)に装着し、7フィート 7インチに延長して使ってみました(以下、適宜“MX-77S ”)。

以下、「MX-7S」をベースにしたカスタムの話として、お付き合いください。

まずベースとなる「MX-7S」というロッドについて軽く触れておきます。

このロッドは世界中の怪魚を狙う為に設計されたユニバーサルな汎用性を持ったロッドです。

国内においてもシーバス、バス、トラウト等様々な用途で使われています。

そんなナンデモロッド「MX-7S」ですが、全長7’4’’のレングスは、ショアのソルトシーンで使用するには少し短め。

ショアシーバスをメインに使用していましたが、良い部分もあれば快適ではない部分もあるというのが正直な感想で、例えばショートロッドを活かしたロッドアクションの操作性やストラクチャー狙いには優秀でしたが、足場の高いポイントや手前にストラクチャーが沈んでいるようなポイントは苦手でした。

また、どうしてもショートレングスによる飛距離不足も、状況次第では不利に働く場面もありました(これに関して、一般に「ショートロッド=飛距離が出ない」と言われるほど致命的ではありませんでしたが)。

さて、そんな中発売されたのがMX-PROGRESSシリーズ。

ディアモンスターシリーズに共通して使用できる、15cm延長「MX-PROGRESS15」と、30cm延長の「MX-PROGRESS30」と、長さでいえば2種類の延長オプションパーツが発売されましたが、今回はその短い方、15cm延長パーツ(の数あるプロトの1つ)を使用しての使用感をレポートいたします。

振り感としてはショートロッドらしい軽快さと操作性を持ちつつも、シーバスロッドのようなしなやかなテイストを持ち合わせており、「これはシーバスにドンピシャなのでは!?」と期待させてくれた感触でした……が、残念ながら最近シーバスが全然釣れてないので本命ではあまりテストできていない状況です。

ただ、シーバスのついでに色々な魚種が釣れるのが冬から春にかけての富山湾。

軽量ルアーを用いてのライトミドルゲームが楽しめるこの時期ならでは。

こちらは冬の定番、クロソイ。

7~9cmのシンキングペンシル、ミノー、バイブレーションとオーソドックスなシーバスルアーで反応させられる為、シーバス想定のテストにはもってこいなターゲットです。

富山では30cm前後がアベレージで、“MX-77S ”でも楽しめる(決して強すぎない)サイズ感。

ゴボウ抜き余裕なので手返し良く釣ることができます。

基本的にテトラ際での攻防になるのでレングスアップの恩恵を一番受けているように感じます。

ルアーも適正ウェイト内なのでストレスなく狙うことができますした。

こちらも定番、メバル。

クロソイと同様にプラグでは7~9cmのシンキングペンシルでよく釣っています。

このクラスのシンキングペンシルまでは“MX-77S”でも快適に扱えるかなといったところ。

ジグ単は7g程度までは快適に扱えるけれど5g以下になると飛距離が出なくなり、操作感がほぼなくなりますから、最低5g以上のジグヘッド+ワーム=7g以上くらいが、この竿の守備範囲かと思います。

サイズ的にも25cm以上からでないと全く勝負にならない(ロッドが強すぎる)ので、メバルメインのガチのライトゲームはこの竿の守備範囲からは外れる印象。

比較的大きめのプラグで大型を反応させられる富山のご当地パターン・ホタルイカパターンのような釣りであれば対応可能かと思います。

カマスはこの時期がサイズも数も最高潮。

回遊次第では30~40cmの脂の乗ったアカカマスが入れ食いになることも珍しくありません。

7~9cmのシンキングペンシルや7g前後のジグヘッドを用いたワーミングで狙えます。

ファイトは35cm以上からであれば、そこそこ楽しめる感触。

サイズが小さい時はゴボウ抜きで数を稼ぐのもそれはそれで面白いです。

こちらは「MX-PROGRESS15」の恩恵を、現在最も受けているターゲット。

回遊魚相手は飛ばしてナンボなので、レングスアップによる飛距離アップはチャンスを増やしてくれます。

続いては、プラグでのチニング。

この辺りからがロッドパワーに対してベストな範囲の印象で、ちゃんと曲がってドラグを使ってファイトできるターゲットです。

7~9cmのシンキングペンシルやミノーがメインなので、キャストもストレスなく快適にすることができますし、ショートレングスを活かしての夏のトップチニングにも良さそうな予感がします。

そして勿論、シーバス。

前回もレポートさせていただきましたが、寒い時期の富山ではマイクロベイトを捕食しているため小型シンキングペンシルをメインにワームやバイブレーション……とまあ前述のライトゲームと使うルアーはほぼ変わりません。

つまりシーバスを狙うつもりで釣りをしているだけで色んなゲストが遊んでくれるという訳です。

この時期のシーバスはサーフ、河川、港湾と出没範囲がとても広いのが特徴。

足場の高い所からゴロタ浜など色々なシチュエーションを撃って行く必要に迫られるケースも珍しくなく、そういった場合にショートレングスでは対応しきれないポイントがあったりもしますが、今回のレングスアップで対応できるシチュエーションはかなり増えたように思います。

以上、“MX-77S”(「MX-7S」リミテッド仕様を更にカスタム。「MX-PROGRESS15」別タイプ他使用)を五目ライトゲームでテストしての使用感でした。

オーバーパワー気味のロッドでは、ファイトこそ淡白になりがちですが、ある程度小型魚でも対応できつつ、不意の(というか本命の)シーバスにしっかりと対応できるロッドといった感じです。

レングスアップ前は苦手だった高い足場にも対応しやすく、非常に汎用性の高いソルトロッドになっているかと思います。

本命のシーバスでの使用感はもっと釣りこんで行きたいと思いますが、ベースモデルの「MS-7S」では相当数のシーバスは捕獲しているので、おそらく、いや間違いなく、かなり良い方向に働く状況が増える予感がしています。

発売開始&即完売してしまった「MX-PROGRESS」シリーズですが、鋭意増産・新タイプ追加も検討中と聞いておりますので、お楽しみに!

モンスターキスの地元・富山で、年間250日以上フィールドに立つシーバスジャンキー。身近に釣れる大型肉食魚というギャップ、非日常感に魅了され、そこに飽き足らず全国各地のシーバスを求め遠征。「自力で探し出す魚」を重視し、ノーガイド、ノー情報でアウェイの地を駆け巡る。過去3年の釣獲シーバス(全て岸釣り。ランカーは80cm以上)は、2022年309本/ランカー37本MAX100cm、2021年211本/ランカー32本、2020年216本/ランカー20本、北陸・甲信越地域に展開する量販店「FISHERS」が夏と秋に主催するシーバスダービー過去3年間全6回で4回入賞(優勝1回、準優勝1回、3位2回)