春を告げる宝石、「HT-26」で極美シロヒレタビラと出会う。

フィールドテスターの池尻です!
春ですね!
釣り人のみなさんは、それぞれに春を告げてくれる魚がいると思うのですが、自分の場合はこちらです。

シロヒレタビラ!
そう、タナゴです。
特に琵琶湖水系のシロヒレタビラは3月上旬から釣れ始め、
シーズン初期にも関わらずバキバキの婚姻色をまとっているので、これを釣れば「いよいよ春だ!」となるわけです。
にしても、この発色、凄くないですか?(もちろん色は無加工)

釣り上げた魚体を見て、
「背びれに乗ってるシロがヤバイわ~!」
「えっ、尾びれにもシロあるやん!? えぐっ!!」
と、大興奮したイッピキでありました!
まあ、マニアックすぎて意味不明だと思うのですが、とにかく美しいシロヒレタビラの中でも”極美”と呼べる魚だったのです!
あ、ちなみに使用したのは「HUNTERS HT-26」です(付け足しか)

というわけで、今回はどっぷりハマってしまったタナゴ釣りについて!

■国内タナゴ全種コンプリートは時間との戦いだった!!

さて、元はと言えば手のケガでしばしリールが扱えなくなり「のべ竿なら」と始めたタナゴ釣り。
最初は「老後の楽しみ見つけたわ」程度に思っていたのですが、やり込むうちに…。

・自力で生息場所を探し出すのがおもしろい(気づいたら10km以上も歩いている!)
・種類が多いからコンプリートしたい(東北から九州まで全国各地を飛び回らなきゃいけない!)
・絶滅危惧種だらけで保護種や天然記念物になりかねない(早く釣らないと釣れなくなってしまう!)

てな展開になりまして。
「老後の楽しみ」とか余裕をかましている場合ではなくなりました。
ここからは、もう時間との戦い!

釣ってもよいタナゴ在来13種(当時)、国内で定着する外来2種、全15種のコンプリートを目指し、
春と秋の婚姻色シーズン(種によって異なる)は毎週のように日本のどこかへ出かけて行ったのです。
そんなこんなで、ついにコンプリートを達成したのは、忘れもしない2020年2月8日のこと。

国内希少野生動植物種への指定で、2月10日から捕獲禁止になると決定した九州固有種のセボシタビラ。
これを2日前にギリギリ見つけて釣り上げ(年末のアマゾン滞在中にずっと熊本のGoogleマップ見てたなあ…)、
なんとか全種コンプリート!となりました。
本来なら一番ド派手な婚姻色を見せてくれるセボシタビラ。
しかし、真冬にたった1尾しか釣ることができず、本当の美しさを写真に残せなかったのがくやしくもあり、
なんだか少しエモくもあります(勝負に勝って試合に負けた的なやつ?)。

いずれにしろ、これだけコレクション性が高く、なおかつ「オスの婚姻色狙い」という果てしないやり込み要素もあって、
しかも軽装備&週末だけで開拓チャレンジ可能な釣りって、そう多くはないと思うんですよね。
しかし、このままではタナゴの住める環境は減る一方。
なので、これからコンプリートに挑戦しようという方は、今すぐ動くことをオススメします。

■タナゴの色をキープして写真を撮るには!?

タナゴ釣りをしていると「せっかく釣ったタナゴを美しく写真に残したい!」と思うわけですが、
だいたい発色は釣れた瞬間がMAXで、はかなくも時間と共に薄くなっていきます。

特にニッポンバラタナゴは秒で劣化していくので絶望感が凄かったりします。
MAXの発色を拝めるのは釣った者だけの特権としても、
写真を撮る段階でいかに色落ちを防いでいるかが勝負となります。
ポイントはズバリ!バッカンの使い方です。

理想は内側が黒くネット状のふたがついたもの。
暗い色は魚が落ち着きますし、釣りの最中はそのまま水中に沈めておきます。
こうすることで温度変化と酸欠を防ぎ魚のストレスが和らぎます。
その場に水草があれば、一緒に入れておくと、なおよし。
一度、色落ちしたタナゴを復活させる「色戻し」すら可能です。
ふたのついたバッカンは、水を張ることで容易に魚をキープ&コントロールできます。
カメラを準備する間や撮影が長引いて魚を回復させたい場合など、とても便利です。
特に夏場、高水温時の撮影は、ずっと器に入れているとすぐに弱るのでご注意を!

というわけで、楽しすぎるタナゴ沼。
長くなるのでまたの機会にしますが、タンゴコンプリートの”その先”も…。
みなさんもぜひ、この釣りにハマってみてください。
底無し沼でよければ、ですが。

近畿地方在住。2センチのメダカから2メートルのピラルクーまで、そこに魚がいれば竿を出さずにはいられない釣りオタク。大人になり少しばかりの時間とお金を手にしてからは、小学生時代に作った「死ぬまでに釣りたい魚リスト」をコンプリートすべく、南米のピラルクー、北米のキングサーモン、アフリカのナイルパーチなど五大陸を旅する。海外遠征だけでも全21回、14か国を数えた。近年はオオサンショウウオに指を噛まれ、大怪我したのをキッカケに小物釣り(のべ竿)の世界にドハマリ。サイズや数以上に、とにかく「種」に重きを置いたスタイルは、ウルトラライトゲームへと拡大。マイナーすぎて価値が伝わらずとも、未だ見ぬ珍魚を求め釣り歩く。