幸せの青い魚は身近(日本)にもいる……“GIGAS”の本懐、国内生息純淡水魚の最大種に挑んだ11日間。

テスターの藤田です。

アフリカから帰国後、アオウオを狙って利根川にこもっていました。

古くからのディアモンユーザー氏の一匹から始まり、先輩・友人諸氏が道を示してきてくれたアオウオの世界。

計画を始めてから春を3回見送りましたが、ようやくこのタイミングで挑むことができました。

貴重な一発を絶対に捕らなきゃいけない。

いつも通り、準備は考えられることを、自分が思う完璧レベルに。

コツコツと整えてきました。

テントで泊まり込み、川を監視し続けること早10日。

その間、竿先やラインに出る生命反応は完全に皆無でした。

ザックリ流域をチェックした中で釣り人が殆ど来ない地域に腰を据えていたため、「これは、ポイント選択を見誤ったか……」と。

それでも、粘る以外の選択肢は僕の中にはありませんでした。

今年はダメでも、来年に繋がる。

最後までここでやりきろう。

「さすがに、ダメな気がするな」と思い始めた頃。

小春日和の11日目の夕方、仕掛けの投入位置で「ドッフォォ!!」と巨大なアオウオが尾鰭で水面を破りました。

ラインに魚が触れ、竿先に反応が出始めます。

直後、それまで一切なかった「触り」が数回あり、日没を迎え……。

23時半過ぎ、アタリを知らせるセンサーオン!

飛び起きて、竿に駆け寄ります。

手に取ると、鋭く頭を振っている感触が……きたぞ。

かじかむ手に喝を入れながら戦うこと20分。

ドラグを緩めにして、スプールを抑えながら少しずつポンピング、走り出したら一気に放出。

「暖簾に腕押し」戦法で、魚を怒らせないように……。

掛かってからの事を最重視してポイントを選び、頭の中でシュミレーションを繰り返していたため、落ち着いて戦うことができました(ヒザは震えていましたが、笑)。

空気を十分吸わせて腹を横に向け大人しくなったところで、自作のチューブストリンガーでエラ通しして確保。

遂に、手にしました……!

出社前、無茶して写真を撮りに来てくれた古田テスター。

ほんとうにありがとう。

彼のプロデュースするロッド(のグリップ周りを既存モデルと互換してカスタム)で出会えた事も含め、一生忘れることのない一匹となりました。

<タックル>

ロッド:「MGX-∞S」(プロト)+ 「MX-9S」ブランク

リール:ステラ20000/シマノ

ライン:バーマックス石鯛22号(キャパ150m)/バリバス

ノーラインブレイクで手にすることも、今回こだわった視点。

優先順位を「釣れる場所」(先人の実績場)よりも、自分の装備・経験を考慮して「獲れる場所」を上位に置いて、粘り抜いた。

ゆっくりと川に帰っていくアオウオを見送って、僕の利根川籠城は、これ以上ない形で幕を閉じました。

アオウオから始まる「コイに恋する旅」、加速させていきます!

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幼少期から魚類に興味を持ち、6才で釣りを始める。バス釣りに熱中していた中学時代に小塚と武石が開設していたホームページと出会い、“怪魚”の世界に強い憧れを抱く。大学進学を機に北海道に移住、稚内から与那国島まで、アジアからアフリカまで、国内外を釣り歩いた。サクラマスの研究で大学院を修了、その後も北海道に残り、トラウトやロックフィッシュなど北の大地の釣りを楽しみながら、世界への旅を軸に据えた生活を送っている。