怪魚&珍魚の向こう側……絶滅が先か?釣るのが先か? 沖縄の“幻魚”(げんぎょ)を狙う。

フィールドテスターの池尻です!

9月末に沖縄本島へプチ遠征に行ってきました。
多くのアングラーが想像するオフショアのマグロやGTではなく淡水域での釣り。
近年ハマっている、いわば沖縄釣行の裏ステージです!

街中でチャレンジできるテラピアやオオウナギから始まって、
ホシマダラハゼ、タメトモハゼと、次第にターゲットはよりレアに、高難度に。
とはいえ、2010年頃からの“怪魚ブーム”でチャレンジするアングラーも増え、このあたりまでは釣りのターゲットとして認知されてきた感があります。
自分が今夢中になっているのは、さらにその次のステージ。
釣りで狙う人はほとんどいない魚を追い求める遠征が続いています。

「必ず釣るぞ!」と決めた4種類のターゲットはすべて絶滅危惧種。
実際に探してみた感想としては「もう絶滅してんじゃね?」と疑うくらい見つからない(笑)

そんな中でも同じ志を持つ珍魚仲間とともに現段階でリュウキュウタウナギとタイワンキンギョをクリア!
今回は、残る2種を探す3日間の釣行でした。
(釣れるまで魚の名前は伏せておこう……)

持参したのは「HUNTERS HT-26」「Dear Monster MX-0」「Dear Monster MX-1」の3本。
沖縄なのになんという軽装備!

さて、到着後こそ好物のキングタコスを食べたものの、以降はコンビニのチキナーおにぎりでカロリーを確保しながら、レンタカーでひたすらランガンを繰り返していきます。
せっかく沖縄まで来たというのに美しい海を見ることもなく、蚊に襲われながら用水路を覗き込み、
泥に埋もれながらザブザブと川を遡上。

可能性を感じたり、あやしげな魚影が見えた場所では竿を出しますが、釣れてくるのはほぼ外来魚です。
そんなこんなで2日半、全釣果がこちら!

マズイ。
釣果を期待する旅ではないけれど、さすがにこれはマズイ。

というわけで、ラストは過去にタイワンキンギョを釣った湿地帯へ。
実はタイワンキンギョ、成熟していない個体は釣っているのですが、これぞ!という美しいアダルトなオスにはまだ出会えてなかったのです。
で、やって来たポイントはこんな感じ。

バスなら1ozテキサスをブチ込むレベルのヘビーカバーにタナゴ針を投入して、センチ単位のタナの調整と誘いを入れる、というムチャクチャな釣り。
以前、のべ竿で挑んだ際はこの特殊すぎる釣りにかなり苦戦したのですが、今回は「MX-1」がある!

そう、「MX-1」はラインを出し入れして大物ともファイトできることがフューチャーされがちなのですが、この手の釣りにおいては、竿先からのたらしを「短くできる」というのが最大のメリット。
カバーにティップを突っ込み、ロッドは固定したままラインの出し入れだけでタナを変え誘っていく戦法です。
すると、ソードテールの群れに混じって、ウィードの隙間に赤いヒレがチラチラ。
「いた!狙いのオス!」
2回掛け損ね、もう終わったかと思いましたが、まさかの3度目ありました。

おそらく最後のチャンスを無事ものにして、美しいオスのタイワンキンギョをこの手に!
これで、少しは沖縄まで来た意味があったかな?笑

ちなみに、このような“幻魚”(希少種)を狙う場合、納得の1尾が釣れてしまえば、ムダに数釣りやサイズアップを狙わずに竿を置く、というのをマイルールにしています!

絶滅が先か、釣るのが先か……。
まだ見ぬ2種を追い求めて、来年も沖縄本島へ向かいます!

近畿地方在住。2センチのメダカから2メートルのピラルクーまで、そこに魚がいれば竿を出さずにはいられない釣りオタク。大人になり少しばかりの時間とお金を手にしてからは、小学生時代に作った「死ぬまでに釣りたい魚リスト」をコンプリートすべく、南米のピラルクー、北米のキングサーモン、アフリカのナイルパーチなど五大陸を旅する。海外遠征だけでも全21回、14か国を数えた。近年はオオサンショウウオに指を噛まれ、大怪我したのをキッカケに小物釣り(のべ竿)の世界にドハマリ。サイズや数以上に、とにかく「種」に重きを置いたスタイルは、ウルトラライトゲームへと拡大。マイナーすぎて価値が伝わらずとも、未だ見ぬ珍魚を求め釣り歩く。