タナゴ旅・新時代。国内コンプリートの”その先”へ。@韓国2023春。

フィールドテスターの池尻です!


2016年~2020年にかけて猛烈にハマったタナゴ釣り。

週末になると全国各地へ飛び回り、国内種をコンプリートして、これでタナゴ釣りというゲームは全面クリア……かと思いきや!

まさかの第2ステージが出現(笑)

そう、海外のタナゴ釣りです。

そもそもタナゴの仲間は中国や韓国、台湾、ベトナムなど広範囲に生息し、諸説ありますが60種類ほどいるそうです。

『ならば、行くしかない!』


というわけで、タナゴ旅・第2ステージのスタート地点に選んだのは韓国の南部。
韓国は比較的、鉄道網が発達していることから、まずは電車&徒歩の単独調査で挑みました。

ロッドはもちろん「Dear Monster MX-0」と「HUNTERS HT-26」がメイン。
念のため、かゆいところに手が届く「Dear Monster MX-1」も忍ばせます。
ランガン中は、ちょっとした小物やカメラも入る付属のロッドケースがすごく便利!

さて、事前情報として得ていたのは「釜山の西を流れる大河・洛東江にタナゴがいるらしい」というもの(ざっくりしすぎだろ)。

国内タナゴでの経験を活かせば何とかなると少しなめてかかったのですが……何ともなりませんでした(笑)


洛東江の本流は広大すぎるうえに釣り禁止区域&バスだらけです。
電車に1時間以上ゆられ都市部を離れ、支流を覗いてみても状況は変わらず。



日淡ならぬ”韓淡”として、ハスやオイカワの韓国種とは出会えました。
(これはこれで嬉しいですけど)

しかし、タナゴの繁殖に必要な二枚貝が生息できる底質ではなかったりと、どうも求めている環境ではありません。

Googleマップではわからなかったネガティブな情報が次々と飛び込んできて、絶望感が増していきます。

結果、3日間でタナゴの気配すらつかめず大撃沈!

とは言え、タナゴ探索は地図を塗りつぶしていく作業。
「そこにいなかった」というデータはとても重要で、確実にゴールへと近づいていくはず!
などと、自分をなぐさめながら帰国し、ぼんやりとネットリサーチをしていると……。

『なるほど、北部もアリだな!』

ソウル近郊ではタナゴ釣りの文化もあるようで、断片的ですが情報がポロポロと出てきます。
来週もなんとか連休は取れそうだし、これって、もしかして2週連続で行く流れ!?
だって、韓国って関西からだと沖縄より近いんですよ?(笑)

『でも正直、社会人としてどうかと思うので、ボウズだったら黙っておきます』

小塚さんだけにそう告げて、今度は同行者も誘って(圧倒的にポイント探しの効率が良い)強行リベンジへ!


降り立ったのは韓国の玄関口、仁川空港。
北部はソウルを中心にさらに地方まで鉄道が延びています。
今回もざっくりとタナゴが生息する水系を把握して、その支流にアクセスできる駅を目的地に設定しました。


やがて、2時間半の電車旅で到着したのは、こんな場所。
地元・関西で例えると、関西国際空港から大阪市内を抜けて、琵琶湖の北部あたりへ来た感じ?
直接、二枚貝の姿は確認できないけど底質は良さげ。
個人的にタナゴがいる環境の指標としているムギツクも群れています。

これは期待大!

しばらく川を覗き込んでいくと、岩の周りでチョロチョロと動く小魚の姿が。
見つけた!
あの動きは、間違いなくタナゴだ!


イージーに釣れる魚ではなかったですが、国内であらゆるシチュエーションのタナゴ釣りをして、その経験が活きました。
スローシンキング設定でエサを落とし込み岩の斜面に着底させると、1尾が拾い食い!

『キターっ!!』

親指ほどしかない小魚を釣って思わず絶叫!


見ると、アブラボテのようだけど、バラタナゴのような青いストライプが。
調べてみると、その正体はニセヨーロッパタナゴ!
しかも、黄金色の婚姻色をまとうのは、この地域特有なんだそうです。
いきなり、けっこうレアなタナゴを引いてしまったかも!?
和名が少し残念、でも素晴らしいタナゴでした。
(飼育や販売が規制されている貴重種だそうで、撮影後すみやかにリリース)

すっかりテンションも上がって、今度は流心に近い岩周りを見ていくと、やや大きめの魚影が。
他の魚を追い払う、あきらかにナワバリを持った繁殖期のオスの動きです。
仕掛けを入れると、これは、すぐに食ってきました。


チョウセンイチモンジタナゴ!
ボディはイチモンジ、ヒレはまるでタビラ。
しかも、婚姻色もバッチリ!

まあ、うまく行くときはこんなもので。
何よりも自分でポイントを探し、初めての種を手にした瞬間の喜び。
国内タナゴを終えて、もう味わえないかと思っていたその感覚が戻ってきた嬉しさ!

精神的余裕を得た2日目は、少し気が抜けてソウル周辺の近場をぶらぶら。


何の確信もなくランガンしていたら、ラッキーにも1種類追加できました。
タイリクバラタナゴ!
なんだ、タイバラか……と一瞬思ったのですが、よくよく考えてみたらコレってネイティブだよね?
(過去に台湾でも釣りましたが、そちらは移入だそうで)


タナゴのおまけで釣れたコウライオヤニラミもそうですが、日本に移入されている魚を原産国で釣ることに個人的価値を感じます。


というわけで、韓国北部釣行で出会えたタナゴは3種。
普通種のウエキゼニタナゴやボテ類は釣れず、逆にレアな方が釣れてしまうという面白い結果でした。
と、同時に電車旅の限界も感じたので、次はさすがにレンタカーかな?

相変わらずニッチすぎて、一般人はおろか釣り人ですら理解しがたい路線ではありますが(笑)
一応、天然ピラルクやナイルパーチを釣ってきた身として、これだけは断言できます。

『海外釣行の魅力は怪魚だけじゃない!』

究極の自己満足を求めて、タナゴ旅は続きます。

近畿地方在住。2センチのメダカから2メートルのピラルクーまで、そこに魚がいれば竿を出さずにはいられない釣りオタク。大人になり少しばかりの時間とお金を手にしてからは、小学生時代に作った「死ぬまでに釣りたい魚リスト」をコンプリートすべく、南米のピラルクー、北米のキングサーモン、アフリカのナイルパーチなど五大陸を旅する。海外遠征だけでも全21回、14か国を数えた。近年はオオサンショウウオに指を噛まれ、大怪我したのをキッカケに小物釣り(のべ竿)の世界にドハマリ。サイズや数以上に、とにかく「種」に重きを置いたスタイルは、ウルトラライトゲームへと拡大。マイナーすぎて価値が伝わらずとも、未だ見ぬ珍魚を求め釣り歩く。