狂気のアンダー40gマルチピースロッド「Nude」を体験してみた。

フィールドテスターの池尻です。

今回は2022年バージョンが登場する「Morris Graphite Works×Monster Kiss」コラボのアルティメット・マルチピースロッド「Nude ND-53/510」について!
「Nudeってどんな竿?」と、気になっている方の参考になれば幸いです。

実は僕自身、初代2018年の「Nude」は購入を悩んでいる間に完売してしまい、テスター就任が決まった後、モンキス代表の小塚さんの私物(2018年モデル)を借りて使ってみている状態。
なので、使ってまだ3か月弱なんですが、「このまま永久に借りれないものかな?笑」というのが今の本音です(借りパクとも呼ぶ)。

まずは、ざっくりスペック(ロッドに表記のもの)を。

全長 : 5’10″/5’3″  ※ティップ交換式
適合ルアー : ZERO~3/16oz
適合ライン : PE #0.2

2022年の変更点はこちらを参考に。→ https://monsternet.base.ec/blog/2022/01/24/190000

この後に書いていきますが、初代からして相当に攻めた設計なはずで、1グラムの軽量化を常人がどこまで感じ取れるのか……。
それでも、アップデートしてくるロッドビルダーさんの職人魂は、もはやF1の世界に近いものがありそうです。

さて、スペックを見ればわかる通り、ライトゲームの中でも特に繊細な釣り、いわゆるアジングロッドのカテゴリーになります。
初めて手に持った時、ほとんどの人が発するであろう言葉は「軽っ!!」で決まりでしょう。

実測だと、5’10”モードで37グラム!

5’3”だと36グラム!

あれ?聞いていた自重よりさらに軽い?
まあ、いいか。

それよりも普段、’19ヴァンキッシュC2000SHGをセットしているのですが、まさかこのリール(145グラム)を重いと感じてしまう日が来るなんて……。
振ってみると、カリカリ、キワドイ……そんな表現がピッタリくる取り扱い注意のロッドだと一瞬で理解できます。
そう、この感覚は、ワンピースや2ピースの超高感度系アジングロッドでは確かに存在しています。
しかし、「マルチピースでこれが出来るのか!!」と。
たぶん、これこそが「Nude ND-53/510」で一番表現したかった部分で、実はとてもわかりやすいコンセプトのロッドなんですよね。

実際、市場にあるマルチピースのライトゲームロッドは、仕様用途的にも強度的にもこれほど尖がったセッティングはほぼしないはず。
もちろん、遠征等で多魚種を相手にするぶんには不満ないのですが、地元・関西での本気アジングでは通用せず、別に専用ロッドが必要でした。
しかし、この「Nude」。
間違いなく本気のアジングに使えるマルチピースロッドです!
(と言いつつ、竿をお借りした時点で地元の漁港アジングがOFFに入っており、アジの写真が全然ないという。笑)

でも、ここまでのレーシングスペックだと、普通なら使い道の限られる幅の狭いロッドになるんですけどね。
「Nude」は違うんです。

なぜなら、性質の異なる2本のティップがあるから!
これぞ、マルチピースの素晴らしさ。
マルチピースバンザイ!と叫びたいくらいの神仕様なんです。

まず、ショートティップを使うとレングスは5’3”。
先端までピンと張りのあるティップで、全長の短さもあってパツパツ感が全面に出てまいります。
入力した分だけルアーは動き、ラインを張った状態において最速で伝わるアタリを瞬時に掛けていく。
そんな、マニュアル感あふれるロッドの出来上がり。

ルアーの動きにメリハリがつくので、ジグヘッドをダートさせて根魚を狙ったり、シンキングミノーのトゥイッチなんかには良いかも。
硬いぶん上限ウエイト(5グラムくらい)のキャストにも安心感があります。

対して、ロングティップを使うとレングスは5’10”。
で、こちらは、若干”入る”ティップ。
たった2~3センチの遊び。
それが、どれだけ重要なのかはライトゲーマーならわかるはず。
0.5グラムのジグヘッドに受ける潮流、PE0.2号に受ける風圧、それらを”重み”として伝えてくれる優秀なティップです。

1グラムアンダーの超軽量リグにおいては、キャスト・操作感ともにこちらが快適で、トレブルフックを絡めて掛けていくプラグの釣りにも向いていると思います。

人間の反射神経が追いつかないトラウトの超ショートバイトに対してもティップが仕事をしてくれるから、自分がうまくなった気分になれるのも精神的メリットですね。
5’3”インチ仕様がマニュアルだとしたら、5’10”仕様はセミオートマってわけです。

各パーツが繊細なので、袋への出し入れや継ぎ目のチェックには普段以上に神経を使う(使ってほしい)けど、
「マルチピースでもここまで出来る!」というモンキスのチャレンジスピリット、良い意味での暴走が感じ取れるはずです。

と、ここまで長々と性能を説明してきたくせに一番の推しポイントは見た目のカッコ良さだったりします(笑)
ロッドの文字がすべてビルダーさんの手書きとか、軽く狂気すら感じるのですが。
なんせ、お酒が飲めない僕でも「眺めているだけで酒が飲めるわっ!」って思うほどカッコイイですからね。

最後に。
モンキス製品は丈夫だろうと思ってラフに扱うとマジで折れます!
F1でオフロードを走らないようにしましょう!笑

近畿地方在住。2センチのメダカから2メートルのピラルクーまで、そこに魚がいれば竿を出さずにはいられない釣りオタク。大人になり少しばかりの時間とお金を手にしてからは、小学生時代に作った「死ぬまでに釣りたい魚リスト」をコンプリートすべく、南米のピラルクー、北米のキングサーモン、アフリカのナイルパーチなど五大陸を旅する。海外遠征だけでも全21回、14か国を数えた。近年はオオサンショウウオに指を噛まれ、大怪我したのをキッカケに小物釣り(のべ竿)の世界にドハマリ。サイズや数以上に、とにかく「種」に重きを置いたスタイルは、ウルトラライトゲームへと拡大。マイナーすぎて価値が伝わらずとも、未だ見ぬ珍魚を求め釣り歩く。