ノーガイドでレア魚を探す!台湾レンタカー釣行 〜コウタイ編〜

フィールドテスターの池尻です!


前回の「タナゴ編」に続き台湾釣行のレポートをお届けします!

「キビレタイワンタナゴ」を釣り上げた1月の釣行を経て、2024年2度目の台湾は5月、再び台北へとやって来ました。


今回は「Dear Monster MX-5S」をメインにライトタックルで淡水魚を狙う旅。


中でも大本命は小型スネークヘッドの「コウタイ(キャリコスネークヘッド)」です。

ペットショップでもよく見るコウタイ、実は日本でも外来種として定着している場所が密かにあるんです。


「でも、やっぱり原産国で探して釣りたいよな!」と、同行者と意気投合!

そんなわけで、レンタカーを使ったノーガイドでの台湾開拓釣行が再びスタート!

とは言え、本場に行けば簡単にコウタイが釣れるのか?と言えば、そう甘くはなさそうです。

理由のひとつとして、移入種であるストライプドスネークヘッド(プラーチョンやハロワンとも呼ばれる)によって、その生息地を奪われているとのこと。

実際、台湾は沖縄がかわいく見えるくらいの外来魚天国だからこれも納得。

加えて話をややこしくしているのが、ストライプドスネークヘッドとコウタイを区別していない地元民が多いこと。

コウタイは現地名で「七星鱧」と書く(『北斗の拳』みたいでカッコイイ)のですが、ストライプドスネークヘッドを釣り上げて「七星鱧が釣れた!」と言っている人が少なくないのです。

台湾在住であっても「リアル・コウタイ」を釣っているアングラーはそれほどいないのでは?という印象。

そんな状況なので、捜索にあたって「都市部は捨てよう」と同行者と意見が一致。

外来魚が人為的に放流されていない山間部であれば、コウタイが生き残っている可能性はきっと高いはず!

初日、レンタカーで一気に台北市内を離れ、まず日本人が来ないであろう山間部の湿地帯や水路をランガンしていく作戦。

やぶをかき分け、水路のブッシュの中に片っ端からルアーを投入していく途方もない作業の始まり……。

日本のライギョのイメージとはかけ離れていますが、コウタイの場合はこんな渓流シチュエーションも全然アリ。

いや、むしろ外来魚がいないであろうこんな場所ほど怪しいわけです。

しかし、初日、本命視していたエリアは撃沈!

陽も暮れかけて「やっぱ、そう簡単じゃねえなあ……」と悟った瞬間の1枚(笑)

でも、ハブに注意しながらも海外でこんな突撃釣行ができるのは、いざって時のインフラが整った台湾ならではかな?

ちなみに出発前、小塚さんにコウタイ探しの話をすると、「弟が学生時代に台湾でコウタイを釣っているから情報はある」とのこと。

が、そこはやっぱりお互い共通の温度感。

ポイントは事前に聞く気もないし、教える気もない(笑)

そう、目標はあくまで自力捜索!


コウタイ探しの途中、立ち寄った平野の用水路ではこんな魚も釣れました。

移入種ですが、レッドチークバルブ!

東南アジアのコイ科らしくアグレッシブでルアーにも好反応。

また、原産国で会いたいと思える良い魚でした。


そんな寄り道もしつつコウタイ探しは2日目へ。

3泊4日(最終日は実質半日)の日程なので、今日は勝負どころ。

意を決してGoogleマップで確認していた山中にある水辺を目指すことに。

同行者いわく「たぶん歩いて30分くらいで着きますよ~」という道のりを歩くこと2時間(笑)

辿り着いた場所は「いかにも」といった湿地帯。

「ジリさん、魚いる!」

と、足元の岩陰にいち早くライギョらしき姿を発見した同行者。

あっという間に1尾釣り上げます。

その魚は、コウタイか!?

それとも!?

「うおっー!! コウタイだ!!」

次は自分の番。

岸際に黒い影を発見し、すかさずジグヘッドにミミズをつけて投入すると、スッと飛び出してきて喰った!


やった!ネイティブのコウタイ!!

ペットショップで見るような派手さはないけれど、このワイルド感がいい!

写真を撮り終え、深呼吸して落ち着き、改めて水面を見てみるとアチコチで波紋が見えます

「えっ、めっちゃいるやん!(笑)」

さらに、薄いウィードベッドのエッジにもチラホラとコウタイの姿が。

ここは、”アレ”の出番!


投入したのは、半分ネタとして準備してきた重さ2gほどのマイクロフロッグ。


コレ、地元・関西でのタウナギ釣りに励んでいた頃、対タウナギ用フロッグ(なんじゃそりゃ!?)として小塚さんにいただいたもの。

伊藤テスターに特注して作ってもらったんだとか。

いま、ここ(コウタイ@台湾)で使わずしていつ使う!?


Dear Monster MX-5S」でキャストし、ウィードの上をチョンチョンと動かしていると、バシュ!

乗らなかった……。

でも、まんま日本的ライギョのマイクロバージョン。

これは楽しいぞ!


その後、何発かスカした後、とうとうマイクロフロッグでもキャッチ!


正直、釣り方を選ばなければいくらでも釣れそうな、まさにコウタイの楽園でした。

帰りはドシャ降りの雨の中、車まで徒歩1時間半。

運動不足なので途中で足もつってしまったけど、すべてむくわれて良かった!

さて、本命のコウタイをクリアし、あとはのんびりと……するわけもない我々。

食事は基本、サービスエリアかコンビニでサッと済ませて、残る1日半は台湾マシール(ホーランディカープ)狙いに。

自分は1月遠征時に大群を発見しながらルアーで攻めるも無念のノーキャッチ。

辛うじて、「MX-0」でチビを釣っただけで惨敗しました。

同行者も過去に釣ってはいるけどサイズが小さく、言わば2人とも”宿題”となっている魚です。

正直、台湾マシールに関しては釣りツアーのターゲットにもなるメジャー種で、実際、かなりの広範囲に生息。

見つけるのはイージーなのですが、釣り方なのかタイミングなのか、なかなかルアーで食わせるのが難しい。

コウタイとは対照的に都市部の大河川をいくつもランガンし、いよいよ帰国リミットが迫る最終日の昼、半ばヤケクソで「こんなところにいるか?」という激流にルアーを通すと一撃でヒット!


サイズは小さいけれど、立派なひげ。

見た目はたしかにマシールだ!

この場所で同行者もキャッチし、これにて旅は終了しました。

LCC利用可能、フライト時間の短さ、基本的なインフラの良さ、日本人に対する現地の方々の親切さ、そしてレンタカーを使い短期日程で周れる程よい大きさ。

言葉の違いはあれど、北海道や沖縄を攻める感覚で楽しめる海外釣行というのは魅力ですね。

外来魚や釣り堀もターゲットにすれば、ピーコックバスやバラマンディ、トーマンといったスターフィッシュにだって出会えます。


個人的には2度返り討ちにあっているこんな魚(上写真)もいたりして……また、来年2025年もぶらりと出かけてみたいと思っています。

長らくSOLD OUTになっていた“ゼロ”と“ワン”も、満を辞してアップデートらしいので!

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近畿地方在住。2センチのメダカから2メートルのピラルクーまで、そこに魚がいれば竿を出さずにはいられない釣りオタク。大人になり少しばかりの時間とお金を手にしてからは、小学生時代に作った「死ぬまでに釣りたい魚リスト」をコンプリートすべく、南米のピラルクー、北米のキングサーモン、アフリカのナイルパーチなど五大陸を旅する。海外遠征だけでも全21回、14か国を数えた。近年はオオサンショウウオに指を噛まれ、大怪我したのをキッカケに小物釣り(のべ竿)の世界にドハマリ。サイズや数以上に、とにかく「種」に重きを置いたスタイルは、ウルトラライトゲームへと拡大。マイナーすぎて価値が伝わらずとも、未だ見ぬ珍魚を求め釣り歩く。