“怪魚ハンター”小塚拓矢のオススメ釣魚図鑑/「MRX-6」“珍魚”編

モンキス代表、“怪魚ハンター”の小塚です!

RETURN TO ORIGIN2025 “原点回帰”もラストスパート、まずはディアモンがなかった時代(〜2012年)の旅路で出会ったオススメの釣魚たちを大陸ごとに、後半ではIGFA世界記録をベースに、オススメのターゲットをまとめてみたいと思います。

まだまだ新たに釣ってみたい魚がいるので、現状“再会”は未定。自分の代わりに是非、MRXでの釣果報告をお待ちしてます!

・・・・・・・・・・・・

「MRX-6」のオススメの釣魚は、50cm1kg前後の“珍魚”たち。 “怪魚”(1m10kg)、“怪物”(2m100kg)に対応して、個人的には“珍魚”と呼んでいます。うちオススメとなると、何かしら尖った部分、個性があるがある魚……美しい体色だったり、珍しい生態だったり。分かりやすいのが、日本に生息していないのに和名がついているような魚(デンキナマズ等)でしょうか。そんな何かしら“推し”のある釣魚を一挙紹介です。

南米大陸

小〜中型ピーコックバス、オスカー、パイクシクリッド類、ピラニヤ類、ホーリー類、パイクカラシン類、、パクー類、ブリコン類 等

南米大陸の“珍魚”、筆頭は中・小型ピーコックバス類。現地で「フォーゴ」と呼ばれる中型ピーコックバスなどは代表種。“FOGO”のルーツもここに。大型種含めピーコックバスは2025年現在16種記載されていますが、類縁のシクリッド類、オスカーやパイクシクリッド等を含めれば……数え上げたくないですね(笑)。南米大陸でシクリッド属と双璧をなす多様化した一族が、カラシン類。分かりやすいのがピラニヤ類ですが、人気の最大種タライロンの影に隠れたホーリー類も多種多様、パイクカラシン類も小さもカッコイイプレデター。

雑食魚に目を向ければパクー類やブリコン類……意外と繊細な釣りが求められ、食べても美味しい。現地人に釣魚として人気なのは、むしろそんな雑食性カラシンたち。コイ科魚類の在来しない南米で、いわば“美味しいヘラブナ”のポジションを確立。果物1粒をキャストしたり、トウモロコシ1粒をノーシンカーフォールさせて使うことも……そんな時のためにスピニンググリップ付属です。

北米大陸

バス類、クラッピー類、ウォールアイ、小型ガー類 等

北米大陸にはバス類だけでも一時14種(近年8種に統合)。類縁のサンフィッシュ類のうち、比較的大型種だけでもクラッピーにロックバスなど……その他、ウォールアイなど牙魚、小型ガー類など古代魚も豊富。メキシコ以南、中米地域にはシクリッド類も出現。グァポテ、ジャガーシクリッドなど。

ユーラシア大陸

アスプ、パーチ、レノック、グレーリング、中型スネークヘッド類、グラミー類、中型ナイフフィッシュ類、ケツギョ類、カワヒラ類

ユーラシア大陸、西欧ヨーロッパから極東アジアへ。スズキ目のザンダーやパーチ、コイ科のアスプなど。トラウト類は広く内陸部まで分布、中央アジアにはグレーリンングやレノック。インド以東ではラアナバンテッドの仲間達、ライギョ類やグラミー類。トラウトのいない東南アジアの渓流にはマハシール類が進出。ナイフフィッシュ類も好敵手。東アジアではソガリ等のケツギョ類に、カワヒラ(スカイゲイザー)等コイ科フィッシュイーター各種……使用感、パワー感ともL〜Mパワーの2ピースのバスロッドで十分楽しめる魚等ですが、旅に持参する必ずと言っていいほどバットガイド(シングルフット)は曲がってしまうのがお約束でした。

アフリカ大陸

小〜中型シクリッド類、小型ラテス類(バーチカルジギング)、ポリプテルス類モルミルス類、デンキナマズ

アフリカ地溝帯の湖には“生物多様性の揺り籠”と評されるほど、多種多少な固有種のシクリッドが進化。スピナーを巻き、サビキを沈めれば、飽きることがないでしょう。タンガニーカ湖ではアカメ属も4種に種分化し、小型種はジギングの好対象(自身初のバーチカルジギングが、タンガニーカ湖でした)。コンゴ川にミミズを沈めれば、モルミルスやポリプテルスなど、古代珍魚たちが顔をみせてくれます。当時最新鋭の4ピース、スピニングのモバイルロッドを長期旅に持参したのもアフリカでした。

オセアニア・オーストラリア大陸

パシフィックターポン、ハマギギ系キャットフィッシュ類、オーストラリアンバス、イエローベリー等

オーストラリア大陸・オセアニア地域は、“珍魚”の少ない地域とイメージしていいでしょう。一次淡水魚は古代魚(アロワナ類&ハイギョ類)が数種生息するだけ、コイやナマズ、ライギョ類といった、にぎやかに種分化する魚族がほぼ在来していません(塩水耐性が高いハマギギ系のナマズが少々)。「MRX-6」にオススメのターゲットとなると、先述のハマギギ系キャットフィッシュや、パシフィックターポン。日本ではナマズ=水面爆発のイメージかと思いますが、世界的に見てトップに出るナマズは極めて稀少、その中でオセアニアのハマギギ系キャットはトップの釣りが楽しい貴重な存在です。よく引く割に小型ルアー(明確にポッパー)を好むパシフィックターポンは、釣り味は一級。おまけになりますが、アジア産スネークヘッドも移入定着しており、(結構どこでもそうですが)移入種は在来生息地で釣るよりもラクに大型個体が釣れる印象があります。……オーストラリア大陸には、淡水適応したスズキ目の魚に面白い珍魚が多いので、2012年以後モンキス製モバイルロッドによる釣果ですが例外的にここで紹介します。

筆頭はその名もまさに、オーストラリアンバス“マイクロパプアンバス”とでも呼びたいスーティーグランターや、美しい体色のイエローベリーなど。日本でいうシマイサキの類の魚が淡水に適応進化しており、積極的にルアーを追うので「MRX-6」で狙って楽しい相手だと思います。

ディアモン登場(2012年)以後

以上に写真を挙げた経験(オーストラリア大陸のみ例外)を経て、2014年に『Dear Monster』シリーズ3本目のとしてリリースさせてもらったのが「MX-6です。シリーズ1本目の「MX-71」(2012年発売)と2本目の「MX-8」(2013年発売)は仕舞寸法90cmでしたが、MX-6」は最初から仕舞寸50cm。作ってみて実感した、旅での圧倒的快適性。以後「MX-71」と「MX-8」は、50cm仕舞寸「MX-7」(2014年発売)、「MX-∞」(2015年発売)へとモデルチェンジし、それに伴い互換径(近く別記事にまとめます)構造が採用されて、2025年現在に続く『Dear Monster』の礎が完成しました。下のデンキウナギは「MX-6」のブランクスに「MX-7」のグリップを合わせて手にした、“互換”による海外初釣果……嬉しかったなぁ。

実際に「MRX-6」と同じブランクス、2014年の発売の「MX-6」による自身の釣獲した魚を思い返すなら、特記すべきははバーチカル用途。自身淡水最深魚(70m台)のフロントーサ、水上家屋からのワラゴアッツーのエサ釣り、氷原でのバーボット等でしょう。比較的短かいレングス、ディアモン唯一のレギュラーテーパー(曲がる特性)から、真下に落とす釣りが予想される旅に持参する機会が多いです。

バーチカルの次は、スピニングモードでの用途。ロープ屑のみ釣り針無しに拘ったロングノーズガーや、極小フロッグでのスピニング・ライギョ(ライヒー)、パプアではテッポウウオも「MX-6」で。軽いものを遠投したいが、ロッドパワーもある程度欲しい状況(ゲストに大物が混じる等)でオススメします。

小魚と戯れたり、大魚の活きエサ確保に真剣に釣り続けている、そんな時に、大きな“怪魚”までヒットしてしまうのが海外。「1m10kgの“怪魚”がヒットしてもなんとかキャッチするために必要な最低限の強さが、このくらい」として作った「MX-6」。結果、5〜15g前後のルアーを投げて楽しい、50cm1kg前後の魚を釣って楽しいパワー感に着地しています。

あらためて、標準的な用途(ベイトリール)で。小〜中型ピーコックバスには、その短めのグリップエンドと相まって、カヤックや小型ボートからの釣りに適性が高め。

こうして2015年段階でピーコックバス全15種釣覇(当時)を達成、学生時代以降とにかく心の赴くままに旅を続けてきましたが、「“怪魚”とは多様性を釣り愛でること」という旅する理由、サイズや数の次のステージとして「“種”を釣る」という価値観を言語化できたのは、「MX-6」この竿あっての事だったかなと思っています。

今年2025年春には、コロナ禍に記載された16種目の新種ピーコック(キクラ・カタラクタエ※右下)をキャッチ、あらめて16種全種釣覇にアップデート

新種のキクラ・カタラクタエ、最大魚を引き寄せたのも「MX-6」(グリップエンドは「MX-55」に互換して気持ちパワーアップ)。「MRX-6」もブランクス自体は通常モデル「MX-6」同じですので、詳細スペック等は「MX-6」の販売ページを参考になさってください。

IGFA世界記録( 10kg未満)

以下、「MRX-6」に適した魚種を、IGFA世界記録(2025年時点)をベースに紹介します。

以下は「MRX-6」で最大級が掛かっても何とかなる、できればもう1段強い「MRX-7」なら安心というIGFA世界記録10kg台(20kg未満 10kg以上)のターゲットです。 小さい方から挙げていくと、ラージマウスバス(10.12kg)、ボルネオグラミー/カロイ(10.21kg)、ウォールアイ(11.34kg)、バーボット(11.40kg)、パイクパーチ/ザンダー(11.48kg)、バーボット(11.40kg)、ピーコックバス・テメンシス種(13.19kg)、トーマン(13.61kg)、アークティックチャー(14.77kg)、タライロン(14.95kg)、イトウ(15.00kg)、ギンザケ(15.08kg)、シロザケ(15.87kg)、ザンペジタイガー(16.10kg)、オオウナギ(16.36kg)、ビワコオオナマズ17.20kg、パヤーラ(17.8kg)、カットスロートトラウト(18.59kg)、ワラゴアッツー(18.6kg)。この辺が「MRX-6」で狙う上限とお考えください。

IGFA世界記録10kg以下となるとキリがないので、主だったものを。今度は大きい順に上げていけば、ボウフィン/アミア(9.75kg)、カムルチー(9.53kg)、セバラウ(6.8kg)、シルバーアロワナ(6.58kg)ブラックアロワナ(2.27kg)等々……。

中型スネークヘッド類は完全に“沼”。コブラスネーク(IGFA世界記録7.03kg)タイワンドジョウ(IGFA世界記録3.02kg)など……多くが「MRX-6」にオススメのサイズ感です。2025年は巳年、スネークヘッドに関しては年内に別レポートで図鑑を作って踏み込んで紹介したいなと思います。

その他、アメリカはフロリダに本部を置くIGFAはアメリカ人やヨーロッパ人からの記録申請が多いようで、 割といいサイズのターゲットであったとしても、アジアやアフリカ等の地域には記録申請自体が無いターゲット(アムールパイク、サザンサラトガ、アジアアロワナ、ダトニオ類、ブルーマハシール、等)も数多く生息します。

そんな中で、今後自分が「『MRX-6』で近いうちに」と考えているのが、“アフリカの孔雀”たち。南米のピーコックバス(Cichla属)同様のサイズ感で、釣って楽しく見て美しく食べて美味しい魚達が種分化しています。

クピ/ジャイアントタンガニーカシクリッド(IGFA世界記録2.94kg)もその1つ。ピーコックバス全種釣覇、その更に先へ……真に“未だ見ぬイッピキ”を求めるなら、多用するのは「MRX-6」かなと思います。

最後に。以下は2012年以降に置き針等のロッド&リール以外の釣り方で手にした魚たちですが、今後「MRX」シリーズで再会できたらなぁと思っている珍魚たちです

南米大陸では淡水エイ各種。ポルガドットスティングレイなど、むしろ鑑賞魚界隈で有名な魚たちは、釣魚としては最高レベルの美珍魚。アフリカ大陸は大型ポリプテルスやハイギョ類、ヘテロティスなど古代魚の宝庫。ポリプテルスビキールビキール、プロトプテルスエチオピクスなど最大種から挑みましたが、いざやってみて、今後類縁美種にはロッド&リールでやりたいなと思いました。大から小まで、全世界的に生息するナマズ類も、「MRX-6」でミミズ、「MRX-7」で切り身、「MRX-∞」で小魚1匹掛けのイメージで、隙間時間や、旅の夜長を楽しませてくれることでしょう。

「MRX-6」以上のサイズ感、世界記録10kg以上30kg未満のターゲットは「MRX-7」の釣魚図鑑レポートで。

さらに上のサイズ感、IGFA世界記録30kg以上のターゲットは「MRX-∞」の釣魚図鑑レポートでまとめさせていただいたので、興味のある方はどうぞ。

・・・・・・・・・・・・・

以上、「再会の機会があれば『MRX-6』で遊びたいなぁ」というオススメ釣魚を一挙紹介させていただきました。

50cm1kg程度の“珍魚”を狙って遊ぶ際、もしかしたら1m10kgの“怪魚”が掛かるかもしれない、いざ掛かったら絶対手にしたいという状況で痒い所に手が届くのが「MRX-6」です。

参考にしていただけたら幸いです。

<関連ページ・レポート>

株式会社モンスターキス代表。怪魚(巨大淡水魚)を追いかけ、これまでに世界56か国を釣り歩く。物心つく前から魚(釣り)に熱中し、30年以上経った今日も継続中。北陸・富山に生まれ育ち、小学4年時にキジハタからルアー釣りを開始、中学・高校時代はバス釣りに熱中。大学進学以後は「今しかできない釣りを。遠くから行こう!どうせなら大物を狙おう!」と世界の辺境を目指した結果、いつしか“怪魚ハンター”と呼ばれ、それが仕事になり、旅は今も続いている。著書多数、近書に「怪魚大全」(扶桑社)。剣道3段。趣味はハンティング(鉄砲)