「どのロッドに一番思い入れあります?」
私自身、店頭イベントなどでいただく質問ですが、
即答で、
「“ロクプラス”、です!」
と、言い切るほどに自分の右手といっても差し支えのない1本になっているのが「DearMonster MX-6+」。
実際、これまで手にした魂が震え上がるような魚、思い出はコイツ無しではあり得なかったと、言い切れる。
上写真、19lbsピーコック(サバ読まずしっかり測ってます)を筆頭に、
ボルネオ島での野生の“青龍”、アジアアロワナ(移入種や、オセアニアのサラトガじゃないよ)だったり、
南米での、タライロンも。
実際にボートのデッキには「MX-6+」を2本並べることもあるくらい、それほどに重宝している。
ただ、私の欲は底知らず、実はコロナ禍前から開発に着手していたロッドがあった。
それが、満を持して発売になります「DearMonster MX-6Pro」です。
スペックは
Length:5’10”ft
Power:ヘビー
Action:レギュラーファースト
Lure capa:10~120g
Line capa:~PE6号
Leader capa:~120lb
Weight:165g
継数:5
仕舞寸法:50cm
ワタシ、ヨシダの勝手を放り込み、開発を進行していましたが、ようやく完成。
いやはや……「MX-6+」で十分と思っていたのに、通えば通うほどに、飽きるどころか欲を深め、結果このロッドを創るに至る。
ソレほどに南米大陸は釣りの魅力が尽きない、楽しいぜ南米、危ないぜ南米。
立ち位置としては「MX-6+」のパワーアップバージョンであることを前提にスタート。
パワーを2段階ほどアップさせ、「MX-6+」で扱い切れないサイズ(~100g程度)のルアーの操作性キャスタビリティ、サイズアップした魚や急流でのファイトへの対応力をアップ。
コレらのルアーのキャストからアクションをカバーできることを目的に開発。
同時に重視したポイントは“「MX-6+」から持ち替えても違和感が出ないこと”
細かく触れていこう。
コロナ以前、増水フェーズに入りかけたアマゾンにチャレンジした。
ビッグスイッシャーにアタックしてきた良型のアスー全てがブッシュに巻かれ、勝負にならなかったことがあった、悔しすぎた。
こんなサイズがやっと……トップスピードでアタックしてくるそのファイトは、日本で言うならヒラマサに近い。
経験のある人は理解してもらえると思うが、アマゾン豊かといえど大型魚のチャンスはそう多くはない。
「挑むからには獲りたい」、その思いはムツムツと肥大化。
単純にロッドパワーをアップするだけでは全体のバランスを崩してしまい、1箇所に負荷が集中してしまうことは過去に経験済み。
場合によってはその負荷は体、特に手首~肘にかかり、釣りを継続できない。
ハイパワー、使用感、強度、コンパクトさ……これらの両立となると、ロッドブランクのみならず周辺パーツの設計も含めて再設計、使い回しは無い。
実際テスト段階で、各パーツのセッティングは変更を繰り返し、実際ブランクは作り直してます。
私自身、南米でのキャスティングゲームに関してはもはや“スポーツ”としての側面で捉えている部分が少なからずで向き合っているからこそ、ここはシビアになっていたところ。
釣れたら良いなじゃない、釣りたい。
レングスこそ「MX-6+」と意図的に揃えているけれど、ブランクスは勿論、グリップの形状、ガイドサイズ、バランスどりまで新設計。
ティップ周辺〜トップガイドのサイズを「MX-6+」の6mmから、「MX-6Pro」では7mmにアップし、太糸に対応。
ブランクも強化し、重量バランスを整え、手にかかる負担を分散するためリールシート&グリップを延長&大型化(TCS16→TCS17)重心を手元に寄せることで、重量感を相殺している。
ディアモンスターらしく無い(?)湾曲ないコルク形状、太径設定も……すいませんヨシダ仕様となってます。
体格の良い方、手の大きい方はもちろんですが、そうでない方も、フィールドで投げれば「なるほど、これはこれで」と納得いただけるはず!
「MX-6Pro」は「MX-6+」の単純なパワーアップ仕様ではない、血筋同じくしても使い所は異なる。
私自身、ボートデッキ上には2~3本のロッドを置くことが多く、状況やルアーに合わせ高頻度で持ち変えます。
違和感や重心バランスのバラつきはキャストミスにつながると考え、「MX-6+」から、「MX-6Pro」に持ち替えた際のバランス感、キャストフィールの違和感を取り、タックルを持ち替えてミスキャストを徹底して抑えることを狙った。
せっかくの大遠征、キャストをトチっての実釣時間をロスは極力抑えたい。
過去様々なフィールドに出向いてきたが、良い思いもしたけど、散々悔しい思いもしている。
だからこそ、私自身、道具には徹底して求めてしまう。
自身の技量、精神力が限界まで追い込まれたその時、どうしても道具に信頼を求める。
迷いある道具を使いたく無い。
だからこそ、それに応えてくれる“ロッド”には絶対の信頼を置くし、そんなロッドが欲しかった。
それが「MX-6Pro」だ!
コロナ禍、これ幸いテスト時間が稼げた。
地元北陸から、東京湾、飛行機に乗って北海道まで、日本津々浦々。
さまざまな釣りでテストを繰り返し……
小塚のあのイトウも、「MX-6Pro」(プロト)での一尾!
コロナ禍の日本でのテストだけで、「問題無い!」といいきれるレベルまでには仕上がった。
が、どうであっても自身の手で海外での使用感の最終確認、魚を手にしてからユーザーさんの手に渡したい。
この思いだけはどうしても譲れず、だからこそ発売時期を2023年まで伸ばしてきました。
小塚は私より一足早く海外へ、アジアの激流、現地アングラー垂唾のセバラウ70アップで“確認”。
2023年1月、満を辞して、私も3年ぶりの海外へ。
「『MX-6Pro』なら、ココっきゃない!」と南米アマゾンに向かうことに。
ブラックウォーターの炸裂を想像し、血潮湧き立ち感情が溢れかえりそうだった。
出迎えてくれたたネグロ川は、何故か、水温が下降。
タフコン故にチャンスが多いとはいえなかったものの、当初の狙い通り、ブッシュに巻かれたアスーも引きずり出し、
IGFAメジャー下置き、しっかり測って80cmジャスト!(大雨でカメラがエラー発生…動画から切り抜いてます)。
安定傾向の強いBKF175R2、マグネット重心移動系“ミノー”を、ショート&ストロングなロッドで“ジャークベイト”に変えて食わせたカショーロ。
ハードジャークで、通常キャスト時にしか離れないウェイトをマグネットから外す……設計者すら意図しないアクションを、作る!
「MX-6Pro」だからこそのアクション……狙い通り、コレだ、コレ。
こと特に60~90g程度の使用感が抜群に良い、連日の釣りでも負担を抑えてルアーを投げ続けれる。
想定通り、狙い通り、期待通り。
ハードジャークの合間、エサでのぶっ込み釣りなんかにもそのまま対応できるパワー。
今回は釣れなかったけど、想定外の大型ナマズががかかっても、この竿ならなんとかなる……らしい(その辺は小塚の経験が根拠)。
期待を裏切らない、自信をもってオススメできるロッドに仕上がった。
自分自身、現状持ちうる経験を、知見、想い、全てをつぎ込んだロッドだと言える。
が、出来上がって完成じゃない。
2023年、いよいよ海外に飛び出せる環境が戻ってきた、このロッドが活躍してくれるシチュエーションが眼に浮かぶ。
バラマンディ、パプアンバス、スヌーク、ドラド、タパー…数えきれない!
遠征を夢見て望む者の武器になってくれる1本、いよいよ受注開始です!
ヨシダ